広告

「秋広優人を中心に一軍メンバーのフリーバッティングを総チェック」

広告

2021.2.16 読売ジャイアンツ春季キャンプレポート

宮崎で一次キャンプを張っていた一軍本体がS班に合流し、今日から沖縄二次キャンプがスタートした。

本日のキャンプトピックス(沖縄二次キャンプ第1クール1日目)
★沖縄一軍
➀戸郷翔征の熱のこもった投球に周囲は絶賛の嵐
横からの映像からでも凄まじいボールをビシッと決めていた。
➁一軍野手が揃ってフリーバッティングを行う(詳細は後述)

★宮崎二軍、三軍
➀今季初の対外試合でソフトバンクに6―0で大勝
投手では先発の野上が2回を無失点、育成ルーキーの山崎友と奈良木が1回無失点デビュー。
野手ではルーキーの中山が満塁の場面でタイムリー、二三塁の場面で伊藤海がランニングHRを放つなど、若手の活躍が目についた。

★その他
➀八百板卓丸(24)が支配下入り
2019年オフに楽天から戦力外通告を受け、新たに巨人と育成契約を結んだ昨シーズンは二軍で着実にに結果を残し、二年目(巨人在籍)の今キャンプでは紅白戦で結果を残して見事に再支配下登録を果たした。
背番号が009から51に変更となる。
——————————–
➁NPBは今年の2月に行われるオープン戦を全て練習試合に変更
全て無観客試合として行われる予定。
合わせて巨人は3月3日、4日に東京ドーム行われる予定だったヤクルト戦の試合時間を、午後6時から午後3時に変更された。
——————————–
➂原監督が沖縄での実戦(紅白戦)追加を示唆
当初、休日を除いた沖縄キャンプの実働11日のうち、対外試合を含めて「実戦」を7試合予定していたが、これを1試合追加して計8試合にすることを示唆し、合わせて紅白戦の試合時間を予定よりも30分後ろにずらして打撃練習の時間を確保する模様。
——————————–

【フリーバッティング雑感】
★坂本勇人
久しぶりに彼のバッティング練習をじっくり見たが、例年以上の好仕上がりという印象を受けた。
今年のGキャンプのフリーバッティングは、打撃投手が2m前に出て投球しているので、打者は当然ながら体感的に球速が上がる筈だが、彼の場合は全く投球に差し込まれている様子がない。
早めに始動して下半身主導でトップをバチっと作るので、綺麗な「割れの形」が作られているし、「間」を感じる懐の深いバッティングになっている。

★亀井善行
一球一球スイングの軌道をチェックするようにコースに逆らわないバッティングを意識していた。
意識的には強いスイングよりもしっかりバットの芯で捉えようとしていた。

★中島宏之
亀井と同様に決して力むことなく自分のバットスイングの軌道をチェックしながらフリーバッティングを行っていた。

★梶谷隆幸
右肩の壁を壊さない事を意識付けしている段階で、打球が左中間からレフト線に集中している。
ここまで打球を遠くに飛ばそうとする意識は微塵も感じない。

☆岡本和真
「グリップが体から大きく離れる構え」が少し気になっていたが、横からのバッティング映像を見たら、トップの位置、トップを作る過程も申し分ないし、上半身に力みがなく「遊び」を感じる上半身の動きなので「力みによる遅れ」も見られず、全く問題なかった。

☆丸佳浩
筆者の気のせいかもしれないが、去年よりも左の軸足に体重を置くことを意識し、スイングする際の右足のステップ幅もやや狭くなっている印象を受けた。
引き続き注視していきたい。

☆ウィーラー
去年のシーズン後半、明らかにバッティングを崩してしまったが、日本シリーズではかなり良くなっていた。
今回の映像を見る限り、日本シリーズの良かったバッティングが継続されている。
悪い時はトップを作る過程でもスイングする過程でも下半身が上手く使えずに、上半身と下半身の動きがリンクされていなかった(連動性がなかった)が、今は手探りだった(ぎこちない)トップを作る前の左足のすり足が、かなりスムースに出来ており、これによってトップを作ってからスイングする形が出来ているので、当てに行くようなスイングではなく力強さを感じるスイングになっている。
あとは実戦でどこまでこの形を極力崩さずに出来るのか?

