2020.9.25 読売ジャイアンツvs中日ドラゴンズ 19回戦 ゲームレポート詳細版
【イニング経過、雑感】※イニング経過は巨人公式HPより抜粋
☆1回表
先発はサンチェス。
大島は二直。京田は中前打。一死一塁。平田は左翼線二塁打。一死二、三塁。ビシエドは二ゴロ。0対1。二死三塁。高橋は空振り三振。0対1。
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立ち上がりのサンチェスは解説の山本昌が指摘いたように抑え気味で投げていた。
しかし、それでも全体的に制球がイマイチで、ストレート系、変化球ともに抜け気味のボールが多かった。
結局、この回は1失点だったが、ピンチを迎えた場面でのビシエド・高橋との力関係を考えると「1失点で助かった」という見方が正しいと思う。
尚、この回の攻撃中に平田が足を痛めて途中交代となった(アルモンテも体調不良でベンチ入りせず)
★1回裏
先発は柳。
吉川尚は中前打。無死一塁。松原は遊撃内野安打。無死一、二塁。坂本は右越え適時打。巨人同点。1対1。無死二、三塁。岡本は遊ゴロ。巨人勝ち越し。2対1。丸の打席で柳が暴投。一死三塁。丸は四球。一死一、三塁。中島は左前適時打。3対1。一死一、二塁。若林は二直。小林は見逃し三振。3対1。
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先取点を奪われた巨人だったが、好調のチーム状態を証明するかのように反撃が素早かった。
1.2番がしぶとく連続ヒットで出塁し、坂本がアッサリと同点タイムリーを放ち、岡本の遊ゴロで勝ち越し、僅か打者四人で逆転する。
その後も攻撃の手を緩めず、丸の四球とバッテリーエラーでチャンスを拡げた後に中島がタイムリーを放って追加点を奪う。
一方で中日先発の柳については、やはり自分のボールを信用していないというか、そもそも球威不足なので打者を攻めきれていない。
カウント的に追い込んでも打者からすれば余裕すら感じる場面もあり、際どいボールをキッチリと見極められていた。
☆2回表
マウンドはサンチェス。
阿部は四球。無死一塁。井領は二塁併殺打。郡司は二ゴロ。3対1。
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先頭の阿部に対してアッサリを四球を与えてしまうが、続く井領を併殺打に討ち取り事なきを得る(吉川尚~坂本の鉄壁二遊間でなければダブルプレーが成立しなかった可能性が高い)
ハッキリ言って、ここまでは結果オーライの内容なので評価は低い。
★2回裏
マウンドは柳。
サンチェスは見逃し三振。吉川尚は中飛。松原は中前打。二死一塁。坂本の打席で松原が二盗。二死二塁。坂本は四球。二死一、二塁。岡本は右中間に3点本塁打。6対1。丸は二塁内野安打。二死一塁。中島は中前打。二死一、二塁。若林は空振り三振。6対
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二死から松原がヒットで出塁し、すかさず二盗を決めてチャンスメイクする。
続く坂本に対して柳は明らかに勝負を避けて岡本との層部を選択する。
しかし、岡本は柳が投じた低めのストレートをものの見事に捉えて右中間スタンドに3ランを叩きこむ。
この一発で試合の主導権は完全に巨人側がガッチリ掴む形になった。
☆3回表
マウンドはサンチェス。
柳の代打・石垣は左越えソロ本塁打。6対2。大島は中飛。京田は中前打。一死一塁。遠藤は二ゴロ。二死二塁。ビシエドは遊ゴロ。6対2。
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サンチェスは相手の戦意を喪失させる意味でも、この回は全力で無失点で抑えなければならなかった。
しかし、先頭の石垣に対して、抜けたスライダーを捉えられて一発を浴びてしまう。
後続の打者にも捉えられる打球が多かったが、吉川尚の好守などにも助けられて何とか追加点は免れた。
★3回裏
マウンドには2番手の清水。
小林は空振り三振。サンチェスは中前打。一死一塁。吉川尚は一ゴロ。二死一塁。松原は空振り三振。6対2。
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☆4回表
マウンドはサンチェス。
高橋は中飛。阿部、井領は空振り三振。三者凡退。6対2。
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先頭の高橋が放ったセンターへの大飛球を丸がナイスキャッチでサンチェスを助ける。
そのサンチェンスは後続の阿部と井領を連続三振で討ち取り無失点でこの回を終える。
★4回裏
マウンドは清水。
坂本は見逃し三振。岡本は四球。一死一塁。丸は二塁失策。一死一、二塁。中島は右前打。一死満塁。若林は左犠飛。7対2。二死一、二塁。小林は二飛。7対2
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替わった清水に対して巨人打線は、一死後に相手のミス絡みで満塁のチャンスを作り、ここで若林がレフトに犠牲フライを狙い打って貴重な追加点を上げる。
この打席の若林のバッティング内容は素晴らしかった。
