ピッチングが窮屈だった菅野智之(巨人vs阪神 1回戦 2018.3.30)
- 2018.03.30
- 2018シーズン
- ゲレーロ, マギー, メッセンジャー, 公式戦, 吉川尚輝, 坂本勇人, 大城卓三, 小林誠司, 岡本和真, 田中俊太, 菅野智之, 読売ジャイアンツ, 谷岡竜平, 辻東倫, 長野久義, 阪神タイガース, 陽岱鋼, 高山俊, 高木京介

今日から2018年のプロ野球がセ・パ同時に開幕した。ペナント奪還に燃える高橋由伸監督が率いる読売ジャイアンツは、永遠の宿敵である阪神タイガースと開幕戦を戦った。
【両軍スタメン】
【G野手雑感】
1中 陽岱鋼 4打数2安打1打点
・1番打者として2本のヒットと1打点は十分に合格点を与えられるが、勝負の分かれ目となった第三打席のバッティングは結果も内容も残念だった。
2二 吉川尚輝 4打数0安打
・無安打で終わり残念な結果だったが、バッティングの内容は結果ほど悪くはない。第二戦の藤浪相手なら十分にチャンスはある。
3遊 坂本勇人 3打数0安打1四球
・バッティング内容を見ると、オープン戦終盤の悪い状態(タイミング的に差し込まれてる)から良くなっていない。
4左 ゲレーロ 4打数1安打
・初回のチャンスで2度ミスショットして、最後はメッセンジャーに絶妙なカーブを決められた。
5三 マギー 4打数0安打
・彼の打席では相手投手が完璧な投球を続けていたが、彼自身のバットスイングも鈍さを感じた。
6一 岡本和真 4打数0安打
・第1、第2打席は狙い球がハッキリしないまま、若いカウントで難しいボールを打たされてしまった。第3、第4打席は逆に甘いボールに手を出さずにカウントを稼がれ、最後はボール球を振らされていた。
7右 長野久義 4打数1安打
・第1打席の大ファールとなったバッティングや、ヒットの内容を見るとバッティングの状態は良い。バットが体の内側から出てるので、土曜日以降も彼のバッティングには期待出来る。
8捕 小林誠司 2打数2安打
・いきなり2打数2安打でバッティングでは結果を残した。しかし、バッティングの内容を見ると、悪かったオープン戦の状態から大きな変化は感じない。
☆打 田中俊太 1打数1安打
・2アウトから代打で出場し、得点の口火を切るしぶといヒットを放った。
☆打 辻東倫 1打数0安打
・この試合のバッティング内容を見て、去年の同じ時期と比べて大きく進歩している事を改めて感じた。
☆打補 大城卓三 2打数1安打
・積極的にバットを振る姿は好感が待てる。オープン戦中盤から若干スイングが遠回りになっていたが、その点はかなり改善されていた。
【G投手雑感】
☆菅野智之 7回12安打6三振 失点5(HR2)
・直球系の走りはまずまずだったが、ワンシームが全く決まらずに苦しんでいた。
・変化球はスライダーが勝負処で抜けるケースが目立ち、シンカーとフォークも明らかなボール球になっってしまい全く機能していなかった。一方で、カーブは序盤では殆ど使わなかった(使えなかった?)
