原野球に必要な最大のピース 亀井善行の存在とは?【超激辛Bs対G 2連戦雑感】

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【第1戦総評】
先日の記事の中で、筆者が思う現在のNPBナンバーワン投手が則本であると書いたが、その考えを改めねばならないかもしれない。
金子は予想を大きく上回る投球を見せた。
直球の質の良さ、多彩で上質な変化球、そして全ての球種を自在に操る制球力、まさに圧巻だった。
そして何より驚いたのは、スライダーのキレである。
変化の大きいスライダーも切れ味抜群だが、特に小さく変化するスライダーは、打者の手元で「ピュッ」と曲がるので、打者は全く対応できていなかった。
それと味方の拙いプレーにも全く動揺しない精神力と、100球越えても精度が大きく落ちないスタミナも目を引いた。
私の想像以上にタフな投手であるということを再認識した投球だった。
その金子に対してノーヒットで終わってしまったG打線については、亀井以外の打者は全く形を作れていなかった。
完全な力負けと言って良い内容で、個々の状態については後述するが、寂しいバッティングが続いてしまった事も事実である。。
それでも何とか勝つ事が出来たのは、やはり菅野の粘りある投球が大きかった。
全体的な菅野のデキは、今シーズンの中では悪い方だったと思う。
直球、スライダーともに逆球が多く、かなり序盤から危険な匂いがしたが、フォークの精度が良かった事で何とか凌ぐことが出来た。
このあたりがピンチを多く作り、球数を費やしてしまった要因になる。
しかし、勝負どころでギアを一段上げる彼の投球も流石の一言だった。
確かにオリックス打線の拙攻に助けられた面は否めないが、彼も金子に負けない精神力と、肉体的強さを持ち合わせてる素晴らしい投手である。
そして両先発の後にマウンドを任せられた各ピッチャーも賞賛されるべきだろう。
特に、オリックスの平野、佐藤、ジャイアンツの山口、マシソンはプレッシャーを跳ね除けて、力で相手を捻じ伏せた。
やはりイニングが進むにつれ、リリーフ投手の頭数が苦しくなるのはGの方で、先の二人と比べて明らかに力が落ちる。
それでも原監督の大胆な投手起用でなんとか凌いで、最後は亀井の1発で勝ちを収めた。
切り札2枚の後の福田、香月、高木京、久保のデキは、不運だった香月以外は決して良い状態だとは思わなかった。
特に最後に投げた久保は変化球が高め浮く状態で、オリックス打線に助けられた面が強い。
対するオリックス最後の投手だった馬原も、阿部、村田に対しての内容から既に危険信号が灯っていた。
決勝の1発を放った亀井に対しても、ノースリーとカウントを悪くし、タイミングがバッチリ合っていたフルスイングのファールを打たれた後に、同じコースの直球を打たれた。
オリックスバッテリーからすれば、「外の直球を投げておけばホームランはない」という考えが有ったのかもしれないが、その前のスイングを見ても危険な判断だったと言われても仕方がない。
結果論だが、この回から捕手が変わっていたことが要因になってしまったのかもしれない。
伊藤が交代せずにマスクを被っていれば、この試合での亀井の「不気味さ」を感じ取り、カウントを悪くした後では無理に勝負しなかったかもしれない。
あとワンアウトで負けが無くなっただけに、交代でマスクを被った山崎には悔いの残る配球となった。


