打線爆発!エース菅野智之で連敗ストップ(巨人vs広島 1回戦 2018.4.13)

競り合いでは負け、大味な試合で勝つというパターンは、弱いチームの典型とも言える。
しかし、去年はいいようにやられたカープを相手に初戦で快勝した事は大きいし、そして何より今は連敗を止めた事を素直に喜びたい。
【G野手雑感】
1遊 坂本勇人 5打数3安打
・初回の三塁打は見事だった。この試合も菅野が先制点を許す嫌な展開になりかけていたが、この1本で球場の雰囲気はガラリと変わった。
・懐の深いバッティングになってるので、詰まっても自然とヒットゾーンに打球が落ちていく
2二遊 吉川尚輝 3打数1安打 打点2
・試合序盤からイケイケ状態になっていたので、彼は自分のバッティングに徹する事が出来た。
・相変わらずセカンドの守備は上手い。まだまだカープ菊池の域には達していないが、数年後には彼レベルの忍者になる可能性は十分にある。
3左 ゲレーロ 4打数1安打 打点2
・最後の打席ではタイムリーヒットを放ち、助っ人としての面目を何とか保った。
・バッティングの状態はDeNA3連戦の時よりも良かった。
4三 マギー 4打数2安打 打点3(HR1)
・年齢的な衰えがあるのは、サードの守備だけだった。
・バッティングに関しては、内回りのシャープなスイングが出来ているので、もう衰えを心配する必要はないし、今年も間違いなくクラッチヒッターとしてそれなりに活躍するだろう。
5一 岡本和真 2打数1安打1死球 打点2(HR1)
・やや元気がなかったので心配していたが、ようやく本人も一息つける一発を放った。
・解説の山本浩二氏が指摘していたように左肩の開きが早いので、ホームランを放ったバッティングも、ややバットの先で捉えていた。
・手の甲へのデッドボールで途中交代したが、これも体の開きが早い事が最大の原因で、ボールを真正面から迎えにいってしまうので、避ける体勢を作ることが出来ない。
・以前、ゲレーロにも同じことを指摘したが、あのようにボールを受けてしまうと大怪我のリスクが非常に高いので、選手寿命にも影響を及ぼしてしまう。
・打撃コーチは、体を逆回転に捻って左の二の腕に当てるように、早い段階で指導した方が良い(退団した村田は避け方が抜群に上手かった)
6右左 亀井善行 4打数0安打
・バッティングの状態はそんなに悪くはなかったが、一人だけバスに乗り遅れてしまった。
7中一 中井大介 4打数1安打 打点1(HR1)
・彼をスタメンで使って欲しいと、オープン戦の頃から言ってきたが、流石にセンターで起用するとは思わなかった。結局一度もセンターとしての守備機会がなかったので、彼がどこまで出来るのか分からなかい。
・HRを放ったバッティングは技術的には非常に高いレベルで、もう一回同じように打てと言われても再現は難しいかもしれない。
・但し、それ以降の打席は勿体なかった。調子が良い時だからこそ、もう少し打つべきボールと、見逃すべきボールをセレクトするべきだった。
・明日もスタメン起用が濃厚なので、自分の野球人生を賭けるつもりで試合に集中して欲しい。今はチーム内での立ち位置(格)を上げる絶好のチャンスだ!
8補 小林誠司 4安打1安打
・バッティングの状態は引き続き良い。
中 立岡宗一郎 1打数0安打
・この打席の中で、ライトポール際にライナー性のファールを打った場面があったが、あのようにポイントを前に置いて引っ張る打球をもっと増やした方が良いし、彼にはそれが出来る。
・それを何度か相手バッテリーに見せていけば、投手もコースを丁寧に狙う意識が強くなって腕の振りも鈍ってくるし、捕手も安直に要求出来なくなる。
・毎回、タイミング的に差し込まれているようでは、相手バッテリーに対してプレッシャーはかけられない。
・一般社会の競争と同じで、投手と打者の間でも風下に立った側(見下されてる側)が、常に苦杯を嘗めざるを得ない現実がある。
二 田中俊太 1四球
・しっかりボールを見極めての四球だった。
【G投手雑感】
☆菅野智之 8回6安打3四球10三振 失点1
・直球の割合を減らして、カットボールとフォークを多く投げていた。
・特にカットボールの精度が良く、カープの左打者にはかなり意識させていた。そして追い込んだ後は、膝元にフォークで落としたり、外からのカーブやスライダーで空振りを奪っていた。
・又、フォークをカウント球で使うケースがあり、そこはこれまでと投球パターンが変わっていた(上原から何かヒントを得たかもしれない)
・一方で直球の割合が減っていたが、これに関して本人も質の低下を感じていて、試合前のバッテリー間の話し合いで意識的に減らしたと思う。
・その直球については、序盤は前回までと同じで抜け気味のボールが多かったが、5回頃からかなりの割合でコーナーに決めていた。
☆カミネロ 1回3安打2三振 失点1
