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【選手雑感】悪い流れを絶ち切った杉内のタイムリー【セ公式戦 GvsS 13回戦 7月8日】

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ジャイアンツは前日の劇的な勝利を活かす為にも、この試合は絶対モノにしなければならない。
又、暫く勝ち星から遠ざかっている杉内にとっても大切なゲームだった。

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ヤクルト0000010124
巨 人00141001X7

点差以上の快勝ではあるが、試合の序盤は決してGにとっては良い流れではなかった。
特に2回裏のチャンス(先頭・亀井が2ベースも後続繋がらず)を逃した時は、再び暗雲が漂いそうな空気を感じた。
それでも3回裏に相川のHRで先制したが、その後のチャンスでも亀井・坂本にタイムリーが生まれなかった。
そして直後の4回表にミスが絡んで、1アウト・3塁という場面を作ってしまう。
ここで杉内が畠山・デニングを抑えて、次の攻撃に向けて良い流れを作った。
結局、この回の攻撃でG打線が繋がり、4点奪った事で試合の主導権をガッチリ握った。

杉内の立場から考えれば、3番・山田の後を任せられてる打者は、彼にとって組みやすい相手だった。
4番の畠山は過去の対戦成績で圧倒してるし、5番のデニングは外のスライダーへの対応が出来ていない。。
仮に上位でチャンスを作られて山田を迎えても、彼に焦りは生じていなかった筈である。

【選手雑感】

★立岡宗一郎
G打線の中では、交流戦以降でコンスタントに活躍しているのは彼だけかもしれない。
この試合でも、しっかり2安打1打点という結果を残し、チームの勝利に貢献した。
去年と比べると、ミートする能力に関しては、かなりの進歩を感じる。

しかし、技術的には「弱点がハッキリしている」打者なので、まだまだ「相手バッテリーの攻め方次第」という側面は強いが、今は積極的にスイングする姿勢を忘れないで欲しい。
相手バッテリーの研究が進んでくれば、遠からず壁に当たると思うので、それまでは攻撃的なリードオフマンとして打線を引っ張ってもらいたい。

攻撃的な姿勢を最後まで忘れなければ、苦しみながらも「Gの1番」は彼のモノになるかもしれない。

★井端弘和
連日、彼の代名詞となっている「しぶといバッティング」で相手バッテリーを苦しめている。

開幕からフル回転で、6月は好守で苦しい状態が続いていたが、ここに来てようやく調子を上げてきた。
バッティングについては綺麗にヘッドが抜けるスイングが多くなり、ライナー性の打球が増えてきた。
1番・立岡の活躍を後押しするように、彼も2安打1打点で大活躍だった。
守備面でも、球際のしぶとさが戻ってきており、ショート坂本とのコンビネーションも深まりつつある。

★坂本勇人
バッティングの状態は正直良くない。
技術的にはトップで右肩が下がって、バットのヘッドが落ちている状態なので打球に力強さが無い。
こういう状態の時には、外角のボールに対しては右方向へ流そうとせずに、センター方向へのライナー性の打球を意識した方が良い。
今の状態で右方向への打球を意識してしまうと、どうしてもバットのヘッドが下がり気味になる。

センター方向への打球が出始めれば、坂本の状態が上がってくる前触れと考える。

★長野久義
下半身の張りについては、正直どこまで悪いのかは筆者には分からない。
だが、バッティングに関しては申し分ない。

技術的には、前段で触れた坂本とは正反対で、トップでバットのヘッドが落ちずに、レベルスイングの軌道が作れているので、打球に力強さを与えている。
あくまでも個人的な考えだが、彼の好調時のバッティングは「力強さ」と「脆さ」両方を感じる事が多い。
彼にとって一番避けなくてはならない状態は「バットが振れなくなる事」である。

★阿部慎之助
2試合連続のHRを放ち、不振脱出を強く印象づけた。
状態については本調子を100とすれば、まだ60辺りだと思う(少し前は20程度だった)
外角へのボールに対してはバットがスムースに出てくるが、内角球についてはバットスイングに窮屈さが目立っている。

