本文に入る前に、「巨人の福田が野球賭博に関与した」という衝撃的なニュースについて、筆者の考えを述べておきたい。
筆者は、ブログのプロフィール欄で記載されているように、過去にプロ野球選手と接触する立場の仕事をしていた。
その当時も、事件の経緯は違うが「巨人の桑田真澄が登板日を外部の人間に漏洩した疑惑」が世間を騒がせ、私が関係していた複数の球団関係者もナーバスになっていた事を思い出す。
皆さんがご存じの通り、野球界には「黒い霧事件」という野球賭博が絡んだ事件が過去にあり、永久追放された人物がいる(後に一部の元選手は永久追放を解除される)
この事件を教訓に、球界関係者と裏社会の人間との接触はタブーとされてきた。
野球賭博は八百長に繋がりかねない行為という事を球界全体で共有しているからである。
そして、一般裁判の理念は「疑わしきは罰せず」だが、NPBは八百長に繋がりかねない行為(野球賭博を含めた違法な賭博行為)には強い態度で罰してきた。
今回の事件も八百長には繋がっていないようだが、個人的には「野球賭博」の行為だけで厳罰は免れないと思う。
仮に複数の選手も同様の行為を行っていたとするならば「八百長を行っていたかもしれない」という疑念を招く事になり、読売ジャイアンツという球団の根幹に関わる大事件となる。
更にこれが暴力団組織と繋がっていたとすれば、目も当てられない事態となる。
球団には徹底的に調査して、全容を解明して貰いたい。
クライマックスシリーズを前に、何とも嫌なニュースが飛び込んできたが、他の選手の関与が無い事を祈るばかりである。。。
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さて、セ・リーグは今日の最終戦で3位が決まり、クライマックスシリーズの対戦相手が確定する。
巨人ファンの多くは、今季の対戦成績から阪神とのファーストステージでの対戦を願っているようだが、個人的にはどちらが相手でも苦戦は免れないと思っているが、詳しい分析は後日に行いたい。
そこで今回からドラフト当日までの間に、今ドラフトの上位指名が確実視されてる選手について触れていきたい。
まずは高校生編から行う。
~2015ドラフト上位指名候補~
☆印の選手は、巨人スカウト会議(9月29日)で1位候補として名前が出た選手(30日付のスポーツ報知より)
★は新聞紙上で名前が挙がっている主な上位候補
【高校生・投手】
☆小笠原慎之介(東海大相模) 左投左打
体は大きくないが、左腕から繰り出す150キロ近い直球と鋭い変化球で力勝負出来る投手である。
夏の甲子園は決して本調子ではなかったが、それでも吉田との二枚看板で大会制覇に貢献した。
・短評
地元が横浜なので県大会から注目していたが、今年の夏に関しては最後まで彼らしい投球が見られなかった。
良いときは150キロ前後の直球を投げるし、スライダー・チェンジアップでも三振を奪えるキレがある。
☆高橋純平(県岐阜商) 右投右打
素晴らしい直球を投げるが、決して直球ゴリ押しという訳ではない。
緩急も上手に使えるし、三振を狙える変化球も持っている。
夏の大会は故障で本来の姿を見せていないが、素材的には超一級品であることに変わりはない。
・短評
夏の大会は故障の影響で本来の姿ではなかった。
一方で、春の大会で披露したピッチングは素晴らしかった。
ゆったりしたフォームからリリースポイントで力を爆発させるピッチングは、打者目線では厄介なタイプと言える。
直球は打者の手元で伸びを感じるし、スピードもコンスタントに140キロ台中盤を超える。
変化球も鋭く大きく曲がるカーブが素晴らしく、スライダーとスプリットも投げる。
ややインステップ気味だが、ここを修正すれば安定感も出てくるだろう。
★小澤怜史(日大三島) 右投左打
知名度は低いが、直球は最速152キロを記録した豪腕投手。
