「錆びついていなかった百戦錬磨の原采配」2019.3.30 広島東洋カープvs読売ジャイアンツ 2回戦

「錆びついていなかった百戦錬磨の原采配」2019.3.30 広島東洋カープvs読売ジャイアンツ 2回戦

2019年3月30日(土)広島東洋カープvs読売ジャイアンツ 第2回戦

【試合結果】
巨人 000 202 001 5
広島 000 100 100 2

[ 巨人 ] ヤングマン、吉川光、中川、クック – 炭谷、小林
[ 広島 ] 床田、ヘルウェグ、レグナルト、一岡、島内 – 會澤

勝利投手 ヤングマン (1勝0敗0S)
敗戦投手 床田 (0勝1敗0S)
セーブ  クック (0勝0敗1S)

本塁打
[ 巨人 ]
[ 広島 ] 鈴木1号(4回裏ソロ)

巨人 9安打 2失策
広島 7安打 0失策



【試合のハイライトと勝敗のターニングポイント】
★1回裏 広島攻撃(Pヤングマン)
田中は四球⇒菊池サードフライ⇒西川セカンドエラー⇒鈴木は三振⇒松山ショートゴロ(四球とエラーでピンチを招いたがヤングマンが何とか無失点で切り抜ける)
・立ち上がりのヤングマンはリリースポイントがバラバラで、明らかにボールを制御できていなかったが、菊池がカウント3-1からボール気味の直球に手を出してくれて助かった。
しかし、その直後にセカンド吉川尚のエラーで大ピンチを迎えたが、既に落ち着きを取り戻していたヤングマンは、鈴木を狙い通りにカーブで三振を奪い、後続も抑えて無失点でピンチを切り抜けた。
・巨人側からすればここでアッサリ先取点を許すような事になると、前日の嫌な流れを引きずる形になってしまっただけに、この1回裏を無失点で終えたことは非常に大きかった。

★3回裏 広島攻撃(Pヤングマン)
床田は三振⇒田中ライト前ヒット(二盗失敗)⇒菊池センターフライ
・クイックモーションに難があるヤングマンだが、炭谷が完璧な送球で二盗を阻止し、カープ側へ行きかけた流れを再び阻止した。

★4回表 巨人攻撃(P床田)
坂本ライトフライ⇒丸は四球⇒岡本は三振⇒陽ライト前ヒット⇒ゲレーロはレフト線タイムリー2塁打(2点)⇒中島は四球⇒炭谷ショートゴロ
・オープン戦で床田と対戦した時にも感じたが、故障明けという事で球数が増えてくるとボールが抜け気味になる事が多かった。
このイニングも直球のスピードガンが150キロ近く出ていたが、立ち上がりのような力感がないフォームではなくなっているのでキレを感じなかったし、明らかに前のイニングくらいからボールが抜け気味になっていた。

★4回裏 広島攻撃(Pヤングマン)
西川セカンドゴロ⇒鈴木HR(1点)⇒松山ファーストゴロ⇒野間ショート内野安打(二盗成功)⇒會澤セカンドゴロ
・HRの場面は、キャッチャーの炭谷は勝負球としてカーブ以外のボールを要求してサインを出したが、ヤングマンは首を2度振ってカーブを選択した。
・この後に内野安打と盗塁でピンチを迎えたが、落ち着いて後続を討ち取った。

★6回表 巨人攻撃(P床田⇒ヘルウェグ)
丸は四球⇒岡本ライトオーバー2塁打⇒陽セカンドフライ⇒P交代⇒ゲレーロセンタ前タイムリーヒット(2点)⇒中島6-4-3ダブルプレー
・丸と岡本で作った0アウト2.3塁のビッグチャンスだったが、陽の平凡なセカンドフライで雲行きが怪しくなり、最悪追加点を奪えないことも覚悟したが、ゲレーロがそんな弱気になってる巨人ファンの気持ちを吹き飛ばすタイムリーヒットを見事に放ってくれた。
・ここでようやく試合の主導権を巨人側がガッチリ掴んだ。

