「日本屈指の鉄腕セットアッパー」山口鉄也の逆襲に期待する

「日本屈指の鉄腕セットアッパー」山口鉄也の逆襲に期待する

昨日、年末年始に録画したテレビ番組をチェックしていたら、12月30日に放送された「中居正広のプロ野球魂」という番組が有ったので、躊躇する事なく見ることにした。
プロ野球ファンなら既に見た方は多いかもしれないが、ざっと内容を言えば、現役のプロ野球選手数名をゲストに招き、3つのチームに分けて、彼らが2017年に開催されるWBC侍ジャパンのメンバー(日米在籍問わず)をドラフト形式で選出し、競合した場合はクジで決めるいう中々興味深い番組だった。
参加したプロ野球選手は金子(B)、則本(E)松井裕(E)、平田(D)中村(S)で、他に一人づつ芸能人がチームに加わっていた。

ちなみに最終的な各チームが選んだメンバーは以下の通り
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巨人からは山口、阿部、坂本、長野が選ばれたが、筆者が特に嬉しかったのは、巷では「衰えてる」「劣化が激しい」等と言われてる山口を、同じ日本屈指の投手である金子が選んだ事だった。
選んだ理由についてはテレビではカットされていたので不明だが、不調だった彼をあえて選んだのは、まだまだ年齢的にも肉体的にも衰えたという事ではなく、肘の故障明けで心技体のバランスを少し崩していただけで、これから更なる活躍が見込めると考えての事だと推察する。

★僅か1年の内容だけで「衰えた」と言って欲しくない
確かに去年の投球内容は今一つだったかもしれないが、2008年に新人王を取って以来、山口鉄也が残した実績は他のリリーフ投手を凌駕しており、彼の地位は決して揺らいでおらず、僅か1年の成績だけで「衰えた」と決めつけてしまうのは納得しがたい。
個人的な意見を言わせて貰えば、去年は彼が今後更なる実績を積み重ねていく為の「必要な経験」だったと思っている

★歴代屈指の両鉄腕「岩瀬と山口」の共通点は多い
山口を語る際には、必ず同じくリリーバーとして凄まじい実績を積み重ねてきた岩瀬の名が出てくる。
その岩瀬もプロ入団からセットアッパーとして登板を重ね、途中から役割が抑えに変わったが、彼も決して道のりが平坦だった訳ではない。
20台までは140キロ後半の直球とスライダーだけで打者を封じていたが、年齢と共に直球のスピードは落ち「限界説」がささやかれ始めた事もあった。
しかし、彼は更なる高みを目指して持ち球のシュートを磨いて、打者に的を絞らせない投球スタイルにレベルアップした。
そして更に年齢を重ねてボールの切れが落ちてくるとシンカーをマスターして、ゴロで討ち取る術を完成させていった。

岩瀬も山口には共通する点が多い。
①同じ左投げのスリークォーターで切れ味鋭い直球とスライダーが軸
②球種が豊富というタイプではない
③球速的には中間(120~130キロ台)の変化球しか使っていない事
④縦の変化よりも横の変化の変化球(スライダー・シュート・シンカー系)で勝負してる
⑤球種を少しずつ増やしてマイナーチェンジを常に模索している事
⑥投手として致命的な怪我をしていない

厳密に言えば、どちらかというと若い頃から制球重視だった岩瀬と、切れ重視の山口のピッチングスタイルは違ってくるかもしれないが、上記のように共通点は多い。
しかし、徐々に切れよりも制球重視に変貌している山口も、岩瀬と同じスタイルを模索している様子は伺える。
更に突っ込めば、どちらもピンチの場面でマウンドで見せる表情は一見「自信なさそう」で、決して強気な表情は表には出さない。
しかし、誰よりも内に秘めた熱い勝負度胸は持っている

★彼にとって本当の試練は正捕手不在(阿部のファーストコンバート)にある
前段で触れた岩瀬が、ちょうど新たなピッチングスタイルを模索し始めた頃に、後の名捕手・谷繁がFAで入団してきた事が非常に大きかった。
谷繁の絶妙な配球と岩瀬の正確無比な制球力とボールの切れが融合し、岩瀬が抑えに転向してもセットアッパーと同じように大成功を収めた最大の理由だった。

