広告

「外角人依存から抜け出せない阪神打線」と「そもそも外国人を頼っていない巨人打線」

広告

2020.10.4 阪神タイガースvs読売ジャイアンツ 19回戦 ゲームレポート詳細版

【イニング経過、雑感】※イニング経過は巨人公式HPより抜粋
☆1回表
先発は秋山。
吉川尚は二ゴロ。松原は空振り三振。坂本は三直。0対0。
——————————-
制球力には定評がある秋山に対して、巨人打線は積極的に甘いボールを叩きに行ったが、ここでは捉えきれずに三者凡退で攻撃を終える。

★1回裏
先発は戸郷。
近本は三ゴロ。北條は中前打。一死一塁。糸井は右翼線二塁打。一死二、三塁。サンズは捕邪飛。大山は四球。二死満塁。ボーアは一ゴロ。0対0。
——————————-
戸郷はストレート系の球威はマズマズだったが、スライダー系は相変わらず逆球が多く、フォーク系は抜けが悪く打者に今く対応されていた。
しかし、阪神の助っ人外国人(サンズとボーア)の不甲斐ないバッティングに助けられて、立ち上がりを何とか無失点で切り抜ける。

☆2回表
マウンドは秋山。
岡本は右飛。丸は中越えソロ本塁打。巨人先制。1対0。ウィーラー、中島は空振り三振。1対0。
——————————-
先頭の岡本はあと一歩の大飛球に終わるが、丸はキッチリとスタンドに放り込む。
甲子園は右中間・左中間はプロ本拠地では最も広いが、バックスクリーンに関しては最も狭くてフェンスも低い、しかも構造上で風の影響も受けにくく、一発を打つならここを狙い打つと結構簡単に入る。

★2回裏
マウンドは戸郷。
原口は三邪飛。小幡は投ゴロ。秋山は中前打。二死一塁。近本は中飛。1対0。
——————————-
戸郷は原口と小幡を簡単に討ち取って乗ってくると思われたが、投手の秋山に粘られたあげくにヒットを打たれてリズムに乗り切れなかった。

☆3回表
マウンドは秋山。
炭谷は左飛。戸郷は空振り三振。吉川尚は中前打。二死一塁。松原の打席で吉川尚が二盗。二死二塁。松原は中前適時打。2対0。二死二塁。坂本は空振り三振。2対0。
——————————-
二死から吉川尚のヒットと二盗、松原のタイムリーで追加点を奪う。
この1.2番の見事なセンター返しのバッティングは、内容的にも素晴らしかった。
巨人サイドからすれば、二死からの得点なのでチームとして勢いがつくし、阪神サイドからすれば防げる得点だっただけに痛い追加点となった(原口の弱肩を突かれていた)

★3回裏
マウンドは戸郷。
北條は左中間二塁打。無死二塁。糸井は四球。無死一、二塁。サンズは四球。無死満塁。大山は押し出し四球。2対1。無死満塁。
マウンドには2番手の大江。
ボーアは空振り三振。原口は一邪飛。小幡は空振り三振。2対1。
——————————-
戸郷は先頭の北條に低めのスライダーを拾われて動揺してしまう。
続く糸井、サンズに対して変化球でカウントを稼げずに連続四球を与え、大山には強気にストレートで押すが、それを見切られ押し出し四球を与えてしまう。
戸郷がストレート系を捉えられたシーンは初回の北條だけだったが、結局、変化球が全く決まらなかったので、その自慢のストレートを効果的に使うことが出来ずにマウンドを降りた。
そして替わった大江は、ベストピッチでボーアから三振を奪い、後続も危なげなく討ち取って最大のピンチを最高の形で切り抜けた。

☆4回表
マウンドは秋山。
岡本は二ゴロ。丸は三飛。ウィーラーは二飛。2対1。
——————————-
巨人のこの回の攻撃を三人で終える。

★4回裏
マウンドは大江。
秋山は四球。無死一塁。近本は左飛。北條は三塁併殺打。2対1。
——————————-
イニング跨ぎとなった大江は、先頭の投手・秋山を四球で歩かせるという”失態”を犯してしまうが、ここで彼は気持ちのぐらつきを最小限に留めて後続をしっかりと討ち取った。
まあ、結果オーライ感は否めないが、大江のメンタルの強さを逆に感じさせられたイニングだった。

☆5回表
マウンドは秋山。
中島は左前打。無死一塁。炭谷は投犠打。一死二塁。大江の代打・田中俊は二ゴロ。二死三塁。吉川尚は空振り三振。2対1。
——————————-
先頭の中島がヒットで出塁し、炭谷が送りバントを決めてチャンスを作るが、後続にあと一本が出ずにこの回は無得点で終える。

