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阿部慎之助の3ランを援護に内海哲也が今季初勝利(巨人vs阪神 9回戦 2018.5.10)

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この阪神との三連戦は、初戦は惨敗で第2戦と第3戦は阪神打線の拙攻に助けられた印象が強く、率直に言って菅野以外の先発投手陣はまだまだ不安定で、打線の状態も今一つ心もとない。
つまり、首位の広島を追撃する形はまだまだ出来ていない。



【試合結果】

T 000 002 000 2
G 000 300 01X 4
勝 内海1勝
負 谷川1敗
S カミネロ5S
H 宮國1H、上原5H、澤村7H
HR 阿部3号

 

【試合経過雑感と勝敗の分岐点】

☆(0-0)3回裏、2アウト2・3塁の場面で、阿部がライトスタンドへ3ランHR(G3-0)
・ここで阿部が凡退していたら、相手の谷川が5回頃まで無失点でいかれた可能性が高かったので、この2アウトからの一発は非常に大きかった。
・このバッティングを見せられたらベンチにいるマギーも納得するしかないだろう。

☆(G3-0)4回表、0アウト1塁の場面から、糸井・ロサリオ・福留のクリーンナップが凡退
・糸井は真ん中低めのスライダーを泳ぎながらライトへの大飛球。
・ロサリオの初球に1塁走者の植田が盗塁成功、ロサリオはサードゴロ。
・福留はど真ん中のチェンジアップ(シュート?)をショートフライ。
・このイニングから内海のボールは甘いゾーンに集まり始めていたが、阪神のクリーンナップは尽くミスショットしていた。

☆(G3-0)4回裏、0アウト1塁の場面で、小林が6-4-3のダブルプレー
・ゲーム展開を考えると次の1点が非常に大事になるわけで、個人的には当たりが止まってる小林に送りバントを命じて、1番坂本のひと振りに賭ける選択でも良かったと思う(坂本は歩かされて吉川尚との勝負になるかもしれないが。。)

☆(G3-0)5回表、1アウト1塁の場面で、坂本(T)が三振
・内海の状態がかなり怪しくなってきていただけに、坂本に送りバントを命じて9番に打力のある代打を起用する手も十分にあったと思う(もしくは坂本に原口を代打で起用する手もあった)
・結局、2アウト1塁の状況で、9番ピッチャーのところに代打・山崎が起用されたが、このイニングは積極的に代打攻勢をかけられて、上位に回されていたらかなり危なかった。
・内海を5回途中で降板させる選択はなかなかとれないので、阪神ベンチの中途半端な作戦は巨人側にとっては非常に助かった。

☆(G3-0)6回表、2アウト2・3塁の場面で、福留がセンター前に2点タイムリーヒット(G3-2)
・5回の内海は誰が見てもボールが上ずっていたので、6回の続投は危険性がかなり高かった。
・結局、1アウト1・3塁というピンチを招いた段階で宮國にスイッチしたが、ここでもロサリオがブレーキ役になって巨人側は助かった(1塁走者の糸井が盗塁で2・3塁になる)
・ロサリオを三振で討ち取った事で、福留を抑えれば大ピンチを無失点で凌ぎきる事が出来たが、福留に2点タイムリーを打たれてしまった。
・前回のレポートで不調時の福留への対処法としていくつか注意点を挙げたが、この場面の小林の配球は私の考えと全く真逆だったので、個人的には??だった。

★(G3-2)7回表、3番手の上原が阪神打線を三者凡退で退ける(勝敗の分岐点)
・巨人打線から快音が全く聞こえなくなり、前のイニングで阪神が1点差に詰め寄っていたので、試合の流れは阪神側に行きかねない状況だった。
・下位打線での攻撃だったが、阪神は代打攻勢をかけていたので、決して簡単な状況ではなかったが、上原はキッチリ三人で片付けて試合の流れを巨人側に引き戻してくれた。

☆(G3-2)7回裏、2アウト1・2塁の場面で、ゲレーロが三振
・2アウトからのチャンスだったが、4番は眠ったままだった。
・あまりにもあっさり三振してしまったので、巨人側の士気低下を危惧したが。。。

☆(G3-2)8回裏、2アウト1・3塁の場面(打者・小林)で、ワイルドピッチによって1点追加(G4-2)
・記録はワイルドピッチだが、原口は絶対に後ろに逸らしてはいけない場面だった。
・このプレーを見てしまうと、前述の5回で坂本に代打を送らなかった理由が分かるような気もする。



【巨人注目野手レポート】

☆吉川尚輝
・バッティングは開幕当初と比べると格段に進歩している。
・特に、以前は140キロ後半の直球に対して、ついていくのが精一杯(上半身でだけで当てにいくようなスイング)だったが、今はしっかり下半身を使ってスイングしてるので、甘いコースならヒットゾーンに運ぶようになっている。

☆小林誠司
・まだまだ左肩の開きが早くなっているのでボールをしっかり捉える事が出来ていないが、一時のどうしようもない状態からは脱している印象を受ける。
・現状のバッティングでは右投手には厳しいが、左投手が相手ならチャンスはあるかもしれない。



