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1番中井はGの野球を活性化させる【超激辛GvsE 2連戦雑感】

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客観的に見て、先発投手の顔ぶれを比較すると、Gが2連勝するのは厳しいと思っていた。
1勝1敗を予想し、2戦目の内海のデキ次第では連敗もありえると読んでいた。
【第1戦雑感】
最近の大竹の調子を考えると、相手先発の則本に対して序盤から2〜3点取らない限り、試合展開を有利に進める事が難しいと感じていたし、そもそも則本が普通以上のデキだったら、一点奪うのにも相当苦労すると考えていたので、負けることは高い確率で予想された。
結果、則本に軽く捻られたわけだが、個人的には敗戦のショックは大きくなかった。
大竹については前回記事にした通り、明らかに疲れが見えてる。
直球の球速そのものは145キロ程度出ていたが、上半身に力みがある投げ方になっており、逆に下半身に粘りが足りない投球フォームなので、アウトコース低めを狙ったボールは引っ掛けたり、上ずって中に入ったりして制御されていなかった。
逆にシュートを投げる際は、コントロールを意識し過ぎているため腕が振れておらず威力が半減していた。
このように、彼のピッチングの2本柱である右打者の内角シュートと外角直球の精度が低いので、投球の組み立てを苦しくしてしまっている。
元々スライダーについては、抜けて真ん中に集まる傾向強かったが、ベースを広く使う配球(シュートや直球の出し入れ)で失投をカバーしていた。
しかし、現在はカウント球と勝負球の両方でスライダーを多投しているので、相手打者が甘いスライダーをミスショットする確率が低い。
元々、大きな怪我を何度も経験した投手で、長い間カープで球数制限されていた投手なので、スタミナ面は若い時に比べて不安が大きい。
中5日でローテを廻していくのは、彼にとって厳しいかもしれない。
対するE先発則本については、筆者は現在NPBナンバーワンの投手だと思っている。
勿論、金子、前田健、菅野など他にも考えられる投手がいるが、個人的には則本が現状では優っていると思う。
技術的には球持ちが良いので打者はタイミングを合わせづらいこと。
そこをベースに、スピンの効いた150キロの直球、打者の手元で鋭角に曲がるスライダーは球界屈指の威力を持っている。
しかも、それらのコントロールが抜群というオマケ付き・・・。
そして肉体的にも精神的にも非常にタフな投手なので、常に打者に向かって攻め込んでいる。
課題が有るとすればフォークの精度が低いことだが、とにかく直球が素晴らしいので、少々甘くなっても打者にはチェンジアップの効果を与えているのでタイミングが合わない。
また、則本のピッチングを語る上で忘れてはならないのは、バッテリーを組む嶋のリードである。
打者を注意深く観察して、時折見せる強気の配球は則本の投球スタイルにマッチしている。
〜第2戦雑感〜
【勝敗を分けたポイント】
6回裏2点目のタイムリーを放った井端のバッティング
「ベテランらしい「読み」と「割り切り」が生んだタイムリー」
直前のカウントワンツーからの4球目、内角ギリギリの直球を見逃し、判定ストライクで投手有利になった。
楽天バッテリーからすれば、このボールでストライクを取れたことで、内角直球、外角チェンジアップ、どちらでも勝負できる状況になった。
つまり、井端はどちらも頭に入れてスイングしなければならない局面になり、どちらかに絞るという「割り切り」が出来ない状況となったのだ。
結果、楽天バッテリーが選択したのは内角直球。
井端の裏をかいたつもりが、井端に読まれて痛打された。
嶋はチェンジアップを拾われる事を恐れたと思う。
少なくとも内角に直球を投げておけば、たとえ対応出来たとしても、チェンジアップに少しでも意識が有れば詰まると読んでいたはずだ。
しかし、井端は「割り切って」内角直球に絞って振り抜いた。
これは「読み勝ち」ではあるが、それよりも数々の修羅場をくぐり抜けた井端の経験が勝った結果である。
【選手個別雑感】
★内海
何とか初勝利となったが、内容的には素晴らしいとまでは言えず、「まあまあ」というピッチングだった。
確かに丁寧に投げてはいたが、無駄な四球を簡単に与えてしまう場面が数回有ったし、紙一重でファールで助かる打球もあった。
楽天打線の淡白な攻撃に助けられた側面が強い。
だが勝てる試合とはこんなもの、この試合より良いピッチングをしても勝てない事もある。
勝因を挙げるなら、彼の気迫とバント処理、阿部の好リードというところではないだろうか?