【第2戦総評】
個人的には第1戦以上にオリックスの拙攻に助けられた試合だった。
勿論、数字上の残塁は第1戦の方が多いが、G投手のデキを考えると、この試合のほうが攻略することは容易だったと思う。
G杉内のデキは後述するが、糸井負傷で代わりに入った川端のバッティングと、下位打線の弱さに助けられた面が強かった。
特に同じタイプの打者(右打ちの引っ張りタイプ)が並んでいたが、彼らに共通することは勝負どころで、ボール球に手を出していた事で杉内を助けていた。
打線は迫力不足だったオリックスだが、投手陣は前評判通り素晴らしかった。
この試合の先発ディクソンも低めにキッチリ直球系と変化球を集め、しかも緩急もつけられる投球だったので、非常にG攻撃陣は苦しんだ。
その後にリリーフで登板した投手も盤石で、隙を与えていなかった。
だからこそ、余計に打撃陣の低調さが目についてしまうし、守りの拙さが試合を決めてしまっている。
オリックスには課題の残る2連戦だった。
対するGも決して褒められた試合内容ではない。
打線も亀井の勝負強さに助けられてる感が強いし、投手陣も相手の低調な打撃に助かっていたピッチャーがいた事も事実である。
但し、守備に関してG各選手は、素晴らしい集中力を発揮していた。


【2連戦 選手別雑感】
★菅野
前段で述べたように、決して状態は良くなかったと思う。
それでも勝負どころでギアを変えるピッチングは流石だった。
最近、落ちが良くなかったフォークに光明が差したのは大きな収穫か?
★杉内
この試合も「彼なり」の安定したピッチングを展開していた。
どうしてもスライダーが多くなるので、中盤以降手詰まりになる傾向が強いが、リリーフ陣が整備されてきた今後は更に勝ち星を伸ばす可能性がある。
最低でも6回まではしっかり投げきってもらいたい。
★久保
フォークが高めに浮くのは、見ていて非常に怖い。
2試合ともに大事な場面で起用されたが、慣れていないオリックスの各打者が、久保の多彩な変化球に戸惑っていた面が強かった。
今後、更に状態を上げて行って欲しい。
彼が計算できればペナント制覇の可能性が格段に上がる。
★長野
ヒットが出始めているが、まだまだ自分の形を作れていない。
技術的には左の肩の開きが早いので、外の低めに決められたらノーチャンスになっている。
あえて勝っているからこそ苦言を呈したい。
この2連戦での、彼のプレー中の表情、動き、ベンチでの様子を注意深く見ていたが、「ゲームに集中していない」感じを受けた。
例え結果が出てなくても、常に前を向く姿を見ることが出来ればファンは温かく待ち続ける。
しかし、残念ながらこの2連戦での彼の姿からは、これを感じなかった。
★片岡
バッティングについては疲れを感じる。
ヘッドが効いてるスイングが特徴的だったが、ヘッドが下がり気味になり、力のないライトへのフライが増えている。
★坂本
バッティングの状態は可もなく不可もなくか?
だが、守備は素晴らしいプレーを連発している。
彼のプレーで助かっているピッチャーは多い。
★セペダ
こちらもお疲れか?
片岡同様、バットのヘッドが下がり気味なので打球に勢いがない。
亀井が好調、アンダーソン、橋本の復帰も秒読み段階なので早くも正念場を迎えた感がある。
体調が良ければG屈指のスイングスピードという評価に変わりはない。
★阿部
当ブログのツイッターでバッティングフォームの写真を載せているが、明らかに調子は上向いている。
トップを作る際にバットのヘッドが春先より立っていることが解る。
バットが寝たままでスイングを始めると最短距離でミートポイントまでいけないが、トップを作った時にバットが立っていれば、上から素直に振り下ろせば良いのでバットが最短距離に出てくる。
去年の良い時期と比べると、物足りなさが残っているが、明るい兆しであることは間違いないだろう。
★村田
完全にバッティングを崩している。
トップの位置が浅いことは当ブログで幾度も指摘しているが、疲れから来ているのか全く下半身に粘りが無くなっている。
上半身だけでバッティングを行っている状態であると筆者は感じている。
★ロペス
スタメンから外れるケースが増えてきたので、結果を求めすぎて強引なバッティングが目立ち始めている。
そうすると、元々下半身を上手に使うバッティングをしていないだけに、ボールを迎えにいってしまう形になっている。
こうした手打ちのスイングが出てくると、持ち前の長打も期待できなくなる。
★中井
1戦目のエース金子に格の違いを見せつけられた。
久しぶりに守ったファースト守備も打球判断の拙さを露呈し、厳しい途中交代となってしまった。
★亀井
2連勝の立役者である事は誰もが認めるだろう。
思い切りの良いバッティングは、ここ数年は影を潜めていた感が強かったが、しっかり二軍でバットを振り込んだ成果が表れていた。
そして相変わらず彼の外野守備は派手さはないが、安定感が抜群である。
打球判断と外野フライに対する落下点の入り方は他のG外野手とは一線を画す。
そして相手の隙を突く走塁も見事だった。


