多くの挫折から生まれた『強いハートと高い向上心』G屈指の勝負強さを誇る矢野謙次

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矢野が代打で登場するとGファンからの大歓声が必ず起こる。そして。。。
♪や~の~けんじ~ きあいのせんし~ ♪
♪や~の~けんじ~ さあ た~ち~あ~が~れ~♪
この応援歌の一節が球場内に響き渡ると空気が一変する
その象徴的なシーンが昨シーズンの広島との開幕第3戦にもあった
延長戦に突入したこの試合
表のカープの攻撃でエルドレッドに手痛い一発を浴び
多くのGファンが占めるドームの空気が沈滞ムードに包まれていた
その裏の先頭打者として代打矢野がアナウンスされると
ライトスタンドから大歓声
そして応援歌の歌声が流れ始めた矢先の初球をセンター前にクリーンヒット
この一打が呼び水となりG打線が繋がって見事なサヨナラ勝ちとなった
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矢野は國學院大から2002年のドラフト6位として入団し
プロ3年目の2005年から出場機会が増え頭角を現す
『暗黒期』と呼ばれたこの時期
『Gの野球に対する閉塞感』を感じていた多くのファンには
彼の躍動感溢れ気持ちを全面に出すプレーに対して
共感するのに時間はかからなかった
そして2006年の第二期原政権スタートの年
彼にレギュラー取りの最大のチャンスが訪れた
原監督は開幕カードから高橋由伸をセンターにコンバートし
ライトには頭角を現していた矢野を積極的に使いチャンスを与えた
彼は開幕カードから結果を残し続けチームも開幕ダッシュに成功し
生え抜きの新たなヒーロー誕生を
待ち望んでいた多くのGファンの希望の星となった
が。。しかし。。左足小指の骨折で戦線離脱
その後復帰したが成績は下降していった
2007年は高橋由伸をライトに戻し
新外国人ホリンズ、鈴木尚広等とセンターのポジションを争ったが
元々打球判断に難があった矢野を
センターで使う構想は監督には無く主に代打として起用された
そして交流戦でド派手な逆転満塁HRを放つなど
勝負強さを見せチームの優勝に貢献した
不振の時期もあったがこの年の代打での活躍が
矢野人気を不動のモノにしたといって良い
そしてラミレスが加入した2008年は
レギュラー取りを目指していた彼にとっては更に狭き門となり
対左投手用のスタメン要員、代打の切り札が主な使われ方と予想されていたが
開幕前から右肘疲労骨折で長期離脱
更に秋には右膝痛でメスを入れ再び長期離脱し
傷が癒えたのは2009年夏でこれらは今後の彼の野球人生に暗い影を落とし
2つの怪我は矢野の脚力、守備範囲、スローイングが低下する事に繋がり
スタメンとして出場する機会が一段と減ってしまった
恐らく彼はこの時期から『代打屋』として生き残る道を意識し始めただろう
しかしそんな矢野にレギュラーとして認められる最後のチャンスが訪れたのが
2012年だった。。。
この年は過去の故障箇所の状態が春先から良く
原監督もキャンプ、オープン戦を通して状態の良かった矢野を
レギュラー格として使うことも視野にいれていた節があった
が。。。しかし。。。。
開幕直前のマリナーズ戦で左足靭帯損傷で
再び長期離脱し再び暗い影を落とした
しかしその年の後半戦から復帰し主に代打としてリーグ優勝に貢献
そして去年は主に代打で出場し抜群の勝負強さを発揮し
リーグ連覇に大きく貢献した
これがプロ入り後の彼の大まかな道のりだが
ご覧の通り矢野はプロ入り後に4回大きな怪我を負った
そしてこれらは確実に矢野から脚力とスローイングの強さを奪った
特に去年の春先の試合で私はそれを痛感した
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私は矢野の持つ『類い稀なる勝負強さ』は代打で発揮すると思っている
元々私は彼が頭角を現し始めた頃からスタメンで見る彼に対して
あまり期待感がなかった
チャンスで代打として登場した時の『ギラギラ感』が無いからである
非科学的な言い方だが『オーラ』というか
『打ちそうな雰囲気』を感じないのだ
彼には申し訳ないが貴重な代打の切り札として成功して欲しいと願っていた
しかし矢野にとって幸か不幸か近年は代打の切り札として
本人も自覚があるようだ
その証拠に『代打の切り札』と呼ばれている現役選手や
かつて『代打の神様』と呼ばれたプロ野球OB面々に
『代打としての心構え』を聞いていたらしい
そこから学んだ集中力を高める術、一発で仕留める技、平常心の大切さ等
自らの経験を踏まえて参考にして彼のモノにしていったのだ
その最たる例が晩年の前田智徳が同じ代打稼業の矢野に
『代打でどうしてあんなに打てるのか?』と逆に質問する程に認められた
代打の切り札なのである
矢野の勝負強さは持って生まれた天賦の才かもしれないが
私は数多くの挫折から学んだ事や乗り越えようとした必死の努力で
よりその勝負強さを本物のモノにしていると考える
今だからこそ言える事だが怪我も決して無駄ではなかったのである
そして最後にこれは是非言っておきたい
冒頭で紹介した応援歌と大歓声は
何度も怪我をして心が折れかかっても必ず復活し常に全力で野球に取り組む
『野球人・矢野謙次』に共感するGファンの心からの応援なのだ
敬称略
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