ローテの順番通りなら、この試合の先発は菅野の予定だったが体調を崩した為、ローテ投手以外のベンチ入り投手を総動員する策をGベンチは取った。
正直厳しい戦いが予想されたが、勝つ条件として2つのポイントを筆者は考えていた。
①先発笠原が3回を1失点以内でまとめて、次のピッチャーに繋げること。
②序盤から得点を重ねてG主導でゲームを展開し、Fの勝ちパターンのリリーフ陣を出させない事。
どちらの要素も客観的に考えれば、非常に難しいとは感じていたが・・・。
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【勝敗を分けたポイント】
「6回ワンアウトランナー1塁・バッター亀井・三遊間ヒットでのレフト中田の緩慢プレー」
確かにセンター寄りの打球だったが、油断していなければ阿部の走力を考えたら三塁進塁を完全に阻止できた。
阿部にそれを許したために、打者走者の亀井も二塁へ進塁させてしまった。
結局このプレーを境に、内野陣がミスを連発して2点奪われてしまい、試合の主導権を完全にGへ渡してしまった。
この2連戦の中田は集中力を欠くシーンが目立った。
特に、この試合では初回のチャンスで凡退した時から、イライラしている姿が映像に捉えられていた。
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【個別選手雑感】
★笠原
直球でF打線を押し込んでいたが、相変わらず変化球は暴れてる。
課題である投げ急ぎで早くなりがちな左肩の開きは、ランナーを出してクイックで投げる際に出ていた。
タイプ的にはリリーフの方に適正があると思っているが、もう少し成長した姿を首脳陣に見せて欲しかった。
★土田
最速146キロを記録したとおり、春先と比べるとかなりスピードが増している。
去年の二軍の試合で見た直球の質にかなり近づいている。
このくらいの直球を維持できれば、縦のスライダーもなかなか良いボールなので大きな戦力になる。
筆者は恥ずかしながら「気持ちの強さ」「投げっぷりの良さ」「体の強さ」からカープに移籍した一岡より、彼の方を高く評価していたが・・・。
かなり差をつけられたが是非巻き返してもらいたい。
★坂本
3本の長短打は彼が得意とする内角球だった。
Fバッテリーの配球にも疑問が残るが、見事なバッティングだった。
守備では九回のレフト前のフライを好捕した。
あのプレーは凄いの一言で、天性の打球判断による守備範囲の広さは尋常ではない。
★片岡
バットのヘッドが効いてる彼らしいスイングから放たれたホームランだった。
試合の流れを考える上で貴重な1点である。
★アンダーソン
ややバッティングが強引になっている。
自分のスイングをすることは非常に大切だが、彼の場合はセンター方向を意識して、フルスイングするイメージでバットが出た時が1番怖い。
★村田
ボールを呼び込んで、自分のポイントで叩いているバッティングではない。
まだ衝突している状態なので確率が低いし、打球の伸びが彼本来のモノではない。
★阿部
良くはなっているが、まだまだ彼本来のスイングからすれば程遠い。
甘いボールをミスショットする事が多いし、見送り方も本来の姿ではない。
但し少しづつだが結果が出ているのは好材料。
★亀井
現状のG打線で、1番鋭く確率の高いスイングをしてるのは彼である。
バットが体の近くから出てくるし、タイミングの取り方も彼に合っている。
当分この状態が続くと見る。
★長野
少しづつ結果は出ているが・・・。
心理的に打者側に有利な場面で、明らかなボール球に対して簡単に手を出してしまうシーンは絶望的な思いになる。
この試合でも相手のミスで辛うじて加点したが、一歩間違えれば相手に流れを渡しかねないバッティングを見せてしまっていた。
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【総評】
前段で厳しい戦いを予想したと書いたが、ファイターズが好守に渡って自滅して、ジャイアンツは勝ちを拾った。
試合結果だけを見れば大差で勝ったが、8回以降に登場したF投手は、正直それまで投げていた投手と比べると力が落ちるので、そこから稼いだ5点はオマケのようなもの。
実際に谷元のような素晴らしい投手に対しては内容的に完敗だった。
又、ゲーム中盤までは、G投手陣も褒められた内容ではなかったので、手放しで喜ぶようなゲームではない。
但し、登板過多気味だったマシソン、山口を温存できた事は大きい。
投手陣については、笠原、青木、今村、久保は、リードしている場面で先頭打者に対してボール先行となることが多かった。
かなり塁上を賑わせていたが、F打線の拙攻や走塁ミスによって助けられた。
厳しいかもしれないが、こういう結果オーライのピッチングでは、後半戦の大事な場面では怖くて使えない。
打線も序盤から中盤にかけて、スコア上では効果的に得点を奪ったように見えるが、内容を精査すれば送りバント失敗など拙い攻撃もあった。
相手守備のミスやラッキーな当たりに助けられた面も、多々あった事を忘れてはならない。
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【今後の展望】
内容はどうであれ、これで2位カープとは3ゲーム差、交流戦の順位もトップタイを維持した。
原監督は常々「首位に立った」と言えるのは、「3連戦で3連敗しても首位から陥落しないゲーム差が開いた時」だと述べている。
まだ現状では満たしていない。
勿論、まだまだゲーム差云々という話はナンセンスだと思う。
しかし、前回の当ブログ記事でも触れたように、G首脳陣の選手起用や作戦面、各選手のプレーに「余裕」から生まれる好循環を感じる事が増えてきた。
こうなると湿りがちな打線も、一つのキッカケで着火し大爆発するケースが増えてくると思う。
連覇中に多く見られた光景が再び訪れるだろう。
更に今後の鍵となるポイントを3つ挙げておく。
①勝ちパターンで使うリリーフ投手をもう一枚作る(西村の復活でも可)
②4番を村田で固定する(4番の働きをする)
③内海の長期離脱回避(遅くてもオールスター明けから復帰)
このポイントを全てクリアすれば、かなり高い確率で優勝すると思う。
特に他は駄目でも①を実現出来れば三連覇濃厚と考える。
逆に全て駄目ならセリーグは大混戦になる。
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敬称略
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