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「好調吉川尚輝に代打ウィーラーを送った原辰徳の深謀遠慮」

「好調吉川尚輝に代打ウィーラーを送った原辰徳の深謀遠慮」

2020.9.29 広島東洋カープvs読売ジャイアンツ 16回戦 ゲームレポート詳細版

【イニング経過、雑感】※イニング経過は巨人公式HPより抜粋
☆1回表
先発は遠藤。
吉川尚は左中間二塁打。無死二塁。松原は遊飛。坂本は二飛。岡本は中飛。0対0。
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遠藤の立ち上がりはボール先行になるケースが多かったが、そこからの甘いカウント球を吉川尚を除いた巨人上位打線が悉く打ち損じていた。

★1回裏
先発は菅野。
大盛は右中間三塁打。無死三塁。田中広は左犠飛。0対1。鈴木誠、松山は中飛。0対1。
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菅野の立ち上がりはスライダーが抜けて甘いコースに集まってしまっていた。
そこをカープ打線に突かれて失点を許してしまったが、内容的には複数点を許してもおかしくなかった。
尚、大盛の三塁打に関しては松原の打球判断がやや拙かった。
最初から落下地点をもう少しフェンス寄りと判断していれば、アウトには出来なかったかもしれないが、二塁打で止められていた可能性が高い。

☆2回表
マウンドは遠藤。
丸は左飛。中島は一邪飛。大城は空振り三振。0対1。
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初回とは一転して、遠藤はストライク先行の投球で打者を三者凡退に封じる。

★2回裏
マウンドは菅野。
長野は右飛。會澤は二直。堂林は右前打。二死一塁。菊池涼は遊ゴロ。0対1。
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この回、菅野はまだややボールが高めに集まていたが、コースに間違いが無くなっていたので大怪我には繋がらなかった。

☆3回表
マウンドは遠藤。
若林は四球。無死一塁。菅野は投犠打。一死二塁。吉川尚は死球。一死一、二塁。松原は右前適時打。巨人同点。1対1。一死一、三塁。坂本は遊ゴロ。巨人勝ち越し。2対1。二死二塁。岡本は右飛。2対1。
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先頭の若林がキッチリとボールを見極め、最高の形(四球)で出塁する(逆に遠藤にとっては先頭の8番打者を四球で歩かせるのは最悪のミスと言っても良い)
この四球で明らかに原監督のスイッチが入ったというか、彼の勝負勘が「ここだ」と察知したんだと思う。
まず、菅野の打席は結果的にはバントエンドランの形になったが、ボール球だったら恐らく単独スチールを決めていたと思う(若林の動きを見るとそのつもりでスタートを切っていた)
続く吉川尚の打席では遠藤がまたも痛恨のミスを犯してしまう。
カウント0-2と追い込んだ状況から死球を与えてしまい、ノーヒットで一二塁のチャンスを巨人に与えてしまった。
これで明らかに動揺した遠藤は松原に対してカウント2-0の状況を作ってしまう。
そして原監督はここでエンドランを仕掛け、そのミッションを松原も見事に遂行して同点に追いつく。
続く坂本の打席でも原監督はエンドランを仕掛け、坂本も思惑通りに内野ゴロを打って逆転に成功する。
終わって見ればこの回だけで巨人ベンチは三度の仕掛けを行ったが、それが見事に全て的中した事になる。

★3回裏
マウンドは菅野。
遠藤、大盛は空振り三振。田中広は見逃し三振。三者凡退。2対1。
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逆転した直後だったので、この回は非常に大事だったが、菅野は難なくカープ打線を三人で片づけた。

☆4回表
マウンドは遠藤。
丸は四球。無死一塁。中島は空振り三振。大城は中飛。若林は左中間適時三塁打。3対1。二死三塁。菅野は見逃し三振。3対1。
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二死一塁からの若林のタイムリー三塁打は、巨人側にとってはある意味想定外、逆に広島側にとっては非常に痛い失点となった。

