巨人vsヤクルト 3月3日 オープン戦雑感
- 2018.03.03
- 2018シーズン
- カラシティー, ゲレーロ, マギー, 中川皓太, 北村拓己, 坂本勇人, 大城卓三, 宮國椋丞, 岡本和真, 東京ヤクルトスワローズ, 河野元貴, 田中俊太, 田中貴也, 立岡宗一郎, 若林晃弘, 菅野智之, 読売ジャイアンツ, 重信慎之介, 長野久義, 阿部慎之助, 陽岱鋼, 青木宣親

巨人は宮崎と沖縄での春季キャンプを終えて東京に戻り、今日と明日は本拠地の東京ドームでヤクルトを迎えてオープン戦を行う。
【STARTING LINEUP】
【G野手レポート】
1⑨陽岱鋼 3打数0安打
①外角カットボールを引っ掻けてセカンドゴロ
③真ん中直球にやや詰まってレフトフライ
⑤外角高めのチェンジアップを空振り三振 チェンジ
・バッティングの内容は悪くない。
⇒⑧立岡宗一郎 1打数1安打1四球
⑦真ん中直球を捉えてライト前ヒット
⑨しっかり見極めて四球
・去年はタイミング的に差し込まれ気味のケースが多かったが、現状ではそれを全く感じない。打席に入る前にしっかり準備できている。
2④吉川尚樹 2打数1安打
①真ん中直球を捉えてセンター前ヒット⇒牽制死
③真ん中低めのチェンジアップを空振り三振
・インフルエンザの影響を心配したが、攻守で躍動感があった。
・坂本と共に広い守備範囲で味方投手を援護していた。
・彼に一つ注文するなら、一塁走者としてリードする際に、もう半歩リードを拡げて欲しい。
⇒⑨長野久義 2打数0安打1四球
⑥相手が制球を乱して四球
⑦外角低めのスライダーを空振り三振
⑨外角直球を叩いてセカンドゴロ(ランエンドヒット)一塁走者は二塁へ進塁
・内容は良くもなく悪くもなくだが、陽岱鋼と同様にバッティングが淡白なので、本番では一番としては物足りない。
3⑥坂本勇人 1打数1安打
①ボールをしっかり見極めて四球
③外角スライダーを上手く拾ってレフト線ツーベース
・足をあまり上げずに摺り足気味でタイミングを計っている。
・守備では好プレーを連発して菅野を助けていた。
⇒⑥若林晃弘 2打数0安打
⑥真ん中低めの直球を引っ掻けて6⇒4⇒3のダブルプレー
⑦内角低めのフォークを空振り三振 チェンジ
・本拠地では初めてだったショートの守備は落ち着きがあった。
⇒②河野元貴 1打数1安打 打点1
⑨外角直球を捉えて前進守備のセンター頭上を越すサヨナラヒット 打点1 試合終了
・初球を積極的にスイングして見事に捉えた。調子が今一つだったとはいえ石山から打ったので非常に価値がある。
4⑦ゲレーロ 3打数1安打
①外角高めの直球にやや差し込まれてライトフライ チェンジ
③外角直球を完璧に捉えたがレフトライナー チェンジ
⑥外角直球を捉えてセンター前ヒット
・第一、第二打席は凡打ではあったが、しっかりボールを見極めカウントを有利にして、一発で仕留める形が出来ている。そしてバッターボックスで醸し出す威圧感は、相手投手が逃げ腰気味で投球している姿を見てもよく分かる。
・但し、やや気になったのが、第三打席の対左投手の時に、上体が力んで少し左肩の開きが早くなりミスショットしていた事。この打席では結果ヒットになったが、ここら辺りが咋シーズン対左投手に分が悪かった要因かもしれない。
・外野守備も決して下手ではない。落下点への入り方も意外に素早いし、スローイングも場面によって使い分ける器用さを持っている。
・これまでのプレーを見て筆者が感じたのは、思っていたよりも非常にクレバーな選手で、来日二年目の今年は更なる爆発の兆しがある事。
・現状、心配なのは怪我だけで、無事にシーズンを終えれば素晴らしい結果を残すと思う。
⇒⑦中井大介 1打数0安打
⇒代走として出場し盗塁成功
⑧外角低め直球を捉えたがライトフライ
・素晴らしいスイングだったが結果は正面の打球だった。キャンプ当初からバッティングの内容が良かったので、今後も期待したい。
5⑤マギー 3打数0安打
②外角直球を引っ掻けてショートゴロ
④真ん中直球を捉えたがショートゴロ
⑥真ん中低めチェンジアップを捉えるがショートライナー チェンジ
・技術的には全く問題ないが、ややスイングに鋭さを欠いている印象。但し、これから実戦を積んで調整していけば問題ない。
⇒⑤⑥北村拓己 1四球
⑧相手が制球を乱して四球
・送球ミスで2失点を与えてしまった。実戦に入るとプロの打球に差し込まれていて足が使えていない。
6D阿部慎之助 2打数1安打(1HR)打点1
②真ん中高め直球を完璧に捉えてライトスタンド上段へHR 打点1
④外角スライダーを空振り三振
・HRを放った打席は、甘いボールではあったが、久しぶりに彼らしいバッティングを見せてくれた。
⇒D大城卓三 2打数2安打
⑦外角直球を捉えてセンター前ヒット
⑧真ん中スライダーを捉えてレフトオーバーのツーベース
・サヨナラ勝ちの立役者といっても過言ではない。
・体に巻き付くようなスイングが特徴で、理想的なスイング軌道の持ち主である。そして見た目以上にパンチ力があるし、バットが体の近くから出てくるので打球にひと伸びがある。バッティングは即戦力という事が証明されたので、あとはポジションの問題(守備力)である。
7③岡本和真 3打数1安打1四球 打点1
