「頑張れデラロサ!!」
2020.10.23 読売ジャイアンツvs阪神タイガース 21回戦 ゲームレポート詳細版
【イニング経過、雑感】※イニング経過は巨人公式HPより抜粋
☆1回表
先発は今村。
近本は見逃し三振。糸原は二ゴロ。マルテは四球。二死一塁。大山は二ゴロ。0対0。
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今村は立ち上がりから非常に安定感があった。
ボールの走り、変化球のキレも申し分ないし、制球も抜群に良かった。
また、彼の悪い代名詞と言える「一発病」も、マルテ・大山に対して低めに集める意識が徹底されていたので、過度に心配する必要はなかった。
★1回裏
先発は西勇。
吉川尚は右前打。無死一塁。松原は投併殺打。坂本は二飛。0対0。
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苦手の西に対して巨人打線はいきなり吉川尚がヒットで出塁したが、続く松原が併殺打に終わってチャンスを潰してしまった。
その西のデキは、初回を見る限りボールにキレを感じなかったので、調子が良いという印象は受けなかった。
☆2回表
マウンドは今村。
陽川は三ゴロ。中谷は空振り三振。梅野は三ゴロ。三者凡退。0対0
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今村の方は安定した投球で相手に全く隙を見せずに三者凡退で討ち取る。
★2回裏
マウンドは西勇。
岡本は遊ゴロ。丸は中越えソロ本塁打。巨人先制。1対0。若林は左翼線二塁打。一死二塁。田中俊は一ゴロ失策。2対0。一死一塁。大城は右前打。一死一、三塁。今村はスクイズ成功。一塁失策で出塁。3対0。一死一、二塁。吉川尚は遊ゴロ。二死一、三塁。松原は右飛。3対0。
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やはり、岡本への投球を見ても西は調子がイマイチだった。
その岡本はショートで討ち取ったが、丸に対してはボール先行から甘く入ったカットボールを完璧に捉えられた。
その後、巨人打線は若林のラッキーな二塁打を皮切りに二点を奪うが、もうこれは西が気の毒でしかない。
マルテは何とこの回だけで三つのエラーをしたが、その中でも特に田中俊のゴロを弾いた後、それを無理な体勢からバックトスをしたプレーはお粗末というか、あまりにも酷いプレーだった。
言い方が悪いが、ぶっちゃけ守備コーチが舐められているというか、普段からコミュニケーションが取れているのかさえ疑問に感じるプレーだったし、野球人としてはそれくらい「許せないプレー」だった。
☆3回表
マウンドは今村。
熊谷は三ゴロ。西勇は空振り三振。近本は捕飛。三者凡退。3対0。
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先頭の俊足・熊谷の三遊間のゴロを好捕し、倒れながら矢の送球でアウトにした岡本のファインプレーが大きかった。
個人的にはゴールデングラブは高橋周平との二択だが、贔屓目抜きにしても岡本が最有力だと思うし、大票田?である多くの阪神担当記者が見守る中でのこのプレーは、初受賞の決め手となるかもしれない。
そして「いつもの今村」なら、味方が得点すると直後の投球内容が急変するケースが多々あるが、この試合ではそんな雰囲気を微塵も感じなかった。
キッチリと三者凡退で抑える。
★3回裏
マウンドは西勇。
坂本は四球。無死一塁。岡本は一飛。丸は右飛。若林は二ゴロ。3対0。
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先頭の坂本の四球から一気に西をノックアウトしたかったが、後続が倒れて無得点に終わる。
☆4回表
マウンドは今村。
糸原は二直。マルテは左越えソロ本塁打。3対1。大山は中前打。一死一塁。陽川は遊撃併殺打。3対1。
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この回の今村はボールが真ん中周辺に集まってしまっていた。
先頭の糸原の二直も捉えられた打球だったし、マルテの一発は打たれて当然の真ん中直球、大山にも勝負球の外角ストレートがやや甘くなってしまった。
ちょっと雲行きが怪しくなりかけていたが、こういう投手が苦しんでいる状況で、バック(守備)が助けてくれるのが今シーズンの巨人だった。
