「新旧のスピードスター」の活躍で凡戦を制する! 広島vs巨人 (4月1日)

「新旧のスピードスター」の活躍で凡戦を制する! 広島vs巨人 (4月1日)

DeNAとの三連戦を勝ち越して、更に波に乗っていきたい読売ジャイアンツは、広島東洋カープと週末の三連戦を行う。

 

【先発オーダー】
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【試合経過と雑感】

☆一回表
・長野 ライト前ヒット
・立岡 空振り三振
・坂本 左中間三塁打 →一塁走者が生還

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・ギャレット ショートゴロで三塁走者が本塁で憤死
・クルーズ センター前ヒット
・亀井 セカンドフライ

※巨人が一点先制

カープ先発の岡田はドラフト前から高く評価していた投手なので、この試合の投球を特に注目していた。
しかし、立ち上がりの彼は手探り状態で投げていたので、巨人側から見れば序盤から一気に畳み掛けるチャンスは十分にあった。

しかし、結果的には坂本の三塁打による一点で終わり、結果論になってしまうが攻撃が噛み合っていなかった。

 

★一回裏
・田中 レフトフライ
・菊池 センター前ヒット
・丸 ファーストファールフライ
・ルナ 左中間スタンドへHR
・エルドレッド ライト前ヒット
・新井 見逃し三振

※広島が逆転し一点リード

巨人先発高木の立ち上がりは、相変わらずボールが高めに集まっていた。
菊池のヒットは少し浮いたスライダーを拾われ、ルナのHRはフォークが抜けて巧く捉えられてしまった。
どちらのボールもコースは間違っていないが、彼の球威では低めに集めなければ厳しいし、特に追い込んだ後の勝負球が甘くなる傾向が多い。

 

☆二回表
・村田 二遊間ヒット
・小林 ライトフライ
・高木 四球
・長野 センターフライ
・立岡 ワイルドピッチで走者は二塁と三塁に進塁 →セカンドゴロ

この回の岡田はリリースポイントがバラバラで、軸となる直球とスライダーが決まらず、カウント球で苦労していた。
しかし、巨人打線はランナーを出してから一本出なかった。
ボール先行で仕方なく投げた真ん中直球に対して、小林は差し込まれてライトフライ。
長野は直球待ちだったが、初球のカーブに手を出してセンターフライ。
立岡に至っては、ここまでの二打席は全くタイミングが合っていなかった。

 

★二回裏
・天谷 三遊間ヒット
・會澤 一二塁間ヒット →一塁走者は三塁に進塁
・岡田 ボークで三塁走者が生還、一塁走者は二塁へ進塁 →送りバント失敗(キャッチャーファールフライ)
・田中 空振り三振
・菊池 ファーストフライ

※カープが一点追加、二点差でリードする

この回も高木は「詰めの甘さ」で連打を許し、自らボーンヘッド(禁止されてる三塁偽投によるボーク)で追加点を許してしまった。
この時点ではカープの一方的勝利も十分に考えられたが、田中と菊池を抑えて何とか最少失点で凌いだ。

 

☆三回表
・坂本 四球
・ギャレット センターフライ
・クルーズ 三遊間ヒット
・亀井 四球
・村田 セカンドゴロ併殺打

この回も岡田は制球を乱して、ワンアウト満塁という最大のピンチを迎えたが、ここから開き直る事が出来て、村田に対してアウトローに質の高い直球を投じてダブルプレーに討ち取った。

対して、村田も決して悪いバッティングではなかったが、やや直球に差し込まれてセカンド正面へのゴロになってしまった。

 

★三回裏
・丸 ファーストゴロエラー
・ルナ ワイルドピッチで一塁走者は二塁へ進塁 →セカンドゴロ →二塁走者は三塁に進塁
・エルドレッド 四球
・新井 セカンドゴロ併殺打