☆吉川尚輝
下半身のドッシリ感が増し、インパクトの力強さが増している印象。
表現は難しいが、去年まではインパクトの瞬間(ボールを捉えた瞬間)は軽く弾き返すようなスイングに見えていたが、今日の映像ではインパクトの瞬間に「重さ」を感じる力強さがあった。

★陽岱鋼
左肩の壁が早く壊れてしまう(体の開きが早くなる)悪癖を修正することに主眼を置いたスイングだった。
彼の場合はその悪癖もあって、スイング軌道も外回りになりがちだったが、今はバットを体の内側から出す意識を徹底している。

★若林晃弘
年々バッティングが良くなっている。
彼のバッティング技術で評価できる最大のポイントは腕の使い方。
インパクトの瞬間にしっかり腕を伸ばして、スイングによって生まれたパワーをしっかりボールに伝えることが自然に出来ている事。
体に似合わず(線が細い)プロ実質二年(初年度は一軍打席少ない)で7本のHRを放っている最大の理由はそこにある。

★石川慎吾
彼の場合は左キラーとして左投手のストレート系の攻略はマストだったが、去年はそのボールを悉く打ち損じてファールにしてしまい、最後はボールゾーンに変化球を投げられて仕留められていた。
元々、左投手の甘えスライダー系や投げ損ないの半速球が「ツボ」だったが、ここでも打ち損じも多かった。

★松原聖弥
去年は無我夢中の一年だったが、それなりの実績をあげたことで、今年は地に足をつけたキャンプを送っている印象。
但し、今年は梶谷とテームズの加入で立場はより厳しくなっているが、これからの実戦で結果を残し続けて是非とも力で開幕スタメンを勝ち取って貰いたい。
去年のバッティングを見ると、その器用さが逆にアダとなって、ボール球に手を出すケースが少なくなかった。
今年も間違いなく相手バッテリーはそこを狙ってくる筈なので、いかに我慢できるか?
更なる飛躍を遂げるには出塁率も鍵となる。

☆湯浅大
去年、オープン戦で結果を残して初の開幕一軍入りを果たしたが、結局プロ初安打も達成できずにシーズンを終えてしまう。
今年は見るからに筋肉量が増え、体の力強さが増している印象だが、ここまでの実戦を見ていると、まだまだバッティングが淡白で、打席での粘りが感じられない。
一軍でチャンスを貰う為には「打てそうもない時でもどうにか爪痕を残すバッティング」を見せていく必要がある。
特に彼のようなサインプレーを着実に遂行することを求められる選手には、打席での粘りは「信頼感」に直結してくる。

☆八百板卓丸
まさに自分を叩いて叩いて叩き上げて作り上げたバットスイング。
センスを感じるのは構えからトップを作る過程で、一切の無駄や隙を感じない。
ハンドリングも非凡で、内角の厳しいボールの対処も出来ている。
タイミングの取り方も自然で上手いので、投球に対して自分から突っかかっていくのではなく、しっかり手元まで呼び込んでからスイングしている。
松原とタイプが被るが「バッティングに癖がない」という意味ではこちらに分があるかもしれない。

☆北村拓己
西武・山川の助言で、構えでややスタンスを狭め、そこから始動して下半身でコの字を書くようにタイミングを計って、「間」を作るバッティングに変えた。
元々スイングは力強く、去年も甲子園のセンター左に叩き込むパワーを見せたし、モノになったらホームランを量産する能力は持っていると思う。
但し、先日の紅白戦やシートバッティングを見た印象では、まだまだ試行錯誤している段階で迷いを感じるスイングが多い。

