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祝 完封勝利!「阪神打線を力でねじ伏せた菅野智之!」巨人vs阪神(4月6日)

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昨日はブログを更新しなかったので、火曜日の巨人vs阪神の第一戦を簡単に振り返ってから、昨日の第二戦を深く掘り下げていく。

 

~4月5日 巨人vs阪神~

【試合結果】

 123456789
阪 神1030040008
巨 人1000001002

勝ち投手藤 浪 2試合 2勝 0敗 0S
負け投手ポレダ 2試合 1勝 1敗 0S

 
【試合総評】
阪神の「勢い」にポレダが呑み込まれてしまった。
個人的に驚いたのは、ポレダと初対戦になる高山が、彼の豪速球に対応してきた事。
彼はバットのヘッドが立った状態でスイングしているので、インパクトの瞬間で直球に力負けしない。
横田は力負けしていたが、結果的にラッキーなヒットで繋いだので、序盤のポレダはこの二人に掻き回されてしまった。

去年、金本監督は解説者の立場で巨人vs阪神戦の解説をしていたが、その中でポレダの投球に対して「阪神はもっと足で揺さぶるべき」と語っていたが、それを今年は監督として実行した。
そして、彼が走者に気を使い出すと制球が乱れ、球威も落ちてくるとも言っていた。
まあ、これは巨人ファンなら誰でも去年感じていた事だが、結果的に彼の観察力が、ポレダの弱点を明確に突いた事になった。
ただ、個人的には去年よりもマウンド捌きが格段に良くなっているポレダが、金本監督の「思惑」を打ち砕くと予想していたが、筆者の洞察力が甘かったようである。

又、昨日はゴメスの盗塁や藤浪の激走など、色々驚いた場面が多々あったが、個人的には三回に藤浪と高山に出塁された後に、最初の打席を見て「安パイ」だと思っていた横田とヘイグに繋げられてしまったのが痛かった。
この二人で一点取られても構わないので、福留の前に走者を貯める展開だけは避けたかった。
少なくとも接戦で中盤以降進んでいれば、藤浪の状態を考えたら巨人にも十分にチャンスはあった。

 

~4月6日 巨人vs阪神~

【先発オーダー】
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【試合経過と雑感】

★一回表
*高山 サードゴロ
*横田 セカンドゴロ
*ヘイグ ライト前ヒット
*福留 セカンドライナー

菅野の立ち上がりは、ややボールが高めに集まっていたが、ボールの切れが良かった。
第一戦でポレダを苦しめた高山に対しては、懐にカットボールで完全に詰まらせ、横田も問題にしなかった。
但し、福留には苦手意識が高いようで、ボール先行で苦しんでいた。

 

☆一回裏
*長野 空振り三振
*立岡 空振り三振
*坂本 セカンドゴロ

岩田の立ち上がりも上々だった。
持ち味の動く直球も良かったし、スライダーの切れも良かった。
好調の立岡が全くタイミングが合っていなかったのが印象的だった。

 

★二回表
*ゴメス 空振り三振
*鳥谷 ショートゴロ
*西岡 センター前ヒット
*梅野 ライト前ヒット →一塁走者は三塁へ進塁
*岩田 セカンドゴロ

序盤の菅野は、いつものようにスライダー系(カットボール含む)とワンシームを軸に投球していた。
しかし、この回も下位打線にボールが浮いたところを叩かれ、九番の岩田まで打順を回してしまった。

 

☆二回裏
*ギャレット セカンドゴロ
*クルーズ ショートゴロ
*中井 セカンドゴロ

巨人打線は岩田のスライダーとチェンジアップを打たされてしまっていた。
特に右打者は外角低めのツーシームとチェンジアップの見極めが出来ていなかった。

 

★三回表
*高山 ライト前ヒット
*横田 セカンドゴロ →一塁走者は二塁封殺
*ヘイグ センター前ヒット →一塁走者は二塁でストップ
*福留 センターフライ
*ゴメス ピッチャーゴロ

菅野は三回を終わった段階で五本のヒットを許していたが、西岡のヒットを除いて、どちらかと言えば綺麗に捉えられた訳ではなく、ラッキーヒットと言えるモノが多かった。
まあ、それでも高めにボールが行っていたのは事実なので、そこを突かれた形になっていた。

この回も大ピンチで福留とゴメスを迎え、非常に苦しい場面ではあったが、両者ともに最後はカットボールでねじ伏せた。

 

