伝統の力

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巨人ファンとして、この時期でもチームの勝敗にドキドキしているのはいつ以来だろうか?
2008年のメークレジェンド以来か?
いや、あの時も確かにドキドキはしたが、奇跡的な連勝が続いて大逆転したので「凄い!」という驚きの方が強かった記憶がある。
そして2009年は圧勝、2010・2011年の優勝を逃した年も、今の時期は優勝争いから少し開いた距離で眺めていた印象が強い。
2012・2013年の優勝も余裕はあったし、去年の2014年も8月末から9月初旬の直接対決で引導を渡していたので、今の時期は悠然と構えて見ていた。
やはり第二次長嶋政権の10.8決戦(1993年)や、メークドラマ(1995年)まで遡らないと記憶には残っていない。

ファンというものは欲深いもので「何がなんでも優勝してくれ」と思いながらも、優勝する事に慣れてくると「最後までハラハラドキドキしながら優勝して欲しい」という無茶な願望を抱く。
特に優勝に慣れてる巨人ファンの多くは同じことを願っている筈である。
但し、それは優勝する事が大前提で、結局優勝しなければ記憶から抹消される運命にある。

今年も優勝すれば、間違いなく「巨人ファンの記憶に残るシーズン」になるだろうが、優勝を逃せば早く忘れようとする心理になって、無意識に記憶から消そうとするだろう。
ここまでの「苦しんできた過程」「頑張り」そんなものは直ぐに忘れる事になるし、最後に残るのは「このシーズンは弱かった」という印象しか残らない。
まあ記憶に残るのは「岡本のデビュー年」という事だけかもしれない。
しかし、これも岡本が後々大スターになればの話である。
これではあまりにも虚しいし悲しい。。。

今年、仮に優勝を逃せば間違いなくオフは「粛清の嵐」が吹き荒れる。
特に30代後半の選手には大ナタが振るわれる事になるだろう。
阿部ももしかしたら自分から身を引く覚悟を持っているかもしれない。
それくらい追い込まれた状況で毎日プレーしていると思う。
長野の悔しさも半端なものではないだろう。
彼も優勝を逃せば阿部と並んで「戦犯扱い」されるのは必至である。
村田も打撃不振だけではなく、選手会長としても責任を感じているだろう。
投手陣では内海をはじめ、不調が続いてる山口・マシソン等に対する風当たりは相当なものになる。
ここまでの3連覇(山口は5度、阿部に至っては7度の優勝)に貢献してくれた彼らの名声を、たった1シーズンの成績で汚すのはあまりにも忍びない。
ここは何とか自らの力で4連覇に貢献し、批判の嵐を少しでも和らげてもらいたい。
これからの試合は彼らの本当の力が試される。

読売ジャイアンツは、これまでに45回優勝しているが、その全てが圧倒的だった訳ではない。
苦しみ抜いて栄光を勝ち取ったシーズンをこれまでに幾度かあった。
勿論、競り合いに破れて優勝を逃した事もあるが、筆者の記憶の中では「最後まで拮抗したシーズンでは他球団を凌駕している」印象の方が強い。
特に1990年代以降はその傾向が如実に現れている。
勿論、戦力が他球団よりも豊富という事も大きな理由ではあるが、決してそれだけではないと確信している。

巨人の本当の強さは、先人たちが造り上げた「伝統の力」である。
「伝統の力」と言っても人によって捉え方が変わってくると思うが、筆者が考える伝統の力とは「経験値の蓄積」である。

「雑念を捨て、目の前の試合だけに集中して勝利を目指す」
一見簡単そうに見えるが、優勝争いをしている状況では非常に難しい。
優勝が目の前にチラツキ始めると選手はどうしても雑念が生まれてくる。
そうなるとどうしてもミスが生まれやすくなるし、自分のプレーが出来ないケースも増えてくる。

だが、巨人は常に優勝を義務づけられている状況下で、これまでに45回優勝を重ねている。
つまり、殆ど毎年プレッシャーのかかる環境の元でプレーして、結果を残している事になる。
これが「巨人の強み」であって「伝統の力」だと思う。

さあ今日からが本当の勝負になる!
広島が阪神を叩いてくれたので、巨人は浮上するチャンスを貰った。
だが、広島の「役割」はここまでだ!
他球団に「伝統の力」を見せつけて4連覇へ突き進め!!

以上 敬称略