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相手に流れを渡さない上原浩治のピッチング(中日vs巨人 3回戦 2018.4.5)

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オープン戦を見る限り、今の松坂相手ならかなりの確率でノックアウト出来ると思っていたが、筆者の想像以上に両外国人の調子が上がっていなかった。



【G野手雑感】

1中 立岡宗一郎 4打数2安打1四球 盗塁3

・2本のヒットはいずれも決して捉えた打球ではないが、最後までしっかり振りきっているからこそ生まれたモノだった。但し、欲を言えば凡打の内容が相変わらず良くない。

・盗塁を3つ決めたが、大野の弱肩を見越した見事な走塁だった。

 

2二 吉川尚輝 5打数1安打

・ヒットは1本出たが、ワンバンドのフォークにあれだけ手を出してしまうと厳しい。

・やや狙い球の絞り方にも問題があるが、松坂のテクニックに苦戦していた。

・セカンドの守備に関しては、1軍の雰囲気に慣れてきて安定感も増している。又、特に守備範囲とダブルプレーの完成率でチームに大きく貢献してるので、守備だけでも彼を使う価値は十分にある。

 

3遊 坂本勇人 3打数1安打2四球

・派手な活躍ではなかったが、攻守でチームの勝利に大きく貢献した。

 

4左 ゲレーロ  4打数1安打1四球 打点1

・初回のタイムリーで第2打席以降のバッティングに期待したが、相変わらず体が突っ込んでしまっているので、本来なら捉えられる筈のボールもミスショットしている。

 

5三 マギー 4打数1安打

・バッティングで気になるのは明らかなボール球に手を出してる事。去年のような選球眼の良さは感じられない。

 

6一 岡本和真 4打数0安打 盗塁1

・弱点になりつつある外角スライダーに対する意識が強くなって、若いカウントでの内角寄りの甘いボールにに反応が遅れてしまっている。カウントが追い込まれるまでは、もう少しシンプルに狙い球を絞って欲しい。

 

7右 亀井善行 3打数0安打1四球

・今日から1軍に復帰し、即スタメンとなった。

・最後の打席は彼らしいスイングだったが、それ以外の打席はタイミング的に差し込まれていた。

・一方で、ライトの守備は相変わらず素晴らしかった(詳しくは試合雑感で)

 

8補 大城卓三 3打数2安打

・積極的にスイングしていく姿勢が功を奏し、強い打球が内野手の間を抜けていった。

 

三 中井大介 1打数0安打

・岩瀬のカットボールに完全に詰まらされた。

・サードの守備ではビシエドの強い打球を捕球しきれずエラーにしてしまった。

 

打 田中俊太 1打数0安打

・代打として積極的にスイングする姿勢は「買い」である。この姿勢は後々プラスに働くだろう。

 

補 小林誠司 1打数0安打

・1点差の厳しい状況でマスクを被ったが、マシソン、上原、カミネロを好リードで導いていた。



 

【G投手雑感】

☆大竹寛 5回4安打1四球1三振 失点1

・去年と比べると、投球の組み立てがガラリと一変していた。

・去年は打者の左右関係なく(割合はほぼ同じ)投球の中でシュートが占める割合は約25%だったが、この試合では45%を占めていた。一方で去年は最も多かったスライダーの割合を減らしていた。

・初回こそ緊張で腕が振れていなかったが、2回以降はシュートを軸に打者に対して向かっていく投球が出来ていた。

・彼が崩れていくパターンは、投球の中で慎重さ(四隅に投げる意識が強すぎる)が先行し、カウントを悪くしたところで、置きに行ったボールを痛打される形が多く見られたが、この試合では、コースだけは間違わないように意識して、最後まで腕をしっかり振って投げていた。

・5回78球で降板したが、欲を言えばあと1イニング投げてほしかった。しかし、去年までは引っ張って失敗するケースが多かったので、監督の判断としてはやむを得ない。

 

☆澤村拓一 1回4安打 失点1

・直球の切れはまずまずだったが、カットボールが真ん中に集まっていた。

・1アウトからビシエドに直球を痛打されて、次の福田からカットボール中心の配球に変わり、彼をセカンドゴロに討ち取ってダブルプレーで終わる筈だったが、イレギュラーで逆にピンチが広がってしまった。ここから流れが変わって連続ヒットを許し、1点差まで詰め寄られたが、何とか同点は許さなかった。

・やはり、無駄な出塁(制球を乱しての四球)を許していないので、最少失点で凌げている。

 

☆マシソン 1回0安打1三振 失点0

・前回の登板よりも直球に角度があり、ショート回転もなかったので、左打者の懐に突っ込む事が出来た。

 

