【G】「名捕手」谷繁の術中に填まらなかった大田泰示【セ公式戦 GvsD 6回戦・4月30日】

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昨日の試合は、第三者の目から見れば凡戦に映っていたと思う。
勝敗を分けたのは、D高橋が勝負処で決定的なミスを連発してしまった事だけ。
両軍とも好機でHRが出たが、内容的にはもっと点が入ってもおかしくない展開だった。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
中 日 0 0 0 0 0 3 0 0 0 3
巨 人 0 0 0 3 0 0 2 0 X

【G選手雑感】

★マイルズ・マイコラス
直球のスピードと威力は素晴らしかった。
特に左打者の内角への直球は、ショート回転しないので精度も良かった。
この試合では、このボールを中心に組み立てていた。

一方で右打者の懐へのツーシームは、威力も精度も悪く腕が振れていないので使えない。
これは1塁側に体が流れるフォームが要因だと思う。
こうなると右打者からすれば、ほぼ内には投げてこないのでコースは絞りやすい。

変化球もカーブとスライダーがメイ
ンで、落ちるボールの精度が悪いので、外に目つけをしていれば攻略は難しくない。
左打者も内角へのボールが中心になるので、中盤以降に直球の威力と制球力も落ちてくれば、攻略は難しくない。

又、彼の大きな課題となっているセットポジションでの投球になると、一気に内容が悪くなってしまった。
特に直球の威力とスライダーが高めに浮くケースが目立つ。

結果的には7回2/3を投げて3失点。
先発投手としては合格点かもしれないが、点の取られ方が悪すぎる。
相手に弱点(守備力)を突かれてチャンスを広げられ、ランナーが貯まったところで一発で追い付かれた。

彼の弱点をザッと挙げると
①守備力(バント守備・送球)
②牽制球
③クイックモーションになっていない
④セットポジションでボールの質が落ちる
⑤スタミナ
⑥右打者の懐への制球力(左打者の外)
⑦決め球が無い(落ちるボールの精度が悪い)

これだけの欠点が有りながら大崩していないのは、彼の投球に相手打者が慣れていない事、そして分析が進んでいない事が要因になる。
又、この試合で7回まで投げる事が出来たのは、得点を取られたイニング以外で殆んど走者を許さなかった事が大きい。

彼の投球フォームの性質上、投げるコースが偏りがちになってしまうので、対戦が重なっていくと厳しくなる。
又、足のある打者を塁に出すと急に投球内容が変わってしまう現状では、やはりローテ投手として考えるのは厳しい。
G首脳陣も外国人枠の関係上、現状では彼のローテ入りを考えていないようだ。
賢明な判断だと思う。

但し、彼の日本野球に対する姿勢は、ポレダと同様に評価したい。
又、150キロを超える直球と、大きく曲がるカーブを持っているのは魅力的である。
そして何より、坂本と同じ年齢で伸びシロもある。
今季で劇的に変わる事は無いかもしれないが、Tメッセンジャーのように2年目以降で大化けすることを期待したい。

★山口鉄也
マイコラスが招いたピンチで登場した。
外の直球とスライダーの出し入れ、そして勝負球で使った内へのシュートも完璧。
Dに向かっていた流れを見事に止める投球だった。

現状の勝ちパターン投手(山口・マシソン・澤村)の中では、彼が一番安定感がある。

★澤村拓一
最近のピッチングは決して誉められる内容ではない。
この試合もフォークは落ちていないし、直球はショート回転気味に抜けたり、引っ掻けたりしている。
だが、そんな状態でも抑え投手は結果を残さねばならない。
そういう意味では、しっかりゲームを締めているので評価したい。

★橋本到
ここ最近当たりが止まっていたが、ようやく彼らしいヒットが出た。
同期の大田が1軍に合流したので、彼もプレーしやすくなったと思う。
二人で大暴れしてチームを引っ張って欲しい。

★レスリー・アンダーソン
打席で色々工夫している姿が見受けられるが、結果として現れていない。
相手バッテリーは、彼に対して内角のボールを意識させて、最後にスピードを殺した外の変化球を打たせる配球をしている。