☆三回裏
*村田 センターフライ
*小林 センター前ヒット
*菅野 ピッチャーゴロ内野安打(送りバントの処理ミス)
*長野 ショートゴロ →一塁と二塁の走者はそれぞれ進塁
*立岡 空振り三振

下位打線で思わぬチャンスが生まれたが、上位の1・2番にタイムリーが生まれなかった。

長野に関しては「紙一重」という内容だったが、立岡はこの打席でもタイミングが全く合っていなかった。

 

★四回表
*鳥谷 サードゴロ
*西岡 レフトフライ
*梅野 ショートゴロ

鳥谷に対しては、最初の打席の「当てにいくようなスイング」を見て、菅野はストライクゾーンで積極的に勝負していた。
逆に西岡は積極的に強く振ってくる打者なので、簡単にはストライクを取りにいかなかった。

この辺りを瞬時に読む「勝負勘」や「野球センス」が菅野の最大の持ち味だと思う。

 

☆四回裏
*坂本 サードゴロ内野安打
*ギャレット ライトフライ
*クルーズ セカンドゴロ →一塁走者は二塁に進塁
*中井 ワイルドピッチで二塁走者は三塁へ進塁 →四球
*村田 ライト前へのタイムリーヒット
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*小林 ショートゴロ

(巨人が一点先制)

岩田にとってはアンラッキーな点の取られ方だった。
この回に打たれたヒット二本は、いずれも討ち取っていた打球であり、巨人側からすればラッキーだった。

彼が「悔いる」とすれば、状態が良くない中井の打席で、ワイルドピッチをしたあげくに四球を与えてしまった事だと思う。

 

★五回表
*岩田 見逃し三振
*高山 ショートフライ
*横田 空振り三振

この回から菅野はカーブをカウント球で多投するようになった。
若い高山と横田に対しは攻め方が単調にならないように、バッテリーは緩急を使って勝負していた。

 

☆五回裏
*菅野 センター前ヒット
*長野 ライト線二塁打 →一塁走者は三塁でストップ
*立岡 センター前へのタイムリーヒット →二塁走者は三塁でストップ
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*坂本 空振り三振
*ギャレット 四球
*クルーズ セカンドゴロの間に三塁走者が生還、一塁走者は二塁で封殺
*中井 ピッチャーゴロ

(巨人が二点を追加し、リードを三点に広げる)

岩田にとっては、先頭の菅野に簡単にヒットを許した事は非常に痛かったが、巨人側の視点で見れば「長野が長打で繋いだ事」が非常に大きかった。

次の打者が、それまで全くタイミングが合っていなかった立岡だったので、長野の二塁打が仮にシングルヒットだった場合は、立岡には間違いなく送りバントを命じていたと思う。
ここでバントが成功して、ワンアウトで走者が2・3塁に進んだとしても、続く坂本で得点出来なければ「かなりの確率で無得点で終わった可能性が高かった」

恐らくギャレットにはボールゾーンで攻めて、最後は歩かせてもよいと考えていたと思うし、最終的に調子を落としてるクルーズ勝負になってたら、かなりの確率で無得点で終わっていただろう。

 

★六回表
*ヘイグ 見逃し三振
*福留 セカンドゴロ
*ゴメス 空振り三振

尻上がりに制球ミスが減ってきた菅野。
特に右打者の外角直球とスライダー・カットボールは完璧に近かった。

 

☆六回裏
(阪神は二番手歳内に交代)

*村田 センターフライ
*小林 見逃し三振
*菅野 四球
*長野 セカンドフライ

村田の状態が上がっている。
トップから振り出す過程で「間」が出来ているので、自分のポイントでボールを叩く形が作れるようになってきた。
今の状態が続けば、今季初HRはいつ生まれてもおかしくないと思う。

 

★七回表
*鳥谷 ファースト内野安打
*西岡 センターフライ
*梅野 レフトゴロ →一塁走者が二塁で封殺
*荒木 空振り三振

先頭の鳥谷の内野安打で、菅野が鳥谷と接触して左手を痛めるシーンがあった。
これには一瞬「ヒヤリ」としたが、その後の投球に支障はなかった。

さて、物議を醸した「梅野のレフトゴロ」については、三塁塁審のセーフ(ボールがダイレクト捕球ではなくワンバンド捕球というジェスチャー)のジャッジが遅すぎた。
ぶっちゃけて言えば、審判のミスと断言しても良いので、巨人側にとってはラッキーだったし、中井も素早く二塁に送球した判断は素晴らしかった。

