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「明らかに柔和になっている原辰徳の表情」読売ジャイアンツvs横浜DeNAベイスターズ(2020.9.2) 巨人ゲームレポート詳細版

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【イニング経過、雑感】※イニング経過は巨人公式HPより抜粋
☆1回表
先発はサンチェス。
梶谷は見逃し三振。柴田は左邪飛。ソトは四球。二死一塁。佐野は空振り三振。0対0。
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立ち上がりのサンチェスは、ストレート系の球威は抜群、逆に変化球が全く決まらなかった。
よって打者に直球一本で待たれてしまう状況を作ってしまっていたが、それでも最後は球威で押し込んでいた。
但し、対戦した四人の打者に対して全てフルカウントになってしまい、この回を終えた時点で球数が早くも29球を要してしまった。

★1回裏
先発は浜口。
坂本、重信は中飛。ウィーラーは遊ゴロ。0対0。
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立ち上がりの濱口に対して巨人の上位打線はチェンジアップにタイミングが合わずに三者凡退。

☆2回表
マウンドはサンチェス。
細川は三ゴロ。山下は四球。一死一塁。大和は遊撃併殺打。0対0。
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この回も変化球は殆ど決まらずに最後は球威で打者を押し込んでいた。
一死から山下を歩かせて嫌な流れを自分で作りかけてしまっていたが、大和がボール球に手を出してくれて併殺打に討ち取った(ボテボテのショートゴロで併殺が完成したが、大和の走力の衰えを感じざるを得なかった)
まだまだ制球に苦しんでいたサンチェスだったが、DeNA打線の「拙攻」に助けられたので、この回を9球のみで終えて結果的に「省エネ」に成功した。

★2回裏
マウンドは浜口。
岡本は二飛。丸は右中間にソロ本塁打。巨人先制。1対0。中島は四球。一死一塁。吉川尚は右中間適時三塁打。2対0。一死三塁。炭谷は一野選。3対0。一死一塁。サンチェスはスリーバント失敗。坂本は左前打。二死一、二塁。重信は四球。二死満塁。ウィーラーは左飛。3対0。
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早くもこの回が始まる前に円陣を組んだ巨人打線は、積極的にカウント球を叩きに行く姿勢に変化していた。
岡本は初球、丸はファーストストライクを打ちに行き、岡本は凡打に終わったが、丸は先制HRという好結果に繋がった。
この巨人打線の「変化」に気づいた濱口は、カウント球の入り方が一層難しくなってしまい、簡単に相手にバッティングカウントを与えてしまう。
そして、一死一塁の状況で、吉川尚にストライクを取りに行った甘い直球を叩かれてタイムリー三塁打を放たれてしまい、その後も味方守備のエラーも重なって合計3点を奪われてしまう。
一方で、巨人側も3点奪った後に更なる得点のチャンス(試合の主導権を完全に握るチャンス)を作ったが、ウィーラーが甘いボールを打ち損じてしまった。

☆3回表
マウンドはサンチェス。
高城は見逃し三振。浜口は遊ゴロ。梶谷は中飛。三者凡退。3対0。
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サンチェスは相変わらず変化球が決まらずにボール先行になっていたが、とりあえず一巡目は大怪我しなかった。
試合の流れ的には、味方が得点した直後の守りだっただけに、ここをアッサリ三者凡退で終えた事は大きかった。

★3回裏
マウンドは浜口。
岡本は見逃し三振。丸は右前打。一死一塁。中島は四球。一死一、二塁。吉川尚は空振り三振。炭谷は遊ゴロ。3対0。
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追加点のチャンスを作ったが、吉川尚が中途半端な姿勢が残念だった。
巨人側は一気に試合を決めるチャンスを逃して、この後、試合の流れが変わる余地を残してしまった。

☆4回表
マウンドはサンチェス。
柴田は右翼線二塁打。無死二塁。ソトは遊ゴロ。一死三塁。佐野は二ゴロ。3対1。細川は四球。二死一塁。山下は遊ゴロ。3対1。
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DeNA側にとっては、まさに「ピンチの後にはチャンス有り」だった。
サンチェスは先頭の柴田に二塁打を許し「一点はやむなし」の状況を作ってしまった。
しかし、サンチェスは内野ゴロの間に失点を喫したが、投球内容は尻上がりに良くなっていた。

★4回裏
マウンドには2番手の伊勢。
サンチェスは空振り三振。坂本は見逃し三振。重信は一ゴロ。3対1。
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替わった伊勢に対して巨人打線は三者凡退。