現状はバットが外回りで、体の近くでスイング出来ていない。
当然スイングは波打ち、力強い打球は生まれにくい。

★村田修一
徐々に良くなっている。

技術的に変わってきた事は
①構えがゆったりしている
②トップを作るまでの行程で固さを感じない
③「間」が取れるようになってきた

①②は彼が常に拘っているバッティングのポイント。
拘っているからこそ、状態が悪くなると力が入ってしまって「固さ」が生まれてしまう。
この固さが「間」を作れない要因になっていた。

彼と同じような欠点はT新井良太にもある。
先日のT対G戦での彼のスイングを思い出して欲しい。
構えからバックスイングしてトップを作る行程で、不自然さを感じないだろうか?
グリップに力が入っている状態でトップを作っているように見える。
そこからガチガチな状態でスイングが始動するので、外の変化球に手を出してしまう。
つまり「間」が作れていない状態で、バットとボールを衝突させるだけになっている。

★長野久義
彼も徐々に良くなってきた。

以前の弊ブログで指摘したが、彼は調子が悪くなると、構えの時に背中が丸くなり左肩が入ってしまうので、バットが出ないで差し込まれるケースが多くなる。
よく言われるのがセンター方向から背番号がハッキリ見えてしまう状態。
だが、最も悪い状態は、逆に左肩の開きが早くなって手打ちに見えている状態。

開幕当初は後者だったので、それを修正しようと左肩の開きを意識しすぎた結果が前者に繋がってしまった。
筆者が彼について心配していないと言ってきたのは、比較的直しやすい前者であるという事だった。

一昨日辺りから背中の丸みも消えて、自然な形で構えるようになっている。
そして昨日の試合では内外角関係なく、バットの出方がスムースになりヘッドも走っている。
ソロソロ逆方向の1発が見られるだろう。

【ディープレポート】

★谷繁の術中に填まらなかった大田泰示
筆者は前回の記事の中で、大田は第一打席が鍵を握ると指摘した。
だが、それは相手捕手が松井という前提だったので、スタメンが谷繁では話が全く変わってくる。

谷繁としては、大田をかなり意識していたに違いない。
優勝を争う上で最大のライバルであるGの若き4番候補を、最初の試合で潰しておきたかった筈である。
好投しながら勝っていないバルデスを、自分のリードで勝たせたかった事がスタメン出場の第一理由ではあるが、この点も含まれていた上での出場だと思う。

その第1打席で大田はかなり粘った末に三振した。
谷繁からすれば、去年や今春のオープン戦の大田をイメージしてリードしたと思う。
内角のボールを意識させておいて、外のチェンジアップで打ち取るイメージで臨んでいた筈である。

しかし、大田は左肩の開きを極限まで我慢して、手元までボールをしっかり呼び込んでいた。
しかもバットがインサイドアウトで出ているし、スイングスピードも速い。
よってボール球には手を出さないし、誘い球に乗らなかった。
やや内角直球に差し込まれていたが、バルデスのスピードではなかなか三振は奪えないし、少々甘くなると長打も怖い。
結局最後は少しスピードを殺したカットボールで三振
を奪ったが、この第1打席でバッテリーは手の内を全て見せてしまった。
これで大田は2打席目以降で、かなり余裕が生まれた。

【試合総評】

マイコラスの投球内容を見ると平田が一番怖かった。
彼の雑感で触れた理由で、見方によっては打たれるべくして打たれたと言って良い。
しかしながら、それでも同じ打者に打たれ過ぎるのは大いに不満がある。
ここ数年、平田が台頭する前から、彼にどれだけ手痛い一発を打たれただろうか?

畠山も同じだが、逆方向にHRを放つ打者に対してG投手はよく打たれる。
もっとキャッチャーが低めを意識させるようなリードを強く望む。
そしてピッチャーは、懐へ強いボールをしっかり投げ込む勇気が欲しい。
簡単に踏み込まれるようでは彼らを抑える事は出来ない。

この試合は相手のD高橋の連続ミスで勝ちを拾ったが、相変わらず勝負を決めるもう一本が出ない。
7・8回の攻撃で勝負を決する事が出来た。
確かに強い打球が野手の正面に行ってしまうケースもあったが、それを加味してもあと1点は取れた筈だ。
リリーフ陣に過度の負担を掛けない意味でも、ダメ押し点を貪欲に取る強い姿勢が欲しい。

以上 敬称略


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