巨人vs日本ハム 3月20日 オープン戦雑感

巨人vs日本ハム 3月20日 オープン戦雑感

上原浩治の巨人復帰登板を予定しているこの試合の観客数は、実数発表後の巨人主催のオープン戦では史上最多の約4万6千人を記録した。




【STARTING LINEUP】

 

【G野手レポート】

1⑧陽岱鋼 4打数1安打

①外角低め直球を止めたバットでファーストゴロ

③外角スライダーを打ち上げてセンターフライ

⑥外角直球を弾き返してピッチャー強襲の内野安打

⑧外角直球を引っ掻けてショートゴロ チェンジ

・相手投手が良かったので結果を出すのは難しかった。

 

2⑥吉川尚輝 2打数2安打(HR1) 盗塁1 打点1

①真ん中直球を完璧に捉えて右中間スタンドへホームラン 打点1

③外角高めのスライダーを捉えてレフト前ヒット

・相手の失投ではあったが、甘いボールを一発で仕留めた内容は高く評価すべきである。又、ここ最近は相手の直球に対して全く対応できていなかったので、突然の変化にビックリした。やはり、この辺りの意外性も彼の持ち味の一つだと思う。

・そして第二打席もボールをしっかり見極めた上で、最後は高めの甘い変化球を逆方向に弾き返したが、この打席も高く評価できる内容だった。

・セカンドの守備についても、徐々に一軍の雰囲気や打球に慣れ、安定感が日に日に増している。

 

⇒④⇒⑥山本泰寛 2打数0安打

⑥⇒二塁走者が盗塁失敗 ⇒内角低めのスライダーをハーフスイング空振り三振

⑨内角直球を空振り三振

・内角中心でファールを打たされ、最後は低めの変化球で空振りを取られるパターンが続いてしまっている。又、ボールの見極めも出来ていないので、何でも振りにいってしまっている。

 

3⑥坂本勇人 2打数0安打1四球

①相手が制球を乱して四球

⇒二塁走者の吉川尚が盗塁成功 ⇒外角直球を空振り三振 チェンジ

⑥内角直球に詰まってショートゴロ チェンジ

・相手投手の質の良い直球と鋭いフォークに対応できなかった。

 

⇒⑦中井大介 1打数1安打

⑨真ん中直球を捉えてライトオーバー二塁打

・他の選手が押されていた相手投手(石川)の直球を完璧に捉えた内容は見事だった。個人的にはもっとチャンスを与えてほしいし、現状では長野や陽岱鋼よりも良い結果を生む土台がしっかり出来ている。

 

4⑦ゲレーロ 3打数0安打

①内角高めの直球を空振り三振

④真ん中低めフォークを空振り三振

⑦内角高めの直球に差し込まれてキャッチャーへのファールフライ

・攻守で課題が露呈していた。

・基本的に内角高め、外角低めの対角線に弱点ではあるが、この試合では完璧にそこを突かれていた。

・守備では記録に残らない拙いプレーがあった。勿論、決勝点になった二塁打はラインドライブの打球だったので処理が難しいとも言えるので、彼を一概に責めるつもりはないが、一つだけ言えることは亀井クラスなら処理できた打球だった。

 

⇒④田中俊太 1四球

⑨しっかりボールを見極めて四球

・先日のロッテ戦もそうだったが、公式戦では彼のように厳しい場面でしっかりボールを選べる選手は貴重である。チャンスメイクの代打としても使えるし、スタメンで起用しても打線の繋ぎ目の役割を期待できる。

 

5⑤マギー 3打数0安打

①外角低めのフォークを打ち上げてファーストへのファールフライ チェンジ

④内角フォークに詰まってサードゴロ

⑦外角直球を見逃し三振

・スイング自体は徐々に鋭さが出始めているが、150キロ近いボールを弾き返すにはもう少し状態を上げる必要がある。

 