★7回裏 広島攻撃(P吉川光)
野間ライトオーバー3塁打⇒會澤セカンドゴロ(1点)⇒小窪レフト前ヒット⇒バティスタはライトフライ⇒田中は三振
・吉川光は1点を奪われたが、嫌な空気になりかけた場面で登場したバティスタを力勝負で討ち取り、最後は田中を完璧な投球で抑えた。
・前日の試合で、個人的に敗戦を確信した場面が「リリーフで出てきた宮國が逃げの投球をしてバティスタを歩かせてしまったシーン」だった。
こういう弱さをカープ打線に見せてしまうと、かさにかかって攻撃してくる事はここ数年の試合を見れば明らかだったので、逆にこの試合では吉川光がバティスタと真っ向勝負で討ち取り、その勢いを止めたので勝利を確信した(この場面が勝敗のターニングポイントと判断した)

★9回表 巨人攻撃(P島内)
田中俊は四球⇒吉川尚も四球⇒坂本は送りバント⇒丸は四球⇒岡本ショートゴロ(1点)⇒陽は三振
・満塁の場面で岡本の当たり損ねが幸いしたショートゴロで追加点を奪い、日本の公式戦初登板となる抑えのクックを楽にさせた。



【注目選手雑感】
★丸佳浩
やや踵体重になってしまっており、外のボールが遠くなってしまっている。
但し、個人的には何も心配していないし、そんな悪い状態での四球3つは流石だと思う。

★岡本和真
打撃、守備ともに迷いを感じる。
バッティングに関してはカープバッテリーに2日連続で上手く攻められてパニック気味になっている(2試合で2安打を放っているが、いずれも形は崩されており、バッティングの内容は良くない)
ファーストの守備でも1.2塁間のゴロに対しての判断が悪く、素早く判断して1塁ベースで捕球体勢に入ればアウトに出来たケースが何度か見られた(この試合でリプレイ検証場面もそうだった)
まあ、それでもこの試合はチームが勝ったので「自分も得点に絡んで4番の仕事は果たした」と割り切って、気分を切り替えて3戦目に臨んで欲しいし、そういう選手でなければ去年の大ブレークはなかった。

★ヤングマン
・去年までのヤングマンはスライダー・カットボール系の精度がそれほど高くなかったので、左バッターに対しては「ツーシームの出し入れ」と「カーブ」のコンビネーションで勝負していたイメージが強かったが、この試合ではキレのあるカットボールを有効に使って内野ゴロを打たせていた。
・又、彼の場合はカーブでストライクを取れる事が好投の大前提だったが、前述のカットボールとともに有効に機能していたので打者が的を絞り切れていなかった。
・そして、ベストピッチとなった6回裏、前の打席でHRを打たれた鈴木を内角のツーシームで見逃し三振に討ち取った場面も、それまで外のカットボールとカーブの出し入れだけで攻めて、鈴木の意識を外に集中させて最後に初めて見せる内角へのツーシームで三振を奪う素晴らしい投球だった(炭谷の好リードが光った場面でもあった)

★吉川光夫
・先頭の野間にいきなり3塁打を打たれてしまったが、私の見立ては解説者諸氏とは違ってボールが走っていたように感じた(角度も感じた)
この3塁打もかなりフォローの風に乗った打球のようにも感じたし、思い切りのよい野間らしく無心で直球を1.2.3で強振した結果なので「単純な出合がしら」という印象を持った。
・そして後続に対しては内野ゴロで1点許したが、しっかり緩急を使った投球で危なげなく終わった。
・個人的にはオープン戦終盤の調子落ちをかなり心配していたが、今後に向けて計算できる投球を見せてくれてホッとしている。

★中川皓太
・キレのある140キロ後半の直球とスライダー・カーブを軸に素晴らしい投球だった。
・右バッターに対してはもう少し投球に工夫(チェンジアップの精度向上)が必要だが、対左に関しては以前から指摘しているように、自分の投球スタイルを確立すれば強打者クラスを封じ込めるポテンシャルを持っている。
・この試合で原監督は中川のボールのキレを信じて左右問わずに起用したと思うが、それが見事にはまった。

★クック
・三者凡退でゲームを終えて彼の課題(クイック)は露呈しなかったので、まだまだ不安をかかえたままという評価に変わりはない。
・直球系も空振りを奪うほどのキレを感じないし、やはり前評判通りに奪三振率が上がってくれないと抑えとしては厳しい。
・仮にゴロアウトを奪うスタイルにモデルチェンジするなら、もう少しボールを低めに集めないと難しい。

