G新外国人投手 テイラー・ヤングマンの私的評価

G新外国人投手 テイラー・ヤングマンの私的評価

前回は先発投手陣の課題をあげた上で、更なる飛躍を期待する二年目の畠を分析した。

彼以外にも今季の飛躍を予感させる若手投手として、個人的に名前を挙げるなら、今年二年目の左の池田、着実に力をつけてきた同じく左の中川が有力だと見ている。

他に一軍経験の無い投手のなかにも将来的に楽しみな存在はいるので、野手陣よりも投手陣の方がポテンシャルのある若駒は揃っている。

その池田や中川、その他の若手投手などについては別の機会で触れていくとして、キャンプ休日の更新となった今回は新外国人のヤングマンについて考察していく。

 

★テイラー・ヤングマンの経歴

1989年生まれ 28歳

アメリカ/テキサス出身

身長198㎝ 体重95㎏

2011年 ブルワーズD1位指名

2015年 メジャーデビュー

このシーズンは最終的に9勝8敗

2016年以降は登板機会が減り、2017年はメジャーでの登板は無し

 

【2015年 メジャーで活躍していた時の投球映像】

 

【2017年 唯一のメジャー登板】

2015年の映像は彼のベストピッチと言える内容で、この投球を日本で続けていけば間違いなく15勝は勝てる。

一方で、2017年の映像を見ると彼がメジャーに定着出来なかった理由がよく分かる。

 



★投手としての長所

映像を見る限り、直球の平均速度は145~148キロで、マシソンやカミネロのような160キロに届くような直球ではない。

又どちらかというとマシソンのようなフォーシームの直球ではなく、打者の手元で微妙に変化するツーシーム系の直球である。

変化球はカーブ・チェンジアップ系の変化球を映像では確認したが、スライダー系に関しては不明。

チェンジアップ系は、お世辞にも使える球種とは言えないが、カーブに関しては変化が大きく、しかもブレーキのかかった曲がり方をするので、日本でも十分に勝負球になる。

しかも、これらのボールを198㎝という長身から投げ下ろす投球フォームなので、打者が感じるスピード感や変化は想像以上である事は間違いない。

又、手足が長くてクロスステップなので、特に右打者には向かってくるような恐怖感があるので、そこも大きなアドバンテージになる。

 

★短所

一方で制球面に関しては不安を残している。

まずは下記の映像をご覧いただきたい。

上記は一昨日のキャンプ中継の映像写真だが、三番目の写真を見ると、ボールをリリースする前に大きく左肩が上がって右肩を下げている。

この激しい上下動は制球が悪くなる一つの要因であり、しかも肩に大きな負担を与えているので、故障のリスクも高い。

但し、これはボールのスピードや切れが増すという長所もあるので、これを一概に否定する事は出来ないし、同じく肩に大きな負荷をかけて投げていたマイコラスのように、日本のマウンドやボールに合わせて改良していったケースもある。

しかし、前述のように彼もメジャー時代や日本での初年度終盤から二年目前半にかけて、肩の故障によって長期離脱していた過去があったのは事実として残る。

そして、もう一つ気になるのは、リリース後に体が大きく前方に倒れるフォームで、これもリリースポイントがバラバラになって制球を乱す要因になっている。

リリースポイントがしっかり固定されていれば、上記のようなフィニッシュでもかまわないが、彼の場合はそうとは言えない。

やはり、バチッとハマれば素晴らしいボールを投げるが、当然ながらその確率は低くなるので、これがドラフト1位として期待されながらも彼がメジャーで苦戦していた最大の要因だと思う。

同じ理由により、過去に日本で結果を残せなかったG外国人投手で思い浮かべるのはポレダである(最終的には肩の故障で退団)

勿論、投球フォームやボールの質に違いはあるが、体が早く前に倒れてリリースポイントがバラバラになって制球を乱して自滅するパターンが続いてしまった。

左投手としては超が付くほどの豪速球だったが、彼もメジャーや日本で結果を残せなかった最大の要因は制球力不足だった。

 

★カミネロが当面のライバルになる

Gの外国人枠はマギー・ゲレーロ・マシソン・カミネロで埋まっているので、彼にチャンスが生まれるのは他の四人次第という事になる。

他力本願な状況というのは本人のモチベーション維持にはキツイ状況ではあるが、仮に開幕から先発ローテの座を勝ち取るつもりでいるのなら、オープン戦で圧倒的な結果を残さねばならない。

そして結果(成績)だけではなく、それこそヒット性の打球を許すのは最小限にして、相手打者をねじ伏せるくらいの投球を続けていかねば、高橋監督が去年苦しんだリリーフ陣の中で、それなりの結果を残したカミネロを外す事は考えられない。

やはり現実的には「控え」の位置が当面は続くだろうが、振り返ればマイコラスも開幕当初は同時入団のポレダの後塵を拝して二軍で調整していたが、その後のサクセスストーリーは本人の努力の賜物だろう。

幸い、報道によるとヤングマンは勤勉家で向上心があり、しかも日本の文化や伝統にも尊敬の念を抱いている様子が伝えられてるので、メジャーD1位というポテンシャルが異国の地・日本で大きく花開くかもしれない。

前述のように技術的な不安点は否めないが、同じく来日当初は苦労していたマシソンから日本野球を吸収しているようなので、大いに成功を期待してる。

以上 敬称略