【先行:広島東洋カープスタメン】
1(左)ピレラ、2(一)安部、3(中)西川、4(右)鈴木、5(三)メヒア、6(捕)會澤、7(遊)田中広、8(二)菊池涼、9(投)ジョンソン
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【後攻:読売ジャイアンツスタメン】
1(二)北村、2(遊)坂本、3(中)丸、4(三)岡本、5(一)中島、6(左)陽、7(右)パーラ、8(捕)炭谷、9(投)戸郷
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【ゲームスコア】
広島 010 000 100 2
巨人 100 020 00X 3
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ジョンソン➀~➄、今村➅、塹江➆、中﨑➇
戸郷➀~➆、鍵谷➆、中川➇、デラロサ➈
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勝利投手
巨人 戸郷 (1勝0敗0S)
敗戦投手
広島 K.ジョンソン (0勝1敗0S)
セーブ
巨人 デラロサ (0勝0敗2S)
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本塁打
広島
西川 1号(7回表ソロ)
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【試合経過/ポイント】
☆1回表/ピレラ空三振、安部空三振、西川一ゴロ
★1回裏/北村空三振、坂本中安、坂本二盗成功、丸見三振、岡本中安➀、中島遊ゴロ
G先発の戸郷の立ち上がりは良かった。
直球は威力があって、スライダー系とフォークが低めに集まっていた。
C先発K.ジョンソンも悪くなかったが坂本にチャンスを作られて、岡本にも上手く対応されて先取点を許してしまった。
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☆2回表/鈴木四球、ワイルドピッチで1塁走者が3塁まで進塁、メヒア一邪飛、會澤遊ゴロ➀、田中広二ゴロ、
★2回裏/陽右飛、パーラ左安、炭谷一ゴロ、戸郷投ゴロ
戸郷は鈴木に対して攻めの投球が出来ていたが、最後はしっかりボールを見極められてしまった。
その直後のワイルドピッチで3塁まで進塁させたのは余計だった。
あそこはバッテリーがお互いが処理を譲り合って送球が遅れた事が原因。
これで0アウト3塁という状況になったので、會澤にショートゴロを狙い打たれて同点にされたのは仕方がない。
一方でK.ジョンソンも2アウト2塁という状況を許すことになったが、内容的にはしっかり低めに制球されていたので危なげなかった。
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☆3回表/菊池涼左飛、ジョンソン右安、ピレラ三ゴロ、安部の打席でキャッチャーが前に弾く隙を突いて1塁走者が2塁を狙うがアウト。
★3回裏/北村三ゴロ、坂本空三振、丸一ゴロ、
戸郷はカープ打線にフルスイングされるケースが出てきたが、それでもピンチを拡げず切り抜ける。
K.ジョンソンは引き続き安定した投球を続けて三者凡退で退ける。
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☆4回表/安部投ゴロ、西川空三振、鈴木遊ゴロ
★4回裏/岡本空三振、
戸郷はポイントとなる上位打線との2度目の対戦を難なく切り抜けて相手に流れを渡さなかった。
K.ジョンソンは三者凡退で退けはしたが、各打者に粘られて19球要してしまった。
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☆5回表/メヒア二飛、會澤三ゴロ、田中広右安、菊池涼右飛
★5回裏/パーラ中安、1塁走者が牽制死、炭谷左安、戸郷犠失三振、北村中二➀、坂本四球、丸四球、岡本押し出し四球➀、中島二飛
戸郷は田中広に2アウトから出塁を許したが、後続をしっかり断って流れを渡さない。
K.ジョンソンは前のイニング辺りからやや制球が甘くなってきた。
そこに炭谷の粘りが重なってメンタルのバランスが崩れ、北村に長打を浴び、サカマルオカに連続四球を与えて2失点を許す。
ただ、巨人側の攻撃も決して問題が無い訳はなかった。
パーラの牽制死と戸郷のバント失敗の二つのミスが重なれば、普通は得点出来ないが、ここでカープのセンター西川が北村のセンターへの飛球(上手い外野手ならギリギリ追いつける打球)を打球判断と追い方の拙さで頭を越されてしまった。
まあ、捕球出来なかったとしても、打球の追い方を間違っていなければ(打った瞬間に打球を真横に追うのではなく、斜め後方に追っていれば)少なくとも頭は越されずに済んだはずで、そうすれば炭谷の足なら2アウトからでも一気の生還は無理だったと思う。
