菅野智之 圧巻の完封劇&27イニング連続無失点(巨人vs中日 6回戦 2018.5.11)

菅野智之 圧巻の完封劇&27イニング連続無失点(巨人vs中日 6回戦 2018.5.11)

今シーズンのベストゲームと言って差し支えない内容の完勝劇だった。
エースの完璧な投球、序盤で先制、中盤で追加点、終盤でダメ押しした最高の試合運びだった。



【試合結果】

D 000 000 000 0
G 020 010 03X 6
勝 菅野 4勝2敗
負 小笠原 1勝2敗
HR マギー4号

 

【試合経過雑感と勝敗の分岐点】

★(0-0)1回表の中日攻撃、0アウト1塁の場面で、京田のライトフライで1塁走者が帰塁出来ずにダブルプレー(ここが勝敗の分岐点)
・まず前提として、個人的には試合前の段階で8~9割の確率で巨人が勝つと思っていたが、仮に負ける場合は立ち上がりで中日のクリーンナップに仕留められるパターンしかないと思っていた。
・どんなに良い投手でも、立ち上がりはどうしても手探りになるので、ボールの切れも制球も甘くなりやすい。
・特に菅野は序盤の対クリーンナップとの対戦を凌ぎきれば、ほぼ確実に試合終盤までゲームメイクしていく。
・一方で、前日のレポートで指摘したように、現状の小笠原の状態と巨人打線との力関係を考えれば、巨人打線が試合の中盤まで無失点で終わるとは思えなかったので、この試合のポイントはズバリ「菅野の立ち上がりを中日打線が攻め込む事が出来るか?」であり、もっと論点を絞って言えば「初回にアルモンテとビシエドの前に走者を溜めることが出来るか?」という考えを持っていた。
・以上を踏まえて、このシーンに話を戻すと、京田の打球はかなり詰まっていたが、それが幸いしてライトの亀井の前に落ちそうだったが、亀井の打球判断が素晴らしく、しかもその後の1塁への送球も素早かったので、大島の帰塁は間に合わなかった。
・帰塁出来なかった大島の判断ミスと断じてしまえばそれまでだが、個人的には非常に高いレベルの判断が要求されるプレー(ワンバンドで捕球されていたら逆に二塁でアウトにされていた可能性もある)なので、彼を一概に責める事は出来ないと思うし、やはりここは亀井のプレーを称賛すべきだと思う。
・そして直後のアルモンテのバッティング(ライトフェンス際のフライ)を見てしまうと、やはり亀井のビッグプレーは巨人にとって大きかったし、前段で書いたように、ポイントとなる初回を無失点で切り抜けたことで、巨人有利は揺るがないモノになったと見ている(かなり無理筋かもしれないが、ここを勝敗の分岐点としたい)

☆(0-0)2回裏の巨人攻撃、1アウト2・3塁の場面で、長野がレフトオーバーの2点タイムリー2ベース(G2-0)
・初回は無失点に抑えた小笠原だったが、ボールの走り・切れが良いときの状態ではないので、巨人打線が彼から得点を奪うのは時間の問題と見ていた。
・そしてゲレーロとマギーがチャンスメイクして、早くも2回にそのチャンスがやってきたが、0アウト2・3塁の場面で亀井が三振に終わったので、一瞬だけ嫌な予感をしたが、長野が甘いチェンジアップを捉えて先取点を上げた。
・2回表の菅野の投球内容と中日打線の力量を考えると、この2点は早くも中日にとっては致命傷と言える失点だった。

☆(G2-0)5回裏の巨人攻撃、2アウト2塁の場面で。吉川尚が二遊間を破るタイムリーヒット(G3-0)
・この前の坂本が惜しいセンターフライで凡退した後だっただけに、吉川尚のタイムリーヒットは評価出来る。
・流れ的には無得点で終わりそうな雰囲気だったが、それを打ち破ったあたりに彼のスター性を感じる。
・この追加点で勝敗は決し、試合の興味は菅野の完封だけになる。

