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巨人の窮地を救った高木京介と戸根千明の好リリーフ【セ公式戦 巨人vsDeNA 22回戦 9月12日】

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混沌としたセリーグの優勝争いについては前回の記事で触れているので、今回は昨日の試合をイニング別に振り返って行こうと思う。

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DeNA1100000103
巨 人01001400X6


【イニング別雑感】

☆1回表 マウンドには高木勇
荒波3塁打→高木勇が投じた甘いカットボールを捉えた打球はライトフェンスを直撃した。
梶谷タイムリーヒット→甘いツーシームを捉えた。
筒香三振→1塁走者の梶谷がスタートを切っていたので三振ゲッツーになった。

高木勇の状態を考えると、じっくり攻められた方が嫌だったので「相手が動いてくれた事でビッグイニングにならずに済んだ」という印象を持った。

★1回裏 マウンドには砂田
立岡ヒット→砂田が投じた甘いスライダーをセンター前に綺麗に弾き返す。
片岡ライトフライ→送りバントを選択せずに初球から積極的に打たせた。

片岡に送りバントを命じなかった事については賛否が分かれると思うが、個人的には「これで良い」という意見。
「砂田という投手をどのように評価しているのか?」と「勝敗が決する得点をどのように予想しているか?」で、命じる作戦は変わってくると思う。

☆2回表 マウンドには高木勇→高木京
ロペスヒット→やや甘いカットボールをバットの先で拾われてレフト前ヒット。
嶺井デッドボール
砂田タイムリーヒット→外のボールゾーンから中に入ってくるカットボールを拾われた。

ロペスに対して外一辺倒の配球は極めて危険。
内角を少しでも意識させておかないと、外を狙った変化球が甘く入ると長打の危険性がかなり高い。
特に右投手の甘いスライダー系は彼が最も得意とするボールである。

砂田に打たれたタイムリーについては、当然ながら打たれた高木勇は責めを負わねばならないが、この打球を処理したライト長野の「球際の弱さ」の方に筆者は失望した。 
結局、高木勇はここで降板し、引き継いだ高木京が後続を絶ち追加点を許さなかった。
尚、高木京は5回表まで無失点で凌ぎ、味方の反撃を待つ形を整えた。

★2回裏 マウンドには砂田
長野ヒット→甘いチェンジアップをライト前に運んだ。
村田四球
大田ヒット→ここでもベンチはバントを指示せず、センター前に綺麗に弾き返す。
加藤タイムリーヒット→ライト前にしぶとく落として1打点。
立岡ダブルプレー→センター返しを狙ったがピッチャーの正面で最悪のダブルプレーになった。

無死満塁の場面で加藤がタイムリーを放った事で、高木京をそのまま打席に立たせた。
ベンチは恐らく加藤が凡打に終われば代打・岡本を送っていたと思う。
結果的に後続が倒れたので1点で終わったが、この采配が後々の展開に大きく作用することになった。 

立岡のダブルプレーについては「当てる意識が強すぎた事」が失敗の原因だと思う。
やはりカウントが追い込まれるまでは、しっかり振る事がランナーをホームに返す基本になる。 
この辺りの考え方は、彼の今後の課題になるだろう。

★5回裏 マウンドには砂田
加藤ヒット→外角直球をセンター前に弾き返す。
岡本ヒット→甘いチェンジアップをセンター前に綺麗に弾き返す。
立岡ヒット→ここでもベンチは強行策を選択し、甘いスライダーをセンター前に落とす。
坂本犠牲フライ→甘い直球をライトに運び1打点。

まず岡本の打席について言及すると、ヒットを打ったスイングも素晴らしいが、その前の内角直球に対して「形が崩れずに平然と見送った事」を何より評価したい。
こういう姿を見ると「打席での落ち着き」を感じるし「狙い球を相手に分かりにくくする事」にも繋がってくる。
素晴らしい野球センスの持ち主だと思う。
益々将来が楽しみになってきた!

結局、この回は坂本の犠飛による1点に終わり、2回裏に続いてビッグイニングのチャンスを逃す嫌な展開になったが。。。

☆6回表 マウンドには戸根
筒香・ロペス・白崎を3者連続三振に討ち取る。

前の攻撃で勝ち越せなかった「嫌なムード」を振り払う素晴らしいピッチングだった。
これが次の回のビッグイニングに繋がったと言っても過言ではない。

★6回裏 マウンドには三嶋
村田HR→ショート回転して甘く入った直球をライトスタンドに放り込み打点1。
大田ヒット→全くタイミングが合っていなかったが、しぶとくセンター前に弾き返す。
加藤ヒット→ここでも送りバントを選択せず、ヒットエンドランという賭けに出て、ボール球に何とか食らいついてレフト前に運ぶ。
アンダーソンHR→内のスライダーを見事に捕らえてライトスタンドに運び3打点。

村田のHRは直球、アンダーソンのHRはスライダー、どちらのHRも「シュート回転していた直球」がキーワードになる。
嶺井の立場で考えると、村田にショート回転した直球を叩かれた事で、直球に差し込まれていたアンダーソンに「直球を要求する決断が出来なかった」というのが本音だろう。
結果論で言えば、村田にはスライダー勝負、アンダーソンには直球勝負が正しい選択と言えるが、その前に「三嶋の詰めの甘さ」を責めるべきである。

☆8回表 マウンドには山口
荒波ヒット→フルカウントからしぶとくレフト前に運ぶ。
宮崎ヒット→甘い直球をレフト前に綺麗に弾き返す。
筒香ヒット→高めに浮いたスライダーをレフト前に運び打点1。
ロペスWプレー→ 初球の外寄りのシュートを引っ掻けてダブルプレー。

山口はこの試合でも不安定さを見せてしまった。
この試合の投球を見て、個人的に気になるのは「シュートを投じる割合が大きい事」
もう少し直球を投げさせた方が良いと思う。
彼の直球は元々カット気味の球質なので、左打者の外、右打者の内をもっと意識させていきたい。 

☆9回表 マウンドには澤村
乙坂三振→直ぐに追い込まれて最後はフォークで空振り三振。
バルディリス2塁打→外のスライダーを左中間に運ぶ。
黒羽根セカンドゴロ→カウント2ボールから低めのボール球に手を出してセカンドゴロ。
下園四球→ボール先行でプレッシャーがかならずに出塁する。
荒波ショートゴロ→低めのツーシームを
引っ掻けた打球を澤村がグラブに当て、バックアップした坂本が処理してアウト。 ゲーム終了

この試合の澤村は乙坂を三振に討ち取るまでは良かったが、バルディリスに長打を浴びて「もう一人の澤村」に変わってしまった。
もうこの時期になれば「過程はどうでも構わないので結果が全て」という考えなので、ピッチング内容には言及しない。
ただ、下園に対してカウントが3ボール1ストライクになった場面で、サードの村田が「またかよ!」という表情を浮かべていたのが全てを語っている。

以上 敬称略