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オープン戦 巨人vs西武 雑感 (2016年3月20日)

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いよいよオープン戦も残り2試合となり、読売ジャイアンツは埼玉西武ライオンズを相手に金曜日から始まる公式戦に向けた最終調整を行う。

 

読売ジャイアンツvs埼玉西武ライオンズ

【先発オーダー】
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【G野手雑感】

①片岡治大
1、中低めスライダーを引っ掻けてショートゴロ
2、外直球を空振り三振
3、外直球を引っ掻けてサードゴロ
4、内スライダーを空振り三振

久しぶりの一番だったが、内容・結果ともに残念の一言だった。

 

②重信慎之介
1、外直球を引っ掻けてセカンドゴロ
2、中センター前ヒット
3、中スライダーを泳いでサードゴロ
4、中直球を空振り三振

久しぶりにヒットを放ったが、他の打席に関しては粘りも無く完敗だった。

 

③長野久義
1、中直球を空振り三振
2、中スライダーを捉えてライトスタンドへHR 打点2
3、外直球を捉えて左中間二塁打
4、外カットボールをバットの先でショートゴロ

状態は確実に上昇傾向にある。
去年はフェンス前で失速していたライト方向の打球が、今日はフェンスを越えていった。
他の打席も彼らしいリストの効いたバッティングが出来ていた。

 

④ギャレット
1、中スライダーを打ち上げてセンターフライ
2、内直球を差し込まれてファーストゴロ
3、中スライダーを打ち上げてファーストフライ
4、内スライダーを詰まってレフト線二塁打

やはり左投手に対しては、ボールを迎えにいってしまうので、スイングが遠回りになっている。

 

⑤クルーズ
1、中直球を打ち上げてセカンドフライ
2、中低めチェンジアップを空振り三振
3、外直球を捉えてショートゴロ

現状、相手バッテリーにとっては、外の低めにボールを集めれば「安パイ」の状態にある。
上半身が突っ込んでいるので、得意な入ってくるボールも捌ききれていない。

 

→吉川大幾 (守備のみ出場)

 

→堂上剛裕
1、内カットボールを詰まってセカンドフライ

 

⑥阿部慎之助
1、肘に死球
2、中直球を打ち上げてセンターフライ

 

→小林誠司
1、外スライダーを空振り三振
2、外スライダーを見送り三振

 

⑦大田泰示
1、中チェンジアップをバットの先でピッチャーゴロ
2、中低めチェンジアップを空振り三振

 

→亀井善行
1、内直球を捉えて右中間スタンドへHR 打点1

久しぶりにバットのヘッドが「スパッ」と抜けた。
このバッティングを中堅・若手が見せてくれると嬉しいが。。。

 

⑧村田修一
1、内直球を差し込まれてショートフライ
2、内スライダーを引っ掻けてサードゴロ
3、内直球を差し込まれてライトフライ

昨日よりも内容は悪くなってしまった。
甘い直球をあれだけミスショットしてしまうと、チャンスは無くなる。

 

⑨岡本和真
1、中スライダーを打ち上げてセンターフライ
2、内スライダーを見逃し三振
3、内直球を詰まってレフトフライ

解説者の指摘通り、バッティングに全く「間」が無くなってしまった。
彼の最大の長所だったが、現状は消えてしまっている。

 

【G投手雑感】

☆ポレダ 4回3安打1失点 奪三振4
140キロ中盤のフォーシームと140キロ前後のカットボールを軸に、スライダーを織り交ぜて打者を討ち取っていた。
今日はメヒアに一発を浴びたが内容も結果も良かった。

今キャンプ・オープン戦の評価も去年よりは確実に上がっている。
何よりマウンド上で落ち着きを感じるし、どの球種も制球力が上がってるのでカウント球にも苦労していない(前回はツーシームも良かった)

又、走者を一塁に置いた場面でも、冷静なマウンド捌きで打者へ集中しているし、クイックに関しても去年と比べて簡単にスタートをされないように工夫されてる(但し、ペナントレースに入れば他球団も癖を研究してくるので、不安が全く無いとは言えない)

そして、最も変化を感じたポイントは、ピッチングに無駄な力みを感じないこと。
去年は80球を超えた辺りで球威が落ちていたが、今のようにストライク先行で楽に投げていれば、100球を超えても急激に球威は落ちないと思う。

