広告

超激辛NPBコラムが考える「ジャイアンツ優勝の要因とは?」  第二回「ガッチリ貯金を作った先発陣 」

広告

前回は野手面から考えた優勝の要因を記事にしたが、今回は投手陣から考えてみた。
まず最初に触れておかねばならないのは今シーズンの反省点から。
その投手陣だがキャンプから故障者がポツポツ発生し、シーズン最終盤には菅野が二度目の離脱となった。
結局1年間ローテを守ったのは杉内だけ、リリーフ陣も核になるはずの山口が春先の故障・体調不良で中々調子が上がらず、西村も不調による二軍降格後に足を痛めてしまった。
ざっと思いつく主力級投手の故障リスト
・菅野 指・8月 肘・10月
・大竹 肩・9月
・内海 肩・6月
・西村 太腿・5月
・澤村 肩・2月
・山口 肩・2月
ざっとこんな感じになる
シーズン前にローテの中心として期待される5人中の4人が、各自最低一ヶ月以上は戦列を離れた事になる。
この原因は様々な事が考えられるが、筆者は中5日ローテの弊害だと思う。
中5日、中6日のどちらが良いかについては意見が分かれると思う。
筆者の意見は正直どちらとも言えないというのが本音のところ。
個人的に気になったのが、シーズン前に川口コーチがマスコミに対して「菅野に20勝狙わせたい、その為には先発を中5日でまわしたい」という趣旨の発言をしていた。
菅野を田中将、ダルビッシュ、前田健クラスの絶対的エースにしたいという思惑から出た発言だろう。
個人的には真っ向反対でもなかったが、その場合は「菅野個人に対しての球数制限と他の投手に対する配慮が必要」と思っていた。
特に菅野以外のローテ投手に対する配慮は必要不可欠だと感じていた。
何故なら一人を中5日でまわしていくと、他の投手もそれに合わせる形で中5日でまわすことになる。
シーズン序盤のローテ投手の中では内海・菅野は中5日でもまわせるタフな肉体を持っていると推察したが、杉内・大竹は厳しいと読んでいた。
杉内はそれでも「力投タイプ」ではないので何とかなる選手だが、それでも例年は秋口に入るとコンディションが落ちている。
そして大竹の場合は、それ以上に大きな故障歴がある投手なので配慮が必要だと感じていた。
勿論、日程上全てが中5日でまわすことではないので、大きな問題点ではないという意見もあるとは思うが・・・
菅野の指の故障については、序盤のヤクルト戦で2回連続手の甲にボールを当て、その後も痛みを堪えて投げた事が少なからず指の故障につながった。
但し、肘の故障については、途中で140球越えという登板があるにもかかわらず、中5日でまわしていたのが影響したと思う。
菅野の祖父である故・原貢氏は生前のインタビューで、孫である菅野の獅子奮迅の投球を見て以下のような趣旨を語っていた。
「智之は負けん気の強い性格で、多少無理をさせても弱音を吐かないでやり遂げようとする」
「今は無理が効いても壊れないか心配だ」
「本音を言えば春先から無理をしてほしくない・・」
肘の怪我が発生する前のテレビ放送で見たので、嫌な予感はしていたが現実に起こってしまった。
大竹についても、個人的には中5日でまわしていたのが致命的になったと個人的には考える。
ただ留意しておかねばならないのは、ローテの軸として期待していた澤村の出遅れで、中5日でまわさざるをえない状況になったのかもしれない。
そして代役として期待していた今村、セドン、宮國の不振も痛かったであろう。
振り返れば交流戦の「救世主」である小山、そして故障から復活した澤村の二人が、後半戦の大事な試合で結果を残すまでは、とても優勝を望めるような先発投手陣では無かった。
また、ここは記事の構成上多くは触れないが、鉄壁だったリリーフ三人衆(山口・西村・マシソン)が春先から不安定だったのも、菅野や大竹を引っ張りすぎた要因だったかもしれない。
但し、個人的には去年が出来過ぎだったので、今シーズンの成績を必要以上に過小評価するのには疑問が残る。
今シーズンの西村については厳しい評価をせざるをえないが、山口・マシソンは十分貢献している。
物足りなかった西村も、去年の登板数は三人の中で最も多く過酷だったので、今年の成績が落ちるのは自然な流れという見方も出来る。
そう考えると何とか踏みとどまってる山口・マシソンは、成績以上に賞賛されて良いだろう。
確かに「鉄壁」ではなかったかもしれないが、続けて完璧な成績を収めるリリーフ投手が、過去の歴史で果たして何人いるのだろうか?
山口・マシソン・西村についてはシーズンオフの当ブログでしっかり総括したいと思う。


ここからは投手陣から考えた優勝の要因について考える。
皆さんは「今年のセントラルリーグで最も強力な先発投手陣を持つチームは何処?」と考えておられるだろうか?
菅野を軸にベテランと若手のバランスが良いジャイアンツか?
メッセンジャーというタフで良質な投手を軸に持つタイガースか?
日本のエース前田健太を擁するカープか?
今シーズン大幅に向上した投手陣に生まれ変わったベイスターズか?
答えは人それぞれ違うと思う。

では私なりの答えを出す為に、今回は「データで楽しむプロ野球」さんの公開データを引用し考えてみる。
まず各球団の先発投手の勝敗の関わり方を数字に表すと・・。
ジャイアンツ  94試合・55勝・39敗
タイガース  102試合・50勝・53敗
カープ    100試合・51勝・49敗
ドラゴンズ   97試合・47勝・50敗
ベイスターズ  98試合・48勝・50敗
スワローズ  104試合・44勝・60敗
Gを例に解説すると・・・。
全144試合中、先発投手に勝敗がついた試合が94試合で、そのうち55試合に先発投手に勝ちがつき、39試合に負けがついた事になる。
そして残りの試合はリリーフ投手に勝敗がついたという事。
勝ち数については最大のGが55勝で、最少のSが44勝なので上下で11勝の差でしかない。
ここで興味深いのが負け数。
最少のGが39敗で、最大のSが60敗なので上下で21敗の差が生まれている。
更に言えば、Gは先発投手で16の貯金を作っているが、2位のタイガースは借金が3、3位のカープは貯金が2
その差はハッキリ数字上では出ている。
これはどういう意味を持っているのだろうか?

