試合終了直後に、ツイッターで思わず「見事すぎる試合だ」と皮肉を言ってしまい、何ともやるせない気分になってしまった。
大いに期待していた大田の負傷離脱、今年はブレークするだろうと勝手に確信していた中井の低迷。
これらは筆者のモチベーションを大きく落としてしまった。
そういう気分である一方で、若手投手陣については近年では一番目覚ましい奮闘ぶり。
更に言えば、ここに宮國・今村が絡んでくれると申し分ないが・・・。
筆者は今年の他球団の戦力分析が終わっていないので、まだ順位予想は出来ない。
しかし大まかに言えば、去年の今頃よりも危機感を感じているのは間違いない。
Gは現在投打ともに過渡に入っている。
この上に、躍進を期待している若手投手陣も崩れる事態となると、一気に苦くなると感じている。
だが一方では、久しぶりに味わう「優勝出来ないかもしれない」という不安感を、今年はジックリ噛み締めながら応援して、秋には勝利の美酒を味わう体験もしてみたい。
苦しんで得た優勝の達成感は、ファンとしてはたまらない。
そんな事を思いながら、では本題に入りたい。
今回は千葉ロッテマリーンズ対読売ジャイアンツのオープン戦をレポートする。
【G注目投手雑感】
★アーロン・ポレダ
・5回7安打1四球3奪三振 失点3
直球のスピードは平均で146キロ、最速で150キロ。
変化球はスライダーとチェンジアップ。
彼の場合は、先発でやっていくなら変化球の精度をもっと上げたい。
スライダーではカウントを稼げて、低めに意識的に集める程度の制球力。
チェンジアップはとにかく低めに集める。
彼ほどの直球を持っていれば、上記程度の変化球でも十分打者を抑えられる。
但し、現状ではこれらを克服するのは容易ではない。
メジャー時代も同じ課題を抱えていたのに、日本で直ぐに修正できるとは残念ながら思えない。
やはり、前回の記事で指摘したように、先発として日本で成功を目指すなら、ファームでじっくり調整した方が良い。
この試合で不安を露呈したフィールディングやセットポジションも含めて、開幕ファームスタートも一考だと思う。
もし、それが無理なら、いっそのことリリーフ投手として、マシソンのように直球ゴリ押しの投手を目指すべき。
短いイニングなら、左腕の155キロ以上の直球を簡単に捉えられるとは思えない。
先発としては、現状で150キロ前後だが、リリーフに特化して夏場になれば160キロ越えも決してオーバーではない。
★西村健太朗
・3回4安打2奪三振 失点3(自責1)
直球系のスピードは平均で140キロ、最速で144キロ。
変化球はスライダー・フォーク・カーブ。
この試合では最初の1イニングを相川、2イニングを小林とバッテリーを組んだ。
興味深かったのは、相川はカーブを最初に3球ほど投げさせて、カウントを稼ぐトライをさせていた事。
結果は全てボールだったが、何とかピッチングの幅を広げようと考えているのが分かった。
一方で小林はカーブを全く要求しなかった。
どちらの捕手も、この日の西村の直球を信用していない様子で、カウント球としてフォークやスライダーを投げさせていた。
しかし、変化球も制球が定まらず、結果的には打者有利のカウントで直球を叩かれていた。
確かに味方エラーも絡んだ失点で、西村に不運な面はあったが、内容的にはボール先行のケースが多く、正直誉められた内容ではない。
失点後は開き直るような姿で急にテンポを変えて、変化球の制球と切れが良くなり打者を封じていたが、失点してからこの投球をされても遅すぎる。
【G注目野手雑感】
★フレデリク・セペダ
・3打数1安打
ヒットを1本放ち、何とか結果は残したが、内容はかなり悪い。
右打席では、落ちるボールに対して殆ど対応出来ていないので、明確な弱点となっている。
ボールの見極めも、右打席では上下動が激しいので、左打席よりかなり悪い。
右打席での彼を、打線の中核で打たせるのはかなり危険である。
・4打数0安打
前回の雑感と同じ印象で、トップからスイング始動の際にバットのヘッドが寝てしまっている。
この形では当然打球は飛ばないし、擦るようなスイングになってポップフライになりやすい。
まだまだ調整が必要だろう。
★亀井善行
・3打数0安打1四球
上昇傾向にあると見ていたが、ちょっと雲行きが怪しくなってきた。
対戦経験のない左腕投手という事もあるかもしれないが、ボールを迎えに行ってしまうような形になっているのが気にかかる。
タイミングも合っていないが、体を投手方向に出されてしまうスイングが多い。
次の試合では、崩れかけているスイングをしっかり修正した姿を期待したい。
★中井大介
・3打数0安打1四球
ボールから目を切るのも早いので、見極めが悪くなっている。
今の状態では低めの変化球を投げられたらノーチャンス。
又、相変わらずバットが波打っているので、バットの上っ面で当てたポップフライが多いし、芯で捉えても打球がファールになりやすい。
キャンプ中に意識していた、センターから右中間方向への強い打球を思い出して欲しい。
三塁守備では、元々課題としてあったスナップスローで暴投してしまった。
【試合総評】
G 000 000 000 0
M 000 301 20X 6
試合は6対0でマリーンズが圧勝した。
M先発チェン・グァンユウは、序盤は味方のエラーでピンチを招いたが、打者の懐を大胆に攻めた直球と低めに集めたフォークでピンチを凌いだ。
それ以降は完璧な内容で、元気がないG打線は沈黙した。
個人的には、彼に対して「やられ過ぎ」という印象が強い。
確かに高い制球力と、低めに決まるフォークとスライダーは素晴らしかったが、ここまで抑え込まれる投
手ではない。
全体的に言えるのが、若いカウントでの甘いボールをミスショットして、最後はボール球を振らされている打者が多い。
勿論、対戦経験が少ない投手なので、狙い球を絞りきる事が難しいのは解るが、それでも彼に対して6回で2安打は寂しすぎる。
~おまけ~
【気になる見出し】
・清水打撃コーチと3人で汗を流した模様
内田さんお願いします・・。
村田 頑張れ! 待ってるぞ!!
以上 敬称略