☆上原浩治 1回0安打1三振 失点0

・相手のフォーク待ちを逆手にとって、直球中心で組み立てていた。

・前回と同じく、直球・フォークともに切れが良くなかったが、それでも無安打に抑えるナイスピッチングだった。

 

☆カミネロ 1回1安打1死球1三振 失点0

・やや暴れていたが、ボールの切れは良かった。

・先頭の平田にヒットを許したが、下位打線という事もあって後続をしっかり抑えた。



 

【試合結果と超激辛MVP

G 102 000 000 3

D 100 001 000 2

勝 大竹寛 1勝

H 澤村拓一 4H 上原浩治 4H マシソン 1H

S カミネロ 2S

負 松坂大輔 1敗

超激辛MVP 上原浩治(1回目)

 

【勝敗の分岐点】

☆8回裏、試合の流れが明らかに中日側に傾きつつある中で、上原がクリーンアップを相手にゼロで抑えて、その流れを遮断する

・1点差に詰め寄られた後の巨人の攻撃が、7・8回ともに3人ずつで終わってしまったので、明らかに試合の流れは中日側に傾きつつある状況だった。

・しかも、この3連戦で結果を残しているアルモンテから始まる攻撃だったので、百戦錬磨の上原でも厳しい状況だった。

・一方で、ここをゼロに抑えれば、最終回に登場するカミネロが下位打線と対戦する事になるので、勝つ確率はグッと上がる。

・上原はこの嫌な流れをほぼ完璧に遮断して、抑えのカミネロに襷を渡した。



 

【試合雑感】

☆1回表、先取点を奪った直後のチャンス(1アウト1・3塁)で、マギー・岡本が連続三振

・ゲレーロのタイムリーヒットまでは理想的な攻撃だったが、続いて登場したマギーが甘いボールを見送り、最後はボール球に手を出すという最悪の三振で、松坂を落ち着かせてしまった。

・そして岡本もカウント球の変化球をミスショットし、最後はボール球のスライダーを振らされてしまった。

☆1回裏、同点に追い付かれた直後の場面で、福田のピッチャーゴロで二塁走者のアルモンテが飛び出してアウト

・リプレイ検証になったが、完全なアウトだった。大竹も初回は腕が振れてなかったので、一気に崩れてしまう危険性があったが、このプレーで大竹も冷静さを取り戻した。

☆3回表、マギーのダブルプレーの間に1点を奪い、更に岡本のショートゴロを京田が送球エラーをして追加点を奪う

・ラッキーヒットと四球で満塁のチャンスを作ったが、マギーがダブルプレーでまたも1点で終わってしまう流れだった。

・そして岡本のショートゴロで終わってしまう筈だったが、ここで京田が手痛いミスを犯して追加点が入った。

・これで試合の主導権は巨人側が握る事になった。

☆6回裏、1アウト1・2塁、高橋周のタイムリーヒットで、一塁走者の三塁進塁を阻止した亀井の好判断

・この場面でやや深めで守っていたライトの亀井は、瞬時に本塁への送球を諦めてショートの坂本に送球し、二塁走者の三塁進塁を阻止した。

・この直後に平田がレフト前ヒットを打って、二塁走者の福田が三塁にストップして満塁になり、続く大野をダブルプレーで討ち取り追加点を許さなかっただけに、このプレーは本当に大きかった。

・こういうプレーは記録に残らないし、選手を評価する上では見落としがちではあるが、亀井の卓越した状況判断と野球センスは、チームを勝利へ導くビックプレーを生んでいる。



 

【試合総評と次戦に向けて】

☆松坂大輔、復帰戦を勝利で飾れず

・オープン戦を見たときは、彼が最も頼りにしてるスライダーの抜け球が多かったので、十分にチャンスがあると思っていたが、この試合ではスライダーを減らして、カットボールとチェンジアップを上手く使って打者に的を絞らせなかった。

・但し、この投球内容ではちょっと厳しいので「もっと制球力を上げてくるか」「直球の切れをもう少し上げるか」次の登板ではどちらかを期待したい。

☆4番と5番が不調でもチームはここまで4勝2敗

・ここまで楽な試合は一つもないし、特に打線は主軸が当たっていないので厳しい状態が続いている。だが、そんな状態でもチームが勝ち越せているのは、リリーフ陣が踏ん張ってる事が最大の要因である。

