昨日、読売ジャイアンツは北海道日本ハムファイターズと東京ドームで対戦。
そして、Gファンが待ちに待った長野久義が、この試合から1軍に合流した。
【 G注目投手雑感】
★菅野智之
・3回6安打1四球4奪三振 失点4(自責3)
直球系のスピードは平均で144キロ、最速で150キロ。
個人的には前回の内容を見て、ある程度の目処は立ったと思っているので、この結果は全く心配していない。
確かに直球が抜けるケースが目立ったが、直球そのものはスピードも上がってるし、指に掛かったボールではしっかり空振りも奪えている。
今年の中では一番腕が振れていたので、むしろ不安が減った。
配球でもっと工夫していれば、こんなに打たれていないだろうし、課題であった直球の質を上げることを意識していたように私には見えた。
また、カーブ・スライダー・フォーク等の変化球も切れは悪くない。
表現は適切ではないかもしれないが、この試合の内容は、過去のシーズン中に時々見かける悪い状態の菅野だったと思う。
それが逆に安心感に繋がったのかもしれないが、前回登板時では少し感じていた「腕の振りの緩さから感じる投球の違和感」は全く無かった。
あとは本人が言うように、気持ちの問題と、技術的な微調整だけ。
このまま肘の状態が悪くならなければ、今年も十分期待できる。
・今季の予想勝ち星 12勝~16勝
体調に異変がなければという注釈つきだが、この程度は問題ないだろう。
更に伸ばすには内角直球の制球力が鍵を握る。
★戸根千明
・2回3安打1奪三振 失点1
直球のスピードは平均で138キロ、最速で141キロ。
相手打者の好打で失点したが、内容は悪くなかったと思う。
失点してからのマウンド捌きも落ち着いていたし、自分のペースで投げていた。
確かに結果は良くなかったかもしれないが、個人的には十分評価に値する内容だった。
★笠原将生
・2回3安打3四球2奪三振 失点1
直球のスピードは平均で144キロ、最速で148キロ。
去年までは全く決まらなかったカーブや、今年から覚えたシンカー等、成長の跡が見られるだけに、この結果は非常に残念。
この試合で笠原が反省すべきポイント1つ
それは、明らかに彼の悪い癖である「投げ急ぎ」になっていた事。
打者との間合い・投球のリズムが同じで、打者からすれば合わせやすい状態。
ヒットを打たれ易いだけではなく、際どいコースはファールに逃げられ、決めきれずに四球を与えてしまっていた。
但し、これはリードする小林にも責任がある。
小林はしっかり間合いを取りながら、自分の意図を体で表現してたり、時にはマウンドへ行き意思疏通をはかりに行くべきだった。
また、配球にも大いに疑問を感じたが、それは後段の小林の項で書く。
※訂正
前回まで笠原の球種について、落差の小さい落ちるボールを「スプリット気味のフォーク」と表現していましたが、この試合の放送の中で本人が「シンカー」と語っていた事が判明しました。
ここで訂正させて頂きます。
★スコット・マシソン
・0/3回2安打2四球 失点3
直球のスピードは平均で148キロ、最速で153キロ。
この試合は完全な一人相撲を演じてしまった。
先頭にヒットを許すと走者を意識しすぎてバランスを崩して連続四球。
走者を溜めてから、相手の4番に対して落ちなかったフォークを叩かれた。
典型的なマシソンが崩れるパターンである。
ワンアウトも取れずにマウンドを降りたが、これは監督の配慮だろう。
★高木京介
・1回2奪三振
直球のスピードは平均で135キロ、最速で137キロ。
マシソンが崩れなければ、もしかしたら登板予定が無かったかもしれない。
緊急登板??だった事もあって、この日の内容はさほど良いとは思えなかったが、マシソンが作ったピンチを犠牲フライのみで凌いだ。
直球のデキはまずまず、カーブは上々、チェンジアップは高めに浮いていた。
★澤村拓一
・1回1安打1奪三振
直球のスピードは平均で150キロ、最速で153キロ。
殆ど直球で押していた。
だが、やや上体に力みを感じて体の開きが若干早かった。
よって打者からすれば、速いボールでも捉えられない事はなかった。
厳しい見方をすれば、この日の直球で良かったのは1球だけ。
