「エース菅野の快投とキャプテン坂本のバットで対小川の連敗をストップ」読売ジャイアンツvs東京ヤクルトスワローズ 1回戦 2019.4.12

「エース菅野の快投とキャプテン坂本のバットで対小川の連敗をストップ」読売ジャイアンツvs東京ヤクルトスワローズ 1回戦 2019.4.12

2019年4月12日(金) 読売ジャイアンツvs東京ヤクルトスワローズ 第1回戦

【試合結果】
ヤクルト 100 000 000 1
巨  人 101 130 000 6

ヤクルトバッテリー
小川、大下、風張 – 中村、松本直
巨人バッテリー
菅野、中川、宮國 – 小林、大城

勝利投手
[ 巨人 ] 菅野 (2勝1敗0S)
敗戦投手
[ ヤクルト ] 小川 (0勝1敗0S)

本塁打
[ ヤクルト ] 山田哲2号(1回表ソロ)
[ 巨人 ] 坂本勇3号(3回裏ソロ)、亀井2号(4回裏ソロ)



【試合のハイライトと勝敗のターニングポイント】
★ 1回表 ヤクルト攻撃(P菅野)
太田は投ゴロ⇒青木は三ゴロ⇒山田は左本(1点、S1-0)⇒バレンティン空三振

※菅野の立ち上がりはボールの走りは良かったが、制球がイマイチという印象だった。
山田のHRはバッテリーの読みが外れたように感じた。
これは完全に私の憶測だが、バッテリーは最後はスライダーを待たれていると感じて、あえて内角へのワンシームを選択したと思う(それが甘くなった)

☆ 1回裏 巨人攻撃(P小川)
田中俊は空三振⇒坂本は四球⇒丸は左安⇒岡本中安(ランエンドヒット成功1.3塁、1点、G1-S1)⇒亀井は空三振⇒ビヤヌエバは二飛

※小川の調子は悪くなかったと思う。
球の走りも制球もまずまずで、立ち上がりは菅野よりも安心できる内容だった。

※一方でバッテリーの配球に目を移すと、やや攻めの姿勢に欠けているように感じた(過剰過ぎるくらい巨人打線の「一発」を警戒していた)
特に坂本・丸には内角球はあくまでも見せ球の域を超えず、最後は坂本に対しては外角低めの出し入れ、丸には低めのチェンジアップを勝負球として選択していた。
逆にビヤヌエバとゲレーロには弱点の内角球に食いつかせる配球をして、こちらは非常に上手く攻めていた。

※岡本のタイムリーに関して巨人ファンの視点で見てると、フルカウントまでのバッティング内容、ヒットの打球方向や打球の強さから、単なる「ラッキーヒット」にしか見えないかもしれないが、私はこの場面で「エンドラン」という策を講じた事がタイムリーに繋がったと見ている。
あの場面を振り返ると、三振が多い岡本に対して、1アウト・フルカウントの状況でエンドランを選択することは非常にリスキーではあったが、原監督からのメッセージは「見逃がし三振だけは絶対にするな!」ということだった。
岡本はこの打席でもボールを見極めていたという状態ではなく、ある意味ラッキーが重なって何とかフルカウントまで持ってこれたが、ボールの見送り方を見るとまだまだ打席で迷いがあったと思う。
しかし、このサインによって「三振と同時にゲッツーも怖がっていた心理状態から解放されて」自分の仕事がより明確になり「内野ゴロOKというスイング」でボールに食らいついていけたと思う。
つまり、私の眼には岡本がタイムリーを放ったのではなく、ベンチが打たせたタイムリーのように見えた。

※しかし、上手く小川から先取点を奪った巨人打線だったが、続く追加点のチャンスであと一本が出なかった事はこの時点では痛かった。

☆ 3回裏 巨人攻撃(P小川)
田中俊は一ゴロ⇒坂本は左本(1点、G2-1)⇒丸は右飛⇒岡本は中飛

※同点には追いついたものの、1回裏の複数得点を奪う絶好のチャンスを逃した事で、決してデキが悪くなかった小川に対して苦戦必至というムードになりつつあったが、それを打破したのがキャプテンの一撃だった。

★ 4回表 ヤクルト攻撃(P菅野)
山田は左安⇒バレンティン四球⇒雄平は空三振⇒西浦も空三振⇒村上も空三振

※ヤクルト側にとって菅野から複数得点を奪うチャンスはここしかなかった。
しかし、山田とバレンティンが出塁した後に、あまりバントをやらない雄平が送りバントを敢行したが失敗し、結局走者を進めず三振に終わってしまった事で、その機運が急激に萎んでしまった。