★4回裏
マウンドは菅野。
鈴木誠は見逃し三振。松山は中前打。一死一塁。長野は空振り三振。會澤は四球。二死一、二塁。堂林は空振り三振。3対1。
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菅野は二死一二塁のピンチを作るが、全体的には危なげない投球で無失点で切り抜ける。

☆5回表
マウンドは遠藤。
吉川尚は一ゴロ。松原は空振り三振。坂本は左前打。二死一塁。岡本は四球。二死一、二塁。丸は一ゴロ。3対1。
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二死からチャンスを作るがあと一本が出ずに無得点。

★5回裏
マウンドは菅野。
菊池涼は三塁失策。無死一塁。遠藤の代打・坂倉は中越え二塁打。無死二、三塁。大盛、田中広は空振り三振。鈴木誠は右飛。3対1。
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先頭の菊池にエラーでの出塁を許した事で、試合の流れに大きな変化が生まれようとしていた。
続く代打の坂倉には甘くなったフォークを捉えられてエンタイトルの二塁打(巨人にとってはラッキーだった)を打たれて無死二三塁の大ピンチを迎えてしまう。
しかし、ここからがエースの真骨頂だった。
大盛をフォークで、田中を渾身のストレートで三振を奪い、鈴木に対してもカウント2-0だったがアウトコース高めのストレートで押し込み、ライトフライに退けてピンチを切り抜ける。
この後、マウンドから降りる際に申し訳なさそうにこうべを垂れる「若大将・岡本」に対して、茶目っ気たっぷりに睨みつけた後にやさしく頭を撫でる姿には、エースとしての、いや、坂本と並ぶチームリーダーとしての風格を感じる一場面だった。

☆6回表
マウンドには2番手の中田。
中島は中越え二塁打。無死二塁。中島の代走に立岡。大城は空振り三振。若林は右前適時打。4対1。一死一塁。菅野は投犠打。二死二塁。
マウンドには3番手の中村恭。
吉川尚の代打・ウィーラーは左翼線適時二塁打。5対1。二死二塁。松原は空振り三振。5対1。
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巨人側としては菅野の球数が多くなっているので、このあと躊躇なく継投策を打っていくためには更なる追加点は必須だった。
しかし、やはりというか、ここもピンチの後にチャンスありが見事に再現し、若林とウィーラーにタイムリーが生まれて試合の主導権を確実に握った。

★6回裏
マウンドは菅野。
松山は見逃し三振。長野は右飛。會澤は二直。三者凡退。5対1。
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菅野は余裕たっぷりの投球で三者凡退で終える。

☆7回表
マウンドには4番手の菊池保。
坂本は右飛。岡本は中飛。丸は左飛。5対1。
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クリーンナップから始まったこの回は三者凡退で終える。

★7回裏
マウンドには2番手の鍵谷。
堂林は死球。無死一塁。菊池涼は四球。無死一、二塁。
マウンドには3番手の高梨。
菊池保の代打・野間は遊飛。大盛の代打・ピレラは遊失策。一死満塁。田中広の代打・メヒアは一塁併殺打。5対1。
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菅野の後を任された鍵谷だったが、先頭の堂林に対しては、微妙な判定にも泣かされ最後は死球で出塁を許し、菊池にも四球を与えてピンチを招いた状態でマウンドを降りる、
替わった高梨は野間を討ち取るが、続くピレラのダブルプレーかと思われたショートゴロを内野の連係ミスによって、一瞬にして一死満塁の大ピンチを迎えてしまう。
しかし、最後はウィーラーの超大ファインプレーに助けられ、この回も結局無失点で切り抜ける。

☆8回表
マウンドには5番手の島内。
立岡は空振り三振。大城は二ゴロ。若林は四球。二死一塁。高梨の代打・香月は見逃し三振。5対1。
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二死から若林が歩くが香月は三振に倒れる。

★8回裏
マウンドには4番手の中川。
鈴木誠は遊直。松山は中前打。一死一塁。長野は中前打。一死一、二塁。會澤は三塁併殺打。5対1。
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替わった中川の状態は決して良くなかったが、それでもキッチリと無失点で仕事を終える。