⇒⑤辻東倫 1打数0安打

⑨内角スライダーを空振り三振

・チャンスの場面で三振に終わってしまったが、バットスイングを見ると確実に進歩している。

・以前は上手さや器用さだけ目立ち、バットスイングに力強さを感じなかったが、今はその点も確実に改善されてるので、内角寄りの直球に対して無策で終わるような事は無くなっている。彼も今年はブレイクのチャンスかもしれない。

 

6DH阿部慎之助 3打数1安打

②真ん中低めのフォークを空振り三振

④内角直球に詰まってレフトフライ チェンジ

⑦内角低めの直球にやや差し込まれたがレフフェンス直撃のツーベース

・ようやく結果は出たが、彼本来のバッティングからすれば内容は物足りないし、本人も感じていると思う。

 

⇒代走 吉川大幾

 

⇒代打 立岡宗一郎 1打数0安打

⑨内角直球に詰まってファーストゴロ 試合終了

・前の打者だった辻や田中俊と比べると、ボールの見極めが全く出来ていなかったし、打席に入る前の準備段階で二人とは大きな差を感じた。更に突っ込んで言えば、高めのボール球(直球)に簡単に手を出している段階で勝負は見えていた。

 

7③岡本和真 3打数0安打

②真ん中高めの直球を打ち上げてレフトフライ

⑤内角低めフォークを空振り三振

⑦真ん中低めのスライダーを引っ掻けてサードゴロ チェンジ

・相手の直球に押されて最後は低めの変化球を振らされていたが、中途半端なスイングではなく自分の形を貫いた上での三振だったので評価は下がらない。

 

8⑨長野久義 3打数0安打

②外角直球を捉えるがショートゴロ チェンジ

⑤外角低めの直球を見逃し三振

⑧外角直球を打ち上げてファーストへのファールフライ

・相手のベストピッチに苦労していたが、スイングそのものは悪くない。

 

9⑨小林誠司 2打数0安打

③真ん中高めの直球に差し込まれてライトフライ

⑤内角直球に詰まってファーストフライ チェンジ

・結果を見れば完全に力負けだが、徐々に「間」を感じるスイングになってるので、良くなる兆しはある。

 

⇒②大城卓三 1打数0安打

⑧内角カットボールを打ち上げてセカンドフライ

・初球の甘いカットボールをミスショットしてしまった。



【G投手レポート】

☆中川皓太 5回6安打3四球4三振 失点2

表示されていた直球の平均スピードは130キロ前半だが、筆者の印象では130キロ後半だったと思う。

変化球はスライダーを軸にカーブ、チェンジアップ

・立ち上がりから腕の振りが甘く、ボールの走り、切れともに今一つだった。

・全体的にボールが抜け気味で、高めにボールが集まり連打を許してしまったが、特にスライダーとカーブの制球が甘く、ピッチングが単調になるケースが目立っていた。又、オープン戦序盤では決まっていたチェンジアップも精度が落ちていた。

・勝負球で使える球種が限られているので、チェンジアップが機能しないと相手打者からすれば狙い球が絞りやすい。結果的に2失点で凌いだが、結果オーライという表現が妥当と言える。

・前回までの投球内容を見た時点での評価は、開幕ローテ入り当確としていたが、今回の内容ではやや厳しいと言わざるを得ない。

 

☆澤村拓一 1回1安打1三振 失点0

表示されていた直球の平均スピードは140キロ前後だったが、筆者の印象では150キロ前後だった。

変化球はカットボールとフォークボール

・カットボールとフォークボールの精度に関しては、怪我から復帰後の登板では一番良かった。彼の場合は他投手では真似できない豪速球を持ってるので、変化球は低めに決まれば高い確率で打者を討ち取る事が出来る。

・ここまでの登板で既に直球に関しては目処が立っていたので、この試合の変化球を本番でも投げる事が出来れば、巨人にとっては優勝争いに加わる為の非常に大きいピースを得たことになる。

