「二冠奪取へ!岡本和真に求められる”待ち‟の姿勢とは?」
2020.10.22 東京ヤクルトスワローズvs読売ジャイアンツ 19回戦 ゲームレポート詳細版
【イニング経過、雑感】※イニング経過は巨人公式HPより抜粋
☆1回表
先発は吉田喜。
吉川尚は右前打。無死一塁。松原の打席で吉川尚が二盗。無死二塁。松原は四球。無死一、二塁。坂本は左飛。岡本は捕邪飛。丸は四球。二死満塁。ウィーラーは押し出し四球。巨人先制。1対0。二死満塁。田中俊は左飛。1対0。
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S先発の吉田喜はボールの走り自体はそんなに悪い印象は受けなかったが、とにかく初回から巨人打線に対して攻めきれていなかった。
坂本、岡本も甘いボールではあったが、タイミング的に合っている感じはしなかったし、他の選手からもヒットがポンポン出る雰囲気はなかった。
だからこそ、初回の押し出しによる得点は巨人側にとっては大きかった。
まあ、本音を言えば、ここで更に加点して欲しかったし、そのチャンスは大いにあったと思う(田中俊がボール球に手を出して相手バッテリーを助けていた)が、ここで終わってしまうのが現状の巨人を物語っているともいえる。
★1回裏
先発はサンチェス。
坂口、青木は中飛。山田哲は投ゴロ。三者凡退。1対0。
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G先発のサンチェスはストレート系の走りはまずまず、変化球はやや制球に苦しんでいたが、全体的には上々の立ち上がりだった。
☆2回表
マウンドは吉田喜。
炭谷は左前打。無死一塁。サンチェスは送りバント失敗。一死一塁。吉川尚は二塁併殺打。1対0。
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先頭の炭谷が出塁するが、サンチェスが送りバントを決められず、続く吉川尚がダブルプレーに終わるというチグハグさが際立つ攻撃になってしまった。
★2回裏
マウンドはサンチェス。
村上は左飛。西浦は右前打。一死一塁。中村は右飛。エスコバーは二飛。1対0。
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自身のバントミスなど、直前の味方の拙攻で嫌な流れになりかけていたが、サンチェスは一死からヒットを許したものの、後続をしっかり討ち取って無失点で抑える。
☆3回表
マウンドは吉田喜。
松原は右越えソロ本塁打。2対0。坂本は左前打。無死一塁。岡本は中越え2点本塁打。4対0。
マウンドには2番手の今野。
丸、ウィーラーは中飛。田中俊は投ゴロ。4対0。
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吉田喜のボール先行癖はこの回も修正出来ていなかった。
一発を打たれた松原に対してはカウント2-0からストレートを強振され、坂本にもカウント2-0から甘いスライダーを捉えられる。
続く岡本に対しては逆に2球でカウント的に追い込むが、3球目の勝負球が甘くなって致命傷となる一発を浴びてしまった。
一方で岡本サイドの視点で見ると、決して満足出来るスイングではなかったが、追い込まれていた状況だったので、繋ぐ意識で大振りせずにコンパクトなスイングをしたことが彼にとっては最高の結果に繋がったと言える。
★3回裏
マウンドはサンチェス。
山崎は四球。無死一塁。今野の代打・松本友は投併殺打。坂口は遊飛。4対0。
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序盤で4点のリードを貰ったサンチェスは、先頭の山崎に四球を与えてしまうが、続く松本友を超ラッキー(ピッチャー返しの打球が出したグラブに偶然入る)なダブルプレーもあって、この回も無失点で終える。
☆4回表
マウンドには3番手の金久保。
炭谷は四球。無死一塁。サンチェスは一犠打。一死二塁。吉川尚は二ゴロ。二死三塁。松原は遊ゴロ。4対0。
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下位から始まったこの回の攻G攻撃は、プロ初登板の金久保に対して一死二塁のチャンスを作るが、後続にあと一本が出ずに無得点。
★4回裏
マウンドはサンチェス。
青木は四球。無死一塁。山田哲は一邪飛。村上は右前打。一死一、二塁。西浦は投内野安打。一死満塁。中村は捕邪飛。エスコバーは投ゴロ。4対0。
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サンチェスは再び先頭の青木に四球を与えてしまい、後続にも繋げられて一死満塁という苦しい場面を招いてしまうが、相手打者のミスショットにも助けられて何とか無失点で終える。
ヤクルト側から見れば、この回の反撃次第では、この後の試合展開が大きく変わっていた可能性が高かっただけに、結局無失点で終えた事で敗色濃厚となってしまった。
☆5回表
マウンドは金久保。
坂本は中飛。岡本は三ゴロ。丸は空振り三振。4対0
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落ち着きが出てきた金久保は巨人のクリーンナップを三者凡退で抑える。
★5回裏
マウンドはサンチェス。
山崎は遊ゴロ。金久保の代打・中山は一邪飛。坂口は中前打。二死一塁。青木は一ゴロ。4対0。
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最大のピンチを切り抜けたサンチェスは、マウンドさばきに余裕が出てきた。
二死からヒットで出塁を許すが、難敵・青木をキッチリ抑えた。
☆6回表
マウンドには4番手の長谷川。
