様々な困難を跳ね返した山口俊と好リードで導いた小林誠司(巨人vs中日 4回戦 2018.4.24)

様々な困難を跳ね返した山口俊と好リードで導いた小林誠司(巨人vs中日 4回戦 2018.4.24)



衣笠祥雄さんが亡くなられたニュースを目にした時、私は28年前の東京ドームで気さくにカープ関係者と談笑しているあの方の姿を思い出した。
私はあの方の引退後にカープと関わりを持ったので面識がある訳ではないが、誰に対しても分け隔てなく笑顔で接しているあの姿は忘れられなかった。
故人のご冥福を心からお祈りいたします。

 

【巨人出場野手レポート】

1遊 坂本勇人 4打数1四球 打点1
・柳のスライダーにタイミングが合わずに手こずっていたが、貴重な追加点となる押し出し四球は貫禄勝ちだった。

2二 吉川尚輝 4打数1安打
・ヒットは1本だけだが、バッティング内容は良かった。
・開幕当初は無我夢中で打席に立ってる印象が強かったが、今は打席の中で落ち着きを感じる。
・又、それは守備面でも如実と現れており、この試合でも安定感抜群のプレーを連発していた。

3左 ゲレーロ 4打数0安打
・彼のバッティングの調子云々ではなく、中日バッテリーに上手く攻められていた印象が強かった。

4三 マギー 4打数1安打
・ヒットは1本だけだったが、バッティングの状態は上昇傾向にある(スイングの軌道が良くなってる)

5一 岡本和真 3打数2安打1四球
・この試合ではチャンスメイクの役割になっていたが、バッティングの状態は相変わらず良い。
・直球待ちのところに変化球を投じられた場合でも、打席の中で一瞬止まって見える絶妙な「間」を作れているので、しっかり捉えてヒットコースに運んでいる。
・この「間」は入団当初から備わっていたが、去年まではそれを活かす事が出来ていなかった。しかし、今は体力がついてスイングスピードが上がり、スイングの幅、軌道も格段に良くなったので、この「技」が活かされて打率を大きく下げない下支えになっている。

6右 亀井善行 3打数1安打1四球
・この試合でもしっかりチャンスメイクして勝利に貢献していた。

7補 小林誠司 4打数2安打
・7番に打順が上がったが、甘いボールを一発で仕留めてチャンスメイクしていた。
そして、この試合で規定打席に達して首位打者となった。
・一方でリード面も冴え渡り、再び山口俊を完投勝利に導いた。

8中 立岡宗一郎 3打数1安打1四球 打点1
・第1打席は1点リードされてる状況で、プレッシャーがかかる2アウトからのチャンスだったが、甘い直球を見逃さずに同点タイムリーヒットを放った。
・第2打席もチャンスの場面であったが、ここでは外角のチェンジアップを引っ掻けてしまった。ここで一本出てればその後の展開がかなり楽になっていただけに残念だった。

 



【巨人出場投手レポート】

1 山口俊 9回3安打1四球9三振 失点1
・前回の完投勝利の時よりも直球の走りは良くなかったし、フォークの精度も今一つではあったが、一方でカーブとスライダーの精度は高かった。
・カーブはカウント球として有効に使い、スライダーは試合中盤から勝負球としても使えていたので、最後まで中日打線に狙い球を絞らせなかった。

 

【試合結果と超激辛MVP

D 010 000 000 1
G 020 100 000 3

勝 山口俊 3勝
負 柳 1勝3敗
HR 平田2

超激辛MVP 山口俊 2回目

 