☆秋広優人
原監督や阿部二軍監督が言うように、現時点で彼のバッティングを見て明確に修正すべき箇所は見当たらない。
まず感心するのは、構えが抜群に良い事。
世間では大谷翔平とソックリと言われているが、個人的には侍ジャパン監督の稲葉に似ている。
右足はややオープンスタンスながらも、腰の位置・方向はしっかり投手に向いており、グリップの位置も理想的で申し分ない。
この構えを見ただけでも相手投手は「威圧感」「懐の深さ」を感じる筈だ。
この大きな構えから、トップを作る過程で下半身に無駄な動きは一切なく、上半身も両腕を上手に操ってグリップ(バット)が常に顔の傍から離れず、そこから一気に腰を中心にバットが巻き付くようなスイングで、右膝の割れも我慢出来ているし、何よりも腰が投手に向かっているので、体が早く開いてスイングするケースも殆ど見られない(プロの水に慣れれば左投手も間違いなく苦労しない)
そして最後の大きなフォロースルーまで一切無駄がない。
大谷翔平と似ている個所をあえて探すなら、この腰の使い方が最も近い。
但し、それでもまだまだ下半身は鍛える余地が多くあり、現状はインパクトの瞬間に下半身の粘りが足りずに上体が伸び上がってしまうので、まだまだ即戦力とは言い難いのが正直な感想。
そこで思い出すのが、同じ長身野手ということで、古いG党には駒田徳広の歩みが記憶として蘇る。
駒田は当時の師匠である王貞治の長打力を求める「教え」では疑問が拭いきれず、自分が納得できるスイングはついに完成しなかったが、彼が去った後に再び指揮を執った藤田元司監督の下で、型にハメ込まずに自分のスタイル(中距離砲・ヒットメーカー)を貫いた事で二千本安打の道を作った。
後年、当時を振り返った駒田は、自分ではバットコントロールに自信があったが、王貞治はそれをヨシとはせずに自分と同じように荒川道場まで体験させて長距離砲にすべく始動された。
当時は王自身も指導者としてのキャリアが浅く、何とか自分(王)の後継者となる長距離砲を育成したかたっという一心だったかもしれないが、本人は納得しないまま練習をしていたらしい。
その指導がある意味その後の駒田の成長にプラスに働いた面もあるとは思うが、遠回りしてしまった側面も否めないだろう。
そこで大事なのは、その選手のポテンシャル、選手本人が描く将来像を指導者が汲んだ上で、納得した上で技術指導、育成しないと失敗に終わるということ。
現状、同じ高卒ルーキー当時の駒田と秋広を比べて元々のスイング軌道、スイング幅の大きさが全く違うし、長打力という観点では秋広の方に資質を感じる。
本人もインタビューの中で「先輩プロ選手と比べて現時点で負けていない練習は?」という問いに対して「ロングティー」と答えている。
つまり、本人もボールを遠くに飛ばすことが自分の最大の武器だと認識している訳である。
それなら周りの指導者は長距離砲としてどのように育てるのか?
その絵図を描いて、それをしっかり本人に説明する必要があるだろう。
但し、ぶっちゃけ、このルーキーの恐ろしさは、駒田の武器だったバットコントロールにも非凡な才能を持っているので、今年から仮に一軍に置いてもそれなりのヒット数は期待出来るだろう。
それくらいの「素材」であることは間違いない。
しかし、個人的にはバットコントロールに頼ってしまう打者になってほしくない。
本人がヒットを打つ感覚を「下手に覚えてしまう」と、大物感を失われてしまう可能性が高い
前段で書いたように育成の方針を全指導者が共有し、その絵図を本人が納得するまで説明することが大事であり、行き当たりばったりの指導では成長を阻害させるだけである。
よって「二軍で体力作りをさせろ」という声も多く聞かれるが、個人的には彼を一軍に置く明確な意味が首脳陣にあるのなら全く問題ないと考える。
——————————–

フリーバッティングはこの他に捕手陣4名(炭谷銀仁朗、小林誠司、大城卓三、岸田行倫)も行ったが、彼らについては後日改めてコラムの主題ネタとして考えているので、今回は割愛する。
さて、いよいよ明日から対外試合がスタートする。
弊コラムでは例年通りの切り口で試合雑感を行い、G選手の論評だけではなく対戦相手の新戦力や注目選手についてもGファン目線で切り込んでいきたい。

以上 敬称略
超激辛NPBコラムはTwitterでも活動しています。(超激辛NPBコラムTwitterはこちらをクリック)
Twitterではblogで書ききれなかった事や、ファームの試合雑感、G以外他チームの試合雑感、注目選手の評価、ブログ更新情報など、様々な発信をしております。
又、ブログについての感想やご意見もこちらで受け付けております。
このブログを読んで気に入った方は是非ともフォローしてください。
尚、フォローバックにつきましては、基本的にコメントのやり取りをした方に対してのみ行いますのでご了承ください。(超激辛NPBコラムTwitterはこちらをクリック)
にほんブログ村 野球ブログ 読売ジャイアンツへ
いつも応援有り難うございます!
あなたからの清き一票がブログを更新する原動力となりますので、是非、上記バナーをクリックして応援をお願い致します!