☆高木京介 1回1安打 失点0
・先頭打者にいきなりヒットを許したが、ボールを低めに集めて後続をしっかり断ち切った。
☆谷岡竜平 1回0安打1三振 失点0
・ややボールが高めに集まっていたが、140キロ後半の直球とフォークボールのコンビネーションで、キッチリと上位打線を封じた。
【試合結果】
T 022 000 100 5
G 000 000 100 1
試合は5対1で阪神が開幕戦を飾った
【勝敗の分岐点】
☆5回裏 1アウト ランナー2・3塁 バッター陽岱鋼が三振の場面
・中盤で4点差を追う展開では、下位打線からチャンスを広げて上位打線に繋げる事が最も望ましい展開で、まさにそのチャンスがやって来た場面だった。
・しかし、陽は初球の球ワンバンドのカーブを振ってしまった事で、精神的に後手を踏んでしまった。そして二球目の落ちなかったフォークを見送ってカウントが追い込まれ、直球を見せ球に使われた後に注文通りに三振してしまった。
・この場面で阪神ベンチは内野を前進守備にせずに、1点OKのシフトを組んでいたが、全く意図の感じない陽の初球のスイングを見て、個人的にはこの試合の敗戦を覚悟した瞬間になった。
・逆に阪神サイドは、2回裏の2死満塁の場面で、ここで何とか踏み止まりたかった菅野から高山が粘りを見せて、最後はセカンドへ高いバウンドのタイムリー内野安打を放ち貴重な追加点を上げた。こうして両軍の1番がチャンスの場面で見せたバッティングの違いがチームの明暗を分けた。
【試合雑感】
☆ピッチングが窮屈になっていた巨人バッテリー
・菅野が痛打された理由については、解説者が指摘していた通り、阪神の各打者が巧く対応していた点について異論は無いが、個人的にはその事よりも、菅野・小林のバッテリーがカーブをカウント球で使わずに、しかも他の変化球の精度も悪かったので、ピッチングが窮屈になってしまった事が大きい。
☆左打者を並べて菅野攻略に成功した阪神首脳陣
・この試合で阪神打線は1番バッターから左を多く並べてきたが、阪神首脳陣の菅野攻略法は、恐らくコースに的を絞って積極的に打っていく事だったと推察する。つまり、左打者には内角に来たボールは直球(フォーシーム)かスライダー系(カットボール含む)の入ってくるボールをイメージし、一塁線にファールを打つイメージで素直に引っ張り、逆に外角に来たボールはツーシームかシンカーで逃げていくボールをイメージして、その軌道に逆らわずにレフト方向に打ち返すという具合に策を授けたと推察する。
☆左打者の目先を変える有効球は外から曲がるカーブなのだが。。。
・上記の攻略法で最も邪魔になるボールがカーブで、直球系と比較するとスピードが30キロ近く遅く、しかもボールの軌道が大きく違う(一度浮き上がって曲がってくる軌道)ので、このボールを左打者の外寄りに決められると、なかなか手を出せない。だが残念ながら、巨人バッテリーはこのボールを殆ど使わなかった。仮にカウント球として各左打者に一球でも使っていれば展開は大きく変わっていただろう。
☆左打者の長打を警戒するあまりピッチングが単調に。。。
・左打者にカーブを使わなかった理由を推察すれば、左打者へのカーブは、コースと高さを間違えて、真ん中から内寄りの高めに来ると長打を打たれるリスクの高いボールだからと推察するが、もしかしたら試合前の投球練習からカーブが良くなかったので、その選択肢から外したのかもしれない。しかし、それでも勇気を持って使って欲しかった。。
・そして、巨人バッテリーが選択した攻め方は、左打者に対してスライダーやワンシームを中心に時おりツーシームを織り混ぜて打者を討ち取りに行く選択をしたと推察するが、その肝心の変化球の精度が良くなかったので、結果的に高めに浮いた半速球を狙い打たれてしまった。
☆対照的に右打線の巨人に対してカーブを有効的に使ったメッセンジャー
・一方でメッセンジャーの状態はそんなに良いとは思わなかったが、菅野との大きな違いは、右打者に対して縦に割れる緩いカーブを多く使って、狙い球を絞らせなかった事。このボールを有効に使って、良い時と比べて8~9割程度のスピードの直球をより速く見せることに成功していた。こうして打者を追い込んでいく形を多く作って、最後はストライクゾーンからボールゾーンに変化するフォークやスライダーを振らせていた。
【試合総評と次戦のポイント】
・巨人にとってエース菅野で負けたのは痛い。しかし、開幕戦の負けは単なる一敗に過ぎない事は、近年の例を見れば明らかである。振り返れば去年は中日相手に三タテでスタートしたが、交流戦前の5月で失速した。
・大事な事は「交流戦までにチーム状態を何処まで上昇させる事が出来るか?」であって、ぶっちゃけて言えばそこまでの勝率は5割で良い。
・次戦の相手は藤浪だが、田口が中盤の5回までを2点以内で凌げば、十分にチャンスはあるので、全員安打で勢いが生まれた阪神打線を相手に何とか踏ん張って欲しい。
・打線に関しては、藤浪は一塁にランナーを置くと崩れやすくなるので、吉川尚と陽が出塁して足で藤浪を揺さぶって欲しい。それが出来れば序盤で大量得点も狙えると思う。
以上 敬称略
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