これでジョンソンのメンタルは完全に崩れてしまい、サカマルオカの連続四球で非常に痛い追加点を奪われてしまった。
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☆6回表/代打野間空三振、ピレラ空三振、安部空三振
★6回裏/K.ジョンソン⇒今村、代打亀井左飛、パーラ一直、炭谷一ゴロ
戸郷が勝ち投手になれた最大の要因は、リードした後のこのイニングの守りをしっかり三人で片づけた事(しかも三者三振)
今村は三人で片づける。
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☆7回表/西川右本➀、鈴木遊飛、メヒア空三振、會澤左安、田中広四球、戸郷や鍵谷、菊池涼三ゴロ。
★7日裏/今村⇒塹江、代打湯浅三ゴロ、北村四球、坂本投併打。
戸郷は先頭の西川に一発を浴び、2アウトまでは何とか頑張ったが會澤ヒット、田中広にはストレートの四球で限界を迎えて鍵谷にスイッチ、その鍵谷は見事に後続を断ち切る。
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☆8回表/鍵谷⇒中川、代打高橋大遊ゴロ、ピレラ中安、代打小窪遊併殺打。
★8回裏/塹江⇒中崎、丸空三振、岡本左安、中島三併打
中川はピレラにヒットを許したが後続を併殺打で討ち取り危なげない投球。
中崎も同様にヒットを許すが併殺打で切り抜けた。
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☆9回表/中川⇒デラロサ、西川右安、鈴木遊併打、メヒア左安、代走上本がバッテリーエラーで二塁進塁、會澤空三振、試合終了
デラロサは2安打放たれたが、変化球が決まっていたので余裕があり、走者を出してもバッテリーは落ち着いて対処していた。
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【巨人選手評価/短評】◎最高評価選手 〇高評価選手 ✕低評価選手
◎戸郷翔征
彼の投球は勿論ボールの勢いやキレも素晴らしいのだが、それ以上に評価したいのはメンタルの強さである。
例えば同点にされた2回も普通なら自分のミス絡み(正確にはバッテリーのミス)で同点を許してしまったので、失点後に並のメンタルなら大きく崩れてもおかしくなかったし、味方が勝ち越した直後のピッチングを三者三振に仕留めた場面もそれを感じたし、更に7回の先頭打者にHRを打たれた直後に迎えた鈴木との対戦でも崩れることなく真っ向勝負して討ち取った。
まあ、まだまだ課題は多い事も確かではあるが、この鉄のメンタルがあれば今後も成長は止まらないと思う。
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〇炭谷銀仁朗
捕手としては若い戸郷をしっかりリードし、配球面でもボール先行の苦しいケースでも相手に安易に狙い球を絞らせない見事な配球だった。
打者としては第1.第2打席ともにジョンソンのボールに食らいついて両打席で19球投げさせて肉体的にも精神的にも疲弊させる見事なバッティングだった。
実質的には彼がこの試合の最高評価選手ではあるが、今回は若い戸郷のピッチングを最大級に評価してあげたい。
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〇岡本和真
バッティングでは今日も4番の働きで2安打1四球2打点を獲得。
先制打も勿論素晴らしいのだが、あのジョンソンがサカマルに続いて彼にも攻めきれずに押し出し四球を出した事は、つまり彼の成長(威圧感)をジョンソンが強く感じた事を意味していると思う。
今、我々巨人ファンが毎回対戦するたびに感じている鈴木誠也の威圧感と同じモノを、今度は広島ファンが岡本和真に対して、遠くない将来に、いや、すぐそこまで感じる瞬間が近づいていると思う。
一方で、守備の方では3回表にゲッツーを焦ってセカンドへワンバウンド送球をする記録に残らないエラーがあった事は指摘しなければならない。
但し、開幕からここまでを振り返っても守備面でも安定感があるので、そこも個人的には高く評価している。
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〇坂本勇人
チームリーダーとして全てにおいてチームに貢献した。
打撃では先制点の口火となったヒットと追加点に繋がった四球。
走塁では先制点に繋がった盗塁。
守備では再三に渡って戸郷を助ける好守(特に4回表の鈴木の遊ゴロ好プレーと9回の鈴木併殺打のグラブトスは見事だった)
20台前半当時のような派手なプレーは減ってるかもしれないが、円熟味を増したショートとして、出来るだけミスしないプレー(ワンバウンド送球など)を徹底して行っている。
元内野手の筆者からすれば羨望の的である。