【勝敗の分岐点】

☆(G3-1)8回表、0アウト1塁の場面から、福田・藤井・阿部を討ち取り無失点で切り抜ける
・投手としては最も苦しい8回裏の先頭打者に出塁を許してしまい、かなり厳しい状況になったが、ここから連続三振とショートゴロに討ち取って中日側へ傾きかけていた流れを見事に遮断した。
・しかも、この場面では要求通りに投げられた山口俊への賛辞は当然だが、小林のリードも抜群だった。以下、この時の状況を克明に書き記していく。
[対福田]
① 外角低め一杯のスライダーをファール
② 真ん中高めの直球をファール
③ 外角一杯のショート回転の直球を見逃し三振
ここで小林がマウンドに行って山口俊に言葉をかける
[対藤井]
① 外角直球を見送り(ボール)
② 外角低めフォークをファール
③ 真ん中シュート回転の直球をファール
④ 内角低めのスライダーをファール
⑤ 真ん中ワンバンドのフォーク見送り(ボール)
⑥ 外角低め直球を見送り(ボール)
⑦ 外角スライダーを見逃し三振
[対阿部]
① 真ん中ワンバンドのフォークを見送り(ボール)
② 真ん中スライダーを見逃し(ストライク)
③ 外角直球をファール
④ 真ん中低めのフォークをショートゴロ
・この三人の打者に対して山口俊の投げミスと言えるのは福田の2球目、藤井の3球目、阿部の2球目のみで、14球投げて3球しかない。
・そして小林は福田から三振を奪った後に、マウンドに行って山口俊と言葉を交わした。恐らく、福田への三振を奪ったボールを見て「攻め急ぎ」を注意したと思う。ここからボール球を見せながら藤井と阿部を討ち取ることになる。
・山口俊もかなり疲れていただろうし、小林もそれは察していたと思う。しかし、それでもあえて彼に注意を与えて、丁寧に打者を討ち取っていく事を要求していた。
・そして、その集大成が藤井に対しての最後のボール(外角のボールゾーンから曲がってくるスライダー)だった。
・藤井はボールゾーンの軌道だったので、早々と見切ってボールと判断してしまい、全く手が出なかった。つまり、全く頭に入っていなかったボールという事になるので、そこへキッチリ投げた山口俊と、完全に相手の裏をかいた小林の配球の妙と言える。

 



【試合経過雑感】

☆(0-0)2回表、1アウト走者無し、平田がレフトスタンドへソロHR
・序盤の山口俊の投球は、全体的にボールが抜け気味でボール先行だった。
・山口俊は元々立ち上がりが良くないので、個人的には2回を終わって1失点なら上々という感想だった(極論を言えば、立ち上がりさえ上手く切り抜ければ、勝つ確率はかなり高いと見ていた)

☆(D1-0)2回裏、2アウト1・2塁の場面で、立岡がライト前にタイムリーヒット
・立岡の欠点として私が常々感じていたのは、チャンスの場面での打席のアプローチが非常に拙いという事。
・特に問題なのは、初球からミートポイントを遅らせてしまって(何でも逆方向へ打とうする意識が強い)甘いボールも仕留めきれずにファールにしてしまう。つまり、自らバッティングを窮屈にしてしまっている。
・こういう姿を見せてしまうと、当然ながら相手は彼の狙いを見透かして、内角に直球とカットボールで詰まらせようとするし、追い込んだら同じコースからワンバウンド気味に落とせば、当てようとする意識が強いので空振りしてくれる。
・チャンスの場面での基本的な打席のアプローチは、①狙い球を曖昧にせずに追い込まれるまでは他のボールに安易に手を出さない、②狙い球を一発で仕留める意識を高める(甘いボールでも自分の狙った球種やコースでなければ見送る勇気も必要)
・又、カウントが追い込まれる前とカウントが追い込まれた後では別のアプローチで打席に立たねばならない。
・まず、追い込まれるまでは狙ったコースに逆らわないバッティングを心掛け、当てに行こうとせずにボールをしっかり叩く事。
・つまり左打者の場合、内角に目付きを置いているのなら、ポイントを少し前に置いてライト方向に強く叩く意識が大事で、逆に外角に目付きを置いているのなら、しっかり手元に引き付けて左中間方向に強く叩く。そして狙い球がこなければ見送る勇気が必要になってくる。
・一方で、カウントが追い込まれた状況の場合は、基本は直球にタイミングを合わせて変化球を拾っていく形をとる。ミートポイントは当然ながら後ろになる。
・話を本筋に戻すと、この打席で立岡はポイントになった2球目の懐への直球(ボール判定・ショート気味の際どいボール)には手を出さずに、3球目の甘いボールをポイントを前に置いてライト方向へ強く叩いた。つまり、2球目のボール球に手を出さなかった事で、相手バッテリーは3球目も同じコース・同じ球種のストライクゾーンへのボールを選択し、それを狙っていた立岡が一発で仕留めたという事になる。

