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「原辰徳が行ったシーズン序盤の撒き餌とは?」

「原辰徳が行ったシーズン序盤の撒き餌とは?」

2020.9.22 読売ジャイアンツvs広島東洋カープ 14回戦 ゲームレポート詳細版

【イニング経過、雑感】※イニング経過は巨人公式HPより抜粋
☆1回表
先発は菅野。
田中広は空振り三振。菊池涼は三ゴロ。坂倉は遊飛。三者凡退。0対0。
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菅野の立ち上がりに関しては、特にここ数試合はあまり良くなかったが、この試合はまずまず纏まりを感じた。

★1回裏
先発は遠藤。
吉川尚、松原は見逃し三振。坂本は中飛。0対0。
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遠藤も上々の立ち上がりだった。
元々巨人打線には相性が良いが、自信満々に低めにストレートと変化球を投げおろしして打者を押し込んでいた。

☆2回表
マウンドは菅野。
鈴木誠は右飛。松山は遊ゴロ。長野は右飛。三者凡退。0対0。
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菅野は遠藤の投球を見て気合が入ったと思う。
この回は全く隙を見せずに三者凡退で抑える。

★2回裏
マウンドは遠藤。
岡本、丸、ウィーラーは遊ゴロ。0対0。
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遠藤は相変わらず巨人打線を力でねじ伏せてこちらも三者凡退で封じる。

☆3回表
マウンドは菅野。
堂林は遊ゴロ。大盛は左中間二塁打。一死二塁。遠藤は中飛。田中広は空振り三振。0対0。
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ここまで順調だった菅野は、一死から大盛にカウント球を叩かれて二塁打を打たれる。
しかし、ここからギアチェンジして遠藤を中飛、田中からはベストピッチで三振を奪う。

★3回裏
マウンドは遠藤。
中島は空振り三振。大城は右前打。一死一塁。菅野は捕邪飛。吉川尚は四球。二死一、二塁。松原は右翼線2点二塁打。巨人先制。2対0。二死二塁。坂本は右飛。2対0。
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一死から大城がヒットで出塁するものの菅野が送れずに二死一塁、しかし、続く吉川尚に対しては遠藤が急に制球を乱して四球でチャンスを拡げる。
そしてこの貰ったチャンスを松原が見事にモノにしてライト線へ二塁打を放ち、二死フルカウントでの一打だったので一塁走者の吉川尚も一気に生還して二点を先制する。

☆4回表
マウンドは菅野。
菊池涼は左前打。無死一塁。坂倉は二塁併殺打。鈴木誠は中前打。二死一塁。松山は左前打。二死一、三塁。長野は左中間に3点本塁打。2対3。堂林は二ゴロ。2対3。
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菅野は先頭の菊池に上手く拾われて左前ヒットを打たれるが、続く坂倉を注文通りに併殺打に討ち取る。
しかし、ここでホッとしたわけでもないと思うが、鈴木と松山に連打を許して思わぬピンチを迎えてしまう。
そして長野にはやや単調な配球(外角一辺倒)を読み切られてしまい逆転3ランを浴びる。
まあ。。長野という選手は巨人時代から「読みづらい選手」「計算が通用しない選手」、極端に言えば「意外性の塊」でもあるので嫌な予感はしていたが、それが現実となってしまった。

★4回裏
マウンドは遠藤。
岡本は捕邪飛。丸は右前打。一死一塁。ウィーラーは右飛。中島は四球。二死一、二塁。大城は四球。二死満塁。菅野は空振り三振。2対3。
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巨人側は逆転を許してしまったものの、菅野が更に失点するようには思えなかったし、カープのリリーフ事情を考えれば、まだまだ巨人には余裕があったと思う。
ぶっちゃけ巨人が負けるケースとしては「遠藤に8回まで投げ続けられて、抑えのフランソアに直接スイッチされる形」しかないとまで思っていた。
その遠藤は3回を終わった時点で球数は48球なので、球数的には微妙な数字ではあるが、巨人側の中盤の攻撃次第では8回まで投げ続けられてしまう可能性は十分にあった。
つまり、遠藤はこの回を簡単に終える事が出来れば。。。という状況だったが、巨人打線はそれを許さず、得点こそ奪えなかったが、この回だけで34球投げさせて遠藤の体力と精神力を確実に消耗させていた。

☆5回表
マウンドは菅野。
大盛は中飛。遠藤は見逃し三振。田中広は一ゴロ。三者凡退。2対3。
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逆転されてしまった菅野だが、ここから気落ちせずにピッチングをキッチリと立て直して三者凡退で討ち取る。

