昨日の試合は、個人的な思いの中では今季ベストゲームになった。
前回のブログ記事で書いたように、杉内のデキ次第で勝敗が決すると思っていたが、久しぶりにボールがキレまくっていた彼を見た。
本音を言うと、去年から彼の投球に対して「移籍初年度の期待感」は完全に無くなっていたので、昨日の投球は驚きを隠せなかった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨 人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 3 |
DeNA | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
相変わらずの貧打に変わりはないが、投手戦を競り勝つ確率は高くなっている。
最大の要因としては、最少失点でピンチを凌ぐ先発陣と、守護神・澤村を中心にマシソン・山口も結果を出し始めているリリーフ陣(更に戸根・高木京等も控えている) の存在。
最近のG戦は、非常に落ち着いた空気の中で試合が行われている。
そこから終盤で生まれてくる相手の自滅につけこむ野球が出来つつある。
昨日の試合でもBがくれたチャンスの場面を、金城がしっかり仕留めてくれた。
【試合のポイント】
この試合での最大のピンチを凌ぎきった事により流れはGに傾きつつある。。。そんな7回表の攻撃だった。
7回表の攻撃を振り返る
相手投手・モスコーソ(投球数103球)
①井端三振 1アウト
②長野内野安打 ランナー1塁
③村田三振 2アウト
④セペダ 四球 ランナー1・2塁
⑤金城 3ランHR
以下省略
Bモスコーソは前のイニングで亀井に2塁打、坂本に対して攻めきれず四球でピンチを作ったが、阿部をショートゴロで何とか凌いだ。
但し、直球とチェンジアップが高めに浮くケースが結構多くなっていた。
①は結果オーライの三振で、最後のボールは抜け球を井端が驚いて空振り
②は完全に討ち取ったが、ショート飛雄馬が処理できなかった。
記録は内野安打だが、巧いショートなら簡単に処理できた打球で、厳密に言えばミスといえる。
③直球に対して常に差し込まれている村田を討ち取るのは難しくない。
但し、ここでもボールは高めに浮いていた。
④は明らかにボールの制御が出来なくなっているモスコーソが、セペダの長打を怖がった側面が強い。
恐らく、次の打者・金城の方が組みやすいと考えていたと思う。
又、セペダとの対戦前にベンチからPコーチがマウンドに足を運んだ事から、「セペダの長打警戒」という注意が有ったのかもしれない。
毎度セペダを見ているGファンにとっては、真正面から勝負されたら厳しいと思うだろうが、Bは我々が考えている以上にセペダを嫌がっていた。
そして、この四球で「何か」が起きる予感がジワジワ湧いてきた。
⑤の対金城に対して、モスコーソは完璧に抑えていた。
金城はモスコーソのチェンジアップと直球の緩急に、全くタイミングが合っていなかった。
そして試合を決めた場面を振り返る。
1、高めに浮いたチェンジアップをファール
2、低めのチェンジアップを見送る カウント1ー1
3、外の直球が外れてボール カウント2ー1
この時の金城の見送り方は、直球に対して「差し込まれていた」
金城は明らかに「変化球」に的を絞っていた。
4、内高めに浮いたチェンジアップを捉えてHR
この時のモスコーソの投球をスロー再生で見れば解るが、明らかに腕の振りが緩んでいた。
カウントが悪くなり、ボールゾーンに行って見送られることを恐れたかもしれない。
明らかにモスコーソは限界だったが、0対0という状況では彼を交代させる事は出来なかった。
しかし、その勝負のアヤが結果的に劇的な決勝HRを呼び込んだ。
勿論、あの場面でフルスイングした金城は素晴らしいし、見事なバットコントロールだった。
しかし、こうして振り返ると、B側の自滅といっても過言ではない。
前述の②と④は、緊迫した場面では流れを一気に変えてしまうプレーになりうる。
そういう意味では、G側の方が試合巧者という事だろう。
前の回で大ピンチを凌ぎきった杉内が流れを作って、それを今度は打線がしっかりモノにする。
ようやく王者らしいゲームを見せてくれた。
【G投手雑感】
★杉内俊哉
何もかも素晴らしかった。
先頭の石川に対する直球の切れと、変化球の曲がり具合を見て「これは!」と思っていたが、初回の桑原を不運な内野安打で一瞬嫌な空気を感じたが、牽制死によって杞憂に終わった。
そこからは、移籍初年度に見せていた杉内俊哉のワンマンショーだった。
兎に角、スライダーの切れが半端ない。
若い桑原・飛雄馬辺りはなす術もなく空振りしていたし、左の石川・梶谷・筒香も全くタイミングが合っていなかった。
勿論、風の影響でスライダーの切れが増したのかもしれない。
但し、懸念していた直球の切れが甦ってきた事は、今後の彼には非常に大きなアドバンテージになる。
次回の投球も大いに期待したい。
【試合総評と今日の展望】
原監督がインフルエンザで療養中ということで、川相ヘッドが監督代行を務めた。
筆者が驚いたのは、金城HR・片岡ヒットの後に、相手が左の林にスイッチしたのを見て、亀井を下げて中井を代打に送った場面。
当然、終盤の守備力を考えると亀井を打たせる選択をとると思っていたが、川相代行は中井にチャンスを与えた。
これは賛否両論あると思うが、中井個人と選手起用の幅という意味では、非常に大きな策だった。
新外国人獲得が囁かれる中で、調子が上がってこない村田を使い続けるのではなく、中井という選択肢も残されている事が、中井本人にも伝わったと思うし、我々ファンに対してのメッセージにもなった。
そして、今日はエース菅野が登板する。
打線がしっかり先取点を奪って、それをエースとリリーフ陣が守りきる。
そんな試合を期待したい。
そして、主軸の阿部・亀井・坂本・長野が結果を残して快勝・・・。
投手陣を中心に守り勝つ野球が完成しつつある今、これをベースに主軸に当たりが戻れば恐れるチームはない。
今日の試合で流れを作って、気持ち良く甲子園に行きたい。
以上 敬称略
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