味方のエラーと自身のワイルドピッチでピンチを迎えたが、ここから開き直って小林の要求通りに投じる事が出来ていた。

最終的には四球になったエルドレッドに対しても「ボール球で誘って三振を奪えればラッキー」という狙い通りの投球が出来ていたし、新井を併殺打に討ち取った場面も完璧な投球内容だった。

一方でカープ側の視点で考えると、相手のミスによって生まれたチャンスだったので、ここで一本出ていれば試合の主導権は完全に自軍に引き寄せることが出来たが、追加点を奪えなかった事が、このあと試合がもつれた原因に繋がった。

 

☆四回表
・小林 キャッチャーファールフライ
・高木 空振り三振
・長野 セカンドゴロ

三回裏にカープがチャンスを逃した事で、試合の流れが再び巨人に傾きかけていた。
そして、先頭の小林に対して岡田は制球を乱し、3ボール1ストライクのカウントになったが、次の高めのボール球(直球)に手を出して打ち上げてしまった。

勿論、スイングする事は決して間違いではないが、結果論で考えれば「痛い」キャッチャーフライだった。

 

★四回裏
・天谷 ファーストゴロ
・會澤 空振り三振
・岡田 空振り三振

この辺りから、小林の配球が冴えてくる。
決して単調にならずに、内外と高低を広く使って打者に的を絞らせていなかった。

 

☆五回表
・立岡 ライト前ヒット
・坂本 センターフライ
・ギャレット セカンドゴロ →一塁走者は二塁へ進塁
・クルーズ センターフライ

立岡は前の二打席に関しては全くタイミングが取れていなかったが、ここでキッチリ修正してきた。
この辺りに彼の成長を感じる。

 

★五回裏
・田中 ライトオーバー二塁打 →ライトが処理をミスして三塁に進塁
・菊池 ショートゴロ
・丸  レフトフライ
・ルナ 四球
・エルドレッド 空振り三振

先頭の田中に長打を許し、ノーアウト三塁という絶対絶命のピンチになったが、高木と小林のバッテリーは攻め急がなかった。
菊池と丸を討ち取った後に、ルナに対して真正面から攻めずに、内と外にボールを散らして「あわよくば」という配球で攻めた。
その後のエルドレッドの状態をしっかり頭に入れた小林のリードは冴えてたし、それに応えた高木の制球も見事だった。

 

☆六回表
・亀井 ライトフライ
・村田 ショートゴロ
・小林 空振り三振

この回に入っても、岡田の投球内容はそんなに良くなかったが、巨人打線は捉えきれていなかった。

 

★六回裏
・新井 レフト前ヒット
・天谷 ファーストゴロ
・會澤 ショートフライ
・岡田 見逃し三振

高木は、先頭の新井にヒットを許したが、後続の打者を落ち着いて討ち取った。

広島側の立場で考えると、天谷に送りバントという選択肢もあったが、八回ジャクソン・九回中崎に繋げる前の投手に苦しんでいるので、岡田を続投させる事を優先させた。
勿論、岡田の前にランナーが貯まれば代打を出すとは思うが、天谷・會澤がチャンスメイク出来なかったので岡田にそのまま打たせた。

 

☆七回表
・大田 ライト前ヒット
・長野 ライトフライ
・立岡 ショートファールフライ
・坂本 レフト前ヒット
・ギャレット 一二塁間ヒット →二塁走者が生還、一塁走者は三塁へ進塁

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※ここで広島は二番手ジャクソンに交代

・クルーズ サードゴロエラー →三塁走者が生還
・亀井 ショートゴロ

※巨人が二点を返して同点にする

広島側の視点で考えると、先頭打者の大田に対して完璧に攻めていたが、最後の詰めが甘くなって出塁を許してしまい、これが非常に勿体なかった。

その後の長野と立岡は上手く討ち取ったが、坂本に直球を完璧に捉えられた時点で「岡田は限界」だったと思うし、左腕の良いリリーフ投手が居れば躊躇なく交代させたと思う。
結局、ギャレットに対しても岡田を続投させたが、タイムリーを打たれてジャクソンに交代した。

