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「吉川尚輝と松原聖弥が常時スタメンに定着出来れば巨人は黄金期を迎える」

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2020.9.21 読売ジャイアンツvs広島東洋カープ 13回戦 ゲームレポート詳細版

【イニング経過、雑感】※イニング経過は巨人公式HPより抜粋
☆1回表
先発は直江。
大盛は左前打。無死一塁。田中広は右越え2点本塁打。0対2。長野は二ゴロ。鈴木誠は中前打。一死一塁。松山は二ゴロ。二死二塁。坂倉は空振り三振。0対2。
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直江の立ち上がりはやや制球に苦しんでいた。
カウント球のスライダー系が殆ど決まらず、全体的にボールが上ずっていたところを田中に叩かれてしまった。
恐らく、バッテリーを組む大城の狙いは「一回り目はなるべくフォークを使わずに抑えたい」という思惑があったんだろうと推察するが、そうも言ってられない状況になり、坂倉に対して全球フォークの鬼配球で何とか追加点は許さなかった。

★1回裏
先発は九里。
吉川尚は二塁内野安打。無死一塁。亀井は一ゴロ。一死二塁。坂本は三ゴロ。岡本は中前適時打。1対2。二死一塁。丸は二ゴロ。1対2。
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試合の流れを考えると、先制された直後に先頭の吉川尚が出塁したので、この回は何としてでも得点が欲しかったが、その期待に四番が応えてくれた。
九里のような「低めのボールを振らせにくる投手」との対戦では、「焦り」が生まれるような状況(三点以上リードされて追っかける展開になる)が最も拙いので、直ぐに1点返せただけでも非常に大きかった。

☆2回表
マウンドは直江。
堂林は二ゴロ。上本は遊直。九里は見逃し三振。三者凡退。1対2。
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味方が直ぐに反撃してくれたことで直江は落ち着きを取り戻し、この回はかなり制球が改善されていた。
又、だいぶ腕も振れるようになってきたのでストレート系の走りも良くなっていた。

★2回裏
マウンドは九里。
大城は空振り三振。中島は二飛。松原は右中間にソロ本塁打。巨人同点。2対2。直江は右ゴロ。2対2。
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二死から松原がまさかの一発を放ち同点に追いつく。
彼のアグレッシブな姿勢とボールを強く叩く姿勢が見事に結実した。

☆3回表
マウンドは直江。
大盛は左飛。田中広は二飛。長野は左飛。三者凡退。2対2。
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味方が同点に追いついた事で直江の投球はテンポアップする。
やや相手の打ち損じに助けられていたが、結果的にカープの上位打線を三人で片づける。

★3回裏
マウンドは九里。
吉川尚は三ゴロ。亀井は右前打。一死一塁。坂本は左前打。一死一、二塁。岡本は四球。一死満塁。丸は一ゴロ。巨人勝ち越し。3対2。二死二、三塁。大城は中飛。3対2。
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一死から亀井と坂本がしぶとくヒットで出塁し、岡本も打ち気をグッと堪えて四球を選び、満塁の状況で丸の一塁ゴロで巨人が勝ち越し点を奪う。
巨人側としては攻撃の流れが良かっただけに、一気に大量得点を奪いたかったが、この回に関してはその願いは叶わなかった。
尚、丸の一塁ゴロで本塁に突入した亀井が股関節を痛めてしまい、この回で退くアクシデントがあった。

☆4回表
マウンドは直江。
鈴木誠は右飛。松山は一ゴロ。坂倉は左翼線二塁打。二死二塁。堂林は二飛。3対2
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直江はこの回辺りから全体的にボールが抜け始めていた。
頼みのフォークも低めに決められずにベルト付近に集まり始めていた。
しかし、カープ打線はそんな直江からこの回も得点出来なかった。

★4回裏
マウンドは九里。
中島は右中間にソロ本塁打。4対2。松原は遊撃内野安打。遊撃手悪送球の間に二塁進塁。無死二塁。直江は一犠打。一死三塁。吉川尚は右前適時打。5対2。一死一塁。パーラは捕失策。一死一、二塁。坂本は左翼線適時二塁打。6対2。パーラは三本間に挟まれタッチアウト。二死三塁。岡本は三ゴロ。6対2。
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あれだけカープ打線のミスショットが続くと、試合の流れは当然ながら巨人側に大きく傾く。
先頭の中島の一発を皮切りに、ヒットとカープ側の守備の乱れが重なり一気にリードを4点差まで拡げる。

