2019年 読売ジャイアンツ シーズン総括 投手編➀

2019年 読売ジャイアンツ シーズン総括 投手編➀

2019年、原監督の下で見事にペナント奪還を果たした読売ジャイアンツ。
そしてクライマックスシリーズも勝ち抜いて5年ぶりの日本シリーズ進出を決めたが、日本シリーズ連覇中の福岡ソフトバンクホークスとの決戦に敗れてしまった。
まあ、最後に敗戦という形で終わってしまった為、巨人ファンとしては決して後味が良いとは言えないが、それでも優勝請負人の原監督が復帰し、FAでカープから丸佳浩を獲得したことによってチーム関係者だけではなく巨人ファンも優勝は譲れない状況だったので「ホッと胸を撫でおろしている」という心境が正直なところだと思う。
そこで今回から数回に分けて2019年の読売ジャイアンツを総括したいと思う。
まず第1回目となる今回は投手陣を振り返っていく。

最初に去年の投手成績と今年の投手成績を比較しながら投手全体を振り返っていく。
★チーム防御率
2018年 3.79 リーグ1位
2019年 3.77 リーグ4位
2018年はリーグ全体が打高投低の傾向、2019年は逆に投高打低の傾向となり、チーム単体で考えれば巨人はチーム防御率を僅かながらも改善しているが、他チームの投手成績はもっと上がっている為に順位としては大幅に下がった。

★先発投手防御率
2018年 3.63 リーグ1位
2019年 3.83 リーグ2位
こちらは明らかに悪化したと言っても良い。
次の選手別総括で触れるのでここでは詳しく論評しないが、原因としては2019年ローテの軸となっていた菅野智之とメルセデスの防御率悪化を、最多勝投手の山口俊の頑張りだけではカバーしきれなかったという事だろう。
また、交流戦から先発ローテに入れた桜井が頑張ったものの、若手の底上げという面では物足りなさは否めなかった

★リリーフ投手防御率
2018年 4.12 リーグ5位
2019年 3.68 リーグ4位
こちらは逆に大幅改善となった。
但し、今年も守護神として期待していた新外国人クックが全く機能せず、澤村拓一もパッとせず、経験豊富なマシソンと上原浩治も故障明けで出遅れ(上原はシーズン途中に引退)てしまい、なかなか序盤から厳しい状況となっていたが、嬉しい誤算として中川皓太が覚醒したことでシーズン前半は何とか踏みとどまることが出来た。
そしてシーズン後半戦からリリーフ陣を再編成し、特に大竹寛と田口麗斗がリリーフに転向して大車輪の活躍を見せ、そこに緊急補強した新守護神のデラロサが見事にハマって登板過多で苦しんでいた中川皓太や高木京介を救っていた。
まあ、大竹と田口などのリリーフ転向は首脳陣の苦肉の策という印象は否めないが、それでも阪神やDeNAなどと比べて層が薄い投手陣を何とかやりくりして最後まで崩壊させなかった原監督、宮本・水野両投手コーチの手腕はそれなりに評価されるべきだと思う。

次に投手陣を個別に論評していく。
まずは先発陣から。。。
☆菅野智之
・シーズン序盤から「らしくない投球」が続き、長年の蓄積疲労が原因?で腰を痛めてローテから外れる事態となり、登板数・勝利数・防御率いずれも去年より大幅に悪化してしまった。
・技術的には腰の影響でダイナミックなフォームが影を潜めて「立ち投げ」のようなピッチングになって、ボールのキレと力強さが無くなってしまい、甘くなったボールを簡単にスタンドまで運ばれるシーンが多くなっていた。

☆山口俊
・こちらは不調のエース菅野とは対照的に序盤からチームを勝利に導く投球を続けていた。
・技術的には去年はカウントを整えるのに苦労していたが、今年は脱力投法から繰り出す140キロ後半の直球が少々甘くなっても相手打者はタイミングが合わずに打ち損じてファールにしてしまうケースが多くなり、最後はフォークで仕留めて三振の山を築いていた。
・一方で、相変わらず突発的に制球を乱すケースも目立ち、菅野不調から芽生えた「エースの自覚」から慎重な投球が多くなった事も重なって球数が多くなり、結局完投ゼロとなってしまった。