☆(G3-0)7回表の中日攻撃、0アウト2・3塁の状況から、後続が倒れて無得点
・先頭の京田がレフト前にヒット
・続くアルモンテが右中間フェンス直撃の2ベースで2・3塁(この時1塁走者の京田の総力を考えれば、十分にホームイン出来る高いフライだったが、打球を追っていたライト亀井の偽装プレーもあって京田は無難に3塁でストップした)
・0アウト2・3塁の局面で巨人ベンチは1点OKの内野シフトを敷いていたが、ビシエドがショートフライに倒れた(菅野もビシエドを討ち取る前は1失点はやむなしという考えを持っていたと思うが、このショートフライで彼のギアが更に上がった)
・ここからはまさに圧巻で、続く福田と藤井に対して、最後はいずれも唸りを上げたど真ん中の直球で三振に討ち取った。

☆(G3-0)8回裏の巨人攻撃、0アウト1・2塁の場面で、マギーが左中間スタンドへ3ランHR(G6-0)
・直球の切れが落ちた谷元では巨人打線を抑える事はかなり厳しい。
・岡本とゲレーロの連続ヒット、そしてマギーの3ランHRという結果になった。

☆(G6-0)9回表の中日攻撃、0アウト3塁の状況から、後続が倒れて無得点
・先頭の大島に対してカウント0-2から勝負を急いでしまい、ライト線への3ベースを許してしまう。
・普通ならここで完封は絶望的になるが、彼は最後まで諦めずに完封を狙っていた。
・続く京田に対してはボール球を振らせて三振を奪う。
・アルモンテに対しては明らかに勝負を嫌って歩かせる(チームの勝利を考えれば四球でピンチを広げるよりも彼と勝負するべきという意見もあるが、個人的にはファンが期待する完封に拘った彼の姿勢を支持する)
・そして最大の山場となるビシエドとの対戦は、菅野の技と力、小林の配球の妙、全ての要素で唸らせる圧巻の投球だった。
① 初球は内角へのワンシーム(1-0)
② 2球目は内角を狙ったワンシームが真ん中に入るがファール(1-1)
③ 3球目は内角高めのワンシームをファール(1-2)
④ 4球目はワンバンドのフォーク(2-2)
⑤ 5球目は内角を狙った直球が真ん中に入りファール(2-2)
⑥ 6球目はワンバンドのフォーク(3-2)
⑦ 7球目は外角一杯のスライダーを空振り三振
ビシエドは前の打席では甘いスライダー系をミスショットして凡退していたので、この打席では当然スライダー系には意識があったと思う。
それは巨人バッテリーも十分に分かっていた筈で、勝負が決した7球目まで全く使わずに、内角への直球と低めに落とすフォークを多投してビシエドの頭からスライダーの意識が薄れるように攻めていた。
そして絶妙のタイミングでボールになるスライダーを投げて三振を奪った。
・そして最後は福田をサードゴロに仕留めて、菅野の完封劇は見事に完成した。



【巨人注目野手レポート】

☆マギー
・3ランHRを含む猛打賞で復調をアピールした。
・前日の試合はスタメンから外れて出場機会が無かったが、前々日の試合レポートで指摘したように、バッティングの状態は上昇する気配を感じていた。
・第1打席でセンター前にヒットを放ったが、センターに飛んだライナー性の打球がスライスしていたので、個人的にはここで彼の復調を確信した(ライナー性の打球がスライス回転するのは、スイングの軌道が良い証拠と言える)

☆長野久義
・高めに浮いた甘いチェンジアップだったが、キッチリと一発で仕留めてくれた。
・バッティングの状態は決して良いとは思えないが、この試合のようにチャンスの場面で相手の失投を確実に仕留めてくれれば、チームの得点力は倍増する。

☆亀井善行
・前段で指摘した初回のビッグプレーと7回の偽装プレーは、的確な打球判断、落下地点への入り方と素早さ、全ての要素を満たさねば出来ないプレーだった。
・今年の巨人のセンターからライト方向の守備力(吉川尚、岡本、亀井)は広島と並んでリーグ屈指である。



