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巨人ベンチに欠けているのは選手起用の柔軟性(ヤクルトvs巨人 3回戦 2018.4.8)

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さすがに贔屓にしているチームが3連敗すると、キーボードを叩くスピードが鈍ってくる。まあ、ペナントレースは始まったばかりなので過剰に悲観的になる必要はないが。。。



【G野手雑感】

1中 立岡宗一郎 4打数0安打

・1番打者として全く仕事が出来なかったが、内容的にいつも同じパターン(右投手には内角を攻められ、左投手には外角スライダーを振らされる)でやられてるので厳しい評価になる。

 

2二 吉川尚輝 4打数1安打

・バッティングに関して、彼の弱点は以下の通り
①左投手のスライダーへの対応が全く出来ていない
②落ちるボールの見極めが出来ていない
③140キロ中盤以上の直球に対して常に差し込まれている

・パッと思い付いただけでもこれだけあるので、実情はもっと多くの弱点があると思われる。

・当然、これを克服する事は容易ではないし、時間は少しかかるかもしれないが、個人的には成長する過程を1軍の試合を通じて見届けたい(坂本のように。。)

 

3遊 坂本勇人 4打数0安打

・山中に対して全くタイミングが合わずに、その後の打席もやや気になる内容で凡退していた。

 

4左 ゲレーロ 3打数0安打1四球

・こちらも山中には全くタイミングが合わずに、その後の打席も内容が良くなかった。

 

5三 マギー 4打数3安打 打点1

・彼は山中の緩いボールに対して逆にタイミングが合っていた。その後の打席も内容が良かったので、これが上昇カーブを描く切っ掛けになれば良いが。。。

 

6一 岡本和真 4打数2安打 打点1

・フェンス直撃の二塁打は、やや体の開きが早くなってバットの先で捉えてしまったが、しっかり最後まで振り切れていた。

・最近、ややスイングが小さくなっていたので心配していたが、ようやく彼らしいフォロースルーを見る事が出来た。

 

7右 亀井善行 2打数0安打 打点1

・犠牲フライとなった大飛球のバッティング内容は良かったし、左投手から粘って四球で出塁した内容も濃かった。やや直球に差し込まれ気味なのが気になるが、良化の兆しととらえたい。

 

8補 大城卓三 2打数1安打 打点1(HR1)

・プロ初ホームランはお見事の一言。しっかり引き付けてあれだけ飛ばすのだから申し分ない。

・一方で、キャッチャーとしてリード、状況判断に課題を残した。

 

打 田中俊太 1打数0安打

・凡打に終わったが、内容は相変わらず良い。本当にスタメンで使ってみたい選手だが。。。

・私が監督で目の前の試合に勝つ事だけが目的なら、セカンドは吉川尚ではなく彼を起用すると思う。しかし、守備・走塁などを含めた今後の伸びしろを考えると、私も吉川尚に経験を積ませると思う。

 

補 小林誠司 1打数0安打

・勝負処での澤村への配球には疑問が残った(詳しくは試合の分岐点で)

 

打 阿部慎之助 1打数0安打

・久しぶりの登場だったので直球に差し込まれてしまった。



 

【G投手雑感】

☆野上亮麿 5回6安打3四球5三振 失点5(HR1)

・直球の切れは上々だったが、変化球はどれも制球が今一つで、特にカウント球で使えるボールに苦労していた。その結果、ピッチングが単調になり、直球が甘くなったところを痛打されていた。

・去年のデータを見ると、投球の中で直球の割合が約5割を占めていたが、前述のように変化球が殆ど決まってなかったので、そのデータ通りに直球を狙い打たれてしまった。

・又、牽制を挟まずに初球から簡単に盗塁を許すケースが目立ち、特に山田に対しては連続して2度決められる失態を犯してしまった(特に2度目はキャッチャーが外したにも関わらず許してしまった)これに関しては大城も含めてしっかり反省しないといけない。

・結果的に5失点の負け投手にはなかったが、ピッチングの内容を精査するとそんなに悲観すべきモノではない。

 

☆澤村拓一 2回3安打1四球 失点2

・直球が全体的に抜け気味で、ビシッと指にかかるボールが少なかった。又、小林が内角高めの直球を要求したケースでは、引っ掛かって逆球になってしまい痛打されていた。

・変化球はカットボールが殆ど決まらず、勝負球ではフォークに頼らざるをえない状況だった。

・やや疲れを感じるピッチング内容だったのが気掛かりなので、彼の使い方に関してはもう少し配慮すべきかもしれない。

 