一死一塁という状況で陽川のボテボテのショートゴロを、坂本が華麗なグラブさばきでダブルプレーを完成させた。
拙守で投手の足を引っ張る阪神と、好守で投手を盛り立てる巨人、この両チームの潜在的な力量差を象徴するゲームだった。
★4回裏
マウンドは西勇。
田中俊は一ゴロ。大城は空振り三振。今村は二飛。3対1。
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下位打線だったこの回は三者凡退で攻撃を終える。
☆5回表
マウンドは今村。
中谷は三ゴロ。梅野は空振り三振。熊谷は遊ゴロ。三者凡退。3対1。
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味方の好守で力を得た今村は、再びネジを巻きなおして阪神打線を危なげなく三者凡退で抑える。
★5回裏
マウンドは西勇。
吉川尚は中前打。無死一塁。松原の打席で吉川尚が二盗、悪送球で無死三塁。松原は一塁失策。無死一、三塁。坂本は左前適時打。4対1。無死一、三塁。岡本は四球。無死満塁。丸は空振り三振。若林は左前適時打。5対1。一死満塁。田中俊は一ゴロ。大城は左飛。5対1。
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中押し点が欲しい巨人打線は、先頭の吉川尚がヒットで出塁し、すかさず二盗を仕掛けてこれが悪送球に繋がり無死三塁という大チャンスを作る。
そして松原が四球で歩いた後、このチャンスで坂本がキッチリとタイムリーヒットを放つ。
続く岡本が四球で満塁となり、丸の三振で一瞬嫌な感じになるが、続く若林が貴重な5点目となるタイムリーを放って打ち消した。
まあ、欲を言えば後続の田中俊・大城にもう一本欲しかったが、そこは相手もエースなので仕方あるまい。
結局、この回も阪神はミス絡みで余計な進塁を許し、それが失点に繋がってしまった。
☆6回表
マウンドは今村。
西勇の代打・原口は一飛。近本は左飛。糸原は二ゴロ。三者凡退。5対1。
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中押し点を貰った今村は、力強いストレートで打者を押し込んで三者凡退で抑える。
★6回裏
マウンドには2番手の岩貞。
今村、吉川尚は見逃し三振。松原は空振り三振。5対1。
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替わった岩貞に対して巨人打線は三者連続三振を喫する。
☆7回表
マウンドは今村。
マルテは一飛。大山は右飛。陽川は遊ゴロ。三者凡退。5対1
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今村はやや変化球が抜け始めていたが、阪神の淡白な攻撃にも助けられてこの回も三者凡退で抑える。
★7回裏
マウンドには3番手の桑原。
坂本は中飛。岡本、丸は遊ゴロ。5対1。
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替わった桑原に対して巨人のクリーンナップは三者凡退。
☆8回表
マウンドは今村。
中谷は左邪飛。桑原の代打・坂本は四球。一死一塁。熊谷の代打・サンズは左前打。一死一、二塁。サンズの代走に小幡。原口は左中間2点二塁打。5対3。一死二塁。
マウンドには2番手の高梨。
近本、糸原は空振り三振。5対3。
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前の回から変化球が抜け始めていた今村は、先頭の中谷に対してその甘いスライダーを捉えられるが、レフトの若林の好プレーで助けられる。
ここで大城も「異変」を察知して、ストレート系の割合を増やすが、続く坂本に四球を与えてしまい、サンズにヒットを打たれ、原口には左中間へのタイムリー二塁打を浴びここで交代。
替わった高梨は、後続打者を完璧な内容で追加点を許さなかった。
★8回裏
マウンドには4番手の岩崎。
若林は捕邪飛。田中俊の代打・ウィーラーは三直。大城は見逃し三振。5対3
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ダメ押し点が欲しい巨人打線だったが、替わった岩崎に対して三者凡退で攻撃を終える。
☆9回表
マウンドには3番手のデラロサ。
マルテは右飛。大山は四球。一死一塁。陽川は左前打。一死一、二塁。陽川の代走に島田。中谷は左前適時打。5対4。一死一、二塁。
