北海道遠征2試合では打線が繋がり連勝してきた読売ジャイアンツは、場所を関西に移して金・土曜日はオリックスバファローズと対戦し、日曜日は阪神タイガースとオープン戦を行う。
尚、坂本・菅野・戸根は侍ジャパンに合流したので、関西遠征のメンバーから外れた。
オープン戦 オリックスバファローズvs読売ジャイアンツ
【G野手雑感】
①立岡宗一郎
1、外直球を引っ掻けてセカンドゴロ
2、内直球を上手く捉えてレフト前ヒット
3、内直球を叩いてライト線二塁打 打点1
4、中直球を差し込まれてレフトフライ
この試合の各打者のバッティング内容を見て、筆者を一番唸らせたのは彼だった。
2打席目のヒットも中身が濃い、非常にテクニカルなモノだったが、それ以上に唸らせたのが3打席目のタイムリーで、去年の終盤戦で課題として浮上していた内角直球を完璧に捉えた。
しかもライト線に引っ張るスイングが出来たのは、本人も大きな自信になったと思う。
②片岡治大
1、ボール球を見極めて四球
2、外直球を打ち上げてセンターフライ
3、内直球を差し込まれてサードフライ
特に直球系に対してタイミング的に差し込まれている場面が多かった。
→重信慎之介
1、中チェンジアップを打ち上げてセンターフライ
③長野久義
1、内直球に詰まってセカンドゴロ
2、外チェンジアップを泳いでショートゴロ
3、外チェンジアップを合わせてセンター前ヒット 打点2
逆転打となった3打席目のタイムリーは、調子が良い時に頻繁に見せていた得意技である。
タイミングを抜かれても、バットのヘッドが残っているので上手く拾うことが出来た。
→吉川大幾
1、外直球を合わせてショートゴロ
この試合でも守備では好プレーを連発していた。
④ギャレット
1、中直球を捉えて一二塁間ヒット
2、外低め直球を捉えてセンターフライ
3、外カーブを合わせてセンターフライ
一歩ずつ確実に調子を上げている。
インパクトの瞬間にボールを叩き潰すような力強さも出始めている。
ボールの見極め方も2月中旬とは比べ物にならない。
一方で、ファーストの守備では送球エラーを一つ犯してしまった。
→中井大介
1、外直球を合わせてセンターフライ
⑤クルーズ
1、中高め直球を打ち上げてセンターフライ
2、中低めチェンジアップを空振り三振
3、中直球を差し込まれてライトフライ
かなり疲労感を感じるバットスイングである。
特に下半身に粘り強さを感じないので、少し休ませた方が良いかもしれない。
→藤村大介
1、外直球を合わせてショートゴロ
坂本が侍ジャパンに合流したので、彼にもアピールするチャンスが回ってきた。
⑥村田修一
1、内直球を詰まってレフトフライ
2、中直球を打ち上げてセカンドフライ
3、内直球を詰まってレフトフライ
この日のバッティングフォームを見ると、再び暗雲が。。。。
また構えから力んでしまってるような。。。
→亀井善行
1、外直球を打ち上げてセンターフライ
⑦大田泰示
1、内直球をやや詰まってショートライナー
2、外チェンジアップを合わせてライトライナー
3、内直球を詰まってセカンドフライ
4、外スライダーを空振り三振
彼のバッティングも、衝撃のHRから僅か二日で再び暗雲が。。。。
力んでくるとヒッチが激しくなって、バットを振り出す位置が下から出てくるし、バットのヘッドが寝てしまっている。
1打席目と4打席目は全く別人のバッティングだった。。。
⑧岡本和真
1、中スライダーを捉えてレフトライナー
2、ボールを見極めて四球
3、外直球を引っ掻けてサードゴロエラー
4、外スライダーを空振り三振
先日に続いて、守備ではハーフバンドをはじくエラーを犯したが、エラーした直後にTVカメラが捉えた井端コーチの表情はハンパなく怖かった。。。
岡本のバッティングについては、昨日のバッティングを見て、気になるポイントが出てきたので説明したい。
まずは以下の映像写真を見ていただきたい。
①については、やや足を高く上げ過ぎの印象もあるが、これが彼のスタイルなので問題ない。
次に②を見ると、左足のステップがかなり大きい。
そして③を見ても最低でも靴一足分はスタンスが過剰に広いし、④のインパクト直前では既に右膝が九の字に曲がっているので、これでは下半身から生まれるパワーは全く使えない。
この一連の悪い流れは、去年から内田コーチに指摘されてる彼の癖で、この形になると腰の回転が使えないので、上半身主導でスイングしてしまう。
岡本のバットスイングが鈍く感じる理由は決して筋力不足だけではなく、この技術的な欠点によるところも大きい。
⑨小林誠司
1、中直球を捉えてショートゴロ
2、中直球をバットの先でレフト前ヒット
引き続き、バッティングの形は悪くない。
→相川亮二
1、外直球を捉えてライトフライ
【G投手雑感】
☆桜井俊貴 5回4安打3四球2失点 奪三振2
直球を軸に、チェンジアップ・スライダー・カーブ・フォークを投げていた。
直球のスピードは136~143キロ。
「調子が悪かったのか?」「こんなモノなのか?」
正直言って判断しづらいが、去年秋の投球内容をYouTubeで見る限り、調子が今一つだったと思うが。。。
この試合での投球は、直球が抜け気味(シュート回転)で切れを感じなかったし、特に序盤は変化球はなかなかコースに決まらなかったので、直球を狙い打たれていた。
又、彼の最大の武器であるフォークとチェンジアップも良くなかったし、緩いカーブも打者のタイミングを外す効果がなかった。
但し、調子が悪い?ながらも、5回2失点(自責点1)で纏めたあたりは、流石に実戦的でクレバーな投手である事を再認識した。