☆9回表
マウンドには6番手の一岡。
ウィーラーは左飛。松原は右翼二塁打。一死二塁。坂本は右前打。一死一、三塁。坂本の代走に増田大。岡本は左前適時打。6対1。一死一、三塁。岡本の代走に田中俊。丸は左飛。三塁走者は本塁タッチアウト。6対1。
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松原と坂本で作った一死一三塁のチャンスの場面で、4番の岡本がキッチリをタイムリーを放ってダメを押した。

★9回裏
マウンドには5番手のビエイラ。
堂林、菊池涼、野間は空振り三振。三者凡退。試合終了。6対1。
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替わったビエイラはほぼ完璧な投球内容で三者三振締めでゲームセット。
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【ゲームスコア】
巨人 002 102 001 6
広島 100 000 000 1
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勝利投手 巨人 菅野 (12勝0敗0S)
敗戦投手 広島 遠藤 (2勝4敗0S)
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【巨人選手評価】◎最高評価選手 〇高評価選手
◎菅野智之
調子は可もなく不可もなくといった印象。
立ち上がりは本人も語っていたように手探り状態で、スライダーを微調整する前に捉えられてしまったが、直ぐに味方が逆転してくれたことで気持ちを切らすことなく直ぐに修正することが出来た。
今年はフォークの精度が格段に上がっているので、仮にスライダーがダメでも何とかごまかしが効くことも大きいと思う。

〇若林晃弘
2打数2安打2四球で全ての打席で出塁する大活躍で、打のヒーローの筆頭は間違いなく彼だった。
ここ数試合、彼が8番としてチャンスメイクだけではなくポイントゲッターとしても機能しているので、打線の厚みがグッと増している。
一方でセカンドの守備に関しては指摘せねばならないプレーがあった。
七回裏のピレラのショートゴロの坂本の二塁送球を彼はポロっと落としてしまった場面だった。
確かに坂本の送球は逸れていたかもしれないが、あの場面はゲッツーは勿論欲しいが最悪でも1アウトを確実に取る必要があったので、捕球範囲なら確実にアウトにしないと拙い。
あの辺りのハンドリングというか球際に感じては相変わらず脆さを感じざるをえない。

〇ウィーラー
代打として登場し、久しぶりのヒットがタイムリーという最高の形で貢献した。
又、守備では七回裏の一死満塁の場面で見せた超スーパープレーは久しぶりに絶叫した。
あのプレーは確かに横っ飛びで捕球したことも凄いが、何よりもその後の処理が冷静で的確にだったことがホント素晴らしい。
まず普通なら慌ててしまう場面だが、三塁走者の堂林のスタートが遅れていた事をしっかり目視していたので、先に躊躇せずに一塁ベースを踏んで1アウトを確実に取り、そして慌てることなくタッチプレーとなる本塁に送球してアウトにした。
彼の野球脳の高さ、野球センス、メンタルの強さが凝縮されたビッグプレーだった。
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【技術的に気になった巨人選手】
※ビエイラ
Twitterでも語ったが、開幕当初よりもフォーム全体に無駄な力みが無く、特にテイクバックに力感を感じなくなっているので、以前よりも打者目線では打ちづらい投手に変貌している。
懸念されていた制球力も進歩しているし、何よりもこの試合では変化球でカウントを稼ぐ姿もあったので、今後に向けてその期待値は確実に上昇したと思う。
そして、この投球内容をあと数試合続ける事が出来れば、来季以降の守護神交代、デラロサの先発転向なんていうことも十分にありえる。
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【総括】
※「8番打者が機能している今年のジャイアンツ」
今季は中島の復調と大城の成長で、この試合のように8番に足の速い選手を置くケースが今年の巨人には多くなっている。
そして、この8番打者がチャンスメイクして上位打線で返していく形が新たな攻撃パターンになりつつある。
又、少し前までは坂本が1番を打って、吉川尚が8番に入るケースが多かったが、ここに来ての彼の急成長で新たに吉川尚・松原の1.2番コンビが定着しつつある。
そして、それによって、そこそこ走力があって出塁率が高く、しかもポイントゲッター役としては最も優秀な坂本を3番に置けるようになり、明らかに巨人打線の攻撃パターンが多彩になった。
しかも、1番から8番までの打撃成績(打率、出塁率、得点圏打率、OPSなど)を見ても明確な切れ目が無いので、一度打線に火が付くとあっという間に繋がってビッグイニングを作る。
相手バッテリーからすれば相当プレッシャーを感じる打線だと思う。