【巨人注目投手レポート】

☆内海哲也
・直球は140キロを超えないスピードだが切れは感じた。
・変化球はスライダー(カーブに近い)の切れはまずまずで、チェンジアップは低めには決まっていなかったが、腕が振れていたので打者は泳がされていた。
・この試合の球審はストライクゾーンがかなりワイドだったので、投手有利の状況ではあったが、打者(特に右打者)に対して攻め込む姿勢を見せていたことが好投に繋がった。
・一方で、阪神打線が相手だったから抑えられたという印象も拭えないので、次回の登板がローテ入りの試金石になる。

☆上原浩治
・コントロールが抜群だった。
・特に左打者のアウトコースの出し入れ(フォークと直球)は絶妙で、西岡と鳥谷は全くタイミングが合っていなかった。
・久しぶりに僅差のゲームで登板したが、この制球力を維持してくれれば十分に勝ちパターンの一員でいけると思う。

☆澤村拓一
・前日がイニング跨ぎの登板だったので疲れを心配したが、全く杞憂に終わった(むしろ前日より全体的にまとまりのある投球だった)
・巨人ファンの大半は「何でマシソンを使わないのか?」という意見を持っていると思うが、もしかしたらマシソンの体調が良くなかったのかもしれない(チーム事情は内部の人間しか分からない)
・一方で、どんな事情があるにせよ澤村に負担をかけている事に変わりはないので、次戦は菅野と他のリリーフに任せて完全休養(肩も作らない)させる必要があるだろう。



【超激辛MVP】

☆阿部慎之助  1回目
・4番としての役割を見事に果たしてくれた。
・走者を溜めた場面でHRを打てる勝負強さと破壊力こそが阿部慎之助の真骨頂と言えるし、ひと振りで仕留めるあたりは流石としか言いようがない。
・打ったボールはやや内角寄りの甘い直球だったが、脇を締めて腰の回転を上手く使ってスタンドまで持っていった。

【阪神注目選手レポート】

☆谷川昌希
・シュートとスライダーが良く、コントロールも纏まりがある。
・全体的に低めに集める事が出来るので、大崩しそうな投手ではないと思う。
・但し、フォームがオーソドックスで、直球もちょうど打ち頃のスピードとも言えるし、阿部に痛打されたように対左打者への攻め方が今後の課題と見ている。



【試合総評】

☆投手側には最高の球審だった
・この試合の球審はストライクゾーンがかなりワイドで、特に両先発投手と澤村はその恩恵を受けた。

☆ロサリオで分断されてる阪神打線
・個人的にはロサリオは4番では厳しいと思っている。
・勿論、高年棒なので簡単にはスタメンから外せない事情もあるだろうし、あれだけ監督自ら「トラの救世主」としてキャンプから激賞していたので、彼を4番から外すことは自分の眼力を否定することになるので、それ相当の覚悟が必要になるのも分かる。
・しかし、これだけチーム全体が貧打で悩んでいる状況では、そろそろ抜本的に考え直す時期が来ていると思うし、日本の野球に適応するまで下位打線に置く方が本人の為にもなるだろう。

☆内海の復帰戦勝利はファームで調整している山口鉄や杉内などのベテラン勢に必ず好影響を与える
・内海の勝利は間違いなくチームに好影響を与える。
・特に山口鉄や大竹など、二軍で共にもがき苦しんできたベテランたちには刺激になってるし、モチベーションの上昇にも繋がるだろう。
・個人的には山口鉄の一軍復帰を切望しているし、左のセットアッパーとして彼が復活すれば、広島と優勝争いする展開も十分に期待できる。



【次戦に向けて】

☆打線は序盤で先取点を奪い、菅野はエースの投球で中日打線を封じ、地に足をつけた勝利で確実に貯金を増やしたい
・前回の2連戦は巨人の完勝だったが、この3連戦は中日側も相当な覚悟でぶつかってくる筈で、巨人側も心してかからなければ拙い展開になるかもしれない。
・第1戦の相手先発は小笠原だが、前回の登板をテレビで見る限り、ボールの走りも今一つでそんなに良い状態とは思えないので、序盤から得点のチャンスがあると思う。そこをしっかりモノにして早めに菅野に援護点を与えて欲しい。
・なかでもゲレーロとマギー、そして岡本の一発を期待したい。

以上 敬称略

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コメント

  1. ヒロ より:

    いつも、記事楽しみにしております。

    さて、巨人打線が一時期の事を考えるとかなり湿りがちで、記事にも打線の組み替えの話題を見ると、居酒屋監督としては拙い采配を振るいたくなります。

    さて、吉川尚輝の2番適性への疑問から1番で活用すべきには、なるほどなぁと思っております。一方で、2番は昨年もあった、マギーはどうなのか?と思っております。3番に坂本か亀井、4番はそろそろ岡本、5か6番にゲレーロか亀井でしょうか。ゲレーロは勝負弱そうですが…

    ただ、並べてみると、左打者が居ない事からジグザグ打線が組めなくて、ず〜っと右ばかり。ないものねだりかもしれませんが、最近の清宮の話題を見るたびに、編成の難しさを感じます。
    まあ、大田ファンとしては、彼の地で恐怖の2番打者として大活躍がうれしい限りです。