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〇北村拓己
1安打1四球1打点、トップバッターとしては合格点である。
勝ち越し2塁打は西川の拙守に助けられた印象は否めないが、それでもあのジョンソンのボールをしっかり芯で捉えた事実は素直に評価したい。
この結果を受けて、次戦以降もセカンドで使われるかもしれないが、監督の頭の中にはやや当たりが止まってきた中島のスペアとしても頭に入ったと思う。
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〇パーラ
バッティングでは引き続き好調をキープ、この試合でも2安打を放ち更に打率が上がった。
左投手のジョンソンから打てた事も今後に向けて明るい材料となる。
但し、5回の牽制死には苦言を呈しておきたい。
その後の炭谷が更に粘って出塁してくれた事で目立たないが、流れを変えかねないミスだった。
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〇鍵谷陽平
同点のピンチで登場し、戸郷の勝ちを消すことなくキッチリと抑えた。
投球内容を振り返ると、カウント1-1からの内角ギリギリボールとなる直球を投げた事が最大のポイントだった。
これで菊池は外角が遠くなった筈で、フルカウントにはなったが最後は外甘のフォークを引っかけてサードゴロに討ち取った。
四球も出せない苦しい局面だっただけに、最後の外甘フォークは致し方ないし、そのボールを有効に使うための布石をしっかり打っていた炭谷の好リードも評価しないといけない。
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〇中川皓太
この試合でも彼がキッチリと抑えのデラロサにタスキを繋げた。
テレビ解説者とは真逆の見方をしていて、確かに前回よりもボールのキレはそこまで良くはなかったが、個人的にはデキを心配する状態とは全く思わなかった。
引き続き好調を維持している。
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〇デラロサ
先頭の西川へのヒットを含めて結果的には2安打浴びたが、全体的な投球内容を見れば高評価となる。
まず0アウト1塁の状況で4番鈴木と対戦し、スライダーで平行カウントを作り、最後はやや甘くなったものの直球の力勝負で勝って併殺打、メヒアにヒット、直後にバッテリーエラーで進塁を許しても全く動揺することなく、最後は會澤を155キロの低め直球で空振り三振を奪って4連勝に導いた。
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✕中島宏之
ややお疲れモードか?スイングに鋭さが無くなっている。
北村の台頭など出番を待ってる控えがいるのでウカウカしていられない。
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【総評】
ジョンソンが広島に入団したシーズンから巨人は広島に負け越してしまっている。
つまり、5年間ずっと巨人はジョンソンを擁する広島に苦汁を嘗めてきた訳で、巨人ファンの脳裏に最大の天敵として焼き付いていたと思う。
そのジョンソンは今日も立ち上がりから安定感抜群だった。
来日当初のような手も足も出ないようなピッチングはされないが、今でも制球力は抜群に良い。
ジョンソンを攻略する為には少ないチャンスを確実にモノにするか、又は序盤から出来るだけ球数を投げさせて中盤以降でへばらせる(又はメンタル的にイラつかせる)くらいしか攻略の糸口は見つからない。
しかし、巨人はそれを序盤からチーム一丸で実行していった。
それが坂本の二盗と岡本の先制タイムリーであり、炭谷の13球投げさせた後の14球目のヒットであり、北村のタイムリーであり、サカマルオカの連続四球及び押し出し四球だった。
ジョンソンの球数については4回までで59球だったが、5回終わった時点では100球となっていて、この5回裏のG攻撃だけで41球投げさせていた訳である。
新任の石井コーチはカープとヤクルトのコーチ時代に、2ストライク後のバッティング(簡単に三振しない姿勢)を徹底して教育していた事は、野球ファンの間では有名な話だが、それを今度は巨人打線に叩き込んでいる事を、先日の阪神戦や今日の試合を見ていたら良く分かる
振り返れば、昨年オフのFA補強二連敗など、原監督が望んでいた満足な戦力補強は出来なかったのかもしれないが、そんな目先の補強よりも石井コーチを迎えた事によって「その卓越した指導によってもたらされた現有戦力の底上げこそが最大の補強だった」と、シーズン終了後に多くのGファンが思うことになると筆者は確信している。
以上 敬称略
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