☆5回表
マウンドはサンチェス。
郡司は左中間二塁打。無死二塁。清水は一犠打。一死三塁。大島は二ゴロ。7対3。京田は三飛。7対3。
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サンチェスは前の回で良化の傾向を見せていたが、再び先頭の郡司に甘い変化球を叩かれて長打を浴び、流れに乗り切れない投球が続いてしまっていた(この回は1失点)
★5回裏
マウンドは清水。
サンチェスは遊ゴロ。吉川尚は中飛。松原は一ゴロ。7対3。
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清水に対してこの回は三者凡退。
☆6回表
マウンドはサンチェス。
遠藤は左前打。無死一塁。ビシエドは中飛。高橋は左前打。一死一、二塁。阿部は三ゴロ。二死一、三塁。井領は右前適時打。7対4。二死一、二塁。
マウンドには2番手の鍵谷。
郡司は遊飛。7対4。
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サンチェスは結局最後まで変化球の精度が上がらなかった。
特にスライダー系が思うように決まらなかったので、カウント球で苦労してしまい、ストレート系を狙われるケースも多くなっていた。
それでも力勝負と味方の再三の好守で何とか凌いでいたが、この回はいよいよ手詰まりになってしまい、再び3点差に詰め寄られたところで交代を告げられる。
替わった鍵谷はキッチリと後続を断ち切る。
★6回裏
マウンドは清水。
坂本は三ゴロ。岡本は四球。一死一塁。丸は捕邪飛。中島は投ゴロ。7対4。
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一死から岡本が歩くが、清水の投球に押されて無得点に終わる。
☆7回表
マウンドは鍵谷。
清水の代打・木下拓は右前打。無死一塁。
マウンドには3番手の高梨。
大島は四球。無死一、二塁。京田は見逃し三振。遠藤は左飛。ビシエドは一ゴロ。7対4。
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鍵谷は先頭打者にヒットを許したところで交代、替わった高梨もいきなり四球を与えて無死一二塁のピンチを迎えてしまう。
しかし、ここで京田のバント失敗(最後は三振)によって高梨は息を吹き返し、後続をキッチリ討ち取って無失点で切る抜ける。
★7回裏
マウンドには3番手の木下雄。
若林は左飛。小林の代打・香月は三邪飛。高梨の代打・ウレーニャは空振り三振。7対4。
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注目の香月は積極的にフルスイングしていたが惜しくも三邪飛、ウレーニャは木下の直球についていけずに三振。
☆8回表
マウンドには4番手の中川。
高橋は一ゴロ。阿部は二塁内野安打。一死一塁。井領は右飛。木下雄の代打・堂上は右前打。二死一、二塁。木下拓は中飛。7対4。
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替わった中川はイマイチ調子が良くなかったが、要所を締めて無失点で終える。
★8回裏
マウンドには4番手のゴンサレス。
吉川尚は左翼線二塁打。無死二塁。松原は空振り三振。坂本は左越え適時二塁打。8対4。一死二塁。坂本の代走に増田大。岡本は四球。一死一、二塁。岡本の代走に田中俊。丸、中島は空振り三振。8対4。
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もう1点欲しかった巨人は、先頭の吉川尚が「ラッキーなヒット&好走塁」で二塁打を放つ。
このダメ押しの絶好の場面で松原が送りバントを決められずに結局三振に終わる。
しかし、このミスを坂本がキッチリとカバーして中日側にとどめを刺すタイムリーを放つ。
☆9回表
マウンドには5番手のデラロサ。
大島は左前打。無死一塁。京田は空振り三振。遠藤は二ゴロ。二死一塁。ビシエドは空振り三振。試合終了。8対4。
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守護神のデラロサは先頭の大島にいきなりヒットを許すが、後続を危なげなく討ち取ってゲームセット。
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【ゲームスコア】
中日 101 011 000 4
巨人 330 100 01X 8
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勝利投手 巨人 サンチェス (5勝3敗0S)
敗戦投手 中日 柳 (3勝6敗0S)
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本塁打
中日 石垣 1号(3回表ソロ)
巨人 岡本 23号(2回裏3ラン)
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【巨人選手評価】◎最高評価選手 ○高評価選手
◎岡本和真
低めギリギリのボールをライトスタンドに放り込むパワーとテクニックには敬服するほかない