ウィーラーは空振り三振。田中俊の代打・中島は左飛。炭谷は四球。二死一塁。サンチェスは空振り三振。4対0。
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替わった長谷川に対して二死から炭谷が四球で出塁するが、後続が倒れて無得点。
★6回裏
マウンドはサンチェス。
山田哲、村上は空振り三振。西浦は二飛。三者凡退。4対0。
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回を追う毎に安定感が出てきたサンチェスは、クリーンナップを完璧な内容で抑える。
☆7回表
マウンドは長谷川。
吉川尚は四球。無死一塁。松原は捕犠打。一死二塁。坂本は右中間適時二塁打。5対0。一死二塁。
マウンドには5番手の星。
岡本は中前適時打。6対0。一死一塁。丸は右翼線二塁打。一死二、三塁。丸の代走に立岡。ウィーラーは空振り三振。中島は二ゴロ。6対0。
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ダメ押し点が欲しかった巨人打線は、四球で出塁した先頭の吉川尚を、松原がキッチリと送ってチャンスを作り、それを坂本がキッチリとモノにするという完璧な流れで得点を奪い、しかも続く岡本にもタイムリーが生まれるというおまけ付きで勝利を不動なモノとした。
★7回裏
マウンドはサンチェス。
中村は中飛。エスコバーは遊飛。
マウンドには2番手の田口。
山崎は二ゴロ。三者凡退。6対0。
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サンチェスはこの回の途中で指を気にするアクシデントがあったが、そのまま続投して二死を難なく奪い、左打者の山崎を迎えたところで田口にスイッチする。
その田口もキッチリと抑えてこの回も無失点で終える。
☆8回表
マウンドは星。
炭谷は空振り三振。田口の代打・石川は四球。一死一塁。吉川尚は遊飛。松原は左飛。6対0。
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一死から石川が四球で出塁するが後続が続かず無得点。
★8回裏
マウンドには3番手の高梨。
星の代打・荒木は遊ゴロ。坂口は一邪飛。青木は空振り三振。三者凡退。6対0。
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替わった高梨は、ほぼ完璧な内容で三者凡退に討ち取る。
☆9回表
マウンドには6番手の寺島。
若林は左飛。岡本は投ゴロ。立岡は三直。6対0。
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「岡本のもう一発」を期待していた巨人ファンも多かったと思うが、その願いは叶わなかった。
★9回裏
マウンドには4番手のビエイラ。
山田哲は四球。無死一塁。村上は三飛。西浦は遊ゴロ。二死一塁。中村の代打・宮本の投球間に一塁走者が二塁進塁。宮本は二ゴロ。試合終了。6対0。
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最後に登場したビエイラは、先頭の山田に四球を出してしまうが、その後はストライクゾーンにボールを集めて力勝負で抑えきった。
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【ゲームスコア】
巨 人 103 000 200 6
ヤクルト 000 000 000 0
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勝利投手 巨人 サンチェス (8勝3敗0S)
敗戦投手 ヤクルト 吉田大喜 (2勝7敗0S)
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本塁打
巨人 松原 3号(3回表ソロ) 、岡本 26号(3回表2ラン)
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【状態チェック・主力打者編】
★吉川尚輝
バッティングの状態は可もなく不可もなくで、特段、悪い箇所は見当たらない。
ここ最近は相手に攻め方を研究されて、ストレート系でファールを打たされ、低めのフォーク系を振らされるパターンが多くなっている。
彼のバッティングスタイル、バッティングアプローチだと、追い込まれてからはなかなか出塁を期待出来ないので、カウント球の甘いボールを積極的に叩いていく姿勢(集中力)が強く望まれる。
その為には、打席に入る前にしっかりと頭の中で「準備」しておくことが重要である。
★松原聖弥
吉川尚と同じで、追い込まれる前の甘いカウント球を一発で仕留める高い集中力が望まれる。
一方で、吉川尚以上に「思い切りの良い打者」「振り幅の大きい打者」ではあるが、その分、逆に脆さもあるので、なかなか打率が上がってこない。
しかしながら、以前よりもボールを長く見れるようになってきたし、配球を読めるようにもなってきたので、打席での安定感は確実に増している。
ここまで山あり谷ありだが、確実に成長していると思う。
★坂本勇人
バッティングの状態としては良い意味で平行線、特段良くも悪くもない印象。
今年はずっと同じだが、試行錯誤するかのように打席毎に明らかにバッティングアプローチを変えている。
とにかくランナーを返したいときは、スタンスの幅をやや広めにとって、センターを中心にストレート系にも振り負けないようにコンパクトなスイングを心がけ、逆に流れを変えるような長打が欲しい場面ではスタンスをやや狭めて、やや強引にでも引っ張りにかかるスイングをしようとしている。
★岡本和真
バッティングの状態としてはあまり良くないか?