【G注目野手雑感】
★坂本勇人
・4打数0安打
この試合では攻守で集中力をあまり感じなかった。
バッティングは相変わらずスイングが波打つ状態。
甘いボールに対しても捉えきれていない。
★阿部慎之助
・4打数1安打1三振
打席毎に自分のスイングをチェックしてる感じを受けた。
この試合では、スリーボールから直球を狙い打ってライトフェンス直撃のヒットを放ったが、あの打球がライトスタンド中断に突き刺されば、状態は上がったと見て良いが、まだまだ振り込みが必要だろう。
★長野久義
・2打数1安打1四球
故障箇所を全く気にする様子もなく、バッティング内容も悪くなかった。
右膝でしっかり溜めを作れていたし、走塁・守備でも軽快な動きだった。
そしてライトからセンターへの守備位置の変更もあったので、状態は周囲が思うより遥かに良いのかもしれない。
★亀井善行
・2打数2安打1四球2打点 二塁打1
かなり状態が上がってきた。
以前はタイミングを外されて、体が投手方向に流されるスイングは多かったが、この試合では左足で溜めを作ってから体重移動させている。
又、ボールの見送る形も良くなっている。
途中から長野センターで彼をライトに起用したのは、監督も彼の調子が上がってきたことを感じての起用かもしれない。
★小林誠司
・2打数1安打1四球
バッティングについては、出場する試合で結果をコツコツ残している。
そして内容もオープン戦序盤と比べると、バットのヘッドを効かせたライナー性の打球を放っているし、粘り強さも出てきた。
但し、捕手小林については苦言を呈したい事がある。
それはP笠原の時に、彼の配球に全く工夫を感じなかった事。
特に近藤への押し出し四球の場面は、個人的にはかなり失望した。
前回の札幌での試合で、近藤が大竹からカーブを叩いてホームランを放ったが、この時マスクを被っていたのが小林。
恐ら
く、それが頭に残っていたので、笠原に全くカーブを要求しなかったと推察する。
6回の四球の内訳は全6球中、直球5・シンカー1。
そして問題の7回の内訳は全9球中、直球7・シンカー2。
2打席・全15球のうち、直球が12球でシンカーが3球。
直球とシンカーのスピード差は、およそ6~8キロ程度。
しかも、イニングの間がない打席なので、近藤からすれば直球をずっと投げられてる感覚が強かったと推察できる。
この配球で、好打者近藤を討ち取るのは容易ではない。
7回の押し出し四球は、ある意味当然の結果である。
確かに左打者へのカーブは、高さが甘くなると非常に危険なボールで、使いどころが難しい。
しかし、笠原のように球種が少ないタイプには、勇気を持って投げさせなければいけない。
それも低めへの意識を徹底させる事が大事になる。
その為には、なるべく腕が振れる若いカウントで投げさせるべきで、1球投げるだけでも打者の印象は違ってくる。
小林が笠原のカーブをどのように評価しているのか解らないが、筆者の目には腕がしっかり振れる状況で使い低めに決まれば、直球とのスピード差で十分空振りが奪えると考える。
前段の笠原の項で触れた件も含めて、小林のマスク越しの視野はかなり狭くなっている。
【試合総評】
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本ハム | 0 | 4 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 3 | 0 | 9 |
巨 人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 |
試合は9対3でファイターズが勝利した
内容的にはFの圧勝で、Gは投打ともに課題を残す結果となった。
そんな中で、5回のG攻撃は評価したい。
ツーアウトランナー無しから、長野・小林が粘って2連続四球でチャンスを作り、代打亀井のタイムリーツーベースという流れは、久しぶりに見た素晴らしい攻撃だった。
こういう攻撃をコツコツ積み重ねていけば、いずれは打線も上向くだろうし、チームの重苦しさも徐々に消えてくる。
残りオープン戦は2試合だが、このような攻撃を是非続けてもらいたい。
以上 敬称略