※「機動力を使って難敵・遠藤を攻略したジャイアンツ」
この回の最大のハイライトとなった巨人の三回表の攻撃は、今シーズンの戦いぶりを象徴していた。
試合前の段階で、ある程度の担当スコアラーとコーチからの遠藤攻略法(足で揺さぶる攻撃)を野手全員で共有していたと思うが、あとは指揮官である原辰徳が「どのタイミングでそのスイッチを押すのか?」だけだった。
初回は吉川尚のいきなりの二塁打で「様子見」しているように感じたが、そこで先取点を奪えなかったので、次のチャンスでは躊躇せずに仕掛けまくってそれがものの見事に成功した。
しかし。。つくづく感じるのは、よくぞこの二年間(原監督再登板後の二年間)でここまで選手を意のままに動かせるように変貌(教育)させたと思う。
特に今年は主力クラスだけではなく準主力クラスも監督の思い浮かべた絵図通りに任務を遂行しているように感じる。
まあ、今年から加入した石井コーチ、ヘッドに昇格した元木、二軍で教育している阿部二軍監督などコーチの功績と、忘れてはならないのは担当スコアラーの功績も大きいとは思うが、それにしてもそんな集団に短期間で変貌せた原辰徳の組織作りには舌を巻くしかない。
この試合のG攻撃は、数年前までカープが巨人に対して行っていた攻撃そのももだったので余計にそれを感じた。

※「好調吉川尚輝に代打ウィーラーを送った原辰徳の深謀遠慮」
6回表のチャンスの場面で、原監督は好調吉川尚を打席には送らずに、あえて不振にあえぐウィーラーを代打で起用した。
代打を送られた事で吉川尚の体調面を心配する声や、単純に左右を意識した起用という声もあるとは思うが、勿論それもゼロではないかもしれないが、指揮官にはその考えは殆ど頭に入っていなかったと思う。
まあ、この起用に関しては巨人ファンの間でも賛否分かれるとは思うしが、ここからは完全に筆者の憶測で語るが、恐らく監督はウィーラーが調子を取り戻すキッカケを与えたかったんだと思う。
彼は完全にバッティングを崩してしまい、ずっと結果を残せずに普通ならベンチでしょげてしまってもおかしくないが、誰よりもチームの勝利を喜び、それを先頭に立って体全体で表現してベンチを鼓舞してくれている(最近はその姿が痛々しくも感じてしまっていた)
そんな彼の存在とチームの好調は決して切り離せないと思う(ムードメーカーとしての貢献度は非常に高い)
そういう選手に対して指揮官が一定の配慮を行うことを誰も責めないだろうし、組織の結束をより強固にする為には、ある意味当然の施策ともいえる。
恐らく、吉川尚も納得の交代だった筈である。
しかし、ウィーラーの代打起用はそんな配慮だけではなく、日本シリーズに向けた戦力の更なる底上げを狙ってのことだと見ている。
現状、DH起用を誰にするのかを考えると、中島またはウィーラーが最適(その場合、どちらかがファースト)と言えるし、元々勝負強く意外性も感じる後者の復調は、短期決戦を勝ち抜くには重要なピースだと指揮官は考えていると思う。
そういう思惑があるからこそのウィーラーの代打起用だと思うし、その狙いは大成功(タイムリーだけではなく、守備でもビッグプレーで復調のキッカケを掴む)だった。

以上 敬称略
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