【ゲームMVP】
★ゲレーロ
・4回表のタイムリー2塁打は、勿論、風の影響でフェアゾーンに戻された事もあるが、それ以上に彼のスイングがインサイドアウトになっているからこそ、あのような打球になったと思う。
・去年は得点圏打率が.203で、印象で言ってしまえばチャンスの場面では殆ど凡打に終わっていたイメージだが、早くも4打点を荒稼ぎしてくれた。

【この試合で最も批判されるべきG選手】
★吉川尚輝
・ここまでバッティングに関しては申し分ないし、守備でも素早い動きで我々を魅了させているが、あまりにもイージーミスが多い。
同じセカンドの名手・菊池と比べると守備範囲は同レベル以上だが、確実性は大きく劣っている。
内野手泣かせのマツダスタジアムでの今季初ゲームなので、そこは割り引いて評価したいが、個人的には巨人史上最強のセカンドが今年は誕生すると本気で思っているので、そんな並みの選手の評価基準をアッサリ飛び越えて菊池クラスの名手になる事を期待している。

【総評】
★2度目の対戦で床田の投球イメージはある程度出来ていた巨人打線
報道によると当初はジョンソンを第2戦で起用する予定だったが、彼の体調不良によって床田がここを任せられたようだ。
思い返せば、ここで床田を使うなら同じマツダスタジアムで行われた3月5日のオープン戦・対巨人には投げさせなかった筈で、そういう意味ではカープ側からすれば当初の思惑とは違った起用だったと思う。
又、あの時の床田はこの試合よりも良かったので、巨人打線の立場で言えば、結果はなかなか出ていなかったが、各バッターそれなりに対応して床田にプレッシャーは与える事は出来ていたと思うし、仮に全くの初見だったら2巡目で捕まえる可能性は限りなく低かったと思う。

★久しぶりに多くの巨人ファンが酔いしれた「百戦錬磨の原采配
この試合で見せた原采配には脱帽だった。
➀「7回裏の守りから7番中島の打順にP吉川光を入れ、9番に代打の田中俊をそのまま置いた用兵」
バッティングの内容が悪く守備に不安もある中島を7回で見切りをつけ、代打の田中俊をそのまま9番に置いて、実績のある中島から若い田中俊にいともたやすくスパッと変える采配は原辰徳の真骨頂である。
そして、その7番には8回に代打を使うことを想定してピッチャーを置き、攻撃の幅を広げる狙いがあった。
➁「7回にあえてセットアッパー格の吉川光を先に送り出す勝負勘」
普通の監督なら7回を何とか別の投手で凌いで、8回にセットアッパー格も吉川光をマウンドに送ると思うが、原監督はあえて7回から切り札を切ってカープの勢いを削ぐ作戦を捕った(1点は奪われたが前段で指摘したようにカープの勢いを断ち切った)
➂「多くの評論家が驚いた8回の中川登板を、躊躇なく実行する肝の据わった采配」
・勿論、中川のポテンシャルの高さは以前から指摘しているように認めてはいたが「やや弱気の虫が顔を出すタイプ」なので、ここは「メンタルが強い戸根」の起用を予想していたが、完全に予想が外れた。
・この大事な局面を内容的にも結果的にも完璧に近い内容で抑えたので、彼は1ステージ上の投球が出来るメンタルを得た可能性がある。
・原監督はシーズン前のインタビューの中で、当面は試合をしながら戦力の底上げと見極めを行い、オールスター明け(もしくは8月)から勝ちパターンのリリーフ陣を確立したいと語っていたので、まさにそういう意図が感じられる采配だった。

★当面は物量作戦で勝負しそうな巨人のリリーフ陣
この試合では前日にリリーフで登板した左腕の大江がベンチから外れ、同じ左腕の吉川光と中川が登板し、戸根はベンチ入りしたが登板は無かった。
原監督の戸根への評価は高いので、明日は中川または吉川光が外されて、彼を同じような場面で起用する可能性が高く、当面の間は適度に休息をあたえながら左腕カルテットを使っていくようだ。
つまり、ある程度の物量(人数)を揃えて、一定の品質(能力)を落とさないよう管理して(休息させて)リリーフ陣を起用するという事だと見ている。

尚、「勝負のキーポイント」等については、時間に余裕があれば試合前のツイッターで公開していきますので、そちらをご覧ください。
以上 敬称略
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