4連覇のタスキは菅野に手渡された【セ公式戦GvsS23回戦9月26日】

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巨人ファンの誰もが試合前に不安視していたのは「高木勇の立ち上がり」だった。
ここさえ切り抜ければ。。。と祈るように見ていたと思う。
しかし、祈りも空しくピンチを迎え、あっさり山田に3ランHRを献上してしまった。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
ヤクルト 3 0 0 0 0 0 0 0 0 3
巨 人 0 2 0 1 1 0 0 0 X 4

仮に昨日の試合が神宮球場で行われていたら、筆者は山田の3ランで絶望していたと思うが、東京ドームでの試合だったので「まだまだ」と思う気持ちも当然あった。
巨人ナインも同じ気持ちだったと思う。
それは優勝争いする大事なゲームなら尚更強く思うだろう。
だからこそ、初回の失点を何とか3失点で止めた事が逆転勝利に繋がった。

試合のポイントは「初回に追加点を奪えなかったヤクルトの攻撃」と考える。

【イニング別雑感】

★1回表 マウンドには高木勇
①上田は死球、無死一塁
②川端は打撃妨害、無死一二塁
③山田は左翼に3ランホームラン、0対3
④畠山は右中間に二塁打、無死二塁
⑤バレンティンは二塁フライ
⑥雄平は二塁内野安打、一死一三塁
⑦大引は四球、一死満塁
⑧中村は二塁フライ
⑨石山は空振り三振

高木勇は懸念されていた立ち上がりで、1・2番を死球と打撃妨害で出塁させてしまい、自分を見失ってしまった。
山田の3ランについては、勝負球の選択(フォーク)に納得いかなかった。
個人的な経験値で言わせてもらえれば、打者目線では相手がスライダー投手の場合、カウントが追い込まれた状況で投じられた「落ちないフォーク」は「御馳走」になる
高木勇の持ち球で精度が最も落ちるのがフォークボールなので、ランナーを背負ってるケースでは非常に危険なボールだ。
ここは小林の配球ミスと考える。

このイニングは更に1アウト満塁までピンチを広げてしまったが、中村と石山を討ち取って追加点を許さなかった。
ポイントは「やはり中村の打席だった」と思う。
動揺を隠せなかった高木勇に対して、狙い球をしっかり絞られていたら更なる追加点を奪われるところだった。
しかし、彼は外寄り高めのスライダーに飛び付いてしまい、試合を序盤で決める事が出来なかった。

☆1回裏 マウンドには石山
①立岡は二塁ゴロ
②片岡は遊撃ゴロ
③坂本は三塁ゴロ

石山の方は低めに切れの良い直球を集めて上々のスタートを切った。

★2回裏 マウンドには石山
①阿部は四球、無死一塁
②長野は右翼に2ランホームラン、2対3
③亀井は右翼フライ
④岡本は四球、一死一塁
⑤小林は中堅フライ
⑥高木勇は見逃し三振

3点リードの場面なので、先頭打者に四球を与えるのはミスと同じである
勿論、4番阿部に対する警戒心はあると思うが、最近の阿部のバッティングを見れば、ストライクゾーンでも十分勝負出来るし、石山の直球なら低めに集めれば長打はない。
最後のボールも無理に内角直球を要求するのではなく、真ん中低めに直球を要求すれば良かった。
リードする中村も、大事な試合という事を過剰に意識してしまったのかもしれない
その直後に生まれた長野の2ランは、確かにボールは悪くなかった(外角ギリギリのカーブ)が「四球直後のホームラン」は、決して偶然の結果ではない。

☆4回裏 マウンドには石山
①長野は右翼線に二塁打、無死二塁
②亀井は一塁ゴロ、一死三塁
③岡本は右翼にタイムリーヒット、3対3、一死一塁
④小林は空振り三振
⑤高木勇は空振り三振

石山は2回裏に長野に2ランを打たれてからは、動揺の色を隠せなかった。
特に、低めに集めていた直球が、高めに抜けるケースが増えてきた。
そこを先頭の長野に叩かれて2ベースを許し、岡本にも高めの直球を同じように叩かれて同点タイムリーを喫した。

★5回表 マウンドには高木勇
①川端は左翼フライ
②山田は三塁内野安打、一死一塁
③畠山は空振り三振
④山田が二盗、二死二塁、バレンティンは四球、二死一二塁
⑤雄平は右翼フライ