今シーズンのG先発投手陣は、現状ではやや駒不足な印象を否めず、ルーキーではあるが何とかローテーションに加わって欲しい投手の一人なので、今回の内容を見る限りでは、やや物足りないと言わざるを得ない。
☆澤村拓一 1回0安打0失点
オール直球でオリックス打線を封じた。
直球のスピードは142~147キロで、前回の登板よりも少しスピード感は増していた。
まだまだ良い頃と比べると、状態は7~8割程度だと思うが、制球が纏まっていたのはプラス材料と見ている。
無駄に力まず(力んで投げられる状態ではないのか?)に低めにボールを集めていた。
☆公文克彦 2回1安打1四球0失点 奪三振2
直球(カット気味)とスライダーを軸に、カーブとチェンジアップも少し投げていた。
直球のスピードは134~139キロ。
キャンプ中は残念な投球が続いていたが、実戦を重ねて腕がどんどん振れるようになってきた。
特に左打者の外角への直球とスライダーは、かなり切れを感じるので打者は対応に苦労していた。
残る課題は、やはり左打者の懐を突く制球力と度胸になる。
ここを攻める技術と精神力が有れば、更に腕が振れるようになってスピードも増していくと思う。
そうすれば貴重な左リリーフとして期待出来る。
☆矢貫俊之 1回0安打0失点 奪三振1
直球を軸にフォーク・カーブ・スライダーを織り交ぜていた。
直球のスピードは137~141キロで、スピード感は感じなかったが低めに集めていた(最後の一球を除く)
この日の投球は、ここ最近の中ではボールの切れがあまり良くない部類に入るが、全体的に低めに丁寧に集める事が出来ていたので、投球に対する安心感は相変わらず高い。
【Bs新戦力雑感】
★ボグセビック
1、相手の制球が定まらず四球
2、中チェンジアップを捉えてライト前ヒット 打点1
この2打席では何ともいえないが、少なくともHRを量産するようなタイプではなく、コンパクトで鋭いスイングが持ち味の選手だと思う。
タイムリーとなったヒットは、追い込まれた直後の甘いチェンジアップを捉えたモノだったが、スイング軌道が外回りではなく、左脇を締めて体の内側からバットが出ていたので逃さずに仕留められた。
但し、右投手に対してはそれなりの対応が出来ると思うが、対左投手にはどうなのか?
彼が日本で成功するにはここがポイントになる。
★モレル
1、中カーブを打ち上げてレフトへの犠牲フライ 打点1
2、中カーブを捉えてレフト前ヒット
ボグセビックと比べると、彼の方がスイングの幅は大きいので、長打が期待できるかもしれない。
但し、彼もHRを量産するタイプとは思えず、どちらかと言えば中距離ヒッターだと思う。
トップで左肩でロックする構えとバットスイングから判断すると、やや内角直球に対して苦しみそうな気がするが、甘い変化球と捉えるのは上手いと思う。
バッティングの柔軟性と対応力もボグセビックよりも上だと思う。
現状でのオリックス外国人野手は、ブランコ>モレル>ボグセビックという序列と見る。
☆コーディエ 1回0安打0失点
豪速球を軸にスライダーを織り交ぜていた。
直球のスピードは最速で156キロで、前評判通りのスピードボールの持ち主だと思う。
又、スライダーも抜けるような感じではなく低めに集まるので、直球でゴリ押しする形が作れれば、このボールで三振を奪えるようになる。
但し、この試合では走者を塁に出さなかったので判断できないが、やはり問題は「セットポジションでも同じ程度の球威と制球力を保てるのか?」
リリーフエースとして使うなら、ここが最大のポイントになる。
☆赤間謙 3回0安打0失点 奪三振2
直球のスピードは平均で140キロ前半だが、なかなか切れの良いボールを投げる。
変化球もスライダーとチェンジアップを投げるが、特にスライダーは小さく鋭く曲がるボールと、大きく横に曲がるボールの2種類を操っていた。
やや肘を下げる横振りの投球で、抜けるボールも少なくないが、打者の手元で押し込む球威はなかなかのモノだった。
特に走者が塁に居ない場面では、外角に直球とスライダーを見事に出し入れしていた。
【試合結果】
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨 人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
オリックス | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
桜井、澤村、公文、矢貫
山崎、コーディエ、赤間
【試合総評】
序盤はオリックスの主力打線が良い当たりを連発していたが、彼らがベンチに退いた後に登場した控え選手達では、好調G投手陣を崩しきれなかった。
そのオリックスに関しては、この試合を見る限り、去年は故障もあって低調に終わったブランコや中島が良さそうだし、新外国人も使い続ければそれなりに結果を出しそうな選手なので、打線は間違いなく去年よりも層が厚いし、得点力も高くなるだろう。
一方で、巨人打線に関しては、各打者に疲労感を感じるスイングが多かった(遠征が続いて疲れのピークかもしれない)
試合に勝ちはしたが、打線の内容は決して誉められるものではない。
特に相手先発のデキから判断すれば、序盤からもっとヒットが欲しかった。
更に二番手以降には手も足もでなかったので、疲労を考慮に入れても厳しい評価をせざるを得ない。
明日の奮起に期待したい。
以上 敬称略