個人的には打線の援護次第では二桁以上の勝ち星が期待できるし、菅野と共に貯金を作れる投手になる可能性を十分に感じている。

 

→高木勇人 3回3安打1四球2失点 奪三振1
140~147キロの直球とスライダー・カットボールを軸に、フォーク・カーブ・ショートを投げていた。
ボールの切れに関しては、これまでのオープン戦の中では一番良かったが、一方でカウント球が相変わらず高めの甘いコースに集まるので、手痛い長打を食らってしまった。

今キャンプ・オープン戦を通じての評価は、ボールのスピード感と切れに関しては日を追う毎に良くなっていたが、今日のように直球がシュート回転したり、スライダーが抜けて真ん中高めに浮くケースが少なくないので安定感が乏しい。

正直言って、今のままでは二桁勝利は厳しいと思し、年間通してローテーションを守る事さえも難しいかもしれない。

 

→矢貫俊之 1回6安打4失点
140キロ前後のフォーシーム(135キロ前後のツーシーム)とフォークを軸に、カーブとスライダーを織り交ぜていた。
今日は直球も変化球も切れがなく、フォークを使う前の段階で痛打されてしまった。

長身から投げ下ろす直球とフォーク、そして大きく曲がるカーブは魅力的だが、今の球威のままなら低めにボールを集めないと厳しい。

 

→澤村拓一 1回2安打0失点
140キロ中盤のフォーシーム(140キロ前半のツーシーム)を軸にフォークを投げていた。
今日はフォーシームの直球がシュート回転するケースが多く、左打者には捉えやすいボールになっていた。
又、現段階でも彼のボールはまだまだ調整途上なので、本来の彼の姿には程遠い。

個人的には、去年は一年間休まずにブルペンに入ってくれたので、今季の彼には交流戦辺りから調子を上げてくれれば良いと思っている。

 

【試合結果】

123456789
西 武1000200407
巨 人0002001003

バンヘッケン、C、C、リー、高橋朋、増田
ポレダ、高木、矢貫、澤村

 

【試合総評】
ここ数試合の内容と結果を見て、巨人ファンの多くは不安を感じたと思う。
特に解説者はリリーフ陣を問題視していたが、筆者が感じていたのはそこではなかった。

去年からずっと書き続けてる事だが、巨人打線は「振れない打者」が多い。
今日の試合を見ても、残念ながら西武打線と巨人打線を比べると、スイングスピード(鋭さ)に大きな差を感じる。
西武打線は少々タイミングが外れても「最後までしっかりスイングしてる」が、巨人打線は全体的に「合わせにいくスイング」が多い。
一言で表すのは少々乱暴だが「結果を求め過ぎるあまり、育成段階でバッティングを小さく纏めてしまってる印象」が強い。
逆に言えば「実戦的なバッティングをする選手」が多いかもしれないが、巨人の中堅・若手の打者が一軍で結果を残せないのは、この部分が大きな原因と見ている。

まあ、これについては前体制の責任であり、スカウトの責任でもあるが、勝ちに拘ってきた結果(三連覇)に関しては、我々Gファンも十分に満足させてもらったので、今更文句は言えない。
但し、その弊害も間違いなくあるし、これを短期間で変える事は出来ないので、新体制の元で数年かけて新しい打線を構築していくしかない。

ただ、ここまでの岡本や重信の使い方を見てると、高橋監督は相当我慢強い。
インタビューなどでは「勝つ事」を最優先に考えていると語っているが、高橋監督の頭の中には数年後のビジョンもしっかり頭に描いていると思うし、打撃部門には内田コーチが今季から一軍の担当になり、ファームの巡回コーチとして新たに就任した田代コーチのサポートも期待できる。
又、井端コーチは内野守備走塁コーチという肩書きだが、由伸監督の良き相談相手でもあり盟友なので、彼の助言も大きいだろう。
恐らく数年後には井端コーチはヘッド格になると思うので、名実ともに二人で近未来のジャイアンツを作ってくれると信じている。

開幕前に決して口にしてはならない言葉かもしれないが、今の巨人が置かれてる様々な状況を考えると「今季はかなり厳しい結果が予想される」
しかし、筆者は「泥をかぶってくれた二人」を決して見捨てずに、最後まで覚悟を持って応援し続けていく。

以上 敬称略