「ホンモノ」になった立岡宗一郎! 広島vs巨人 (4月3日)

「ホンモノ」になった立岡宗一郎! 広島vs巨人 (4月3日)

三カード連続の勝ち越しを狙う読売ジャイアンツだが、一勝一敗で迎えた広島東洋カープとの第三戦は延長十二回の死闘となった。

さて、その試合を振り返る前に、昨日はブログを更新しなかったので、土曜日の試合を簡単に触れていく。

 

~4月2日 広島vs巨人~

【試合結果】

広 島 3−0 巨 人

対広 島:1勝1敗0分

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
巨 人 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
広 島 0 0 1 1 0 1 0 0 X 3

勝ち投手黒 田 2試合 2勝 0敗 0S
負け投手田 口 2試合 0勝 1敗 0S

 

【投手リレー】
巨人 田口→小山→戸根
広島 黒田

 

【試合総評】
この試合は黒田に尽きると思うが、一方の巨人打線にも問題があった。
適切な表現ではないかもしれないが「巨人打線が黒田をリスペクトしすぎてる」と感じた。

まず最初に気になったのが、巨人打線は黒田の動くボールを過剰に意識してしまってるきらいがある事。
球種では絞れない投手なので、なかなかフルスイング出来ないのは理解出来るが、若いカウントではもう少し強く振る意識を持って欲しい。
実際にカウント球で真ん中近辺にカットボールを集めるケースが多かった。
このボールを狙ってフルスイングする場面を何回か作れば、バッテリーはもっと慎重になっていた筈で、球数も間違いなく増えていたと思う。

二つ目は、特に右打者は逆方向の意識が強すぎる事。
確かに動くボールには有効な策かもしれないが、これ一辺倒では百戦錬磨の黒田・石原バッテリーの思う壺である。
二人はセカンドゴロを意識的に打たせているように筆者には思えた。

さて、Gファンの間で物議を醸してる「八回表・ノーアウトランナー1・2塁で小林に送りバントを命じた場面」については、個人的には「賛成」の立場である。
八回に二点奪えば最終回は間違いなく中崎が出てきた筈で、監督の考えの中で「第一戦を見て、中崎なら”最終回に一点は奪える”という手応えがあったからこそ」の判断だったと思う。

勿論、結果は最悪の形になったので批判は避けられないが、筆者は高橋監督の”勝負勘”を支持したい。

 

~4月3日 広島vs巨人~

【先発オーダー】
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【試合経過と雑感】

☆一回表
*長野 キャッチャーファールフライ
*立岡 レフトフライ
*坂本 見逃し三振

立ち上がりの福井は素晴らしかった。
低めに変化球をキッチリ決めて巨人打線を封じていた。

 

★一回裏
田中 センター前ヒット
*菊池 セカンドゴロ
*丸 ピッチャーゴロ
*ルナ 盗塁成功で一塁走者は二塁へ →四球
*エルドレッド サードゴロ

一方で今村は、先頭の田中にいきなりヒットを打たれ、その後のピッチャーゴロで自身の悪送球によって併殺が取れなかったり等、精神的に落ち着いているようには見えなかった。
しかし、エルドレッドをチェンジアップで仕留めた事で落ち着きを取り戻した。

 

☆二回表
ギャレット センター越えHR
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*クルーズ ファーストゴロ
*堂上 空振り三振
*村田 セカンドフライ

(巨人が一点を奪い先制する)

この回の福井はギャレットを過剰に警戒してボール先行になり、甘く入った直球を一発で仕留められた。

ギャレットのバッティング内容については、今のところ何の文句もない。
勿論、内角高めという弱点はあるが、ここを打てたら今でもメジャーに残ってる筈で、その弱点に関しても、今はボールの見極めが良いので簡単には手を出していない。
又、低めの変化球も我慢出来てるので、ボール先行になるケースが多くなってる点も高評価の一因である。

 

★二回裏
*新井 空振り三振
*天谷 ファーストへのセーフティーバント成功
*會澤 ライト前ヒット →一塁走者は三塁へ進塁
*福井 バントを空振りした際に三塁走者が飛び出しアウト →空振り三振