☆(1-1)2回裏、2アウト1・2塁の場面で、山口俊が三遊間突破のタイムリーヒット
・山口俊の打球は前進守備のレフトの前に転がっていったが、レフトのアルモンテの守備力(遅いチャージ、弱肩)では、足の遅い小林ですら悠々とホームに生還出来た。

☆(G2-1)4回裏、0アウト満塁の場面で、立岡がセカンドゴロで三塁走者(岡本)が本塁でアウト
・この場面で気になったのは2点
・前段で指摘したチャンスの場面での立岡のバッティングついては、このケースではそのアプローチが間違っていた。ここでは1球目の外角ボール球の直球を見送り、2球目のカーブに手を出してセカンドゴロとなったが、果たして彼はカーブを狙っていたのだろうか?
・そして、もうひとつ指摘しなければならないのは、三塁走者の岡本のスタートがかなり遅かったこと。これについては三塁コーチとしっかり反省しないといけない。
・この回は後続の坂本が何とか四球を選んで押し出しでの追加点を奪ったが、仮に無得点で終わっていたら試合の流れは中日に大きく傾いていたかもしれない。

☆(G3-1)8回裏、0アウト1・2塁の場面で、山口俊が送りバント失敗し2→5→3のダブルプレーになる
・この場面に関しては巨人首脳陣に苦言を呈したい。
・降り続けていた雨によって、ホームベース周辺の土がかなりドロドロになっていたので、バントしてもボールが転がっていかない状況だった。やはり案の定、山口俊の打球も捕手の前で止まってしまい、悠々とダブルプレーが成立してしまった。
・4回裏にも同じようなケースが有ったが、この場面では相手のミスに助けられてダブルプレーを免れたが、こういう事は誰でも想定出来たプレーの筈で、この場面については巨人ベンチの采配に疑問が残った。
・あの場面は、山口俊の続投が前提なら「全球見送りで三振してこい」が最良の策だったし、送りバントを指示した場合は前述の通り、かなり成功率は低いし、ダブルプレーの可能性がかなり大きかった(4回裏の小林の送りバントを見れば決して結果論ではない)
・彼に送りバントを命じる事は、山口俊に全力疾走させて余計な体力を使わせるだけではなく、相手が横から投げる三ツ間で、抜け球で死球を食らう危険性もある(しかも滑りやすい雨という状況)ので、かなりリスキーと言える。
・山口俊の続投が前提ではなく、追加点が優先するのなら、代打として切り札の阿部を起用すべきだった。
・「厳しい状況でもプロなんだからやってもらわねば困る」というような、選手の力量、相手との力関係、その時の状況などを軽んじた精神論に近い、希望的観測でこれからも選手を動かそうとすれば、いずれは痛い目に合うだろう。

 



【試合総評と次戦に向けて】

☆数々の困難を切り抜けて完投勝利した山口俊には最大級の賛辞を送りたい
・雨が降り続いて投げにくい環境のまま試合が進み、前段で指摘した送りバントの件や、拙攻でなかなか追加点を奪えない状況の中、山口俊は見事に最後まで投げきってくれた。
・これで次戦はリリーフ陣を休養十分な状態で総動員させる事が出来るので、彼の投球には最大級の賛辞を送らねばならない。

☆見事にはまった7番小林
・選手の運用(特にリリーフ陣の起用法)や、前段で指摘した作戦面ではまだまだ疑問点が多い巨人ベンチだが、7番小林の策は見事に成功した。
・この試合ではチャンスメイクとして機能していたが、今後、彼が6番亀井とともにポイントゲッターとして機能していけば、8番立岡にチャンスメイクの役割を持たせて上位に繋いでいく形も見えてくる。

☆次戦は厳しい戦いが予想されるが、何とか打線の援護で吉川光を支えて欲しい
・先発の吉川光に関しては、立ち上がりが大きな鍵を握ってくる。序盤を上手く凌げば、5回まで最少失点で切り抜ける可能性が高いので、そこまでに打線は何としても複数点を奪って試合の主導権を握っておきたい。
・幸い、野上と山口俊のおかげで、リリーフ陣は休養十分なので、フル回転も可能になっている。
・雨で中止の可能性もあるが、是非、次戦も勝って勝率を5割にして9連戦を迎えて欲しい。

以上 敬称略

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