【原野球に必要な最大のピース 亀井善行の存在とは?】
先日の当ブログで「バランスが悪い出場登録メンバーから生まれる原監督の消極的な選手起用」という題目を記事にした。
内容は省略するが、亀井が加わったことによって劇的に監督の用兵が変わった。
第1戦で決勝ホームランを放った亀井は、怪我で出遅れて暫くファームで調整していたが、復帰して即スタメンでの登場だった。
度々見られる原監督の得意な用兵だが、今回も見事にハマった。
彼の復帰は、彼個人の打撃や守備での貢献だけではなく、監督の用兵を大胆にさせる効果のほうも大きい。
例えば長野の守備位置も柔軟性が生まれる。
センター長野の場合、レフト、ライトの守備力がポイントになる
レフトはセペダで守備範囲が非常に狭く、ライト中井、高橋由の場合も守備範囲が広いとは言えないのでセンター長野ではカバーできない。
そこにライト亀井が加わることによって、長野もレフトのセペダをケアすることが出来る。
長野は打球判断が良い外野手ではないので、センターとしては守備範囲は広くないが、亀井がレフト、ライトを守ることによって負担が軽くなる。
亀井という選手は長打力を兼ね備えたシュアなバッティングと、守備面ではファースト、サードもこなすが、何より外野守備が素晴らしい。
走塁面でも相手の隙を突く走塁は度々チームを救っているし、ランナーとしての判断力はチーム屈指の選手だ。
こういう選手が一人加わるだけで、監督は守れない、走れない選手の交代を躊躇なく行える。
例えば彼がスタメンに入ることによって、中盤以降の試合展開によって打つ事に特化しているセペダの交代選手として、守れる選手や走れる選手へ大胆に交代させる事ができる。
その後、試合が動いて交代選手に代打を送る選択が必要になっても、控え選手に余裕が有るので、ここでも果敢に動くことが出来る。そして再び守れる選手を守備につかせる。
ベンチ入り選手全員が、ゲームに出場するかもしれない緊張感が常に生まれる訳である。
第1戦を例に説明するなら、セペダ交代後の4番には松本哲→投手→高橋由→投手と頻繁に入れ替わっている。
仮に亀井が一軍に居ない状況で、松本哲がスタメンでセンターを守っていたら、セペダの交代要因として鈴木を残さねばならなくなるので、チャンスで松本哲に代打を送れなくなる。
そうなると、代打、代走の投入に大きな影響を与える事は無論だが、実は投手交代にも微妙に影響してくる。
「次の回はピッチャーの打順に廻るから、この回まで何とか踏ん張って欲しい」という願望的な「投手の続投」が減ってくるからである。
近年のGは、こういう役割を亀井、寺内、松本哲などが担い、その前は故・木村拓也さんや古城が担っていた。
チームの得点源としては、それぞれの時期の主軸に頼る面が大きかったが、シーズンをトータルで考えると彼らのようなバイプレーヤーの働きも非常に大きい。
彼らが居るからこそ、鈴木という球界屈指の足のスペシャリストを、ここぞの場面で起用することが出来たといっても過言ではない。
特に亀井のように走攻守三拍子揃う選手がベンチに居ることで、監督の起用の幅が広がり、全員野球を行う事が可能になる。
そうなれば当然ベンチは盛り上がるし、チームも同じベクトルに進んでいくことに繋がってくる。
この手法は球界屈指の用兵術を持つ原監督の最も得意とする事である。


最後に亡くなられた原貢氏のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表します。


敬称略


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