【G】高木勇人の奥深いピッチング【セ公式戦GvsT 3回戦・4月5日】

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昨日は高木勇人の好投に尽きる試合だった。
一方で、前日に続き阪神タイガースの勝負弱さを感じる試合でもあった。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
阪 神 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
巨 人 0 2 0 0 0 0 1 0 X 3

Gは阿部の捕手復帰後のチームの雰囲気が明らかに変わっている。
それは阿部の表情に現れている。
ファーストでは暗い表情でプレーしているが、キャッチャーでは表情が明るい。
筆者は今でも阿部の捕手復帰には反対意見だが、現状ではチームに好影響を与えた事実は否定できない。

そして、これから各チームは足で阿部を揺さぶってくると思うが、それを阿部を含めたGバッテリーがどのように対応していくか?
又、これから先もキャッチャーをメインで続けていくなら、故障の心配も大きくなってくる。
そして相川復帰後の併用をどうしていくのか?
考えねばならない事は山ほど残っている。

【試合のポイント】

★大きかった初回・井端の堅実プレー

先頭打者・鳥谷の強いファーストゴロは、難しい処理を要求されるが井端は難なく処理した。
高木が投じたボールはカーブだったが、鳥谷はタイミング良くバットを振っていた。

仮に鳥谷を塁に出すと、次打者上本には恐らく送りバントで2塁に進められ、いきなりピンチでクリーンアップを迎える事になる。
こうなると阿部は後の事を考えないで、高木の持ってる全て球種を使って全力で抑えようとする。
仮に初回を無失点で凌いだとしても、クリーンアップに手の内を明かしてしまう事になるので、次打席以降での攻め方が変わってしまう。

この試合でキャッチャー阿部は、ゴメス・マートンに対して序盤は内角にボールを集めて意識させていた。
それを打者が慣れてくる3巡目以降への布石として考えていた節があるので、井端のあのプレーは非常に大きかった。

★ノーアウトランナー1塁で2度送りバントをミスした藤浪

7番のルーキー江越が全く機能していなかったので、Gバッテリーとしては先頭で出塁するケースが多かった梅野を押さえれば、高い確率でそのイニングも無失点で凌げると考えていた。
しかし、2度あった先頭梅野をいずれも出塁させてしまった。

これはGバッテリーにとってはかなり痛手な筈で、上位に繋がってくるので、1番鳥谷の結果次第では大量失点に繋がってしまうことも十分考えられた訳である。
そんな大ピンチの芽も、藤浪のバント失敗で無くなった。

★藤浪の一人相撲で攻撃のリズムが生まれないタイガース

目に見える試合のポイントは、2回と7回のG得点場面となる訳だが、大きかったのは阪神サイドの失点の仕方が悪すぎた事。

2回の失点の場面も、先頭・阿部へのヒットは仕方がないが、問題なのは開幕からノーヒットのセペダに対して簡単に四球を与えてしまった事。
そして井端の送りバント後、対亀井に対して大暴投で失点、更に簡単に外野にも運ばれて犠牲フライを許した。

その後、G打線を完璧に抑えていたが、絶対与えてはいけない追加点を、亀井のHRであっさり奪われてしまった。
確かに投球内容は素晴らしかったが、勝負処で簡単に失点してしまうので、ゲームの流れを見方に引く戻すような投球とはいえない。

★非常に堅守だったG野手陣

前述の初回井端の好プレー、3回鳥谷の大飛球を好捕した亀井、 4回ゴメスのフライをセンター前まで背走して好捕した片岡など、この試合はGの堅守が目立った。

【高木勇人の完璧なピッチング】

★打者を踏み込ませないベース版を広く使う投球

彼の持ち球のなかで横の変化球は、カットボール・スライダー・シュートがあるが、彼が非凡なのはどの球種も抜群の制球力を持っていること。
そして、勝負処のボールは殆ど低めに制球されている。

仮に打者の狙い通りのボールが行ったとしても、低めの制球されているので良くてもヒット、そして多くが野手の守備範囲への打球になる。
彼が大崩しない要因はここにある。

★打者の懐に出し入れできる制球力

試合前に、タイガースが高木勇人に持っていたイメージは、スライダー系を中心に攻めてくる事を予想していたと思う。
受ける阿部も前回の投球を見て、タイガースの読みを察知していただろう。

その証拠に、序盤は右・左打者問わずに直球とカーブを中心に組み立てて、勝負処ではシンカーやフォークを使い、スライダー系を軸に変えたのは4回以降だった。

このように、相手の狙いの裏をかく配球で序盤を攻めて、中盤から一番自信のあるボールを軸に組み立てる投球は、どの投手にも有効ではある。
しかし、ここで問題になってくるのは「実行する制球力をもっているか?」である。
このレベルに達している他の右投手は、Gでは菅野だけで他の投手にここまで安定感がないのは、これが出来ないからである。

特に高木と他の右投手の違いは、右打者への懐への制球力。
直球・シュート・シンカー・スライダー(インスラ)を自在に操れるので、右打者に対して撒き餌を行える。
そして、中盤以降の本当の勝負処で外のボールを出し入れする。
打者の頭には懐へのボールの残像が残っているので、外のボールに対して鋭く反応できない。

この試合は亀井のダメ押しHRで、最後まで大胆に攻めることが出来たが、この「撒き餌」は試合が縺れた場合の長打を避けたい場面で非常に有効となる。

★緩急も使える投球術

高木はカウント球として緩いカーブを投げるが、これは勝負球としては使えるボールではない。
だが打者のタイミングを外すボールとしては有効で、これでカウントを稼げる事は大きい。

だが、筆者がここであえて指摘する「緩急」の意味は、これを言っているのではなく「直球にスピード差がある事」を指している。

彼の通常の直球は140キロ前後で、制球良く低めに集める事を意識している。
しかも、ボールを微妙に動かしているので、打者のバットの芯を外している。
しかし、勝負処では綺麗なフォーシームで140キロ後半のボールを投げてくる。
特に、右バッターの外角低めにこのボールをビシッと投げる。

このように直球にも「緩急」があるので、打者からすれば非常に対応が難しい。

【試合総評】

ここまで高木勇人の投球内容を称賛して
きたが、やはりT打線に元気がなかった事も大きい。
前段で触れた藤浪のバントミスを含めて、タイガースのまずい攻撃に助けられた面も否めない。

前回の記事でも書いたが、戦力的にはG以上の戦力を持っているかもしれないが「勝負処でのミスの多さ」や「勝負弱さ」は何も変わっていないと感じた。

対するGも2勝1敗で勝ち越したが、内容的には決して強いチームの野球ではない。
やはり坂本・長野が塁を賑わして、阿部・村田・亀井がチャンスで打点を稼ぐ姿にならないと苦しい。

先発投手陣も高木の台頭で助けられてはいるが、厳しいローテは今後も続く事が予想される。
現状の先発陣では、相手に先取点を与えるケースが増えてくると思うので、打線がある程度活発にならないと投手への心理的負担が増してくる。

リリーフ陣も決して「万全」ではないので、山口・マシソンについては、本調子になるまで登板過多は絶対に控えたい。
先発陣が不安定・打線の援護も期待薄となると、勝負処の8月でガス欠になってしまう事もありえる。
内海の復帰までは何とか打線に頑張ってもらいたい。

以上 敬称略


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