・久しぶりの登板で、しかも大きくリードしていた場面での登板だったので、本人も最初は力を抜いていたように感じた。
・それはバッテリーを組んだ小林にも言えることで、出来れば変化球を見せずに試合を終わらせる狙いを感じた(最初の打者に対しては直球だけ、二人目にも変化球は1球だけ)
・最後はフォークを使わざるをえない状況になってしまったが、フォークを多投してからは連続三振を奪っていた。
【試合結果と超激辛MVP】
C 100 000 001 2
G 500 030 20× 10
勝 菅野 1勝2敗
負 野村 2勝1敗
HR 岡本 3、中井 1、マギー 2
超激辛MVP 坂本勇人(2回目)
【勝敗の分岐点】
☆(1-1)1回裏、0アウト1塁の場面で、1塁走者の吉川尚が盗塁を敢行し、キャッチャー悪送球の間に3塁まで進塁
・前回の記事で「連敗を止めるには相手に先取点を許さない事が絶対条件」と書いたが、その条件は初回で脆くも崩れてしまった。
・しかし、連敗を止める為にはもう一つ必要な事を書いた。それは孫子の兵法を例えにして、連敗中の今は「動かざること山の如し」ではなく「侵略すること火の如く」という姿勢で挑むべきと指摘したが、まさにこの盗塁がそれだった。
・しかも、この盗塁は相手捕手の送球ミスを誘い、吉川尚は三塁まで進んだので、この回で逆転する可能性が大きくなった。つまり、初回の表裏が終わる段階では巨人が先取点を奪ってリードする展開と、形としては同じになった訳である。
・この3塁走者をマギーがキッチリ返して逆転し、心理的に楽になった岡本と中井が二の矢、三の矢(HR)を放ち、初回から試合の主導権をガッチリ握った。
【試合雑感】
☆(C1-0)1回裏、0アウト3塁の場面で、吉川尚の打球をファースト安部がエラー
・難しい打球ではあったが、仮に安部が上手く処理して、吉川尚の出塁を許さなかったら、このイニングは1対1の同点で終わっていた可能性が大きかった。
☆(G2-1)1回裏、1アウト1塁の場面で、岡本が2ランHR
・巨人打線に欠けていた畳み掛ける攻撃がようやく生まれた瞬間だった。この一発で試合の主導権は巨人側が握った。
☆(G4-1)1回裏、2アウト走者なしの場面で、中井がソロHR
・2アウト後の更なる追加点だったので、この一発も非常に大きかった。そしてこの一発で試合の主導権を巨人側が更に強固な形で握った。
☆(G8-1)6回表、0アウト1・3塁の場面で、松山が三振
・既に試合の大勢は決していたが、去年一方的にやられていたカープ打線の嫌なイメージを払拭する為には絶対に抑えておきたい場面だった。
・又、菅野にとってもここで失点を許してしまうと、精神的に嫌なイメージのままマウンドを降りていたかもしれないので、ここから三者連続三振で失点を許さなかった事は今後に向けて明るい材料になった。
【試合総評と次戦に向けて】
☆センター中井という博打に出た巨人ベンチ
・菅野登板でのこの起用はかなり無謀な策とも言えるが、去年の悪夢を感じさせる雰囲気が今の巨人ベンチにあったのかもしれない。
・去年のマギーをセカンドで起用したケースと同じ主旨かもしれないが、果たしてどうなるのか。。。。
・中井がどこまでセンターの適正があるのか分からないので、今の時点では論評できない。
☆ようやく二の矢、三の矢の波状攻撃に成功した巨人打線
・相手のミスが重なった事も大きかったが、前日まではそこを突いていけない打線だったので、そういう意味では進歩と言える。
☆1番田中を完璧に封じた意味は大きい
・カープ打線の肝は「タナ・キク・マル」である事は間違いないが、先頭の「タナ」が出塁すると、高いレベルの走塁力も加わり、その攻撃力は最高レベルに達する可能性が高い。そして、その恐怖は3連戦が終わるまで続いてしまう。
・逆に出塁を許さなければ、鈴木誠の不在による得点力低下が如実に現れるので、彼を第1戦で乗せなかった意味は大きい。
☆苦手の藪田から上位打線で追加点を奪った意味も大きい
・不調ではあるが、去年は全く打てなかった藪田から得点出来た意味は、今後の対戦を考えると大きな意味を持つ。
・特に1~3番の連打での得点だったので、苦手なイメージを多少は払拭出来たと思う。
☆田口にはソロHRはOKという気持ちで挑んで欲しい
・現状の田口の調子を考えると、この試合の菅野のように最少失点で凌いでいく形は想像出来ない。
・彼に一番やって欲しくないのは、失点を過度に怖がってボール先行で相手が狙い球を絞りやすい状況にしてしまう事。
・四球→長打というパターンは試合を壊してしまうので、彼にはソロHRならOKという姿勢で挑んで欲しいし、接戦の形で試合が進んでいけば、今のジョンソンと巨人打線の力関係なら、それなりに得点は期待出来るだろう。
以上 敬称略
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