【巨人注目投手レポート】

☆菅野智之
・誰もが認める日本一の投手であることを証明した。
・「平成の大投手・斎藤雅樹の安定感」「ミスターパーフェクト・槙原寛己の豪速球」「甲子園の申し子・桑田真澄の正確無比なコントロール」彼らの長所を全てを兼ね備えたスーパーエースと言っても過言ではないし、投手の分業制が確立された現在では、彼の投手としての完成度(故障しない強靭な体も素晴らしい)は群を抜いている。
・直球系(ワンシーム含む)は通常モードでは制球重視でコーナーにピンポイントに投じ、ピンチの場面ではギアが上がって150キロオーバーの直球でねじ伏せる。
・スライダー系(スライダーとカットボール)は、やや甘くなるケースもあったが切れ味が抜群だったので、相手はなかなか捉えられない。
・決め球でも使える縦変化のパワーカーブは、一本調子になりがちな投球にアクセントが加わる。
・プロ入りからなかなか精度が上がらなかったフォークも完成の域に達する。
・短命なら彼と同等、もしくはそれ以上の活躍をした投手はいくらでもいるが、プロ入り以来、これだけ安定して高いレベルで投球し、しかも年々レベルが上がる投手はなかなかいないし、賛辞の言葉ならいくらでも並べられる。

 

【超激辛MVP】

☆菅野智之 2回目
・5安打完封勝利
・13奪三振
・27イニング連続無失点を継続



【中日注目選手レポート】

☆小笠原慎之介
・同じ神奈川出身という事で、彼の投球は高校の地区予選から見ていたが、率直に言って現状の投球内容は歯痒さを感じている。
・特に直球の切れとスピード感には物足りなさがあり、彼のポテンシャルからすれば6割程度しか能力を発揮していないように思えてならない。
・やはり、個人的に危惧していた高校3年の肘の故障が尾を引いているのか??

☆アルモンテ
・試合中盤から完封を意識していた菅野にとっては、中日打線の中では彼だけが厄介に思う打者だった。
・緩いカーブを拾うのが上手いし、スライダー系に対する反応も悪くないし、フォークもバットに当てるし、直球に対しては鋭いスイングで対応してくる。
・スイッチヒッターだが、左だけではなく右でもなかなか素晴らしいバッティングをするので、穴らしい穴は現状では見つからない。
・守備力を度外視すれば、個人的には最高レベルの外国人助っ人という評価である。



【試合総評】

☆大島、アルモンテ、ビシエド、この三人を分断出来れば、中日の得点力は大幅に下がる
・中日の下位打線はかなり弱いので、クリーンナップの前に走者を出さなければ、ビッグイニングは殆どない。
・技術的な観点で見ると、アルモンテとビシエドの二人の能力はかなり高いので、彼らの前にチャンスを広げない事が重要になる。

☆左腕キラーのマギーは、対DeNA、対中日戦では絶対に欠かせない戦力である。
・先発ローテの中に左腕が多いDeNAと中日との対戦では、左キラーのマギーの力がどうしても必要であり、特に上位を争うDeNAとの直接対決では鍵を握る選手である。
・今後は阿部との併用になるかもしれないが、個人的にはマギー優先で起用した方が優勝争いに食い込んでいく確率は上がると思う。

☆思惑通りに菅野が9回をひとりで投げきり、登板過多になっていた澤村を完全休養させた意味は大きい。
・リリーフ陣の軸になってる澤村を、現状ではイニング跨ぎで使うケースが増えてるので、この試合のように完全に休ませる試合が必ず1週間の間に必要になってくる。



【次戦に向けて】

☆難敵のガルシアを攻略する為には、1・2番が出塁して足で揺さぶり、セットポジションで投じられた甘いボールを一発で仕留める集中力が必要になる
・ガルシアは前回の阪神戦で負けるまでは、3連勝で内容も安定していた。
・その阪神戦は足で揺さぶられて投球リズムを崩してしまっていたので、巨人打線も1番の坂本、2番の吉川尚が出塁して、大きいリードで揺さぶっていく必要がある。
・そして、走者に気をとられて打者に対する注意が散漫になったところを確実に捉える集中力が巨人の各打者には求められる。

以上 敬称略

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