☆5回表
マウンドはサンチェス。
大和は三ゴロ。高城は左飛。伊勢は見逃し三振。三者凡退。3対1。
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安定感が出てきたサンチェスは下位打線に隙を見せずに三者凡退。

★5回裏
マウンドは伊勢。
ウィーラーは一ゴロ。岡本は左前打。一死一塁。丸は四球。一死一、二塁。中島は三ゴロ。二死一、三塁。吉川尚は遊直。3対1。
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一死後に岡本のヒットと丸の四球でチャンスを作るが、ここも後続にあと一本が出ずに追加点を奪えなかった。

☆6回表
マウンドはサンチェス。
梶谷は左邪飛。柴田は空振り三振。ソトは見逃し三振。三者凡退。3対1。
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引き続きサンチェンスは安定感抜群の投球で三者凡退に討ち取る。
特にソトへの投球は圧巻だった。

★6回裏
マウンドには3番手のピープルズ。
炭谷、サンチェスの代打・松原は空振り三振。坂本は右飛。3対1。
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替わったピープルズに対して三者凡退で攻撃を終える。

☆7回表
マウンドには2番手の高梨。
佐野は遊ゴロ。細川は右越え二塁打。一死二塁。
マウンドには3番手の大竹。
山下の代打・宮崎は二ゴロ。二死三塁。大和は四球。二死一、三塁。
マウンドには4番手の大江。
高城の代打・乙坂は空振り三振。3対1。
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高梨と大竹はやや制球に苦しむ場面が見られたが最低限の仕事はこなした。
そして二死一三塁のピンチで登場した大江は、乙坂に対してベストピッチで三振に討ち取る。

★7回裏
マウンドはピープルズ。
重信は一ゴロ。ウィーラーは右前打。一死一塁。ウィーラーに代走・吉川大。岡本の打席で吉川大が二盗失敗。岡本は右翼線二塁打。二死二塁。丸は敬遠四球。二死一、二塁。中島は中飛。3対1。
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二盗失敗もあってややチグハグな攻撃を展開してしまい、巨人側にとっては嫌な流れが出来つつある状況にしてしまった。

☆8回表
マウンドは大江。
ピープルズの代打・桑原は遊ゴロ。梶谷は四球。一死一塁。柴田は死球。一死一、二塁。
マウンドには5番手の中川。
ソト、佐野は空振り三振。3対1。
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回跨ぎになった大江は先頭の桑原を討ち取るが、その後は制球を乱して一死一二塁のピンチを招いてしまう。
しかし、ここで前回登板のリベンジに燃える中川が登場し、ソトと佐野を連続三振で討ち取り、この試合の最大のハイライトを無失点で凌ぎ切る。

★8回裏
マウンドには4番手のエスコバー。
吉川尚は二ゴロ。炭谷は二飛。中川の代打・北村は見逃し三振。3対1。
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何とかダメ押し点を奪いたい巨人打線ではあったが、エスコバーに力でねじ伏せられる。

☆9回表
マウンドには6番手のデラロサ。
細川は遊飛。宮崎は二ゴロ。大和は空振り三振。三者凡退。試合終了。3対1。
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デラロサは前日に続いて全く危なげなく三者凡退に討ち取って試合を締める。
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【ゲームスコア】
DeNA 000 100 000 1
巨  人 030 000 000 3
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勝利投手 巨人 サンチェス (4勝2敗0S)
敗戦投手 DeNA 濵口 (3勝4敗0S)
セーブ 巨人 デラロサ (1勝0敗8S)
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本塁打
巨人 丸 14号(2回裏ソロ)
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【巨人選手評価】◎最高評価選手 〇高評価選手
◎丸佳浩
今は手がつけられない状態。
甘いボールを一発で仕留める雰囲気を感じるし、ヒットなら仕方がないという相手バッテリーの割り切りも感じる。
この状態をキープして何とか苦しい13連戦を乗り切って欲しい。

〇サンチェス
確かにストレート系には球威を感じたが、今はどの打者も疲労困憊で明らかにスイングスピードが落ちているのでそこまで信用できないというのが本音。
それよりも今後、ローテ投手の立場を確立するには、何よりも変化球の精度アップが必要になる。
常に「1-2」という投手有利にカウントを作れるようになれば、菅野に続く二番手投手として君臨できると思う。