    膨大な記事を書くには、相当なエネルギーが必要かと思います。体調の事もありますでしょうから、ご自愛ください。

    では。

  2. borderless より:

    おはようございます。復活を期すベテランと新人投手の対戦、当初はいつ打ち合いになり出してもおかしくないかな?と思いましたが、阪神打線が低調とはいえなかなか良い接戦と思います。内海投手の好投は、審判の判定もありますが組立て自体をこれ迄と変えてきた事も要因と思われます。これ迄はストライクからボールになる球で誘う事に終始し、若い頃はボール気味でも打者が容易に手を出してくれるキレがあったものの、近年は見極められる事が増え球数をやたら要し、加齢に加え故障を重ねた事で低めへ制球もままならないフォームになってたものと思われます。昨日は一転、ストライク内で勝負する事を増やし、相手打者も少し戸惑ってた気もしました。宮國投手が福留選手にタイムリーを打たれた場面ですが、平行カウントになった時点で、1つまだ塁が空いてたので歩かせてもやむを得ない事を、小林捕手がマウンドへ言いに行ってれば防げたかも知れません。今の阪神打線は福留・糸井選手しか頼りにならない訳ですしね。吉川選手の打撃は、対左がまだ対戦不足というだけで仰る通りと思われますが、2番という打順が彼のポテンシャルを制限してる気がしないでもないです。今流行りの2番最強説、例えばかつての清水選手や今なら日本ハムの大田選手と同じようにとは言えないですけど、もっとどんな場面でも彼に任せて良い気がします(そもそも繋ぎの上手い2番等は打撃力が低くとも投手力や守備力が圧倒的、1点勝ち越せばほぼ確実に勝てるチームにこそ必要なだけと個人的には思ってるのもあるんですけどね)。常に積極的に打たせれば長打も増えるでしょうし、決まりきったバントは苦手で脚力を活かせるセーフティが得意・・・出来れば1番に据えた方がより彼らしさが発揮される感じがしてます。もっとも現状の巨人で今の打率・出塁率では出来ない事ですが。小林選手はフォームの問題よりも振り自体が鈍くなってきてるものと思われ、少し休養すればすぐ復活出来るはず・・・って、故障もしてない正捕手にそんな事させられないですけどね。

  3. pug より:

    更新お疲れ様です!
    内海は阪神打線が変化球狙いの比重が大きかったということを考慮してもストレートがキレている感じで空振りや押し込めてましたし主審の広めのストライクゾーンとの相性も良かったので、現在の状態を考えるとほぼ完璧なピッチングに見えました。
    継投は宮國起用で、澤村は使わないのかなと思っていたので、その後の登板や上原の投入も驚きましたが、キッチリ抑えてくれたので良かったですね。
    ただ逆に登板しなかったマシソンの状態が気になりますが…
    打線の方もシュートピッチャーというのが大きかったかも知れませんが、マギーと阿部の入れ替えというベンチも柔軟性が出てきたのは良い傾向ですし、結果も出たので、これからも継続して欲しいですね。
    後は2軍で好調な和田を良い状態の時に上で試して欲しいですが…
    今日からは打線の調子が上がってきている中日相手ですが、表ローテなのでしっかり抑えて連勝を延ばしていきたいですね。

  4. ハッシー より:

    お疲れ様です。ベテランの活躍が光った1戦でしたね。
    一昨日の牽制死、昨日のバッテリーエラーと重要なところで相手のミスで助けられました。広島はこんなことしてくれませんからね。
    やはり澤村の連投が心配です。内海もローテ(又は谷間)に入ると今の先発陣を考えると「6回の男」が必要になってきます。
    今の中で考えると田原がベストと思いますがどうでしょうか?
    (もしくは2軍で調子戻れば谷岡)
    昨日の宮國のところも個人的には田原だったと思います。
    対左が問題ではありますが今年良くなったシンカーもあるので現状宮國より信頼はできると思ってます。
    6回ピンチで上位打線を迎えた場面では澤村で落ち着かせ7回下位打線で使う形でも良いと思います。リリーフは1番故障が多いポジション。蓄積疲労は絶対あると考え1年間、いや数年故障せず活躍できる様にするために、もっとデリケートに考えるべきだと思います。

  5. hideo469998 より:

    マギーの2番は個人的には避けたいと思ってます
    ゲレーロがクラッチヒッターならその選択肢はなくなないですが
    出来ればゲレーロの後を打たせたいですね。。。

  6. hideo469998 より:

    吉川尚についてのご意見には激しく同意です
    自由に打たせるなら今のまま2番で使っても良いと思ってます
    仰る通り圧倒的な投手力がない状況では打ち勝つ野球がどうしても必要ですからね。。

  7. hideo469998 より:

    和田に関しては右打者であること、それと守備力がネックになってると思っています。
    今後は中井との勝負でしょうね。。。

  8. hideo469998 より:

    田原については私も全く同意見です
    かなりレベルが上がってると思ってますし
    これから夏場に向けて彼の存在が間違いなくクローズアップされるでしょうね