まあ、仕方がない事だが、やはり結果を欲しがってボールを迎えに行ってしまうケースが多い。
そうするとグリップが体から早く離れてしまうので、どうしてもスイングの軌道が遠回りになってしまう。
その結果、ストレート系に差し込まれてしまって、そこを意識し過ぎると逆に甘い変化球を逃してしまうという悪循環に陥ってしまう。
やはり、今はそこを意識しないで素直にセンターから右中間方向にライナーを飛ばす意識で打席に立った方が良いと思う。
この試合で放ったHRは、追い込まれた状況だったので、コンパクトなスイングを心がけた結果が最高の形となり、その後のタイムリーも、無理にボールを追っかけることなく素直にセンターに弾き返したタイムリーだった。
あえて極端に言うなら、両打席ともに無欲の中で生まれたタイムリーだったと思う。
両打席とも、本人からすればストレス発散とはいかないスイングなのかもしれないが、今は心を上手く制御して一打席を大切にして欲しい。
相手はそんな彼の心情(焦り)を察して、何とかボール球を振らせようと誘っているし、今はそれに乗っかってしまっている打席が多い。
ここはあえて冷静かつ客観的に自分の打席を振りかえって欲しい。
そうすれば「待ち」の姿勢が本人の中から自然と生まれて、甘いボールを一発で仕留められる集中力も生まれてくると思う。
そして、その積み重ねが二冠王への最大の近道だと思っている。
★丸佳浩
やや調子は下降傾向かもしれない。
先週まではトップの形を作る過程が自然体でスムースだったが、今はヒッチの動きがややぎこちないので、タイミングを合わせるのに苦労しているフシを感じる。
しかしながら、彼が最もダメな時に見られる「右ひざが早く割れて、インパクトで踵体重になる形」には、まだなっていないのでそこまで深刻にはとらえていない。
というか、多分、直ぐに調子を取り戻す可能性の方が高いと見ている。
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【状態チェック・主力投手編】
★サンチェス
ここ最近、比較的安定した投球を続けることが出来ている最大の要因は、スプリットで空振りが奪えるようになってきたこと。
シーズン序盤は勝負球に苦しんでいたが、このボールで面白いように相手が空振りするようになったので、明らかに投球の幅が拡がった。
しかしながら、やはり相変わらずナーバスになりやすいというか、完璧主義というか、カウント球からコースを狙いすぎて、ボール先行になることが決して少なくないので、結局四球からリズムを崩して捕まってしまう事も多く見られる。
まあ。。性格の問題なんだろうけど、もう少し投球に大胆さが出てくれば、もっと勝てる投手になる素養はあると思う。
★高梨雄平
ここ最近、状態が良い時と悪い時の差が極端になる傾向があるが、シーズンも佳境に入り、疲れも当然あるので仕方ないと思う。
打者目線ではボールの出処が分かりにくいし、投球に角度を感じるタイプなので非常に厄介この上ない。
まあ、ある程度内角を意識している時に、肩口から甘い変化球が曲がってくるとワンチャンあるくらいのレベルの投手である。
ファン目線で見ると多少、四球癖の傾向を感じるくらいかなと。。。唯一の心配点は。。。
以上 敬称略
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