新井を翻弄して波に乗りかけた今村だったが、天谷にセーフティーバントを決められ、會澤に完璧な形で繋げられてしまい、再び大ピンチを迎えてしまった。
しかし、ここでカープにミスが生まれて彼を助けてしまった。

福井のバント空振りは、個人的には想像しがたい(プロとして恥ずかしい)プレーだった。

 

☆三回表
*小林 セカンドゴロ
*今村 レフトフライ
*長野 ピッチャーゴロ

福井は初回の投球とは真逆で、突然「逆球」が多くなってきた。
二回にギャレットを迎えた辺りから、この傾向が如実に現れ、この回も三者凡退で討ち取ってはいたが、内容的には良くなかった。

 

★三回裏
*田中 ファーストゴロ
*菊池 ライト前ヒット
*丸  空振り三振
*ルナ ショートゴロ

一方で今村の方は、ワンアウトから菊池にヒットを許したが、この回は全体的に腕の振りが良く、ボールの切れも制球も素晴らしかった。

 

☆四回表
*立岡 ファーストへのセーフティーバント成功
*坂本 レフト越えHR
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*ギャレット ライト前ヒット
*クルーズ ライトフライ
*堂上 空振り三振
*村田 センターフライ

(巨人二点追加で三点のリード)

まだまだ不安定な投球を続けていた福井に対して、先頭の立岡が絶妙なセーフティーバントを決めて、直後の初球を坂本が完璧に捉えた。

その後、ギャレットにもヒットが生まれて、一気に畳み掛けるチャンスだったが、後続の打者が福井に「完敗」だった。

この三連戦を見て気になるのが、右投手との対戦では五番クルーズから七番村田までが全く機能していない事。
特にクルーズと村田は投手側から見れば「弱点がハッキリしている打者」なので、ピンチで彼らを打席に迎えても、バッテリーがプレッシャーを感じている雰囲気は殆どない。

亀井が六番に固定できれば、前後を任せられてる二人のバッティングも変わってくるとは思うが、決して調子が良いとは思えない大田や堂上では下位打線の貧弱さは否めないし、ここ数試合、巨人打線が「ダメを押せない最大の要因」になっている。

 

★四回裏
*エルドレッド センターフライ
*新井 ショートゴロ
*天谷 レフトフライ

味方が追加点を奪い、今村は益々投球リズムが良くなっていた。

 

☆五回表
*小林 ショートゴロ
*今村 ショートゴロ
*長野 セカンドゴロ

長野は本当に「読めない打者」である。
ここまでの三打席の内容を見て、次の打席から三打席連続ヒットを放つとは全く想像出来ない。

 

★五回裏
*會澤 ショートゴロ
*福井 セカンドゴロ
*田中 死球
*菊池 四球
*丸 左中間二塁打 →一塁と二塁の走者が生還

(ここで巨人は二番手の田原に交代)

*ルナ 四球
*エルドレッド センターフライ

(広島が二点を返し、巨人のリードは一点)

この回も先頭の會澤を討ち取った時点で、今村はスイスイと勝ち投手の権利を得ると思っていたが、田中に投じたスローカーブが死球になった事で、試合の流れが大きく変わってしまった。
菊池に対する投球は全く腕が振れていなかったし、急に球威も制球も落ちてしまった。

筆者にもどうしてなのか全く理解できないが、このように「一球で別人になってしまう姿」を見せられてしまうと、仮にそこまで無失点で抑えていても、首脳陣の信頼度は上がってこないだろう。

そして、二番手として急遽登板した田原も調子は良くなかった。
フォームの躍動感も無かったし、ボールの切れも制球も良くなかった。
エルドレッドの大飛球は、巨人ファンの誰もがヒヤリとした。

 

☆六回表
*立岡 ショート内野安打
*坂本 センターフライ
*ギャレット 一塁走者が盗塁失敗 →四球
*クルーズ ピッチャーゴロ

福井は相変わらず甘いボールが多かったが、巨人の各打者がミスショットしていた。
又、巨人ベンチも思い切った策を取ったが裏目に出てしまった。

 

★六回裏
*新井 空振り三振
*天谷 セカンドゴロ
*會澤 四球
*福井 セカンドゴロ

一方で広島打線も続投した田原を捉えきれずに無得点に終わる。

 

