【試合総評】どうにもならなかった菅野智之【セ公式戦 SvsG 16回戦 8月6日】

2連勝で迎えたスワローズとの第3戦目、ジャイアンツはエース菅野で3タテを狙っていた。
しかし、そこに立ちはだかったのは、まだ未勝利の神宮球場のマウンドと、極限に近い暑さだった。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
巨 人 0 0 0 0 1 2 0 0 0 3
ヤクルト 1 1 0 0 0 2 0 1 X 5

ここ最近の菅野のピッチングについては「あまり良くない OR 普通の状態」という指摘をしてきた。
結果を見ると最少失点以内で抑えてるので、良く思えるかもしれないが、内容的には決して誉められるモノではなかった。
特に序盤の3回までは、制球が全く定まらないケースが多く、打者の打ち損じに助けられていた側面が強かった。

この試合でも、序盤からスライダーが抜けて甘いコースに集まっていたし、直球系も投げた瞬間にコースから外れるボールが多かった。
又、尋常ではない環境下(蒸し暑さ)で投球している事を考慮に入れると「修正」は厳しいと感じていたので、個人的には序盤での大量失点を覚悟する内容に思えた。

しかし、S打線は2回までに2点奪ったものの、攻めきれなかった感は否めず、菅野を助ける展開にしてしまった。

対して、S石川の立ち上がりは、先頭打者・立岡に出塁を許したが、片岡をダブルプレーで仕留めてリズムに乗った。
しかし、彼も「この酷暑」に体力を確実に奪い取られていた。
そして、その影響でボールが徐々に高めに集まるようになり、6回表に連続HRで逆転されてしまう。

だが、逆転した直後の攻撃でSは、菅野を一気に捕らえて(デニングの逆転2ラン)マウンドを引きずり下ろす。
ここでSは一気に畳み掛けたかったが、松本哲のスーパープレーで追加点を防がれる。

その後、Gは再逆転を狙っていたが、Sリリーフ陣を攻略できず、8回裏の失点が重くのし掛かり、9回表に生まれたチャンスも活かしきれなかった。

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この試合の中で、G選手の好プレーが随所に見られたので、その中の幾つかを記しておきたい。

①2回裏、川端のタイムリーで2点目を奪われた場面
右中間に抜けそうな打球を、センター立岡が体を伸ばしてワンバウンドで処理し、右中間を突破されなかったので更なる追加点を阻止した。

②5回裏、山田の三遊間へのゴロを、サード井端が横っ飛びして処理しアウトにする。

③6回裏、比屋根のレフトポール際への大飛球を、左中間寄りに守っていたレフト松本哲がランニングキャッチ(最後は飛んで捕球していた)
これが抜けていたら、間違いなく1塁ランナーは生還していた。

④8回表、先頭打者・片岡が四球で出塁。
試合展開と打順を考えたら、この打席の片岡には、どんな形でも出塁してほしい場面だった。
その結果、低めのフォークボールをキッチリ見極めて、その期待に応えた。

個人的には、この4つが印象に残っている「素晴らしいプレー」だった。
特に④については、結果的に無得点で終わったので見逃しがちになるが、非常に「中身のある打席」で片岡の執念を感じる場面だった。

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逆に、失望したプレーはこれだった。

★5回表・ノーアウト2塁・バッター橋本の空振り三振
 
まず、失望した理由について、筆者は三振という結果をどうこう言うつもりはない。
それよりも、そこに至るまでの内容に問題があったので、あえてこの場面を選んだ。

では、この場面を振り返る。

・1球目
外角低めのスライダーが外れる
・2球目
真ん中高めのシンカーを打ちに行ってファール
・3球目
外角低めのスライダーが外れる
・4球目
内角低めのシュートを打ちに行ってファール
・5球目
真ん中低めのボールゾーンに落ちるシュートを空振り三振

この場面で、橋本が打席に立つ前の準備段階で、以下のどちらかを選択せねばならなかった。
①カウントが追い込まれるまでは、球種で絞らずコースを絞って、打つポイントを前寄りに置いて、最低でも進塁打を狙う。
②追い込まれるまでは、球種を絞って、打球方向を決めずに自分のスイングする。

①は最初から進塁打を狙うという選択肢で、後者は追い込まれるまでは、あくまでもヒットで繋ぐことを意識し、追い込まれてから進塁打を狙うという事。

しかし、残念ながら筆者の目には「橋本の狙い」が最後まで良く解らなかった。
恐らく②を選択していたと思うが、それなら「狙い球の絞り方の甘さ」を指摘せざるを得ない。

この場面でSバッテリーが考えていたのは「橋本に絶対ヒットを打たれない事」
8番小林と9番菅野で二つのアウトを計算できるので、彼にヒットを打たれなければ、その後の下位打線への投球内容次第では、無失点で切る抜けられない訳ではない。

仮に橋本に進塁打を許しても、小林を全力で抑えにかかれば、三振・内野ゴロで封じる事も難しい事ではない。
また、2塁走者をサードに進塁させなければ高い確率で無失点で凌げる状況となる。
更に言えば、7番の橋本を仮に四球で歩かせたとしても、それは無失点で凌ぐためには「最悪の結果」ではないという事。

そう考えると、橋本に対して「真っ向勝負」というよりも、ボールを散らして「相手の打ち気」を利用する配球が考えられた。
それを彼は、まんまと乗っかってしまった。
この打席で彼がヒットゾーン打てるボールは、2球目の甘いシンカーだけだったが「準備不足」の彼では、前に打球を飛ばすことが出来なかった。
又、打席でのしぶとさが欠けていたので、相手投手から甘いボールを引き出すことも出来なかった。

幸い、このチャンスは菅野のタイムリー3ベースで何とか1点奪うことができたが、次の打席でも、彼は中身の無い空振り三振で終わってしまった。

期待している選手だけに失望感は大きい。。。。

以上 敬称略