2回から4回は危なげなかった高木勇だったが、球数が100球近くなったこの回の投球は、再びボールが真ん中寄りに集まってきた。
最後の雄平に対しても甘いボールだったが、紙一重の差でライトフライに終わった。

☆5回裏 マウンドには2番手のロマン
①立岡は見逃し三振
②片岡は左翼にヒット、一死一塁
③坂本は中堅フライ
④阿部は中越にタイムリー二塁打、4対3、二死二塁
⑤長野は空振り三振

阿部のタイムリーは、カウントが有利な2ボールから強打して生まれたが、この後の長野が良いので、ヤクルトバッテリーは安易に四球を与える訳にはいかず、勝負せざるを得なかった。
ランナーは1塁なので、ヤクルトバッテリーは当然ながら長打を打たれにくい外寄りの直球を選択するが、それを阿部が読
んで踏み込んでセンターに弾き返した。
阿部の「読み勝ち」である。

☆6回裏 マウンドには3番手秋吉
①亀井は四球、無死一塁
②岡本の代打寺内は送りバント、一死二塁
③小林は二塁ゴロ、二死三塁
④田原誠の代打アンダーソンは捕フライ

この回は先頭の亀井が出塁したので、是が非でも追加点を奪いたかった。
岡本への代打として、送りバントの上手い寺内を送ったのも、その為である。
だが、思惑通りに2塁へ走者を進めた場面で、次に打席に立った小林の消極的な姿勢は残念だった。
カウントが2ボールの状況で、真ん中の直球を全く打つ気配なく見送ってしまった。
ここは「自分で決める!」という気持ちが欲しかった。。。
ここで振っておけば、仮に空振りやファールになったとしても、次の直球はタイミングが合っていたかもしれない。

★7回表 マウンドには3番手の山口
①上田は四球、無死一塁
②川端は二塁併殺打
③山田は右翼フライ

先頭の上田に粘られて四球を与えてしまう。
だが川端がスライダーを引っ掻けてセカンドゴロを打ち、取った場所に上田が走って来てタッチし、1塁送球でダブルプレー完成。
巨人にとってはラッキーな場面だった。

★8回表 マウンドには4番手のマシソン
①畠山は四球、無死一塁
②バレンティンは遊撃フライ
③雄平は遊撃併殺打

こちらも先頭打者に四球を与えてしまった。
しかし、雄平のショートゴロがラッキーな所に転がり、ダブルプレーになる。

★9回表 マウンドには5番手澤村
①大引は二塁ゴロ
②中村は投ゴロ
③オンドルセクの代打ユウイチは一塁ゴロ、試合終了

最後は澤村が三者凡退でキッチリ締めて試合を終える。

【ジャイアンツ投手雑感】

☆高木勇人
直球のスピード感、スライダーのキレは良かったので、コンディション的には良かったと思う。
但し、序盤の連続ミス(死球・打撃妨害)で、精神的に追い込まれてしまった。
そこから1回裏の攻撃が終わるまでの彼のボールは「死んでいた」が、ここを切り抜けて味方が早めに援護した事で「生き返った」

内容は決して誉められたモノではないが、遠ざかっていた勝ち星を得たことは何よりも大きいし、この大一番で学んだ事は、今後の野球人生において大きな財産になるだろう。

☆田原誠次
落ち着いた投球で、相手に流れを渡さなかった。
直球のキレも良く、変化球も打者の手元近くで曲がっていたので、有効に機能していた。
彼も間違いなく去年と比べて1ステージ上がってる。

☆山口鉄也
先頭打者に四球を許し心配したが、何とかダブルプレーで切り抜けて相手に流れを渡さなかった。
ここ最近、低めに集める投球を続けられている事が、昨日の結果にも繋がっている。

通算250ホールド達成おめでとう!

☆スコット・マシソン
彼も先頭打者に四球を許してしまったが、彼の方は直球のスピードが明らかに上がっているので、変化球が少々甘くても相手は崩されている。
よって、彼もダブルプレーで凌ぐことが出来た。

☆澤村拓一
見事な投球でゲームを締めた。
ここ最近の内容は、明らかに以前と変わっている。
筆者には良くなった要因は明確には解らないが、それが技術的な事なのか?精神的な事なのか?
個人的には後者と見ているが。。。。
彼の場合は登板間隔が開かない方が良いのかもしれない。
今の緊張感を楽しんでいるようにも見える。
兎に角。。素晴らしい!