 

☆上原浩治 1回1四球1三振 失点0

表示されていた直球の平均スピードは120キロ前半だったが、筆者の印象では130キロ前半だった。

変化球はフォーク、スプリット、カットボール

・解説の山本昌氏が指摘していたように、重心がかなり高いのでボールに力が伝わっていなかった。又、直球の切れも物足りず、フォーク系も高めに抜けるケースがあったので、まだまだ調整不足という印象だった。

・一方で、制球については流石の一言だった。ぶっちゃければあの程度のボールでノーヒット無失点で抑える事が出来たのは、勿論「名前勝ち」もあるとは思うが、正確無比なコントロールによるところが大きい。

・この試合の内容だけでは評価は出来ないが、これから実戦のマウンドで調整を重ねて徐々に調子を上げてくれる事を信じて待ちたい。

 

☆マシソン 1回1安打(HR1)1三振 失点1

表示されていた直球の平均スピードは130キロ後半だったが、筆者の印象では140キロ後半だった。

変化球はスライダー、カーブ、フォーク

・直球の走り、角度は悪くなかったが、カウントを悪くしてストライクを取りに行った直球を、親友のレアードに完璧に捉えられた。

 

☆カミネロ 1回1安打1四球1三振

表示されていた直球の平均スピードは140キロ中盤、筆者の目視では150キロ中盤

変化球はカットボールのみ

・直球はかなり速かったが、変化球が抜けて真ん中に集まっていた。



【試合結果】

F 101 000 010 3

G 100 000 000 1

Fバッテリー 高梨⇒西村⇒公文(清水)⇒田中豊⇒トンキン(市川)⇒石川(鶴岡)

Gバッテリー 中川⇒澤村⇒上原⇒マシソン(小林)⇒カミネロ(大城)

試合は3対1で日本ハムが勝った。

 

【総評】

・スピードガンの表示が殆どのケースで不正確で、目視で150キロ近いスピードを感じる直球が118キロと表示されたり、コースによっては表示すらなかった。特に澤村が登板した6回以降は参考程度にもならなかった。

・この試合で、今シーズンの試合終盤を任せる四人衆(澤村、上原、マシソン、カミネロ)が揃って登板したが、彼らがシーズン最後まで致命的な故障をせずに、期待通りの活躍をすれば、キャンプ前では全く想像できなかった「優勝」が、現実味が増してくる。

・一方で、今年のオープン戦を通じて筆者が感じたのが、若手・中堅打者のバットスイングの鋭さ(スイングスピードが上がっている)が、去年の同じ時期と比べると雲泥の差にあること。

・勿論、この試合のように素晴らしい投手を相手に、レベルの高い直球と変化球のコンビネーションで攻められると、まだまだ脆い面はあるが、少なくとも去年までのように、簡単に捻られる段階からは確実に進化しているし、特に速い直球への対応は格段に上がっている。

・特に岡本、吉川尚、中井、辻には大きな進歩を感じるし、今は状態が悪いので結果が出ていないが、山本もキャンプ終盤の実戦練習を見て同じ印象を持った。

・この進歩の直接的な要因として、秋季キャンプから継続している相当な量の振り込み(バットスイング)が実を結んでいるとは思うが、それだけではここまで成長しないと思う。

・やはり、彼には申し訳ないが村田との契約を解除して、チームを変えていく意思(覚悟)を内外に示した事。そして、去年オフに獲得したルーキー達(田中俊、大城など)のレベルの高さを中堅・若手野手が目の当たりにし、彼らの危機感を芽生えさせた事が大きい。

・こうして考えると、秋季キャンプは「種まき」で、春季キャンプから参加したルーキー達は彼らが成長するための「水と肥料」になった。そして、組織(チーム)を動かす為には、立場が違うと残酷な仕打ちにも見えてしまう「適度な土の入れ換え」が必要である事を改めて痛感した。

以上 敬称略