★5回裏
マウンドには3番手の鍵谷。
糸井は左中間二塁打。無死二塁。サンズは空振り三振。大山は四球。一死一、二塁。ボーアは四球。一死満塁。原口は一邪飛。小幡は投ゴロ。2対1。
——————————-
大江からバトンを受けた鍵谷は、先頭の糸井にいきなり初球のストレートを捉えられて二塁打を許してしまう。
その後、不振のサンズを三振に討ち取るが、大山とボーアを攻めきれずに連続四球を与えてしまう。
流れ的には得点が入りそうな雰囲気をプンプン感じたが、原口が最悪のバッティング内容で凡退し、息を吹き返した鍵谷は小幡も難なく討ち取る。

☆6回表
マウンドには2番手の藤浪。
松原は左飛。坂本は中前打。一死一塁。岡本は右前打。一死一、三塁。丸は空振り三振。ウィーラーの打席で岡本が二盗。二死二、三塁。ウィーラーは空振り三振。2対1。
——————————-
秋山の続投も十分考えられたが、阪神ベンチはここで何と藤浪をマウンドに上げる。
その藤浪は坂本と岡本に連続ヒットを許すが、後続を何とか抑えて無失点で切り抜ける。

★6回裏
マウンドには4番手の高梨。
梅野は見逃し三振。近本は右飛。北條は二ゴロ。三者凡退。2対1。
——————————-
藤浪の登場、ピンチを切り抜けた事で、球場の雰囲気はガラリと一変したが、この回マウンドに立った高梨は落ち着いたピッチングで三者凡退で抑える。
個人的には、この高梨の投球がこの後の巨人追加点の流れを呼び込んだと思う。

☆7回表
マウンドは藤浪。
中島は右飛。炭谷は右前打。一死一塁。炭谷の代走に増田大。若林は左前打。一死一、三塁。吉川尚は右中間適時二塁打。3対1。一死二、三塁。松原は中前2点打。5対1。一死一塁。
マウンドには3番手の谷川。
坂本は三ゴロ。二死一塁。岡本は三ゴロ。5対1。
——————————-
イニング跨ぎの藤浪に対して、一死後、炭谷がヒットで出塁し、すかさず代走・増田大を送って阪神バッテリーを揺さぶりにかかる。
ここで若林がランエンドヒット(左前ヒット)を見事に決めてチャンスを拡げる。
この繋ぎのヒットが非常に大きかった。
このヒットで明らかに動揺した藤浪を、巨人の新1.2番コンビが見事に攻略して、勝利をグッと手繰り寄せる貴重な追加点を叩きだした。

★7回裏
マウンドは高梨。
糸井は一ゴロ。
マウンドには5番手のビエイラ。
サンズは死球。一死一塁。大山は見逃し三振。ボーアは空振り三振。5対1。
——————————-
剛腕ビエイラはサンズに死球をあたえてしまうが、後続打者を連続三振で討ち取って雄たけびをあげた。

☆8回表
マウンドには4番手の齋藤。
丸は一ゴロ。ビエイラの代打・ウレーニャは空振り三振。中島は見逃し三振。5対1。
——————————-
替わった斎藤に対して三者凡退で攻撃を終える。

★8回裏
マウンドには6番手の中川。
齋藤の代打・坂本は四球。無死一塁。小幡は一ゴロ。一死一塁。梅野は二塁併殺打。5対1。
——————————-
中川も先頭の坂本を四球で歩かす”失態”犯したが、ここでも必要以上にナーバスにならずに後続をキッチリと討ち取る。

☆9回表
マウンドには5番手の横山。
増田大は四球。無死一塁。若林は左越え2点本塁打。7対1。吉川尚は左飛。松原の代打・石川は左前打。一死一塁。小林、岡本は中飛。7対1。
——————————–
替わった横山に対して、先頭の増田大が四球で出塁した後に、若林が2ランを放ちダメ押し点を叩きだす。

★9回裏
マウンドには7番手の田中豊。
近本は右前打。無死一塁。北條は左前打。無死一、二塁。糸井は左飛。サンズの代打・高山は一邪飛。大山は見逃し三振。試合終了。7対1。
——————————-
前回登板で大乱調だった田中豊は、いきなり連打を許してしまうが、ここから踏ん張って無失点で切り抜けゲームセット。
終始、低めにボールを集めていた。
——————————-

【ゲームスコア】
巨人 011 000 302 7
阪神 001 000 000 1
——————————-
勝利投手 巨人 大江 (3勝0敗0S)
敗戦投手 阪神 秋山 (6勝3敗0S)
——————————-
本塁打
巨人 丸 18号(2回表ソロ) 、若林 2号(9回表2ラン)
——————————-