★5回裏
マウンドは遠藤。
吉川尚は遊ゴロ。松原は四球。一死一塁。坂本の打席で松原が二盗。一死二塁。坂本は右飛。二死三塁。岡本は左越え2点本塁打。巨人逆転。4対3。丸は左飛。4対3。
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遠藤は肉体的にも精神的にも一杯一杯だった。。。
前の回で34球を投げさせられてギリギリのところまで追い詰められ、直前の菅野の投球を見れば更なる援護点は望めそうにないと感じていた筈で、プレッシャーは我々の想像以上だったと思う。
こういう「相手の切羽詰まった雰囲気」を敏感に察知するのが原辰徳であり、こういう時に相手を揺さぶる作戦を躊躇なく実行に移す。
それが松原の二盗だった。
ここで攻撃の流れを作った巨人打線は四番の岡本が内角直球を一発で仕留めて逆転する。
又、この場面、やはり五番・丸の存在(状態が良い丸)も大きかった。
ここまで遠藤は無駄に感じる四球をそこそこ出していたので「出来ればこれ以上四球を与えたくない」という思いと、岡本の次にある意味もっと怖い丸が控えている事で「バッティングカウントでボール気味(厳しい内角球)を投げ切ること」は無理筋だった。
やはり遠藤の気持ちを察すれば「無意識にストライクゾーンで勝負してしまった」というところだろう。
そして、そのやや甘く入った内角高めの直球を、岡本は狙いすまして見事に一発で仕留めた。

☆6回表
マウンドは菅野。
菊池涼は二ゴロ。坂倉は空振り三振。鈴木誠は左飛。三者凡退。4対3。
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味方が逆転した後の菅野の投球は非常にクレバーだった。
中軸に対して変化球を多めに使って狙い球を絞らぜず、不用意な一発だけは避けるような投球だった。

★6回裏
マウンドには2番手の中田。
ウィーラーは右飛。中島は左中間二塁打。一死二塁。中島の代走に立岡。大城、菅野は空振り三振。4対3
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替わった中田に対して一死から中島の二塁打でチャンスを作るが、後続にあと一本が生まれず無得点。

☆7回表
マウンドは菅野。
松山は遊直。長野は空振り三振。堂林は中飛。三者凡退。4対3。
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菅野は前の打席で一発を打たれた長野に対して「鬼の形相」で抑えにかかっていた。
ほぼ全球ベストピッチで三振を奪う。

★7回裏
マウンドには3番手のケムナ。
吉川尚は左飛。松原は中飛。坂本は見逃し三振。4対3
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この回の巨人打線が替わったケムナの球威に押されて三者凡退。

☆8回表
マウンドは菅野。
大盛は空振り三振。ケムナの代打・ピレラは中飛。田中広は左前打。二死一塁。菊池涼は見逃し三振。4対3。
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球数的にこの回でマウンドを降りる可能性が高い菅野は、最後のギアチェンジをしていた。
二死後に田中にヒットを許したが、最後の菊池には150キロを超える直球を連発して三振を奪う。

★8回裏
マウンドには4番手の塹江。
岡本は四球。無死一塁。丸の打席で岡本の代走・増田大が二盗失敗。丸は二ゴロ。ウィーラーは遊ゴロ。4対3。
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何とかダメ押し点を奪いたい巨人は、先頭の岡本が四球で歩いた後に増田大を代走に出すが、牽制死(記録は二盗失敗)でチャンスを潰してしまう。

☆9回表
マウンドには2番手のデラロサ。
坂倉は中前打。無死一塁。坂倉の代走に曽根。鈴木誠は二飛。松山は左前適時打。4対4。一死二塁。松山の代走に上本。長野は二直。堂林は中飛。4対4。
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嫌な流れのまま登場した抑えのデラロサは、先頭の坂倉にヒットを許し、すかさず代走を送られて揺さぶられてしまう。
鈴木に対しては甘いボールが多かったが、ここは打ち損じに助けられる。
しかし、松山の打席でエンドランを仕掛けられてそれがものの見事にハマってしまう。
これで菅野の勝ち投手の権利は消滅してしまうが、チームにとってラッキーだったのは、間違いなく動揺していたデラロサは後続にも甘いボールを連発していたが、それを長野と堂林が悉く打ち損じてくれたので、逆転までには至らなかった。