まだスイングが波打ってる打席も垣間見るので、本調子までは更なる調整が必要になる。

★村田修一
ヒットも出始めているし、ライトフェンス際まで飛ばす打席もあったが、個人的な見立ては変わっていない。
つまり「期待出来る状態ではない」という事。
勿論、数日前と比べると良くなっている兆しは感じるが、ヒットの内容を見ても「出合い頭」という印象は拭えない。

数年前なら「逆方向へのホームラン」が彼の好調時の特徴と考えていたが、今の彼のバッティングを見ていると、それが正しいとは思っていない。
今の彼なら「内角直球を引っ張って、ライナー性の打球を飛ばせるか?」が調子を測る目安と考えている。

現状は、残念ながらそこまで至っていない。

★相川亮二
打撃に関しては、元々高い技術を持っている選手なので、この程度の活躍では驚いていない。
HRを放った打席も少々タイミングを外されたが、バットが内側から出ているので完璧に捉えた打球だった。

一方で、「弱肩」を突かれて相手チームに走られ続けている点については、今後の試合に向けて大きな不安材料となる。
この試合のように、大量リードの展開では大きな傷にはならないが、1点を争う試合では決定的なダメージに繋がっていく。
他のベテラン捕手2人(加藤・實松)についても、同じくスローイングに衰えを感じるので、これから懸念材料として大きくクローズアップされるかもしれない。

小林の台頭が望まれるが、どうやら2軍首脳陣の評価も良くないらしい。。。

★杉内俊哉
まず、打撃については素晴らしいの一言である。
4回裏の大量得点は、彼のヒットが無ければ生まれていなかったし、無得点で終わる可能性も十分に有った。
冒頭でも触れたが、3回裏の攻撃で追加点を逃していた状況で、しかもノーアウト・満塁のチャンスで相川が凡退した事で、成瀬は「しめた!」と思った筈である。

元々、彼はバッティングセンスがある。
右肩の開きを我慢出来るので、コンパクトにスイングする事が出来る。
T能見のような鋭いスイングでは無いが、ミートする技術に関しては現役投手の中ではトップクラスだと思う。 

一方で、投球ついて
は「可もなく不可もなく」という内容だった。
冒頭で触れた通り、この試合ではS打線の繋がりを4・5番で分断出来たので、失点には繋がっていなかったが、直球・変化球ともに特別キレを感じた訳でもないし、制球が抜群に良かった訳でもない。
4月の状態と比べると、かなり不満があると言わざるを得ない。

だが、暫く勝ち星から遠ざかっていたので、この1勝は彼にとっては良いキッカケになるのかもしれない。
次戦の投球内容は要注目である。

以上 敬称略 

☆コメンター「田舎侍さん」からの質問

~中略~
「欲を言えば、井端に代わって粘れて小技ができる選手が出てきてほしいところ。
大砲不在を言われていますが、実はジャイアンツにはこれが一番不足しています。
井端はこの点で突出した選手なので同レベルとはいかないでしょうが、同類の選手が
いるかと言われるとパッと思いつきません。それに近い、または近づく可能性がある
選手はいるでしょうか?」

☆筆者回答

井端クラスの技術を持つ打者の出現は難しいと思いますし、残念ながらG若手の中で将来的に近づきそうな打者も見当たりません。
但し、立岡については、もっと1軍での実戦を踏んで、更に練習でバットを振り込んでいけば、しぶとい好打者になる可能性はあります(バントは下手ですが。。)

意外と思われるかもしれませんが「しぶとい打者」になる為には「内角の速い直球をしっかり叩く技術的な下地」がポイントになります。
その為には「常にバットが体の内側から出て最短距離でミートする」必要が有ります。
これが出来れば、若いカウントなら思い切り引っ張る事も出来ますし、追い込まれた状況では、ギリギリまでボールを見極める事も可能です。

逆に、バットスイングが外回りの状態では、ボールが長く見れないので選球眼が悪くなりますし、打ち損じがフェアゾーンに行ってしまうので、粘っこい打撃は難しくなります。
今は以前より衰えていますが、井端のバッティングの真髄はココにあると思っています。

まだまだ井端レベルには遠いですが、強いて挙げるなら寺内も彼に近い資質を持っています。

又、単純にバントが得意という事なら、松本哲が一番安定感が有るでしょうね。。