先週月曜日の弊ブログで、筆者が「第1の山場」と位置付けたオールスターブレイクまでの8試合を、ここまで4戦4勝と完璧な結果を残しているジャイアンツ。
昨日も勝って、一気に混戦から頭一つ抜け出したいところだった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
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阪 神 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 4 |
巨 人 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 |
結果はTの勝利となり、スイープ成功とはならなかった。
★序盤で前日の良い流れを崩してしまった菅野の投球
G菅野は立ち上がりから制球に苦しんでいた。
直球についてはスピード感は普通だったが、コーナーへビシッと決まらない。
スライダー・カーブも曲がりも早かったので、打者は見極めやすいボールになっていた。
つまり、カウント球に苦しむ場面が目立っていたので、自然と球数が多くなり、ピッチングが窮屈になってしまっていた。
それでも初回と2回は何とか無失点で凌いでいたが、3回に先制点を許してしまった。
前回の登板も、完封で飾った事は立派ではあるが、立ち上がりから相手打者を攻めきれていないケースが目立ち、ややラッキーだった面も否めなかった。
この試合でも、2回表の村田のビッグプレーが無ければ、序盤で大量失点を奪われていた可能性もあった。
逆にT岩田の序盤の投球は、しっかり低めにボールを集めてG打線にゴロを打たせていた。
ややG各打者に粘られて球数を要していたが、それでも最後まで気を抜かずにアウトカウントを増やしていた。
こうして、序盤はTの攻撃時間の方が圧倒的に長く、G野手は守備と攻撃の切り替えがスムースに運べていなかった。
前回と今回の登板で失点が1しか奪われていないので、彼を責めるつもりは無いが、個人的には不満が残る投球内容が続いてしまっている。
彼に求めるモノはもっと高い。
味方攻撃陣にリズムを生む為にも、序盤から勇気を持って相手打者を攻めて欲しい。
特に、2回に2アウト1・2塁で8番鶴岡を迎えた時に、明らかなボールで先行してしまい、結局歩かせてしまった。
次がピッチャーの岩田という事で、ある意味「セオリー通り」の投球ではあるが、エースと呼ばれる投手なら、状態が良くない8番打者を簡単に歩かせてほしくない。
ここは鶴岡と勝負して討ち取り、次のT攻撃を岩田から始まる展開に持って行って欲しい。
結局、3回表に先頭の鳥谷を歩かせてしまい、送りバントを経て福留にタイムリーを浴び、先取点を許してしまった。
そして、長野のHRで同点には追い付いたが、岩田を捉えきれなかった最大の要因は「守備につく時間の長く、攻撃にリズムが生まれなかった事」だと考える。
★勝負の明暗を分けたセットアッパーの状態
同点で登場したマシソンは、直球が全てシュート回転していた。
先頭のゴメスを三振に奪い上々のスタートだったが、次のマートンに直球を叩かれ2ベースを浴びた事で、自身の直球に対して「疑心暗鬼」になってしまった。
続く今成にもシュート回転の直球を叩かれ1・3塁になり、7番上本を迎えた。
ゲームの流れを考えると、このイニングを無失点で切り抜けるには、上本を絶対抑えねばならなかった。
マシソンもそこはよく分かっている訳で、それが無駄な力みに繋がり死球を与えてしまった。
その後に連続タイムリーが生まれたが、個人的にはこの死球が勝敗のポイントと見ている。
逆にTは2番手で登場した安藤は、ベテランらしい落ち着いた投球でG打線を封じ、試合の流れをGに渡さなかった。
解説の桑田氏が中継で指摘していた、マシソンの「体の開き」については、来日当初から彼が持っている欠点なので、今更どうこう言う話ではない。
それより、前述で指摘した1アウト後のマートンの2ベースで、マシソンの左肩の開きが一層早くなって、直球がシュート回転した事が痛打された要因と見ている。
彼も来日してから今年で4年目を迎え、年齢も31歳になる。
27~28歳の時に、普通に投げられていた155キロオーバーの直球が、31歳を過ぎると全身に力を入れないと、投げられなくなっているのかもしてれない。
又、相手の研究も進んで痛打される事も目立ってきた。
これが悪循環となり、力んで左肩の開きが早く(右肩の入りが早く)なって、打者目線ではボールが見やすくなっていると思う。
山口も同様に、我々はどうしても2年前の「完璧な二人」を求めてしまっているかもしれないが、その幻想は捨てねばなるまい。
二人に余計なプレッシャーを与えて「潰してしまう」事が、最も危険なシナリオになる。
Gの3連覇は彼ら無しでは決して語れないし、山口に至っては2008年から5回度の優勝に貢献している。
ここは「グッと我慢して」今年は暖かい視線で見守りたい。
そして、復活を静かに待ち続けて「その日」を信じていきたい。
★総評
この3連戦を見て、終盤でGに屈した去年のTから、何も変わっていない事を再確認した。
結局、ベテラン頼みのリリーフ陣、軸となる野手も殆ど変わらない。
更に、若手先発投手の台頭も期待薄で、ローテを中5日(この試合の岩田は中4日)で回してしまっている。
これでは例年と変わらず、過密日程が終わる9月に息切れする可能性が高い。
勿論、前段で触れたようにGにも不安要素は有るが、少なくともT優勝の可能性はGよりも低いと確信した。