☆七回表
*堂上 セカンドゴロ
*村田 センターフライ
*小林 センター前ヒット
*大田 ライトフライ

残念ながら堂上・村田・大田の打席は失望感しか残らなかった。
内容があまりにも乏しい。。。

 

★七回裏
(巨人は三番手の戸根に交代)

*田中 四球
*菊池 送りバント失敗
*丸 センターフライ
*ルナ レフトフライ

戸根の最大の課題は、この試合のように先頭打者に出塁を許すケースが多い事。
特に四球で出塁させる事は致命傷になりかねない。
この試合では相手のバントミスで助かったが、もっと上のレベルを目指すのであれば「アドレナリン全開で投球する」だけでは通用しない。

 

☆八回表
*長野 レフト前ヒット
*立岡 ピッチャーへの送りバント →悪送球で打者走者は二塁へ、一塁走者は三塁へ進塁
*坂本 レフトフライ
*ギャレット センターフライ
*クルーズ セカンドフライ

相手のミスで試合を決める絶好のチャンスが生まれたが、クリーンアップにタイムリーが出なかった。

これで試合の流れは一気に広島側に傾いた。

 

★八回裏
(巨人は四番手の山口に交代)

*エルドレッド 空振り三振
*新井 センター前ヒット
*小窪 セカンドフライ
*會澤 レフト線二塁打 →一塁走者が生還
*下水流 空振り三振

(広島は一点返し同点に追い付く)

交代した山口の調子は悪くなかったが、一度傾いた流れは簡単には変わらない。
同点打の場面は、外角低めを狙ったショートが真ん中に入り、一発で仕留められた。

 

☆九回表
(広島は二番手の中崎に交代)

*吉川 見逃し三振
*村田 センターフライ
*小林 センターフライ

中崎は第一戦よりも制球は良かったが、ボールの切れは良い時と比べるとまだまだ物足りない
この回は下位打線の攻撃だったので三人で終わったが、個人的には九回裏を凌げば十分に攻略のチャンスが生まれると思っていた。

 

★九回裏
(巨人は五番手の小山に交代)

*田中 センター前ヒット
*菊池 ピッチャーへの送りバント成功 →一塁走者は二塁へ進塁
*丸 敬遠四球
*ルナ サードゴロ併殺打

「小山の登板」には、巨人ファンの誰もが驚いたと思う。
まず、マシソンの体調に異変が生じていない事を前提にすると、これはあくまでも推測だが、試合前から首脳陣は「この試合でマシソンを使わない」と決めていたと思う。
つまり「休肩日」を作ったという事かもしれない(又は先発に回る為の休養日である可能性も否定しない)
それなら打順と試合の流れを考えれば、一番失点する可能性が高い九回裏にあえて小山を投入した意味が解る。

巨人にとって一番拙いのは、やや登板過多になってる澤村を起用して負けてしまうケースで、小山には申し訳ないが、言わば「捨て石」に近い一手だったと思う。
仮に九回裏にサヨナラ負けするとリリーフ陣のダメージは最少限で抑えられる訳で、たとえ試合に負けたとしても澤村を休ませる事は、次カード以降を考えればプラスになる。
逆に抑えてくれると、十回表の巨人の攻撃は打順的には大いに期待できるので、ここで勝ち越して最後に澤村を投入するという青写真だったと思う。

これらはあくまでも筆者の「推測」に過ぎないが、仮にこの通りだとしたら尾花コーチの戦術眼には脱帽するしかない。

さて、その小山は先頭の田中にヒットを許し、続く菊池に送りバントを決められたが、これは巨人にとっては非常にラッキーだった。
菊池の打席で小山は大きく制球を乱して、ボールが先行して四球を覚悟する状態になっていたが、菊池はあっさりバントをしてくれた。

これで小林は「この回をゼロで終らせるチャンスが出てきた」と思った筈で、筆者も同様の感想だった。
それは、続く丸を歩かせて「ワンアウトランナー1・2塁でルナから併殺打を奪う」という形である。
小山のフォークが打者のベルトより下に落ちれば、右打者は引っ掻けてしまう可能性が高いし、ルナは振り回さないで「当てに行く打者」なので、この狙いにハマりやすい選手と言える。

そして結果は、巨人側の思惑通りになった。

 