☆桜井俊貴
・シーズン序盤はビハインドゲームのリリーフとして使われていたが、そこでの投球が原監督の目に留まり、交流戦の最初のカードのイーグルス戦で久しぶりの先発登板で結果を残し、そこから何とかローテを大きく外れることなく乗り切り、苦しい投手陣の支えとなった。
・技術的には意識的に投球フォームをダイナミックにして、そこから投じた落差のある緩いカーブの精度が上がった事によって投球に緩急が使えるようになり、打者に的を絞らせなかった事が大きかった。
・もう一つは直球とカットボールの精度が上がった事で、前者は右打者の懐を突っ込めるようになって幅が生まれ、後者は左打者対策として有効となっていた。
・しかし、来季以降もローテを守るには課題が山積みであることも否めない。
➀不調時に直球がショート回転になる悪癖。
➁同じく不調時はチェンジアップに頼って多投するが、そのボールがまだまだ精度が甘く極められてカウントを悪くしてしまう。
➂100球を超えると見に見えてボールがヘタってしまう。

☆メルセデス
・ヤングマンとの併用で調整が難しかったせいかもしれないが、4月は勝ち星を重ねたが去年のようなボールのキレが感じられず苦しい投球が続いて直ぐに失速し、夏場にファームで再調整して臨んだシーズン佳境の大事な試合でキレを取り戻して、何とか8勝まで勝ち星を伸ばした。
・相変わらず持ち球の関係で対左打者には分が悪いが、今年は右打者にも簡単に痛打を浴びるケースが多かった。
・それは対戦相手の得手不得手にもあらわれ、阪神とDeNAには相性が特に良く、逆に広島とヤクルトには未勝利という結果で表れてしまった。

☆高橋優貴
・開幕の阪神戦で見事に初登板初勝利を飾ってそこからローテーションの一角として比較的安定した投球を続けていた。
・7月にファームで投球フォームを変えた(二段モーションをやめる)ことが功を奏し、復帰後にはアマ時代に見せていた直球のキレを取り戻して奪三振率も急上昇した。
・投球の組み立てとしては、左打者に対しては直球でファールを打たせてカウントを稼ぎ、最後はスライダーで討ち取るパターン、そして右打者には同じく直球でファールを打たせてカウントを稼ぎ、最後は膝元のスライダーか外に落ちるスクリューで討ち取る形が基本。
・彼の投球を見てもったいないと感じたのは、カウントを追い込んだ後の勝負球が慎重になり過ぎること。
案外、追い込むまでは苦労しないが、そこから決めに行くボールが大きく外れてしまうことが目立ち、結局フルカウントになってしまって最後は甘いボールで勝負せざるをえないケースが多かった。
・メルセデスと同様に彼も得手不得手がハッキリ表れていた。
得意なチームは阪神とヤクルト、不得意なチームは広島と中日だった。
・来季への課題としてはスタミナは当然として、もう少しチェンジアップの精度を上げて貰いたい。
今年の投球を見てると、チェンジアップを投げる際にやや腕の振りが緩む傾向が見られた。

☆今村信貴
・去年は6勝だったが、今年は半分の3勝に終わって防御率も悪化してしまった。
・今年はオープン戦で結果を残せず当初は「谷間の先発」の扱いだったが、7月に先発で2勝して8月以降はローテの軸としてチームも期待していたが、そこから結果を全く残せず未勝利だった。
・シュートが効果的な左打者には打率229で非常に結果が良い反面、右打者には打率293で分が悪い。
・彼も球団別で得手不得手がある投手で、勝ち星こそ伸びていないが広島と阪神には防御率が2点台で、ヤクルトとDeNAにはかなり分が悪い。
・数年前と比べると直球にキレが増してきたし、シュート、スライダー、フォーク、スローカーブなど横と縦の変化だけではなく緩急も使えて投球に大きな幅がある反面、打者目線で彼の投球を見ると、どちらかというとボールに角度を感じない投手なので、甘いコースに集まってくると案外タイミングが合うというか対応しやすいともいえる。
・巨人の左投手の中では貴重なフォークボールの使い手なので、このボールを活かすような投球の組み立てを考える必要があり、彼の場合は対左打者へのシュートと、このフォークボールという勝負になる武器を持っているので、そこまでに繋げるカウント球の精度アップが大事になる。

長くなってしまったのでリリーフ投手と若手投手については次回で。。。
以上 敬称略
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