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【選手雑感】攻守で坂本の代役を果たした吉川大幾【セ公式戦 SvsG 14回戦 8月4日】

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試合前の「坂本の欠場」という一報を聞いて「これはさすがにキツい」と思ったが、理由が「体調不良」という微妙な表現なので、筆者には直ぐにピンときた。

先日の日曜日のテレビ中継の中で、解説の梨田氏が「下半身に張りがある」と本人が語っていた事を紹介していたので、欠場の理由は多分これだと思う。
恐らく「無理すれば出場できる状態」を、監督がストップさせたのが真相だと見ている。

もしかしたら、この3連戦は無理させないかもしれないが、それはそれで仕方がない。
勿論、この試合だけで考えれば、かなりの痛手だが、これから6連戦が続くので無理に出場する必要はない。
少し前のチーム状況だったら、監督は無理させた可能性もあるが、今は以前と比べると余裕が持てる状況にある。
競馬で例えると「ムチを連打するのは9月に入ってからで十分」と考えられる程度に、戦い方に余裕が生まれていると思う。

仮に、坂本欠場の3連戦になるとすれば「1勝すれば十分」と考えるべきだと思う。

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巨 人0011003005
ヤクルト0000010113


試合は、G先発マイコラスが立ち上がりからS打線に隙を与えず、試合の主導権を渡さなかった。
又、坂本の代役としてショートで出場した吉川が、攻守で球際の強さを発揮し、チームの勝利に大きく貢献した。 

【G投手雑感】

★マイルズ・マイコラス
この試合も調子自体は普通と見ている。
直球については良かった時と比べると、スピード感は足りなかったが、ボールは微妙に打者の手元で動いている印象が強かった。
カーブもまずまずだったが、この試合で一番良かった球種は、何と言ってもスライダーだった。
彼のスライダーは2種類ある。
カット気味に横滑りで小さく変化するボールと、縱変化で打者の手元で鋭く落ちるボールの2種類を投げ分けている。

この直球とスライダーをコーナーにしっかり投げ分けて、Sの上位打線をほぼ完璧に抑え込んで流れを渡さなかった。

★山口鉄也
長野のミスも絡んで失点してしまったが、ボールのキレは悪くない。
但し、全体的にボールが高めに集まっていたので、ヒットゾーンに飛ばされてしまった。

★澤村拓一
相変わらず「締まらないピッチング」を続けている。
この試合で投げた直球の約7割が「抜け球」又は「引っかけた球」で、残りの3割だけが「質の高い直球」だった。
周囲から信頼される投手になるには、この割合を最低でも逆にしないと話にならない。

こんな投球を続けられたら、これから痺れる場面で起用することを監督は躊躇するだろう。

【G野手雑感】

☆立岡宗一郎
貴重な先取点となるタイムリーと、死球で2度出塁し、見事にリードオフマンの役割を果たした。
残念ながら、同じ箇所の死球で途中交代となったが、恐らく今日からの試合は大丈夫だと思うが。。。

☆片岡治大
7回表に、貴重なダメ押しとなる2点タイムリーを放った。
他の打席でも内容そのものは悪くなく、紙一重で結果が違っている打席が多い。
彼と1番立岡の出塁率が上がると、Gが優勝する確率も間違いなく上がるだろう。

☆アレックス・カステヤーノス
ヒットこそ生まれなかったが、先頭打者として迎えた4回表は、2ストライクを先行された後から、しっかりボールを見極めて貴重な四球を選んだ。

徐々に彼の長所と短所が見えてきたが、結論を出すのはまだまだ早い。
ただ、個人的には「フォアザチーム」の意識が強い選手という印象を持っている。
結果を出す事が出来れば、間違いなく「原監督好み」の選手だと思う。

☆村田修一
かなり良くなっている。
懐への直球に対して簡単に見逃さずに、しっかりバットを振ってファールにするケースが増えてきた。
そして外寄りの変化球にも、自分の手元まで呼び込む「間」を作ってるので、引っ掻けたゴロではなく、しっかり捉えた打球になっている。

今季の中では、間違いなく一番良い状態だと思う。

☆吉川大幾
攻守で大活躍だった。
バッティングは2安打1打点、ショートの守備も安定していた。

彼のバッティングの長所は、タイミングの取り方にセンスを感じること。
どんなボールに対しても、タイミングが全く合わないケースは少ないので、打席で無様な姿を見せる事は殆どない。
勿論、バッティング面の課題は山ほどあるが、バットに当てる事には長けてるので、何かが起きる可能性を秘めている。

守備については「グラブ捌き」「捕球体勢」「足の運び方」「スローイング」どれを見ても決して「スマート」ではない。
しかし、何よりも足が動いている事と、アグレッシブな姿勢を忘れていないので、こういう選手は球際に強い。

寺内の復帰時期を探っていた首脳陣だったが、彼の活躍は嬉しい誤算だろう。。。

☆小林誠司
マイコラスとも問題なくバッテリーを組んでいた。
配球面でも特に気になるポイントは見当たらなかったが、強いて挙げるなら、8回裏に山口が川端にタイムリーを打たれた配球だけ気になった。

バッティングの方も状態は悪くない。
それと、ダメ押し点に繋がった7回表の送りバントは、難しい状況にも関わらず見事に決めた。

【試合総評・第2戦の注目ポイント】

序盤はバントミスや盗塁失敗が重なるケースも有り、ややチグハグは攻撃が続いていたが、6番村田・7番吉川の効果的なバッティングで主導権を握った。
そして7回表の3点がダメ押しとなり、首位攻防戦の第1戦を見事に勝利した。

S側にとって厳しいのは、館山を早いイニングで降板させる事が出来ない「リリーフ投手の台所事情」だった。
ここ最近、接戦で登板させる投手の起用が増えているので、出来ることなら最低でも6回は投げ切って欲しかった筈である。
結果的に、これが原因で、チャンスで代打を送ることが出来なかった。

しかし、この真中監督が取った策は「英断」になるかもしれない。
見方を変えれば、この試合は2点目を取られた時点で敗戦やむ無しと考え、勝ちパターンのリリーフ投手をつぎ込むのを諦めたと考えても良い。
この「英断」を生かすも殺すも、今日からの試合で、
リードする展開で終盤を迎え、彼らを活かす展開に持ち込まねばならない。

さて、今日の第2戦は期待の小山が先発する。
去年までは、東京ドームで好結果が集中する「内弁慶」投手だったが、果たして変わった姿を見せる事が出来るのか?
去年までは走者を1塁に置くケースでフォームのバランスを崩し、左肩の開きが早くなって制球を乱すケースが見られたが、その課題は修正されているのか?

彼の「気持ちの入ったピッチング」を期待したい。

以上 敬称略