☆十回表
*大田 空振り三振
*長野 センター前ヒット
*立岡 死球
*坂本 四球
*亀井 ショートライナー
*クルーズ 空振り三振

広島側は打順を考えたら九回裏で絶対に勝負を決めたかった筈だが、それは叶わず中崎が続投した。
しかし、前の回よりも明らかにピッチングの精度が落ちてしまい、ワンアウト満塁という絶対絶命のピンチを迎えてしまった。

ここで巨人側は切り札の亀井を起用して試合を決めにかかったが、ショート正面のライナーに倒れてしまい、続くクルーズもフルカウントから最後は空振り三振に終わり、得点には至らなかった。

 

★十回裏
(巨人は六番手の澤村に交代)

*エルドレッド ショートゴロ
*野間 ショートゴロ
*小窪 センター前ヒット
*會澤 レフトフライ

巨人ベンチは十回表に勝ち越して、澤村を投入して試合を終わらせる構想を頭に描いていた筈だが、得点出来ずに彼を同点で登板させる展開になってしまった。
そして、この時点で「澤村のイニング跨ぎ」は確定して、最後の十二回裏を土田に任せるという決断を下したと思う。

彼にとってはマウンドに立った時点で「自分が2イニング投げる事が確定していた」わけで、ペース配分と打者の力量を考えられながら投球出来た事は非常に大きかった。

この回は小窪にヒットを許したが、後続をしっかり抑えて得点を許さなかった。

 

☆十一回表
(広島は三番手のジャクソンに交代)

*吉川 ショートゴロエラー
*村田 キャッチャーへの送りバント成功
*小林 ライトフライ
*大田 セカンドランナーが牽制死

相手のエラーでチャンスを得たが、走塁ミスでチャンスを潰してしまった。

 

★十一回裏

*安部 レフトフライ
*田中 センターフライ
*菊池 セカンドライナー

澤村は直球を低めに集めて力でねじ伏せていた。

 

☆十二回表

*大田 セカンドゴロ
*長野 センター前ヒット →代走・鈴木に交代
*立岡 左中間二塁打 →一塁走者が生還
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*坂本 キャッチャーフライ
*片岡 サードへのファールフライ

(再び巨人が一点勝ち越し)

長野が猛打賞となるヒットでチャンスメイクし、ここで代走に鈴木が起用され、広島バッテリーにプレッシャーをかける。
そして相手が「セオリー通り」に投じてきた外角直球を、立岡が見透かしていたように綺麗に捉えて勝ち越しタイムリーを放った。

今まで筆者は「彼の打順は二番よりも一番の方が良い」と思っていた。
その理由として、何かとバッティングに制限がかかる二番では、彼はバットコントロールが長けているだけに「上半身だけで当てにいくスイングが多くなること」を心配していたからである。

しかし、ここまで高橋新監督は二番・立岡に対して送りバントをさせていないし、チームバッティングも要求しているようには思えない。
むしろチャンスの場面では「自分で試合を決めてこい!」と彼を送り出しているようにも見える。

こういう形で二番に起用するなら諸手を挙げて賛成するし、個人的には最多安打のタイトルも十分に視野に入るし、首位打者も決して夢ではないと思う。
それだけ技術的には非常にレベルが高い選手になったと思う。

 

★十二回裏
(巨人は七番手の土田に交代)

*丸 レフトフライ
*西川 見送り三振
*エルドレッド レフト前ヒット
*野間 セカンドゴロ

最後に登板した土田も「急遽」という事ではなく、かなり前からこうなる事を事前に伝えられていた筈で、心の準備はしっかり出来ていたと思う。
エルドレッドにヒットを許したが、その後でもマウンド上では落ち着いていたし、制球を乱すような雰囲気は全く無かった。

 

【試合結果】

広 島 3−4 巨 人

対広 島:2勝1敗0分

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
巨 人 0 1 0 2 0 0 0 0 0 0 0 1 4
広 島 0 0 0 0 2 0 0 1 0 0 0 0 3

勝ち投手澤 村 6試合 3勝 0敗 3S
セーブ投手土 田 3試合 0勝 0敗 1S
負け投手ジャクソン 4試合 0勝 1敗 0S

 

【投手リレー】
巨人 今村→田原→戸根→山口→小山→澤村→土田
広島 福井→中崎→ジャクソン

以上 敬称略