☆5回表
マウンドは直江。
上本は遊ゴロ。九里の代打・正隨は四球。一死一塁。大盛は死球。一死一、二塁。
マウンドには2番手の大江。
田中広は四球。一死満塁。
マウンドには3番手の鍵谷。
長野、鈴木誠は空振り三振。6対2。
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直江の交代時期については賛否分かれるかもしれないが、個人的には絶好の交代時期だと思った。
前段で言った通り、直江の状態はかなり危うかったが、首脳陣はとりあえず彼自身の力で勝ち星をもぎ取るチャンスを与えての四回続投だったし、大盛に死球を与えた時点で肉体的にも精神的にも限界に達していたので、交代は大正解だったと思う。
むしろ、勝負だけに徹すればこの回の頭から交代させるべきだったし、あえてそうしなかったのは直江に殻を破って欲しいという「今後を見据えての配慮」だったと推察する。
そして、彼と次に登板した大江が作ってしまった一死満塁の大ピンチを、替わった鍵谷が見事に火消しした。

★5回裏
マウンドには2番手の中村恭。
丸は左中間二塁打。無死二塁。大城は捕犠打。一死三塁。中島は二飛。松原は投ゴロ。6対2。
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先頭の丸の長打で追加点のチャンスが生まれたが、後続が続かずにダメ押し点とはならなかった。

☆6回表
マウンドには4番手の高梨。
松山は空振り三振。坂倉は遊ゴロ。堂林は見逃し三振。三者凡退。6対2。
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高梨はほぼ完璧な投球内容で広島打線を三人で封じる。
一時期、彼は調子を落としていたが、ここに来て再び状態が上がってきた。

★6回裏
マウンドには3番手の今村。
高梨の代打・田中俊は二ゴロ。吉川尚は中前打。一死一塁。パーラは右前打。一死一、二塁。坂本の打席で今村が暴投。一死二、三塁。坂本は左中間2点二塁打。8対2。一死二塁。坂本の代走に増田大。岡本は中前適時打。9対2。一死一塁。岡本の代走に若林。丸は四球。一死一、二塁。炭谷は左前打。一死満塁。
マウンドには4番手の菊池保。
中島、松原は空振り三振。9対2。
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流れ的には既に勝敗が決した感は強かったが、巨人打線は決して雑にならずに替わった今村を波状攻撃する。
そして相手のミスも重なって更に3点奪ってリードを7点差まで拡げる。

☆7回表
マウンドには5番手の大竹。
上本は二飛。菊池保の代打・野間は見逃し三振。大盛は四球。二死一塁。田中広は右前打。二死一、三塁。長野は空振り三振。9対2。
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大竹は二死から連続出塁を許すがキッチリを無失点で切り抜ける。
内容的にも上々だった。

★7回裏
マウンドには5番手の島内。
田中俊は左前打。無死一塁。立岡は四球。無死一、二塁。パーラは二塁併殺打。二死三塁。増田大は空振り三振。9対2。
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替わった島内から無死一二塁のチャンスを作るが、後続にあと一本が出ずにこの回は無得点で終わる。

☆8回表
マウンドには6番手の宮國。
鈴木誠は空振り三振。松山は右翼線二塁打。一死二塁。坂倉は二ゴロ。二死三塁。堂林は四球。二死一、三塁。上本の代打・ピレラは三邪飛。9対2。
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替わった宮國は相変わらず不安定な投球ではあったが、何とか無失点で切り抜ける。

★8回裏
マウンドには6番手のケムナ。
若林は中前打。無死一塁。宮國の代打・ウィーラーは中飛。炭谷は空振り三振。中島は左前打。二死一、二塁。松原は四球。二死満塁。田中俊は一塁適時内野安打。10対2。二死満塁。立岡は左邪飛。10対2。
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既に勝負が決して主力は下がっていた巨人打線だが、替わって登場した中堅若手には生き残りを賭けたアピールの場なので必死にプレーをする。
それが形となって表れ、更に1点のリードを加えた。