細かい制球力や変化球の精度にバラツキがあるので、まだまだ粗削りではある。
しかし、逆に言えばそれだけ伸びシロがあるという見方も出来る。
・短評
YouTubeで流れてる様々な映像を見ると、投げてるボールは粗削りな印象は否めないが、フォームはバランスが良いので直球の質は悪くない。
体がプロ仕様になれば大化けする可能性は十分にある。
素材型の投手なので、即戦力としては期待できないかもしれない。
★佐藤世那(仙台育英) 右投右打
夏の甲子園とU―18ワールドカップで名を轟かせた好投手。
140キロ台の直球と、自在に操るフォークボールを武器に三振の山を築く。
・短評
高校生の段階で、フォークボールをここまで自在に操る投手は見たことがない。
カウント球と勝負球でフォークの質を変える事が出来る。
プロでもフォークの使い手としては上位のレベルだと思う。
一方で、個人的には「アーム式」の投げ方は減点材料になる。
故障の危険度が高いし、打者も投球に慣れてくると対応しやすい。
【高校生・野手】
☆平沢大河(仙台育英) 右投左打 内野手
彼も夏の甲子園とU―18ワールドカップで大活躍した選手の一人である。
野球センスの塊のような選手で、俊足・強肩・好打を併せ持ち、しかもフィールディングが良い。
・短評
次世代の内野手が不足しているチームには、喉から手が出るほど欲しい選手である。
シャープで小力のあるバッティングも良いが、他の部分でもレベルが高い選手なので、攻守でチームを引っ張る存在になる資質を持っている。
☆オコエ瑠偉(関東第一) 右投右打 外野手
圧倒的な身体能力で日本全国を沸かせたスーパー高校生。
まだまだプレーは粗削りだが、圧倒的な快速と強肩、フルスイングした時のヘッドスピ
ードの速さ、底知れないポテンシャルを秘めている点は間違いない。
・短評
完成形がどんな選手になるのか?
新庄か?陽岱鋼か?
個人的にはもっとスケールの大きい選手になってもらいたい。
★山本武白志(九州国際大付属) 右投右打 内野手
元プロ野球選手(巨人・ロッテ)で、千葉ロッテマリーンズの監督をしていた山本功児氏を父に持つ長身スラッガー。
チームではサードを守っていた。
身長187㎝で筋肉質の体は非常に魅力的である。
3年夏の甲子園では3HRを放ち、プロのスカウトの注目が集まる。
・短評
バッティングに無駄な動きや癖が無く、特に自然体の構えが好印象。
スイングの幅も広く、プロでも長距離砲としての可能性を十分秘めている。
個人的には十分プロで大化けする可能性があると見ている。
一方で問題なのは、守備力に課題があるので純粋にバッティングだけの評価になること。
ある意味「潰しが効かない選手」なので、ギャンブル性が高い指名になるが、長距離砲になりうる人材が少ない今の巨人には、こういう人材こそ必要だと思う。
★勝俣翔貴(東海大菅生) 右投左打
投手としては夏の地区予選でベスト4に導き、U―18ワールドカップでは野手(主にファーストとライト)として出場する。
プロでは野手一本で挑戦する模様。
・短評
U―18ワールドカップのバッティングを見て、筆者は一目惚れした。
個人的にはバッティングだけなら、高校生NO1だと思っている。
タイミングの取り方、柔らかいハンドリング、スイングスピード、どれも天性のバッティングセンスを感じる。
元々投手としても活躍していたので肩も強く、個人的には外野手として育ってほしい。
【総評】
オコエ瑠偉も魅力的だが、バッティングに一抹の不安を感じる。
又、総合力では平沢大河の評価が高いが、個人的には3番ライトを任せられる逸材の勝俣翔貴の方に魅力を感じる。
山本武白志も非常に魅力的だが、彼を上位で指名する球団は少ないと思う。
投手の中では、夏の大会で今一つだった小笠原慎之介は評価が下がり、夏の地区予選で敗退した高橋純平の方に魅力を感じている。
又、佐藤世那、小澤怜史については上位指名するほどの魅力を感じない。
以上 敬称略