※仮に私が菅野の立場で考えると、このイニングの投球には「誤算と打算と最後は明確な目算」があった。
まず誤算は先頭の山田に出塁を許した事(これでバレンティンには正攻法で勝負出来なくなった)
そして打算は、バレンティンに対してカウントが不利な状況になってからは、あえて勝負しなかった事(1点差なのでこれもかなりリスキーと言える)
そして雄平を迎えて私(菅野)は以下のような心境だった。
「雄平を全力で討ち取りに行き、ここで三振を奪えば無失点で切り抜けられるし、仮に進塁を許してもアウトを取れば最悪でも同点で防げる」と・・・。
何故、そこまで自信があったのかと言えば、それは雄平の後を打つ西浦と村上を抑える絶対的自信(根拠がある)があったからである。
西浦に関しては第1打席の内容を見て、全くタイミングも合っていないし、ボールの見極めも出来ていなかったので、かなりの確率で三振を奪えると感じていたし、村上は第1打席でヒットは許したが、明確な弱点が解ってるのでこちらも討ち取る自信があった。
だが、ヤクルトベンチは雄平に送りバントを命じた。
これは正直言って想定外だったが、彼のバントの構えを見た瞬間に私(菅野)は絶対に失敗させることが出来ると確信し、これで雄平から三振を奪える可能性が広がったと内心小躍りしていた。
そして目論見通りに三振を奪い、菅野は後続の打者をギアチェンジすれば間違いなく抑える事が出来る「目算」を得た訳である。
当然ながら菅野本人が上記のような計算をしていたかどうかは知る由もないが、少なからず同じような考えは抱いていても全く違和感は感じない。

個人的にはこの「雄平のバント失敗・三振」が、その後の試合の流れを大きく左右した分岐点だと見ている。

☆ 4回裏 巨人攻撃(P小川)
亀井は左本(1点、G3-1)⇒ビヤヌエバは一飛⇒ゲレーロは二ゴロ⇒小林は見三振

※まさに試合の流れとはこういうもので、決して気落ちしていた訳ではないと思うが、小川が投じた初球の真ん中低めのカウント球(直球)を亀井は完璧に捉えて左中間スタンドへ運んだ。

★ 5回表 ヤクルト攻撃(P小川)
中村は一ゴロ⇒小川は投ゴロ⇒太田は空三振

※2点のリードを奪った状況となり、エース菅野がやらねばならない仕事は一つだけで、それは「得点直後のイニングは絶対無失点で切り抜ける事」
だが、このエースにとってはそんなハードルは無いに等しく、更に簡単に3人で終わらせて巨人有利の流れを不動なモノとした。

☆ 5回裏 巨人攻撃(P菅野)
菅野は左安⇒田中は投犠打⇒坂本は左2(1点、G4-1)⇒丸は左安(3塁送球の間に打者走者は2塁進塁、2.3塁)⇒岡本は四球⇒亀井は中飛⇒阿部は右2(2点、G6-1)⇒ゲレーロ左飛

※この時点でヤクルトベンチ・選手ともにかなり気落ち(集中力が散漫になる)していたと思う。
それは小川も例外なく、先頭の菅野に簡単にヒットを許してしまい、あとは誰よりも集中力を無くしてしまっていたバレンティンの拙いプレーも重なってしまい、巨人打線の餌食となってしまった。

※阿部の代打については後述します。



【注目選手雑感】
☆ 田中俊太
吉川尚の腰痛欠場でチャンスがまわってきたが、攻守でそれなりに存在感を示したと思う。
特に守備は安定感抜群だった。

☆ 丸佳浩
ラッキーなヒットを含めて貴重な「繋ぎ役」として勝利に貢献した。
バッティングの状態は、結果的にミスショットが多くなってはいるが、タイミング的には紙一重という内容なので、いつHRを量産してもおかしくない状態と言える。

☆ 岡本和真
前段で書いたように最初の打席のタイムリーはベンチの助力によるところが大きかった。
バッティングの状態は「ボールを手元まで呼び込んで叩く形」には程遠いが、中日との第2戦の最悪の状態からは「ボールの見送り方」が少しづつ良くなっている印象は受けるので、チーム状態が悪くなる前に何とか調子を取り戻してほしい。

☆ 亀井善行
チームにとっても菅野にとっては貴重な追加点となるHRだった。
技術的には非常に高いレベルのバッティングで、タイミング的にも下半身の使い方も完璧でないと左中間スタンドまでは飛ばせない。
小川にとっては「自分の球威を疑ってしまいかねないショックな一撃」だったと思う。