このバッティングを見せられると、相手投手もかなりショックを受けると思う(自分のボールの球威を疑ってしまう)
案の定、この打席の後、中日バッテリーは逃げ腰になって三連続四球を与えてしまっていた。
数試合前のコラムで言及したように、現状の彼のバッティングの状態はかなり上がってきており、いつ量産体制に入ってもおかしくないと思う。
この試合も、ボールの見逃し方が更に良くなっているので、その思いは更に強くなった。
〇坂本勇人
スイングを見るとまだまだ体が前に出されるケースが結構あるので、決して絶好調とは思えないが、インパクトの瞬間の力強さは開幕当初と比べると雲泥の差。
もしかしたら今年は「ホンモノの彼のバッティング」は見れずにこのまま終わるかもしれないが、そんな中でも勝負処での集中力は全く錆びついていない。
〇中島宏之
猛打賞の固め打ちで打率を三割に乗せてきた。
また、初回のタイムリーは流れ的には貴重な追加点となるタイムリーだった。
〇吉川尚輝、松原聖弥
ゲーム序盤の両者のチャンスメイクは、この試合の勝敗を語る上で非常に大きかった。
特に松原は初回・二回と連続で得点に絡んでいたので貢献度は高かった。
又、吉川尚は守備での貢献が特筆モノで、坂本との二遊間コンビのプレーは我々ファンを魅了していた。
一方で、その松原については八回裏のバント失敗はいただけなかった。
バント失敗そのものは、ある意味仕方がないが、初球のストライクボール(見送るほどの微妙なコースでもなかった)をバントしにいかなかったことは反省しないといけない。
まあ、初球見送りのサインが出ていた可能性はゼロではないが、バントしなかった時の監督の鬼の形相を見ていたら恐らくそのサインは出ていなかったと推察される。
仮に初球からバントの指示が出ていたなら、あそこは絶対に初球から実行に移さなければ拙い場面だった。
試合の流れからすれば「あと1点の加点で勝利は揺るがない」という状況だっただけに、ベンチの意図をもう少し打席に立つ前に理解しないと拙かった(この場面は「あわよくば出塁」という心理で打席に立つ場面ではなかった)
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【技術的に気になった巨人選手】
※小林誠司
久しぶりのスタメン出場となった。
個人的には捕手としての能力(スローイング、キャッチング、リードなどの総合力)は大城、炭谷よりも高く評価しているので、チームにとっては貴重な存在であることに変わりはないが、やはり彼の場合はバッティングでもう少し結果を出さないと、今やチームにとって欠かせない存在になりつつある大城を押しのけてスタメンを張ることは難しい。
久しぶりに彼のバッティングをジックリ見た感想としては、やはり、致命的にタイミングの取り方が下手なので、どうしても始動が遅れてしまっている。
本人もそれを自覚しているようで、何とか構えの段階から無駄な動きを省き、極力早く始動させる事に注意しているが、そうなると今度のその弊害でトップの位置が浅くなってバッティングに全く“間”が生まれないので、手打ちのスイングになってしまっている。
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【総括】
※「走攻守でハイレベルな巨人のスタメン」
現状の巨人のオーダーは走攻守全てで隙が無い。
走塁力に関しては1.2番(吉川尚、松原)の脚力はリーグトップクラスだし、クリーンナップの脚力も“鈍足”ではないので、自身が二塁走者の時にワンヒットで本塁に生還するケースも少なくない。
まあ、中島と大城の走力は厳しいが、そんな打率三割を超えている両者を下位に置けることが巨人打線の強みになっている。
また、攻撃力に関してはオーダーを見渡しても「穴」と呼べるところが殆どなく、どこからでも得点出来そうなラインナップで、しかも一発の怖さも兼ね備えているので相手バッテリーは息つく暇もない。
そして何よりも彼ら全員が高い守備力を兼ね備えていることが本当にすごい。
キャッチャーの大城の捕手力は間違いなく上がっている(特にキャッチング能力は確実に上がっている)し、ファースト中島、セカンド吉川尚、サード岡本、ショート坂本の内野陣は、失策の少なさだけではなくセイバーの指標も常にトップクラスを維持し、外野もライトに松原というニューフェイスの登場で更に強固になった。
これによって亀井の欠場が明確な穴になっていないし、陽に至っては出番すらなくなっている。
開幕前から吉川尚の活躍は想定出来たが、ぶっちゃけ松原がここまで急成長するとは思わなかった。
勿論、チーム状況が良いのでそれに乗っかっている面は否定しないが、個人的に高く評価しているのは、一時全く打てなくなった状況から盛り返してきた事。
彼の場合は守備が良いので、少々打てなくても我慢して使われることも他の中堅若手よりも多いのかもしれないが、それにしてもよく盛り返している。
このまま殻をぶち破って吉川尚と1.2番コンビを組めるようになると、以前のコラムにも書いたように巨人の野球は大きく変わり、我々ファンをワクワクさせるスリリングな野球が展開されると思う。
以上 敬称略
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