そして、ルナの同点エラーについては、去年の動きを考えたら十分に予見出来る事だったので、彼を三塁で使っていれば覚悟しとかなくてはいけない。

 

★七回裏
※巨人は二番手山口に交代

・田中 セカンドゴロエラー
・菊池 サードゴロ内野安打
・丸 レフトライナー →二塁走者が飛び出してアウト
・ルナ ショートゴロ →ショートの悪送球とファーストが後ろに逸らして一塁走者は三塁へ、バッター走者は二塁へ進塁

※ここで巨人は三番手田原に交代

・エルドレッド ショートハーフライナー

この回も巨人側の守備の破綻で、思わぬ形で広島にチャンスが生まれたが、自分達にもミスが生まれて無得点に終わってしまった。

一方で、山口は不運と幸運が同時に訪れたような登板だった。
丸には良い当たりを飛ばされたが亀井のビッグプレーで事なきを得て、他の打者は完全に封じていたが、野手のミスと内野安打という形で出塁を許してしまった。

しかし、そのピンチも田原が断ち切り、得点を許さなかった。

 

☆八回表
・村田 空振り三振
・小林 セカンドゴロ
・堂上 空振り三振

ジャクソンのスライダーと直球のコンビネーションに、手も足も出なかった。

 

★八回裏
※巨人は四番手マシソンに交代

・新井 空振り三振
・天谷 レフトフライ
・會澤 空振り三振

マシソンも直球とスライダーが低めに集まり、三者凡退で封じた。

 

☆九回表
※広島は三番手中崎に交代

・長野 センターフライ
・立岡 レフト線二塁打
・坂本 レフト前ヒット →二塁走者は三塁へ進塁 →坂本は二塁へ盗塁成功
・ギャレット ファーストゴロ野戦 →三塁走者は生還

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・クルーズ 二遊間ヒット →二塁走者は三塁にストップで満塁
・亀井 センターフライ
・村田 サードゴロ

※巨人は最終回に一点勝ち越す

長野は凡退したが、立岡と坂本が理想的なチャンスメイクで、四番のギャレットにお膳立てした。
この打席のギャレットのバッティングについては、個人的には非常に評価が高い。

正直言って、直前の見送り方を見ていたら、最後に内角へ直球を投げられたら手が出ないと思っていたので、そのボールを何とか当てて前に飛ばした時は「やるなあ~」と思わず唸った。
この選手は、これから打つ打たないは別として「非常にクレバーな選手」という感想をあらためて強く思った。

しかし、その後の亀井と村田に「もう一本」でなかった事が、この試合を大きくもつれさせる事に繋がった。

一方で、中崎についてはオープン戦から本調子には遠いと思っていたが、まだまだこれからのようである。
彼も元々夏場に調子を上げるタイプなので、去年は登板過多気味だった事を考慮すれば今は致し方ないと見るべきだろう。

 

★九回裏
※巨人は五番手澤村に交代

・西川 サードゴロ
・田中 右中間三塁打 →セカンドの悪送球で生還
・菊池 空振り三振
・丸 空振り三振

※カープも土壇場で同点に追い付く

澤村はこのスプリットだけ「落ちなかった」
彼はこのボールを投げる前に小林のサインに二度、首を振ったが、恐らくブルペンで調整していた時からスプリットが良かったので、自ら選択したんだと思う。

そして問題の中継ミスは、解説者が語っていたように、澤村のベースカバーの位置に問題があった。
勿論、クルーズの悪送球にも非があるが、ギリギリのプレーだったのである意味仕方がない。

それよりも、田中の見事なバッティングと走塁を称賛すべきだと思う。

 

☆十回表
※広島は四番手今村に交代

・小林 見逃し三振
・片岡 三遊間ヒット →二塁へ盗塁成功
・長野 ライトフライ
・立岡 左中間三塁打 →二塁走者が生還
・坂本 四球 →坂本
・吉川 ショート内野安打 →三塁走者が生還