☆ 阿部慎之助
今シーズンの彼のバッティングスタイルは「バットを短めに持って、ややバットを寝かせて小さく構えて、コンパクトなスイング」という見立てで、勿論、長打が欲しい時はスタイルをやや変更して強振出来る形で構えるが、基本はこの形だと思う。
このスタイルなら長打は減るだろうが、ヒットの確率は高くなるし、この試合のように「ここでタイムリーが絶対欲しい」という場面では無類の強さを発揮するだろう。

☆ 菅野智之
調子自体は中の上という印象。
前段で書いた通り、前回同様にボールの走りは良かったが、制球はやや甘くなるケースが多かった(特に右打者の内角を攻めきれていなかった)
まあ、それでも強力ヤクルト打線を7回1失点で封じてしまうということは、彼一人だけセリーグでは別次元で野球をしている感じさえ受ける。

☆ 中川皓太
左腕の下げ幅を変えた事で投じるボールが大きく変わった。
常時140キロ後半の直球で打者をグイグイ押し込み、スライダーの精度も去年までとは格段に良くなり、曲がり方もより打者の手元で変化しているので、打者は見極め出来ていない。
彼のようにややメンタルが弱そうに感じるタイプは、一度でも自分のボールに自信を持つと周囲が驚くほど急成長するケースが多々あるが、まさに今の彼はそんな感じだと思う。
ルーキー当時は「岩瀬二世」という言葉が一部マスコミからよく聞こえてきたが、それも年数を重ねる毎に影を潜めてきた。
しかし、今の彼を見ると、それもまんざらでもないような高いレベルの投球が出来るようになっている。
但し、当然ながら球界レジェンドのピッチングに肩を並べるには、越えなくてはいけない壁は数えきれないが、まずぞの第一関門として左打者の内角球の出し入れが出来るようになれば、少なくとも今シーズンはセットアッパーとして十分に勝負できる資質は感じる。
第2次原体制で「ぐっさん」が台頭してきた時と何だか似てるような気がするし、少しでも「巨人のレジェンド」に近づくような活躍を見せて欲しい。

【ゲームMVP】
☆坂本勇人
4月4日阪神戦の弊コラムで、坂本は完全にマルチヒットモードに突入したという記事を書いたが、やはり、しばらくの間は誰も彼を止められない。
タイミングの合わせ方も自然体で無理していないので、ボールを手元まで呼び込んで長く見れる状態であり、出塁率もしばらくの間は高止まりするだろう。
大きな怪我さえしなければ、坂本勇人が首位打者のタイトルを獲る確率は80%と見ている。

【総評】
★ 勝負処で弱点が露呈してしまったヤクルト

この試合の前まで単独首位だったヤクルトを私なりに分析してみると、投手陣が予想以上に頑張っている事が、この地位にいる最大の要因だと見ていた一方で、外野の守備力が怪しい事と、下位打線が弱い事も同時に弱点として感じていた。
この試合ではその弱点がチームの敗戦の大きな要因となってしまった

前者はレフトのバレンティンとセンター青木の守備範囲の狭さ、雄平は動ける選手だが決して打球判断が良いタイプとは言えない。
この試合ではバレンティンの打球判断の拙さが失点に直結してしまった。

後者は6.7番(下位打線)の打力がかなり落ちる事。
西浦は元々勝負強い選手だが調子がまだまだ上がっていないし、村上は弱点が明白(オープン戦の選手雑感で指摘済)なので、配球ミスをしなければ現状では抑える事は十分に可能だと思う。
勿論、ヤクルトベンチも十分に村上の現状を理解したうえで起用し続けているとは思うし、将来的には間違いなくジャパンの主軸クラスの逸材である事は間違いないが、今年は優勝の可能性が十分にあるだけに、どこかで決断が必要になるかもしれない。
まあ、故障中の坂口が復帰するまでに、村上は結果を残さないと。。。。

☆ ヤクルト打線全体を見て勝負していた巨人バッテリーと、それが出来なかったヤクルトバッテリー(させなかった原采配)

前段で指摘した通り、菅野-小林のバッテリーは下位打線が弱いことを頭に入れながら主軸と対戦していたように見受けられたが、ヤクルトバッテリーはそれが出来なかった(正確にはそれを原采配がさせなかった)
特に巨人が大量得点を奪った5回は、ヤクルトバッテリーも4点差以上の差をつけられることを防ぐため(終盤のワンチャンスに賭ける為)に岡本との安易な力勝負は避けて、亀井とビヤヌエバとの勝負を選択し、亀井を討ち取って先が見通せた瞬間(その前の打席の内容からビヤヌエバを討ち取れる確信があった)に代打・阿部を送られて原監督はその「目論み」を打ち砕いた。
ヤクルトベンチも「まさか5回で代打阿部とは。。」と思ったに違いない。
この原監督の勝負勘には脱帽である。

以上 敬称略
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