☆宮國椋丞 1回0安打 失点0

・直球、変化球ともにボールの切れはまずまずで、低めにボールを集める意識は感じた。

・無難に1イニングを無失点で抑えたが、内容的には去年からの進歩は感じなかった。



 

【試合結果】

G 001 300 000 4

S 103 001 20× 7

勝 中尾輝 1勝

H 石山泰稚 3H

S カラシティー 3S

負 野上亮麿 1勝1敗

HR バレンティン 3、大城卓三 1

 

【勝敗の分岐点】

☆6回裏、1アウト3塁の場面で廣岡が犠牲フライを放ち、これが決勝点になる

・この回は先頭の荒木に二塁打を許し、ここで先発の野上から澤村にスイッチして、続く坂口が送りバントを決めて1アウト3塁の状況になった。

・そして廣岡に対して澤村の投じた初球が真ん中のフォークボールだったが、これをミスショットしてフォール、2球目が低めのフォークを空振りしてカウントを追い込んだが、3球目の外角高めの直球をセンターまで運ばれて犠牲フライになった。

・この3球目の選択に疑問を感じたわけだが、解説の江本氏と全く同意見で、内角高めの厳しいボールを選択した小林の意図は解るが、それを制球力の高くない澤村に求めたのは酷だった。

・やはり投手の立場で考えれば「当てたらまずい」という心理が無意識に働くのは当然であり、しかもボールが抜けていた当日の調子では尚更そう感じていたと思う。

・その結果、打者としては一番外野フライが打ちやすい外角寄りの高めのボールが行ってしまい、廣岡にとってはコンパクトに当てるだけだった。

・普段はメチャクチャな解説をする江本氏にしては珍しい的を得た解説だった(失礼!)



 

【試合総評と次の3連戦に向けて】

☆明暗を分けた両チームの1・2番

・この3連戦を通じて、最も両チームで差が生まれたのが、1・2番の働きだった。特に初戦の菅野が不調気味だった山田を完全に甦らせてしまい、その後は山田にいいようにやられてしまった。

・又、1・2番に関しては、単純に出塁率で劣っていただけではなく、打席での「粘り」や「しつこさ」にも差が出てしまい、打線としての繋がりやチームの士気にも影響を及ぼしていた。

☆今後、巨人ベンチに求められるのは「選手起用の柔軟性」

・この試合で気になったのは、巨人ベンチの打つ策が後手を踏んでいること。特に試合の流れを左右しかねない中盤で、代打を積極的に出す姿勢が乏しく、試合の体勢が決まった後に出さざるをえない状況になっていた。

・この試合で言えば、勝ち越しを許した直後の7回表の攻撃で、相手が左投手を続投させてきたにも関わらず、前の対戦で全くタイミングが合っていなかった立岡をそのまま打たせて結果は凡退した。

・立岡に代打を出せば、ヤクルトベンチは右にスイッチする可能性もあるが、それは巨人側にとっては好都合で、その後の吉川尚が対左投手には厳しいので右投手が出てくれば有り難いし、左のままなら右の代打(例えば中井)が出塁すれば、吉川尚にはバントで送らせてれば良い。

・一方でヤクルトベンチは、相手の投手の調子や特徴、試合の流れをしっかり見極め、勝負処と見れば積極的に選手を変えて崩そうとする姿勢を感じた(例えば決勝点の場面で打撃好調の荒木をバントで3塁に進塁させた後に代走を送ったり、無駄に投手を使わないようにする為に1アウトの状況でも8番で確実にバントで送らせて9番の投手に代打を送るなど)宮本ヘッドの柔軟で的確な選手起用は見事だった。

☆先発投手がゲームメイクしないとチームの戦い方に安定感が生まれない

・先発投手がこうも毎回序盤で崩れてしまうと、なかなかチームは乗っていかない。しかも、強力打線とはお世辞にも言えない状況なので、打ち合いに持っていっても分が悪い。

・やはり今年の巨人の勝ちパターンは、序盤で先取点を奪い、主導権をしっかり握った状況で勝ちパターンのリリーフに繋いでいくという形しかない。

☆初戦の山口俊が崩れるとかなり拙い状況になる

・古巣相手に山口俊が平常心でマウンドに立てるのか心配ではあるが、彼本来の調子で投球できれば、最少失点でDeNA打線を抑える事は決して高いハードルではない。

・だが、万が一彼が序盤で崩れるような展開になると、いよいよ先発陣崩壊の危機に直面する事になり、去年の悪夢を再現しかねない状況に陥ってしまう。

以上 敬称略

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コメント

  1. pug より:

    更新お疲れ様です。
    初戦を見た時の懸念が現実化したような試合でしたね。
    もっと言えばナゴヤドーム、神宮と近年相性が良くない球場での連戦だった不安が、そのまま出てしまった1週間でしたが…
    野上は、山田へのアウトコースの際どいボールがストライクだったら…と思ってしまう事はありますが、その後の完璧に決められた2盗塁は、大城はもちろん、野上も含めて反省して、次回はもっと積極的に仕掛けてくる広島戦だけに修正して欲しいですね。
    澤村に関しては、前回怪しげな部分があった中で、いきなり厳しい場面での登板でしたが、これでチーム全体も含めて神宮球場への苦手意識みたいなものができてしまう事への不安はありますね。
    野手陣は、やはり1,2番が機能しないと、大量得点には繋がらないというのを実感する、今週の試合でしたが、やはり1番に長打や勝負強さがある打者がいないと、相手にもプレッシャーがかからないので、守備も含めて陽の不在が大きすぎることを実感しましたね。
    昨日書かせてもらった亀井についても惜しかった打球とはいえ、同点の犠牲フライの場面は1打席目を踏まえて、逆方向への意識という感じで最低限犠牲フライを打ちに行った感じでしたが、あそこは後ろの大城のように引っ張って強い打球を打ちに行って欲しかった思いはありますね。
    毎年、新戦力にやられ気味なのは恒例みたいになっていますが、あまりにもやられすぎている気がするので、今年強化した情報部のデータ含め、もう1度引き締め直して、去年の上位相手ですが東京ドームでの6連戦に挑んで欲しいですね。

  2. うな より:

    投手継投や代打起用も固定で試合状況を見極めて動くことができないから、阿部は1カードに1回しか使わないけど試合勘が鈍りますよ。
    代打のコツを掴ませる為にも積極的に起用した方がいいと思います。
    この日のような場面で起用するなら、初戦の相性が良かったブキャナンや2戦目も起用できるタイミングがあったと思いますけどね。

  3. ハニスポ より:

    個人的には、「6回表のチャンスで大城に代打・小林」だったら・・・・・、と思う所です。
    野上は5回を投げて100球近かったし、翌日は休みだった事もあり、6回裏のアタマから澤村を投入し、上原マシソンカミネロを投入して逃げ切り、で良かったと思いました。
    1,2戦目は新生ヤクルトの強さの証+菅野田口の失態である一方、3戦目はベンチが優柔不断だったが故の敗戦だったと思っております。
    明日から横浜広島との6連戦となりますので、首脳陣は今回の”失態”をしっかり反省して、勝利に向けて最善を尽くして頂きたいものです。

  4. たら より:

    いつも楽しく拝見させていただいています。
    前回のエントリーではセンターラインの重要性をおっしゃっていましたが,陽の離脱は本当に痛いです。無茶苦茶なこととはわかっていますが,今の選手構成だと,坂本をセンターにコンバートしてほしいとまで思ってしまいます。そうすれば,ショート吉川尚,田中セカンドの布陣が敷けるので。ショート坂本の期限切れが迫っているので,センターも負荷は大きいと思いますが,超負荷のショートよりはマシ,かつ,坂本ならばどこでも対応できそうということで,思わず夢想してしまいます。

  5. hideo469998 より:

    審判の判定については、まあ仕方ないですね。。
    どっちとも言えるボールだったので不運としか言えません。

    情報部についてはここまで機能してるとは思えませんが
    これからデータを蓄積していくので、いずれ。。。まあ期待してますが。。苦笑

  6. hideo469998 より:

    そこについては同意する部分が多いのですが
    まあ、致命的に足が遅い阿部の起用法は、C新井よりも高度な判断が求められます
    本当に難しい判断ですが。。。

  7. hideo469998 より:

    代打小林も一つの考え方ではありますが
    シーズンは長いので大城に打たせて見るのも頷けます。

    投手起用に関して同意ですが、但し野上を続投させるならそのイニングは失点するまで彼に任せるべきでしょうし、最初からピンチになったら変えるスタンスだったら頭から使うべきでしょうね

  8. hideo469998 より:

    面白い発想ですね

    まあ全く練習してないので今は現実的ではありませんが、坂本の選手寿命を少しでも伸ばすならサードでの起用がより現実的な発想でしょうね