【ジャイアンツ野手雑感】

☆立岡宗一郎
明らかに気負ってしまい、ボール球に手を出していた。
それに加えて弱点の内角攻めも重なり、空振りするケースが目立った。
今日の対石川に対しては、何とか1・2番でチャンスメイクしたいので、彼の打席は大きなポイントになる。

☆阿部慎之助
技術的に苦しい状態に変わりはない。
怪我の影響も有るとは思うが、相変わらず下半身と上半身がリンクしていないので、打球が本来のモノではない。
昨日の決勝2ベースも、良い時なら左中間スタンドに放り込んでいたと思う。

しかし、そんな状態でも決勝タイムリーを放った事実は流石の一言だろう。
苦しみながらも、ここ一番で結果を残せるのは「技術の蓄積がある」からである。
今日の試合も期待したい!

☆長野久義
調子が上向きなのは間違いない。
ここ最近、逆方向に強い打球が少なかったが、昨日は彼らしい打球を飛ばしていた。
特に第1・2打席は、スイングに「間」を感じる素晴らしい内容だった。

☆岡本和真
2回裏・4回裏の攻撃で、彼はいずれも出塁したので、攻撃が9番で終える事になった。
2回裏は四球、4回裏は同点タイムリーによるものだったが、結果的に次の攻撃が1番から始まる形を作る事が出来たので、試合展開上でも非常に大きな出塁となった。

バッティングについては相変わらず見ていてワクワクする。
昨日の同点タイムリーも、体が完成してスイングスピードが上がれば、ライトスタンドに放り込む可能性も十分秘めている。
それだけ右肘の使い方は天才的に上手い。
ただ現状は、直球に対してインパクトの瞬間でヘッドが負けてしまうので、打球の角度は期待できない。
現状は「力強さ」よりも「巧さ」が先行しているが、数年後は間違いなく巨人のクリーンアップを任せられる逸材であると確信している

今日の石川に対しては「一発」の可能性も十分あると思う。
内と外に綺麗に投げ分けられたら厳しいが、甘い変化球や半速球なら一発で仕留める雰囲気は十分にある。

【総評】

終盤の2つのダブルプレーは、巨人サイドから見れば非常にラッキーだった。
打球方向が少し違えば、ダブルプレーは完成していなかった可能性が高い。
どちらも四球で出塁させてるので、失点に繋がっていたかもしれない。

現状のヤクルト打線の印象は、相変わらず上位打線は恐ろしいし、一度繋がると一気に大量得点を奪う雰囲気を感じる。
但し、バレンティンに対して巨人サイドがまともに勝負していないので、得点を重ねていくには6番雄平と8番中村が大きな鍵を握っている。

又、昨日のように川端がチャンスを広げる形を作れない場合は、一気に得点力が半減するので、彼を抑える事が勝敗を分ける大きなポイントになる。

巨人打線は今日の石川に対して、焦らずに悠然と構えていた方が良い。
出来れば先取点を奪い、リードする形で中盤を迎える事がベストだが、菅野が先に2点以上のリードを奪われなければ、必ず石川から複数得点を奪うチャンスは生まれてくる。
一番まずい形は、何でも初球から手を出してしまうこと。
石川は、どのコースにも様々な変化球を投げ分ける事が出来るが、高めに浮くボールも決して少なくない。
球種に絞るのではなく、コースに的を絞って、高めに浮いたボールを積極的に叩く姿勢が欲しい。
高めに浮いたボールを捉えるケースが出てくれば、彼はより丁寧に低めに集めようとするので、ボール球が増え球数も要してくる。
こういう形になれば、巨人打線が一気に勝負を決める可能性も十分に考えられる。

だが、これも先発菅野のデキ次第である。
中4日が彼の投球メカニズムにどう影響するのか?
彼が序盤の3回を無失点で切り抜けられれば、巨人勝利の可能性が高くなる。
逆に序盤で昨日のように3点差以上のリードを奪われると、石川の術中にハマる可能性も否定できない。

さあ! いよいよ決戦だ! 頼むぞ菅野! 頼むぞ慎之助!

以上 敬称略