②ボールを見極めて四球
④真ん中低めのチェンジアップを空振り三振 チェンジ
⑦外角直球にやや差し込まれたがライトオーバーのツーベース
⑧内角直球に詰まってショートゴロ 打点1
・解説の赤星氏が言うように、まだまだ打席での甘さを感じるが、バットスイングは確実に鋭くなっているし、雰囲気も出てきた。特に大きくなったフォロースルーが非常に魅力的である。このまま小さな事を考えずに大きく育って欲しい。
8②田中貴也 2打数0安打
②真ん中低めチェンジアップを空振り三振
⑤内角直球を空振り三振
・中川に対するリード(配球)で気になったのが、カウント有利の場面で遊び球や見せ球を殆ど使わず、直ぐに低めの変化球で勝負していた事(特に内角ボールゾーンへの見せ球が少なかった)勿論、オープン戦なので仕方がない面もあるが、筆者から見るとミエミエの配球になっていたので、追い込まれていても打者には余裕があった。
⇒⑤辻東倫 2打数2安打 打点3
⑦外角フォークを拾ってライト前ヒットタイムリー 打点2
⑧真ん中低めのスライダーを上手く拾ってレフト線ツーベース 打点1
・内容はともかく、彼にとっては2安打3打点という結果が大事だった。相変わらずバットコントロールに関しては非凡な才能がある。あとは直球系に負けないスイングの鋭さが欲しい。
9⑧重信慎之介 2打数0安打
②内角カットボールに詰まってセカンドごろ チェンジ
⑤外角直球を空振り三振
・相変わらず淡白に見えるバッティング内容だった。
⇒④田中俊太 2打数0安打
⑦内角直球に詰まってレフトフライ
⑧外角直球を捉えるがショートゴロ チェンジ
・彼の売りだった「打席での粘り」「実戦的なしぶといバッティング」が全く見られなくなっている。
・今は結果を求めるあまり、何でも初球から手を出している印象が強く、下半身主導のバットスイングにもなっていない。
【G投手レポート】
☆菅野智之 4回3安打1四球2三振 失点0
直球系の平均スピードは140キロ中盤
変化球はスライダー、カーブ、カットボール、シンカー
・全体的にボールの走りと切れはあまり良くなかったが、それでも要所を締めて無失点に抑えるあたりは流石の一言。
・コントロールに関してもややバラツキがあったが、コースと高さの両方を間違える事が少ないので大怪我しない。
・新球のシンカーに関しては、2回の雄平をショートゴロで討ち取ったボールは狙い通りだったと思う。
☆中川皓太 3回4安打1四球1三振 失点2
直球の平均スピードは140キロ前半
変化球はカーブを軸にスライダーとチェンジアップ
・最初の2イニングに関しては文句のつけどころがなかった。前回の登板よりも更に全ての変化球の精度が増し、制球も抜群だった、
・但し、3イニング目は先頭打者に四球を許してリズムを崩した。前段で指摘した通り、やや田中の配球にも問題があったが、彼自信も制球を乱して投球を苦しくしていたのは事実なので、今後はバッテリー間でよく話し合って改善して欲しい。
・この試合では2失点という結果に終わったが、内容的にはローテ投手として計算出来るモノを見せてくれた。本人も山田を三振に討ち取ったチェンジアップは大きな自信になったと思う。
☆宮國椋丞 2回3安打1四球1死球2三振 失点3
直球の平均スピードは140キロ前後
変化球はスライダー、カーブ、シュート、フォーク
・先頭打者に対していきなり死球で出塁を許し、リズムを自分で壊してしまった。その後は味方の拙守も絡んで失点を許してしまったが、相変わらずボール先行の後に、カウントを稼ぎに行った甘いボールを仕留められるパターンを再び繰り返してしまった。
【S新戦力雑感】
★カラシティー 1回4安打2三振 失点2
直球の平均スピードは150キロ前半
変化球はフォーク系を軸にスライダー
・長身から投げ下ろす直球は綺麗な回転ではなく、打者の手元で微妙に動いている。
・変化球は落ちるボールは非常に落差があって、十分に決め球として使える。
・但し、この試合では全体的にボールが高めに浮いていたので、彼の良さが半減されていた印象だった。
【試合結果】
S 000 000 230 5
G 010 000 221× 6
S ブキャナン⇒寺島⇒カラシティー(中村)⇒近藤⇒石山(古賀)
G 菅野⇒中川(田中貴)⇒宮國(河野)
試合は6対5で巨人のサヨナラ勝ち。
【総評】
・ヤクルトに関しては青木が素晴らしかった。バッティングに関しては全く衰えを感じないし、川端や畠山がシーズン通して無事なら恐ろしい打線を形成する。
・巨人に関しては若手が結果を残して良かった。ここまでの実戦ではレギュラーとの力量差を如実に感じていたので、ルーキー大城のヒットをきっかけに若手主体の打線が久しぶりに繋がった。
・個人的に岡本と吉川尚は「使ってみたいと感じる選手」に成長していると今キャンプで感じていたが、今日の試合で改めてそう感じた。
・特に吉川に関してはバッティングも良くなっているが、あの守備範囲の広さはチームにとって大きなプラス要素である。勿論、イージーミスもまだまだ多いが、これからもっとプロの打球に慣れてくれば確実性も上がる。
以上 敬称略
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