 

☆七回裏
(阪神は三番手高橋に交代)

*立岡 空振り三振
*坂本 見送り三振
*ギャレット 四球
*クルーズ セカンドゴロ

 

★八回表
*高山 レフトフライ
*横田 ショートゴロ
*ヘイグ 空振り三振

高山はキッチリ捉えていたが、野手の正面への打球だった。
横田とヘイグは完全に力負けしていた。

 

☆八回裏
(阪神は四番手金田に交代)

*中井 ファーストフライ
*村田 セカンドフライ
*小林 ファーストゴロ

 

★九回表
*福留 ファーストゴロ
*ゴメス セカンドゴロ
*鳥谷 空振り三振
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他の打者とは違って、福留には手探り状態で攻めていたが、それでもなんとか封じる事が出来た。
一方で、ゴメスには徹底して外角への直球とスライダー系の出し入れで完璧に抑えた。

結局、四回以降は僅か一安打に封じて、見事な完封勝利で菅野は二勝目を上げる。

 

【試合結果】

巨 人 3−0 阪 神

対阪 神:1勝1敗0分

 123456789
阪 神0000000000
巨 人00012000X3

勝ち投手菅 野 3試合 2勝 0敗 0S
負け投手岩 田 2試合 0勝 2敗 0S

【投手リレー】

神:岩 田、歳 内、高 橋、金 田 - 梅 野
巨:菅 野 - 小林誠

 

【試合総評】
やはり、この試合は菅野のピッチングに尽きる。
相変わらず「魔球ワンシーム」の精度は今一つだが、この試合は直球とスライダー系(カットボール)を軸に阪神打線をねじ伏せた。

特に阪神の「超変革」の代名詞といえる高山と横田に対して、力と技を使って封じていたのが印象的だった。
更にぶっちゃけて言えば、福留以外の打者に対して「見下ろして投げていた」という印象を受けた。
それだけ、今年は自分のボールの質に自信を持っているし、何よりも直球とカットボールの切れと威力に絶対の自信があるように感じた。

「少々高くボールが行っても、ボールの威力で抑え込む」
そんな彼の「剛腕ぶり」が何よりも頼もしい。

又、この試合で、阪神の新戦力である高山・横田・ヘイグの弱点を、小林はある程度つかんだと思う。
高山にはインハイの直球系、横田は膝元のスライダー系、ヘイグは高めの直球が基本になると思う。
但し、高山にはこれからも巨人投手陣が苦労するかもしれない。
それだけ技術的にレベルが高いし、ファーストストライクを積極的に強振出来る「準備」も素晴らしい。

一方で横田は今後は苦しむかもしれない。
正直言って「金本監督がどこまで我慢が出来るか」が、これからの焦点になりそうだ。
まだまだ技術的には「右肩の壁」が甘いので、「ボールを呼び込む」というよりは「ボールを追っかけてしまうケース」が多い。
ただ、彼には驚異的な走力があるので、バットに当てる事が出来れば「何かが起きるかも」という期待感はある。

一方で巨人打線の方は、六番のクルーズの調子が良くないので、現状は集中打が期待出来る状態ではない。
又、彼の後を任せられてる中井、大田、堂上も、チャンスの場面ではどうしてボールを追っかけてしまう傾向が強いので、バッティングに安定感がない。
ここは亀井の復帰が待たれる。

 

さて、今日の第三戦は、巨人が平良で阪神がメッセンジャーという予告先発になるが、誰がどう考えても今日の試合は阪神側に分があると思う。
メッセンジャーも決して本調子ではないが、それでも現状の巨人打線が彼から大量得点を奪う事は考えづらい。

逆に平良は序盤の三回までをなんと最少失点で凌ぎたい。
どちらにしろ、巨人側は早めの継投が予想されるが、仮に試合中盤の段階で接戦に持ち込んでいれば、巨人にも勝つチャンスが生まれてくると思う。

恐らくメッセンジャーの頭のなかでは「今日は勝てる」と試合前に思っている筈なので、そんな彼の「心の隙」を巨人打線は突いて行きたい。

そして、このような試合展開にするには、まずは一回表を平良がゼロに抑えて、味方打線がその裏に先制点を奪う。
そんな理想的な展開で序盤を終えて、阪神側の焦りを生みたい。

「頑張れ! 平良拳太郎!!」

以上 敬称略