マウンドには4番手の田口。
岩崎の代打・糸井の打席で田口が暴投。一死二、三塁。糸井は空振り三振。小幡の代打・植田は右飛。試合終了。5対4。
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替わったデラロサは先頭のマルテを討ち取るが、続く大山に対してカウント0-2から際どいコースを悉くボール判定され、結局四球を与えてしまい、これで試合の流れが一変してしまう。
そして、陽川、中谷と連続ヒットを浴び、1点差で連投中の田口を投入せざるを得なくなってしまった。
その田口は暴投でそれぞれ進塁を許してしまい、一打逆転という絶対絶命のピンチを迎えるが、ここからまさに魂の投球を見せて糸井を三振、植田を右飛に討ち取ってゲームセット。
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【ゲームスコア】
阪神 000 100 021 4
巨人 030 020 00X 5
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勝利投手 巨人 今村 (4勝2敗0S)
敗戦投手 阪神 西勇 (10勝5敗0S)
セーブ 巨人 田口 (5勝5敗1S)
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本塁打
阪神 マルテ 4号(4回表ソロ)
巨人 丸 23号(2回裏ソロ)
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【巨人選手評価】◎最高評価選手 〇高評価選手
◎田口麗斗
試合の流れ、球場の雰囲気から良くて同点、ぶっちゃけ逆転まで覚悟する状況での登板だった。
しかも自身のワルドピッチも重なってしまったので、その覚悟は更に色濃いものとなったが、ここからまさに魂のピッチングで凌ぎきった。
彼は先発で集中力を長く保つことは比較的苦手なのかもしれないが、「メンタルの瞬発力」というか「骨太のメンタル」というか「ここ一番の瞬間的な集中力」が必要な場面では、菅野レベルの真の強さを感じる。
彼に150キロのストレートが有れば文句なしに守護神で起用されると思うが、残念ながらそれは持ち合わせていないので、今後もセットアッパーの域を出ないかもしれない。
しかし、個人的にはデラロサの状態云々、他の左腕セットアッパー(中川・高梨・大江)の存在を抜きにして考えるなら、将来的に彼を抑えとして起用することも十分ありえると思うし、それを可能だと思わせるナイスピッチングだった。
〇今村信貴
序盤から飛ばしまくっていたので終盤のガス欠は仕方あるまい。
それにしてもこの試合の投球は抜群に良かった。
前段で指摘したようにストレートの走りは抜群だったし、何よりも以前よりボールに角度を感じるようになってきたので、相手打者の反応を見ると打ちづらそうにしている。
このボールを安定的に投げられるようになれば、来季以降も先発の柱として十分にやっていけるし、もしかしたら日本シリーズでの大活躍も期待出来るかもしれない。
〇高梨雄平
8回、阪神に一気に傾きかけた流れを遮断する見事な投球だった。
本来ならこれで危なげなく9回も終えるところだが、結果的にそうはならなかったものの、彼のナイスピッチングの価値は決して色あせることはない。
〇若林晃弘
シーズンも佳境を迎えて連日、好守で存在感を発揮している。
特に外野守備に関しては去年よりも球際に強くなっているし、打球判断も素早くなっている。
これだけ守備が安定していると、スタメンのチャンスは増えるし、それがバッティングに好影響を与えている。
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【気になった巨人選手】
※デラロサ
多くの巨人ファンはデラロサを非難するだろうが、個人的にはそんなに内容は悪くなかったと思っている。
特に局面を大きく変えるキッカケとなった大山への投球はまさに紙一重で、別の審判ならあっさり三者凡退で試合が終わっていたのかもしれない。
まあ、それでも抑えて貰わねば守護神としては困るんだが、過去の某外国人リリーフとは違って、一見、理不尽にも思える交代命令に対しても、淡々と現実を受け止めて、後を託す投手をベンチで見つめる姿には敬意を表したい。
「がんばれ! デラ!!!」
以上 敬称略
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