☆9回表
マウンドには7番手の堀岡。
ケムナの代打・メヒアは三ゴロ。大盛は左越え二塁打。一死二塁。田中広は三邪飛。長野は二塁内野安打。二塁手の悪送球の間に二塁走者生還。10対3。二死一塁。鈴木誠は遊ゴロ。試合終了。10対3。
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堀岡は味方の拙いプレーと不運な打球が重なって失点したが、内容的にはまずまずだった。
但し、一軍に定着するにはやはり空振りを奪えるボールが欲しい。
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【ゲームスコア】
広島 200 000 001 3
巨人 111 303 01X 10
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勝利投手 巨人 鍵谷 (3勝1敗0S)
敗戦投手 広島 九里 (4勝5敗0S)
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本塁打
広島 田中広5号(1回表2ラン)
巨人 松原2号(2回裏ソロ) 、中島7号(4回裏ソロ)
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【注目若手選手雑感】
※直江大輔
彼の持ち球の中では何と言ってもフォークボールが良い。
対戦した各打者の反応を見る限り、落下するポイントが打者の前方ではなく、手元で落ちているようなので、打者目線ではかなり厄介なボールだと思う。
しかし、この試合を見ても、このボールだけでは長いイニングの投球は無理であることは明らかで、なるべくこのボールを隠して要所で使いたい。
この試合の前の段階では、大城もそういう思惑があったと思うが、立ち上がりから他の球種の精度が良くなかったので、早くもフォークを「解禁せざるを得ない」状況だったと推察する。
これで先発登板全て(三試合)で5イニングを投げ切れなかった訳だが、課題としてはスタミナ面は当然だが、最も大きなポイントとなるのはやはりストレートの質をもっと上げる事だろう。
勿論、スピードももう少し欲しいところだが、それよりも大事なのは「質の高いボールを内と外に投げ分けられる精度」であって、特に打者の懐に躊躇なく突っ込んでいけるようなれば、更にウイニングショットであるフォークが活かされるし、もっと緩急を使った組み立ても可能になってくると思う。
彼はマウンド上での面構えが良く、メンタル的にも強さを感じるので、自分の投球スタイルが完成した時は「勝てる投手」になる予感がプンプンする。
つまり、巨人のエースになりうる可能性を十分に秘めていると思うので、ここまで浮き彫りになった課題を一つずつ地道に乗り越えて欲しい。
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【総括】
※「吉川尚輝と松原聖弥が常時スタメンに定着出来れば巨人は黄金期を迎える」
両者はかなり共通点が多い。
足が速く、肩も強く、体にバネがあり、アグレッシブなプレーが持ち味。
走攻守で分けて見ていくと、走塁では両者ともに盗塁技術では、まだまだスペシャリストの増田大には見劣る面があるが、ランニングのスピードは申し分ない。
守備では内外野の違いはあるが、両者ともに肩が強く、スピードを活かした広い守備範囲が持ち味で、これから経験を積んでいけばもっと上手くなる可能性は十分にある。
そして打撃に関しては、体のバネを活かしてライナー性の打球を左右に打ち分けられる事。
そして、ツボに入れば左右どちらにもスタンドへ放り込み「小力」を持っている事。
課題としては両者ともにアグレッシブな姿勢は「買い」だが、逆にそれがマイナスに働いて自身の出塁率を落とす要因にも繋がってしまっている。
まあ、この姿勢を無くしてしまうと自分のバッティングを壊す可能性があるので、ここは難しいところではあるが、何とか出塁率3割5分以上をキープして欲しい。
そうすれば首脳陣の評価は劇的に変わり、二人をサカオカマルの前に置くオーダーを躊躇なく組んでいくと思う。(現在の出塁率は吉川尚が.360、松原が.324)
まあ、本音を言えば出塁率を3割7分以上まで上げて欲しいところだが、彼らの現状の走力なら得点を上げるためには後続打者に複数本のヒットはあまり必要ではないし、他者よりも少ないヒット数で得点が入りやすいので、ある意味3割5分の出塁率があればかなりの得点力向上が見込まれると思う。
こうして、二人がともにこの難題をクリアし、二人が名実ともに巨人のリードオフマンとして定着すれば、攻守両面で有形無形の相乗効果が生まれ、巨人はいよいよ黄金期を迎えるかもしれない。
その為には、吉川尚は体のケアを怠らずに更に強い体幹を手に入れて欲しいし、松原はバッティングアプローチをもっと磨いて欲しい。

以上 敬称略
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