☆巨人打線は相変わらず低空飛行が続いている

・3連戦通じて言える事は、総じて打線が低調だった事。初戦も多くのヒットが生まれたが、ラッキーな当たりが多かった事は否めない。

・特にマギーの調子がまだまだ上がりそうにもないので、岡本がここで踏ん張らないと複数得点が厳しくなる。

☆ゲレーロに必要なのは「切っ掛け」のみである

・一方で、同じく低調なゲレーロに関しては、そんなに心配していない。確かにバッティングの形は良くないが、表情を見ると焦りはまだまだ感じない。

・又、オープン戦序盤で調子を上げて、そこから徐々に落ちているので、そろそろ打ち始めるだろう。1本出れば一気に量産するかもしれない。

☆ヤクルトとの初戦はエース菅野が汚名返上する

・巷では色々言われているが、開幕戦の投球だけで彼の評価は全く揺るがない。

・前回の投球を振り返ると、確かにシンカーを覚えたことによる副作用で、直球が抜けてシュート回転したのかもしれない。

・しかし、彼には他が真似できない高い修正力があるので、1週間でキッチリ調整すると確信している。

☆ブキャナンから先取点を奪い、打線の重苦しさを解消したい

・ブキャナンは手も足も出ない相手ではないが、先取点を許すと厄介な投手ではある。

・今の巨人打線はかなり重苦しい状態だが、こういう時はなかなか連打による得点は期待できない。やはりホームランが出やすい神宮球場での試合なので、1本のホームランを起爆剤にして打線の勢いを取り戻して欲しい。

以上 敬称略

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コメント

  1. pug より:

    更新お疲れ様です!
    昨日の試合は勝てたという以外、内容的には最悪な部類に入る試合でしたね。
    大竹はベテランらしく、組み立てで何とかしのいで最低限の仕事はしてくれましたが、書かれている通り、後1イニングは行って欲しかったですね。
    リリーフ陣は、変わらず素晴らしかったですし、マシソンも良かったので安心しましたが、守備に足を引っ張られて余計な負担がかかってしまったのは反省材料ですね。
    攻撃面では、大野の肩の状態と配球や松坂のモーションを考えながら、岡本まで盗塁を決めた事は唯一良かったですが、前回の記事で筆者さんが書かれていた様な狙い球を絞ってチーム全体で松坂を崩すという形が見えなかったのは残念でしたね。
    とはいえ、何とか勝ち越せたので、最近は、あまり良いイメージのない神宮ですが、今日の菅野にはキッチリ修正できた姿を見せてもらい、早めの打線の援護も期待しつつ、登板過多になりそうな、リリーフ陣を休ませる事にも期待したいですね。

  2. Gアンツ より:

    お疲れ様です。
    本当に澤村の復活と上原の復帰が大きいですね。
    昨年の中継ぎ陣だったら3連敗も有り得た展開だったかと…
    陽の離脱は痛いが打線はある程度形は見えつつあり後は個人の調子の問題ですかね。
    昨日のように外野で左打者を起用できると右偏重がなくなりバランス的にも良いとは思いますね。
    しかし長野はかなり深刻ですね。やはり膝の影響からなのでしょうか?
    もう以前のような姿は難しいのでしょうかね?
    管理人様の長野の見立てはいかがでしょう?
    個人的には好きなタイプの選手だし何とか復活してもらいたいのですが
    近年の成績では首脳陣にも決断が必要なのかなとさえ感じてしまうのですが。
    今日からヤクルト戦ですね。
    首脳陣が変わり青木が加わり去年とは全く別のチームになった印象です。
    勝ちパターンの中継ぎも登板が多くなってきていますから菅野には1イニングでも長くそして結果として完投して欲しいですね。

  3. ハッシー より:

    昨日はTVで見れなかったので分かりませんでしたが、亀井に好判断があったんですね。こういうプレーが時に勝敗を左右するので大きいですね。
    岡本は先週あった思い切りが無くなってきてるので、おかわり君が言ういい意味での「適当」(考えすぎない)が必要かもしれませんね。
    やはり両外国人の最低どちらかは調子が良くないと打線が繋がりませんね。

  4. hideo469998 より:

    登板過多が気になりますよね
    打線の状態が良くないので、当面の間はリードしてる試合は全員投入しそう。。。

  5. hideo469998 より:

    長野はバッティングスタイルを見つめ直す必要があると思っています。
    本人は何で打てない?と悩んでいるかもしれませんが、相手に攻略法を確立されてしまった印象が強いです。

  6. hideo469998 より:

    岡本はまさに今は余計な事を過ぎてる印象です
    ここで怖いのは振れなくなる事なので、開幕戦3連戦を思い出して初球から狙い球を絞ってフルスイングしていけば良いと思ってます
    彼にクリーンアップと同じ責任を背負わせるのは酷というものです