〇吉川尚輝
二回のタイムリーはお見事だった。
冷静にボールを見極めてバッティングカウントを作り、相手バッテリーの苦し紛れの直球勝負を読み切って一発で仕留めた。
一方で三回裏のチャンスでのバッティングは非常に残念だった。
一死一二塁という状況で、後続の打者を考えればカウント3-0からの甘いスライダーを積極的に打って欲しかった。
というか、ベンチも間違いなく「打って良い」のサインが出ていた筈で、彼が野球脳をしっかり使う事が出来ていれば、この場面で濱口が投じるボールをスライダーと予想する事は出来たと思う。
前段で言った通り、後続の打者を考えれば「満塁も致し方なし」という配球を相手バッテリーはしてくるはずで、そこを打席に立つ前に吉川尚が頭の中で整理できていれば違う結果が出た筈だった。
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【技術的に気になった巨人選手】
*高梨雄平、大江竜聖
調子が良かった時と比べると、抜け球や逆球が多くなっているが、これは「力を入れて投げないとボールが走らない」という感覚に陥っている事が原因だと思う。
勿論、力を入れればスピードガン上ではそれなりの球速は表示されるかしれないが、ボールの精度(制球とキレ)はどうしても悪く(不安定に)なる
筆者は投手経験が殆どないので技術的な事は言えないが、打者目線で見ると両投手ともに明らかに上半身が力んでしまっているように感じる。
当然ながらこれは蓄積疲労が最大の原因だとは思うが、それだけではないと思う。
両者ともに優勝を狙える位置でプレーする事は初体験な筈で、そのプレッシャーは尋常ではないだろう。
特に大江はまだまだキャリアが浅いので、今、丁度マウンドに慣れてきて、逆にマウンド上で怖さも感じるようになってきているところだと思う。
両者とも、苦しいマウンドが続くとは思うが、体調には細心の注意を払って頑張って欲しい。
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【総括】
※原辰徳の試合中の表情が明らかに表情が柔和になっている
監督は前カードの中日三連戦までは、非常に厳しい表情で試合に臨んでいたが、昨日からかなり柔和な表情に変わっていた。
特にこの試合は余裕すら感じる柔和な表情が印象的で、決して楽とは言えない試合展開だったにも関わらず、最後まで厳しい表情に変化する事は無かった。
これは果たして何を意味しているのか?
ここからは筆者の完全な「憶測」だが、考えられる「理由」をあげていくと
➀苦戦していた中日との三連戦で勝ち越した事で精神的に余裕が生まれた。
➁打ではサカマルが復調して得点力に手応えを感じている事。
➂投では盤石なリリーフ陣で接戦を拾っていく目途がついた事。
➃離脱していた主力選手が続々復帰、又は復帰の目途が立った事。
➄DeNAの隙が多い野球に「負ける気」がしなかった事
以上の五点がパッと浮かんでくるが、特に➄は私の偏見かもしれないがあながち当たっているかもしれない。
その象徴的な出来事として筆者が取り上げたい場面は、この試合の二回裏、吉川尚による三塁打のシーンだった。
今年のDeNAの守備陣形は、データに基づいてかなり偏ることが多いが、この吉川尚の場面も明らかに右中間がガラ空きだった(センターは左中間寄り、ライトはライト線寄り)ので、結果的に脚力が乏しい一塁走者中島の一気生還を許してしまった(しかもスライディングなしの生還)
果たして、この場面でここまで極端に右中間をガラ空きにする必要性はあったのだろうか?
一死一塁、吉川尚の後続打者は決して打力は高いとは言えない炭谷とサンチェスだったので、採用すべき守備陣形は、外野を定位置からやや深めに守り、仮に右中間、左中間を破られても一塁走者の生還を許さない形を取るべきで、中島の脚力ならレフト線とライト線はそこまでケアしなくても、ほぼ一気に生還を許すことはなかったと思う。
逆に一塁走者の中島の立場で考えると、右中間がガラ空きになっている陣形を事前にしっかり把握しておけば、吉川尚が右中間方向に打った瞬間に「一気に本塁へ還れる」と直感的に思ったはずで、全くスピードを緩めたり、打球を目で追うような作業も必要なかった。
確かに吉川尚の今シーズンのバッティング内容を見れば、データとして右中間に強い打球を打つ可能性は低いのかもしれない。
但し、それは状況によって使い分けるべきで、走者が居ない場面と居る場面、後続の打者を考慮した状況判断、これらすべてを踏まえた上で総合的に判断して陣形を作るべきであって、単純に打球方向のデータだけで判断すべきではないし、少なくとも筆者にはそう感じた。

以上 敬称略
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