特に嶋を完璧に封じたことによって、打線を分断させる事が出来た。
確かに彼に勝ちがついたことは大きいが、大切なのは次の試合のピッチングである。
ここでも勝ち星がつけば、一気にG投手陣に光明が差す。
★中井
守備でミスをした直後の打席で、見事な右打ちでチャンスを拡げた。
詳しくは【総評】で触れているが、彼のバッティングは閉塞感が漂っていた今の雰囲気を見事に払拭している。
★セペダ
最初の2打席は、辛島のチェンジアップに全く合っていなかったが、3打席目の四球で潮目が変わった。
最後の打席で直球を叩いてホームランを放ったが、バッテリーを迷わせたという意味で3打席目の四球が大きかった。
これを浮上のキッカケにしてほしい。
★井端
ファーストでスタメン起用されたが、守備については慣れが足りていない。
もう少し守る時間が増えれば無難にこなすだろう。
バッティングについては【勝敗を分けたポイント】で書いたが、奥の深い素晴らしいバッティングだった。
★村田
先制ホームランを放った。
しかし、打った甘い半速球は、現状のスイングでは一番対処できるボールと言える。
まだまだトップが浅いので直球に差し込まれやすいし、変化球を追っかけてしまうスイングになる。
★松本哲
彼が決めたバントヒットは、この試合の隠れたビックプレーだった。
2点は取っていたが、攻めあぐねていた辛島に対して攻略するキッカケを作ったプレーだった。
チームメイトやファンに愛されてる彼の活躍は、球場の空気をガラッと変える。
【総評】
1番レフト中井はGにとっては諸刃の剣になる。
守備面から言えば、第2戦のエラーを見て解るように不安定さを露呈している。
第1戦にもライトの守備で、ライナー性の飛球を判断ミスでヒットにしてしまう場面が見られた。
しかしながら打撃については、結果はともかく毎打席で周囲に期待感を持たせるスイングを見せている。
これは1番打者として、非常に重要なポイントである。
先頭打者が自分のスイングをせずに簡単に討ち取られてしまうのは、チームの士気に大きな影を落とす。
振り返れば、去年もチームが苦しい状況だった7月の甲子園で、中井が2番を任されて打線を蘇らせたことがある。
彼の思い切りの良いスイングは、味方の他の打者に好影響を与えていた。
中井の浮上と同じ時期から村田、長野が調子を徐々に上げてきた事が思い出される。
しっかり狙い球を絞って強く叩く中井のバッティングに、彼らが触発されたと思えてならなかった。
以前にも同じ事を書いたが、今のG打線は当てにいくような緩いスイングが多くなっている。
勿論、追い込まれればコンパクトなスイングは必須だが、若いカウントから合わせるようなスイングは、相手バッテリーは怖さを感じないので逆に気持ちでも攻め込んでくる。
つまり、腕をしっかり振って投げ込んでくる状況を自ら招いてしまっていることになる。
監督が長野のバッティングで一番不満に感じているのは、この部分だと思う。
さて次のカードから再びDHが使えなくなる。
そうするとセペダがレフトに入ることが濃厚なので、中井を使うならライトかファーストという事になる。
果たして監督はどうするだろうか?
ドーム球場限定ならレフトセペダは我慢できる範疇だが、ライト中井、センター長野という布陣はかなりリスクが大きい。
中井を使うならレフトセペダ、センター松本、ライト中井という布陣がベターだと思うが・・・・。
しかし長野、ロペスを連続してベンチに置くという選択は、彼らを「眠ったままの駒」にしてしまう可能性があるので、それは避けたい。
だが、これでアンダーソン、橋本が復帰した時、更にその選択が難しくなる。
「セペダをどうするのか?」を含めて、外野とファーストの選手起用が悩ましい。
個人的には、打線の重苦しさを軽減させる中井を外したくない・・・調子を落とすまでは。。。
敬称略
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