【総括】
※「外角人依存から抜け出せない阪神打線」と「そもそも外国人を頼っていない巨人打線」
阪神の両助っ人(サンズとボーア)のバッティングは明らかに崩れてしまっているし、成長著しい大山の助けにもなっておらず、むしろ逆に足を引っ張ってしまっている。
その両者に共通する「打てない最大の理由は」はバッティングに”間”を無くしてしまっている事。
両者ともに構えの段階でグリップの位置が顔のすぐ近くに置いてるが、今はテイクバックを獲る前に極端に言えばそのままボールを打ちに行ってしまっているので、バッティングに”間”がなく、上半身だけのスイングなのでバットのしなりを使えていない。
よってストレート系には差し込まれているし、変化球には泳がされてしまう。
まあ、いずれはこの極端な不振状態からは脱するとは思うが、筆者は両名共に開幕前から明確な弱点があることを指摘し続けているので、そこを修正しない限り(出来ないと思う)、一時的には絶好調状態を迎えても、再び弱点を突かれて今のような不調モードに陥る危険性を常に抱える事になると見ている。
そして終わって見れば数字的にも「???」という結果に終わり、それをとてもじゃないがチームもファンもマスコミも許容出来ないと思う。
まあ。。二人を6番、7番に置く打線を組めるなら話は別だが。。。
——————————
このように大不振状態でも出場し続けているサンズとボーアだが、仮に両名が巨人に居たら原辰徳は彼らを使い続けるだろうか?
答えは間違いなくNOだと思うし、原辰徳ならこういう発想をすると思う。。。「外国人助っ人に頼らないチーム作りを何としても成し遂げよう」と。。。
まあ、これは矢野監督だけの問題ではなく、10年単位のチームビジョン(チーム編成)の失敗、場当たり的な補強策しかとらなかったツケなので、今更感は否めないが、どこかでこの負の連鎖を止めないと、このまま来年以降も巨人の後塵を拝すことになるだろう。
まあ。。。私はそれで良いんだが。。。苦笑
——————————
一方で、巨人も開幕前の構想は「5番パーラ」だった。
サカマルオカの後を任せられる新たな助っ人補強だったが、原辰徳はこの構想を決して固定化せずに、あらかじめ失敗を想定して別のオプションを複数用意していた。
それが中島、亀井のベテラン勢の起用であり、打力のある大城の第一捕手抜擢であり、ウィーラーの補強であり、そして最終的には5番に丸を置くことだった。
まあ、どれも苦肉の策という側面も否めないが、とにもかくにも原はその柔軟な発想で「ダメなら次の手段を考える」ことを繰り返してきた。
そしてこのように試行錯誤するうちに吉川尚輝と松原聖弥が新たな1.2番コンビとして覚醒し、それによって坂本を3番、丸を5番に置いて当初の構想よりもバージョンアップすることに成功した(一時は不振を極めていた吉川尚・松原を我慢して使い続けていたからこその覚醒だった)
まあ、これからが場当たり的な対応(言い換えれば施策ミス)だったことは否定することは出来ないが、それでも決して”頭でっかち”にならずに、最善の策を常に模索することこそが、原辰徳の真骨頂だと思うし、そこが矢野監督との決定的な差の一つだと思う。
——————————
とはいえ、そんな矢野監督も気の毒ではある。
原辰徳と違って全権監督ではない彼が、年棒で3億円弱の助っ人を球団トップの了解なしではスタメンから簡単に外すことは出来ないだろうし、ましてや契約上で二軍に落とす事も出来ないのかもしれない。
下手をすれば、獲得に動いた担当者の責任問題に発展するので、そういう目に見えない力、もしくは球団内に生まれてしまう「昭和的な発想」が、昔から阪神には確かに存在していた。
某タブロイド紙ではないが、親会社の出向社員という立場で球団の運営にかかわるのであれば、やっぱり「波風を起こしたくない」と思うのは、ある意味サラリーマンとしてはごく普通の考えなのかもしれない。
まあ。。ここにメスが入れば阪神も劇的に変わる可能性はあるとは思うが。。。変わらない(変えない)だろうし、今のままなら少なくとも巨人が阪神にシーズン単位で負け越す事はこの先も無いだろう。

以上 敬称略
超激辛NPBコラムはTwitterでも活動しています。(超激辛NPBコラムTwitterはこちらをクリック)
Twitterではblogで書ききれなかった事や、ファームの試合雑感、G以外他チームの試合雑感、注目選手の評価、ブログ更新情報など、様々な発信をしております。
又、ブログについての感想やご意見もこちらで受け付けております。
このブログを読んで気に入った方は是非ともフォローしてください。
尚、フォローバックにつきましては、基本的にコメントのやり取りをした方に対してのみ行いますのでご了承ください。(超激辛NPBコラムTwitterはこちらをクリック)
にほんブログ村 野球ブログ 読売ジャイアンツへ
いつも応援有り難うございます!
あなたからの清き一票がブログを更新する原動力となりますので、是非、上記バナーをクリックして応援をお願い致します!