上記の数字で現れた事を別の角度から分析して掘り下げてみる。
①先発投手の防御率(先防率)
②救援投手の防御率(救防率)
③先発投手のクオリティースタート率(QS率)
④先発投手の援護得点率(援護率) ※1登板当たりの援護平均点
ジャイアンツ
①先防率 3.36 ②救防率 4.01 ③QS率 55.56 ④援護率 4.02
タイガース
①先防率 3.73 ②救防率 4.20 ③QS率 59.03 ④援護率 4.08
カープ
①先防率 3.80 ②救防率 3.75 ③QS率 52.08 ④援護率 4.54
ドラゴンズ
①先防率 3.94 ②救防率 3.24 ③QS率 50.00 ④援護率 3.95
ベイスターズ
①先防率 3.89 ②救防率 3.53 ③QS率 52.78 ④援護率 4.06
スワローズ
①先防率 4.64 ②救防率 4.62 ③QS率 47.22 ④援護率 4.55
以上の数字を見てわかるように平均するとGの先発投手が頑張ったのが解る。
Sを除く他の4球団は先発投手の防御率に大きな差は無いが、Gは突出して低い数値になる。
援護率も下から二番目なので他の球団と比べても良いわけではない。
しかも救援投手の防御率も良いわけではなく、去年のように盤石ではなかったのがハッキリしている。
TはQS率が良いにもかかわらず先発防御率でGより劣るのは、先発投手を引っ張りすぎる傾向からか?
このあたりは投手継投で疑問が残る。
また失礼だが、シーズン前にDeより救援投手が数字上で、こんなに差を付けられるとは誰が想像したであろうか?
もう一つ触れねばならないことがある。
上記のように詳しい数字を出せていないので、ザックリした数字で申し訳ないが興味深いデータがある。
Gのチーム防御率はシーズン3.58だが、オールスター戦を境に前半戦は3.79、後半戦は3.32
後半戦は投手力に磨きがかかっている。
以上の事を踏まえてチームの投手成績から読み取る優勝の要因は
①他球団を圧倒していた先発投手の質
②シーズン後半の立て直しに成功したこと
また、ここでは論点をボカさない為に触れていないが、高い守備力も投手陣には有形無形の力になっていた(ここは重要ポイント)
タイトル争いしたのが菅野のみという事実や、メッセンジャーのように圧倒するような投手が居なくても、全体的に見れば他の5球団より突出している。
だが一方で、勝ち頭が離脱した事で「CS・日シリの短期決戦で頼りになる投手」という点で不安あるが、その事については時期が来たら記事にしたい。


最後に個々の選手について触れておきたい。
投手陣のMVPは菅野で異存はないが、大竹・杉内が厳しい夏場までしっかりローテを守りゲームを殆ど壊さなかった事も大きい。
二人は大きく白星を重ねたわけではないが、二人で48試合先発で登板して、二人に負けがついたのは12試合だけ。
対照的に内海は22試合登板して9試合負けがついている。
勿論、味方打線の援護のタイミングの悪さ、自身の防御率を見ると気の毒ではある。
しかし勝負処でアッサリ失点して、味方の士気を落としていたケースも目立っていたように思う。
エースなら・・という注文は酷なのか・・・・。
新外国人セドンは、数字上では厳しい結果が残った。
10試合先発して負け数が半分の5では正直評価できない。
戦列なデビュー戦は印象に残るが、CSでの登板は厳しい。
そして影のMVPなら小山だろう。
特に彼は今シーズンのポイントとなる試合に登板することが多かった。
交流戦最終試合で優勝がかかる試合のソフトバンク戦、首位攻防戦の阪神戦、広島戦にも積極的に登用された。
そしてことごとくゲームを作って勝利に貢献していた。
小山は16試合に先発して2敗しかしていない。
いかに安定してベンチの期待に応えたかが解る。
怪我で出遅れた澤村も頑張った。
彼も11試合に登板して3敗、しっかりまとめたという評価で良いと思う。
小山と比べると安定感では劣るが、試合を最後まで「制圧」する力は彼のほうが上。
特にこちらも天王山の阪神、広島戦での圧倒した投球はチームに勢いをもたらした。


個々の技術的な話については別の機会ということで・・・。
一応レギュラーシーズンの総括はここで終わりにしたい。
正直もっと触れたい事が沢山あるが、キリがなくなってしまう・・・・。
・・ということで次回は週末に開催されるCSについて考えてみる。
果たしてGにとって勝ち上がって欲しくないのはTかCか???

敬称略

前回は久しぶりの記事UPにもかかわらず、沢山の方に読んで頂きました。
また常連の方から多くのコメントを頂き非常に嬉しかった。。。。。
当ブログはジャイアンツファンの交流の場、情報交換の場とお考えいただけたら幸いです。
私は僭越ながら議論のネタを提供しているだけです。
幅広いGファン(他球団ファンも大歓迎)のご意見、ご感想を心よりお待ちしております!


【超激辛NPBコラ厶twitter】展開中!
Twitterアカウント@hideo469998で検索