一方で、山口にとって不運なのが、去年、山口を知り尽くしている阿部がファーストに転向した事である
元々、配球面では捕手に任せる事が多かった彼の心理的な負担が増して、それが投球に大きな影響を及ぼしたと見ている。
今年のG捕手事情はまだまだ流動的なので何とも言えないが、一部報道では「抑え捕手」として阿部を起用する事も新監督は視野に入れているようである。
個人的には、これについては色々思う事はあるが、実際に行われるようであれば、山口にとってはこれ以上無い朗報かもしれない。

★山口復活の鍵は「チェンジアップの精度向上」と「使い方」
何だかんだ言って去年もチームに貢献してくれた彼に対して「復活」という言葉は使いたくなかったが、あえて「復活」という言葉を使って、去年以上の投球内容を期待するならば、その為に必要な2つのポイントを挙げておく。

①切れが落ちていたチェンジアップを甦らせる
去年前半は直球の切れとスピード、そして変化球も全体的に切れと精度が不足していた。
しかし、シーズン後半は徐々に直球が蘇り、スライダーも良くなってきたが、チェンジアップは最後まで本来の切れを失ったままだった。
恐らく、一昨年痛めた肘の影響で、微妙にフォームのバランスを崩した事が最大の要因だと見ている。
去年投げていたチェンジアップと一昨年までのそれを感覚的な表現で比較するなら、一昨年までのボールは打者の手元で「スッと」落ちていたが、去年のボールは打者の手元で「フワッと」落ちているように見えた。
つまり、打者には見極めやすいボールだったように見えた。

確かにチェンジアップは直球の切れが良くないと効果が半減するボールで、去年の直球なら当然効果は薄い。
だが、筆者にはそれ以上にチェンジアップそのものの精度がかなり悪いように感じた。

仮に巷で言われているように「衰え」で直球や変化球の切れが失われているのなら、フォーク系の新たな球種をウイニングショットで使う選択肢も必要なのかもしれないが、個人的には故障の影響で錆び付いてしまったチェンジアップを更に磨いていけば「復活」出来ると見ている。

②使い方を間違わなければ絶対的セットアッパーの地位は揺るがない
そうは言っても山口も年齢を重ねる毎に、直球と変化球で空振りを奪うシーンは減っていく。
そうなると、やはり彼を起用する際にはランナーを背負った場面では使いにくくなる。

思い返せば中日黄金期の落合監督が、全盛時の浅尾を差し置いて岩瀬を抑えに起用したのも、走者を得点圏に背負っている場面では三振を狙える浅尾を起用して相手のチャンスを封じ、流れを止めた後の最終回には、経験値が高く制球力が抜群の岩瀬を起用していた。
つまり、先発やリリーフが作ってしまった力勝負が求められる場面では、奪三振率の高い浅尾をフリーハンドで起用し、バットには当てられるが安定感と制球力に強みを持ってる岩瀬には、起用する側が場面設定出来る(抑えなら常にイニングの先頭から)最終回に起用して、リリーフ陣を鉄壁なモノにしていた。

ただ残念ながら、抑えを希望していない山口には同じ手法はとれない。
ならば、彼を使うならピンチを背負った場面で起用するのではなく、先発投手が限界を迎える前に早めに彼にスイッチする起用法をとるしかない。
しかし、その場合は問題が出てくる。
現状のG勝ちパターンのリリーフの構成は、セットアッパーは右のマシソンと左の山口、抑えは右の澤村なので、基本的な起用する順番はマシソン→山口→澤村という形になる。
そうなると、先発の交代時期云々という事ではなく、マシソンが一昨年までのように絶対的なセットアッパーとして、ピンチを招かずに後続の山口に託す形が必要になる。
つまり、山口復活の鍵を握るのはマシソン(又は他の右腕リリーバー)という見方も出来る
そのマシソンについては別の機会に触れていくが、いずれにしても山口が岩瀬のように息の長い選手生活を送るためには、首脳陣の起用方も大事になってくるので、そこは是非とも考慮してもらいたい。

★理想を言えば将来的には山口も岩瀬のように抑え起用がベストである
前段で述べた理由で、将来的に山口も岩瀬と同じように抑えにした方が良いと思っている。
まあ。。彼は希望してないようなので実現性は低いが。。。
但し、それを実現させる為には、左腕で山口に変わる強力なリリーバーが1枚欲しい。
その候補としては戸根や公文の名前が挙がるが、彼らの成長を期待して止まない。

以上 敬称略

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