再び打線が湿って4連敗中の読売ジャイアンツ。
昨日は連敗脱出に向けて、今やエースと言っても過言ではないマイコラスが登板した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DeNA | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
巨 人 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 2 |
試合は、3回裏の阿部のタイムリーで奪った2点を、マイコラスが最後まで守り切り、Gが連敗ストップに成功した。
【G投手雑感】
★マイルズ・マイコラス
前回の登板内容について、筆者は「直球にスピード感が無かった」と論評したが、この試合の投球内容を見ると、どうやら意識的に抑えていたようだ。
交流戦辺りから彼は勝ち始めてきたが、そのころは力任せで打者を討ち取っていた印象が強く、無駄なボールも多かった。
よって、制球が突然乱れるケースも見られたが、ここ3試合は全くそういう感じがしない。
個人的に感心するのは、直球にも意識的にスピード差をつけている事。
打者の手元でシュート回転したり少し落ちたりスライドする142キロ程度の直球と、全力で投げる150キロ超えの直球を明らかに使い分けている。
ランナーが居ない場合は、前者のボールをストライクゾーンに投げてファールを打たせてカウントを稼ぎ、カーブ・スライダーを織り混ぜて打者を討ち取る。
ランナーを得点圏に出したケースでは、全力で内角直球を投げ込んでファールや空振りを奪い打者を追い詰める。
そして、打者に的を絞らせない状況を作ってから、変化球と直球を低めに投げ込む。
相手打線も追い込まれるまでに勝負しようとしているので、早打ち傾向になっている点も、彼にとってはプラスに働いている。
【G野手雑感】
☆立岡宗一郎
バッティングに関しては文句のつけようがなく、素晴らしいの一言。
但し、センターの守備については反省すべき点が多々ある。
初回と最終回にダイビングキャッチを試みたが、どちらも状況を考えると無理すべき状況ではなかった。
特に初回の方は、2アウトランナー無しの状況だったので、無理する必要性は殆どなかった。
勿論「必死さ」は買いたいが、プロの選手としては状況判断も瞬時に行わなければばらない。
同じセンターの松本哲と比べると、打球判断と打球の追い方に大きな差を感じる。
彼がGのレギュラーとして確固たる地位を築くには、今後は彼クラスの守備が求められる。
単純に足の速さや肩の強さは立岡の方が上なので、本人の努力次第で、その可能性は十分にあると断言したい。
☆片岡治大
初回のバント失敗は、現状のチーム状態を象徴していた。
バッティングの状態については、頭部死球の影響を心配していたが、悪い状態には思えない。
☆坂本勇人
昨日は3安打・1四球と素晴らしい結果を残したが、バッティングの状態はあまり良くない。
どの打席もタイミング的に差し込まれてるケースが多く、本調子には遠い印象を受ける。
但し、最後の打席のヒットについては、そこに至るまでの過程が良かったので好印象だった。
是非、これをキッカケに打率3割超えを目指してもらいたい。
☆長野久義
体の開きが早く、甘い外寄りのボールをバットの先で捉えてしまっている。
昨日のB投手陣は、彼に対して比較的甘いボールを投げていたが、それを尽くミスショットしてしまっていた。
彼が打線のブレーキ役になってしまい、試合展開を苦しくしてしまった。
☆阿部慎之助
第1打席の内容は良くなかったが、この打席でボール球を何とか見切った事によって、少し明るい兆しが出てきた。
第2打席のタイムリーは、甘いボールなので「彼クラスなら打って当然の失投」なので、手放しでは喜べないが、その後の打席を見ても雰囲気は明らかに変わってきている。
☆レスリー・アンダーソン
2軍戦でホームランを放った彼のバッティングを見ていたので期待していたが、復帰初戦の前田健の緩急を使ったピッチングで再び狂わされてしまった。
体が前に突っ込む事を意識しすぎて、打つポイントがかなり遅れている(差し込まれている)
よって、甘いボールも捉えきれていない。
☆小林誠司
相変わらず素晴らしい強肩でBの機動力を封じ、マイコラスの投球リズムが良くなる一因を作った。
リードについてもマイコラスと相性の良さを感じる。
バッティングも結果は出なかったが、引き続き良い状態をキープしている。
☆橋本到
不甲斐なかったアンダーソンに代わり、4回裏の守備から登場した。
しかし、バッティングについては彼もアンダーソンと同様に不甲斐ない結果に終わった。
以前の弊ブログでも書いたが、彼は打席に立つ前の準備が全く出来ていない。
6回裏の併殺打は、1ボールというカウントで、外のツーシーム(ボール球)に手を出し、8回裏のチャンスの場面でも、真ん中のチェンジアップを中途半端なスイングでセカンドゴロに終わる。
どちらの打席も、狙い球を絞っているようには見えず「打ちたい」という気持ちが先行してしまっている。
同じ事を繰り返しているようでは話にならない。
【試合総評】
「試合運び」という点では、決して誉められた内容ではない。
ぶっちゃけて言えば、この試合で仕事をしたのはマイコラス・立岡・坂本・阿部・小林の5人だけで、他の選手については不合格と言わざるを得ない。
特に打線については、2番・4番・6番がキッチリ仕事をしていれば、彼らの前を打った1番・3番・5番が多く出塁していただけに、もっと楽な試合になっていた筈である。
まあ、それでも今の時期は内容云々ではなく、勝てば何でも良い。
泥臭く必死でプレーして、目先の勝ちを拾っていくしかない。
「今年のジャイアンツは弱い」という自覚の元に、一球一球に食らいついて行くしかない。
以上 敬称略