※今度は巨人が土壇場で二点のリードを奪う

片岡がヒットで出塁し、警戒されるなかで盗塁を決めて、巨人側に流れが大きく傾いた。
今季はここまでチャンスが少ないが、出場すればクルーズとは違った味を出してくれる選手で、巨人にとって貴重な戦力である事は間違いない。

そして決勝三塁打を放った立岡には「お見事」の一言しか思い浮かばない。
その前の長野が凡打に終わって、嫌なムードになりかけていただけに、余計に彼のバッティングが際立った。

そして、ダメ押し点になった「吉川のしぶといバッティング」も大きかった。
今年も彼にはこのような球際の強いプレーを期待したい。

 

★十回裏
※巨人は六番手土田に交代

・ルナ センター前ヒット

※ここで巨人は七番手戸根に交代

・野間 ライトフライ
・小窪 セカンドゴロ併殺打

土田がルナにヒットを打たれたが、巨人ベンチは想定内だった。
直ぐに戸根にスイッチして後続を断ち、巨人が接戦を制した。

 

【試合結果】

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
巨 人 1 0 0 0 0 0 2 0 1 2 6
広 島 2 1 0 0 0 0 0 0 1 0 4

高木→山口→田原→マシソン→澤村→土田→戸根
岡田→ジャクソン→中崎→今村

勝 澤村2勝3S
S 戸根1S
敗 今村1敗

 

【試合総評】
どちらもミスが多く、凡戦といえる内容だったが、最後は投打ともに「手持ちの駒」が上回っていた巨人が勝利した。

そんな中で、筆者が感心したのは小林のリード(配球)だった。
初回のルナの一発も狙いは間違っていなかったし、それ以降も投手陣を巧みにリードし、相手打者に的を絞らせていなかった。
澤村が同点打を浴びた場面も、小林は別のボールを要求していたが、それに首を振った澤村がフォークを要求して打たれてしまった。

話は少し本題から外れるが、筆者はプロ野球を見るときに毎回行っているのが「配球を読むこと」で、これは筆者の趣味に近い。
過去に某球団のスコアラーから色んな話を聞いたが「プロの配球」は本当に奥が深い。
勿論、配球パターンにも「セオリー」は有るが、それは「絶対的な正解」という訳ではないし、「セオリー」とは裏を返せば相手に読まれる可能性も高いわけで、その為にも時にはセオリーとは真逆の配球も必要になる。

又、この話を聞いた時は本当に面白かったが「キャッチャーの配球には癖があって、ピンチになればなるほど、その癖に沿った配球になる」という事。
それと指導者(バッテリーコーチ)の癖もあるらしく、そこから見えてくる傾向もあるらしい。

さて、話を小林に戻すと、ぶっちゃければ去年まで小林の配球は「読みやすかった」し、癖になっていた「攻め方のパターン」もハッキリ出ていた。
筆者は過去の記事の中で、彼の「攻め急ぐ傾向が多い」点を問題視しているが、この「攻め急ぎ」が小林の弱点になっていた。
そして、そこから見えてくる彼の配球の癖が明確にあった。
今年も開幕第二戦の終盤にリリーフ陣が打たれた場面は「その傾向が如実に現れていた」が、それ以外に関しては「読めないケース」が本当に多くなった。

勿論、それは投手の力量で変わってくるので、例えば超一流の菅野や、絶対的な球威がある一方で持ち球(球種)が少ないポレダなどには、「配球」というよりも投手の長所を全面に出す事が重要になる場合もある。
しかし、先日の田口や、この試合の高木へのリードは、去年までの配球パターンとは全く違っていた。

この試合はバットでは全く良いところがなかった小林だが、キャッチャーとしては十分活躍したと思うし、開幕からここまでの試合を見れば「正捕手として確実に階段を上っている」と筆者は思っている。

以上 敬称略