★9回裏
マウンドには5番手のフランスア。
立岡の代打・石川は右前打。無死一塁。石川の代走に若林。大城は捕邪飛。デラロサの代打・パーラは空振り三振。吉川尚の打席でフランスアがけん制悪送球。二死三塁。吉川尚は右前適時打。巨人サヨナラ。試合終了。5対4。
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フランソアはボールが走っているようには見えたが、先頭の代打石川がヒットで出塁する。
ここで代走として若林が起用され、今度は巨人側がフランソアを足で揺さぶりをかけた。
だが、ここで大城が送りバントを失敗、続くパーラも三振してしまい、チームに嫌な空気が流れる。
しかし、無得点で終わりそうな空気感をガラっと変えたのはカープ側のミスだった。
再三、若林の二盗を警戒して牽制していたフランソアが一塁に悪送球してしまい、二死三塁というピンチを自ら招いてしまう。
それでもフランソアのボール自体は良かったので、ぶっちゃけここからサヨナラタイムリーに繋げるとは思わなった(というよりも松原との勝負を選択されると思っていた)が、広島は吉川尚との勝負を選択し、彼は直球に押し込まれることなく見事に捉えてサヨナラ打を放った。
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【ゲームスコア】
広島 000 300 001 4
巨人 002 020 001X 5
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勝利投手 巨人 デラロサ (2勝0敗13S)
敗戦投手 広島 フランスア (2勝3敗9S)
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本塁打
広島 長野 5号(4回表3ラン)
巨人 岡本 22号(5回裏2ラン)
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【巨人選手評価】◎最高評価選手 ○高評価選手
◎吉川尚輝
プレッシャーのかかる状況で相手は実績十分のフランソアだったが、彼は臆することなく積極的に仕掛けてそれがサヨナラタイムリーに繋がった。
この一打席の内容だけ見ても、ライバルの田中俊・山本泰・若林あたりとはモノが違う。
150キロ超の直球に対しても瞬時にタイミングを合わせるところに彼の非凡な能力を感じる。

〇岡本和真
「インサイドを狙って、インサイドを打ったというのは、今年苦しんでいるところをはねのけた感じがする」
この監督の談話に全てが集約されていると思う。
ここから量産体制に入る可能性は十分にある。

〇菅野智之
ここ数試合の中では調子が良い方だったと思う。
ストレート系は走っていたし、スライダー・フォークも要所で決まっていた。
長野への配球だけ悔いが残るが、内容的には十分に評価できるものだった。

〇松原聖弥
先制点のタイムリーは素晴らしかった。
確かにやや甘めの中途半端な変化球だったが、コースも高さもそんなに優しいボールではなかったし、フルカウントという状況を自分の力で作って、最後の甘めのボールを一発で仕留めた内容は、ブレイク当初よりも地に足の着いた野球が出来ている証拠だと思う。
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【気になった巨人選手】
*デラロサ
この試合は全体的にボールが上ずっていた。
松山に投じたツーシームもベルト付近だったので強く叩かれてしまった。
まあ。。彼を批判するGファンも多いと思うが、内容はどうであれ相手に勝ち越しを許さなかった事を率直に評価してあげたい。
今は内容よりも結果で選手を評価すべき時期に入っているので、勿論、同点にされて菅野の勝ち星を消滅させた事に対するファンの憤りは分からないでもないが、チームは結果的に勝っているので必要以上のバッシングは避けたい。
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【総括】
※「原辰徳のシーズン序盤で行った撒き餌がサヨナラ勝ちに繋がった」
これは今シーズンに限った事ではないが、原辰徳という指揮官は、シーズン序盤では積極的に自軍の駒を動かして様々な作戦を躊躇なく実行に移す。
時には無謀にも見える采配や、一部アンチには「ルンバ」などと揶揄されることもあるが、原はそんな周囲の雑音には一切惑わされずに策を練っていく。
かくいう私も、第二次政権序盤まで(2009年頃)は原采配に疑問を感じる事が決して少なくなかったが、2012からの三連覇あたりから監督の作戦が理解できるようになった。
これは監督がメディアに積極的に発信してくれた事で分かったことだが、シーズン序盤は様々な作戦、時には無謀ともとれる作戦を実行して、それに対して選手からどういうリアクションがあるのか?
又、そのような難しい任務を遂行できる選手は誰なのか?
これらを序盤から中盤にかけて選別していたという驚きの内容だった。
 一方で、他球団の立場で考えれば、巨人は色んな事を仕掛けてくるチームということを、シーズン序盤から徐々に刻み込まれる訳で、これがこの試合のようにシーズンもこれから佳境を迎える時期では必要以上に意識させられてしまう。
この過剰な意識があるからこそ、フランソアの悪送球が生まれた訳で、スタメンキャッチャーとして常にマスクを被っていない磯村にはフランソアの動揺を制御できなかった。
原野球はホント奥深い。。。。

以上 敬称略
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