ルイス・クルーズについての考察

ルイス・クルーズについての考察

前回は新外国人ギャレットについての考察を行ったので、今回はもう一人の新外国人クルーズについて考察したい。
そして、筆者が考える外国人枠の使い方も語っていきたい。

ルイス・クルーズ
1984年2月10日生まれ 今年で32歳
身長183㎝ 体重95㎏ 右投げ右打ち
ポジションはセカンドを中心に内野は全ポジションOK
MLB通算195試合 143安打 7本塁打 57打点
NPB通算259試合 236安打 32本塁打 134打点
2014年にヤンキースから千葉ロッテマリーンズに移籍する(今年で来日3年目)

彼についてはGとのオープン戦と交流戦ではじっくり見てきたが、他の試合でのプレーぶりは年に数試合見る程度なので長所・短所を知り尽くしている訳ではない。
但し、バッティングと守備については彼に対しては去年も色々感じる場面があったので、いつものように技術的なポイントを筆者の主観で語っていきたい。
そしてセイバーメトリクスによる評価は他ブログにお任せする。

まず、YouTubeでマリーンズでのプレーぶりをざっと紹介する。

①ホームランを放ったシーンをまとめた映像

②ファインプレー集

★バッティングについて
左足を大きく開くオープンスタンスで、バットを担ぎ上げるように構える。
そして左足を高く上げてタイミングをとり、スイングの軌道はやや外回りで、典型的なプルヒッタータイプと言える。

~長所~
体幹の強さを感じるバットスイングで、外角のボールでもヘッドの効いたライナー性の打球を打つ事が得意と言える。

~短所~
やはり彼も状態が悪くなると体が前に突っ込む癖があり、足を比較的高く上げてタイミングを取るタイプなので、一度調子を崩すと戻すのに苦労するタイプと言える。

~得意なコースと球種~
データ上での数字は全く知らないが、バッティングの特徴から推察すると、抜け気味に高めに浮いた変化球(半速球)と、肩口から入ってくる甘いカーブ、真ん中から外寄りの甘い直球は長打のツボ。
又、手首の使い方が柔らかいので、状態が良いときは低めの難しい変化球を上手に拾う場面も見られる。

~苦手なコースと球種~
同じくバッティングの特徴から推察すると、内角高めの直球、低めに落ちるフォークボール、外角へ逃げていくスライダー系に難があると考えられる。
いずれもストライクゾーンのボールならチャンスがあるが、これらのボールの見極めが不得意なので、ボール球に手を出して空振りしてしまう確率が高い。

~DeNAロペスと比較して考察する~
打球方向や得意なコースが、同じくプルヒッターのDeNAのロペスと被る部分が大きい。
しかし、ロペスと大きく異なるのは打球の飛ばし方である。

両者共に、常に前でボールを捉えようとする意識が非常に強く、ロペスの場合は体が前に突っ込むのを極端に嫌って、常に右足に重心を残す事を意識してスイングするようにしている(状態が悪くなると伸び上がるようなスイングになる)
よって彼の打球は強く叩くというよりも、ボールのやや下を叩いて(悪く言えば上っ面)スピンをかけているイメージ。
よってタイミングがドンピシャなレフトポール寄りに運ぶ打球は鋭い打球を飛ばすし、美しい放物線を描く事が多いが、その反面、タイミングが多少ズレた左中間からセンター方向への打球は勢いを感じない。

対して、クルーズは常に強く叩くハードパンチャーで、バットのヘッドがボールに負けないスイングを意識し、センターから左中間方向への打球が伸びるのが特徴。
よって、多少タイミングがズレて差し込まれても、スタンドまで放り込む事が出来る。
仮に両者のホーム球場を逆にしたら、去年のHRの数は逆になると思う。

但し、前述通り、クルーズには前に突っ込んでしまう癖があるので、バットに当てる事には長けているロペスのような3割前後の打率は期待できないだろう。
個人的な予想としては仮に144試合フル出場したとして、打率は240から270、HRは20本前後と予想するが、前後の打者の成績次第では相乗効果で30本狙えるかもしれない。
打点は打順次第だが、常にフルスイングするハードパンチャーなので、6番もしくは7番辺りを任せれば、その打順としては十分合格点である70打点は期待出来るし、G時代のロペス(当てる技術が高く、チームバッティングを優先していた)よりも期待感が強い。

以前、ロペスの1年目について総括した時に述べたように、クルーズもGのクリーンアップは厳しいが、下位打線に置けばうってつけの選手かもしれない。
勿論、彼にもG時代のロペスに求めていたチームバッティングを場面によっては強要する必要はあるが、個人的には当面の間はフリーで打たせた方が彼の良さが出てくると思う。
その辺りは高橋新監督には原前監督とは違うカラーを打ち出して貰いたい。
チームバッティングを求めていくのは、彼が自分のプレーを発揮する環境が整ってからで良い。

★フィールディングについて
内野守備については、単純な守備範囲は広くないが、グラブさばきはNPB屈指と言っても過言ではないと思う。
「地肩の強さ」というよりも「スローイングがコンパクトで速い」ので、ダブルプレーの完成度にも好影響を与える。
この部分も日本のレギュラー内野手の中では最上位だろう。

去年、セカンドとしてパリーグのゴールデングラブ賞を獲得したように、セカンドの守備には定評があるが、去年後半に下半身の怪我で一時離脱したように、セカンドでフル出場はリスクも伴う。
本人はショートの守備にも自信を持っているが、坂本が離脱しない限り考えられないし。1年目のショートでのプレーを見る限り、やや厳しいと感じている。
よって、村田の状況次第ではサード起用も増えてくるかもしれない。
だが、個人的には岡本が起用されるチャンスを完全には潰したくないので、セカンド起用がベターだと思っている。
この辺りは次回以降で語っていきたい。

☆外国人枠の問題
育成契約を除いて現在Gの外国人選手は投手がマイコラス・ポレダ・マシソン・メンドーサ、野手はギャレット・クルーズ・アンダーソン。

まず去年の実績からすれば故障がなければマイコラスは確定だろう。
よって残る3枠を「投手2野手1にする
のか?」「投手1野手2にするのか?」になってくる。
個人的には外国人打者をベンチで一人にするのには反対なので、 外国人枠については投手2野手2が一番良い形だと思っている。

だが、これには条件がある。
移籍入団のクルーズについては、日本での実績と経験があるので優先度は高くなるとは思うが、 問題はギャレットになる。
彼がキャンプ、オープン戦で「動ける体」である事をまずは証明し、とりあえずは交流戦開始まではある程度我慢して起用して欲しい。
アンダーソンについてはそのスペアで良いと考える。
よって当面は野手についてはクルーズとギャレットの二人を使い、投手はマイコラス+1という形にして貰いたい。

投手のもう一人については、マシソンの方が優先順位は高いが、彼の場合、例年春先は実績を残していないので、交流戦まではポレダにチャンスを与えても良いと考える。

いずれにしても、全てはキャンプとオープン戦で彼らがどの程度のコンディションまで上げてこられるのか?
これを判断してからになる。

以上 敬称略