読売ジャイアンツ春季キャンプレポート 2021.2.28
練習試合 読売ジャイアンツvs横浜DeNAベイスターズ 雑感
【ジャイアンツオーダー/攻撃内容/野手短評】
1番(指)梶谷隆幸
➀(P濱口)カウント2-1から内角低めストレートを捉えて右線二、無死二塁
➂カウント2-2から外角スライダーを合わせに行って遊ゴロ、二塁封殺、一死一塁
<短評>
本人的にはまだ多少のズレを感じているかもしれないが、バッティングの仕上がりは上々と言える。
特に低めのボールに対する反応が抜群に良い。
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⇒⇒(打)中島宏之
➄初球の真ん中ストレートを捉えて中安、無死一二塁
<短評>
一打席のみだったが、初球の甘いストレートをキッチリ一発で仕留めるあたりに順調な調整ぶりが伺える。
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⇒⇒(打)小林誠司
➅カウント3-1からストレートが外れて四球、二死一二塁
➈カウント2-0から外角ストレートを捉えて中安、一死一塁
<短評>
第二打席はストライクを取りに来た甘いボールを一発で仕留める。
2番(遊)坂本勇人
➀カウント0-1から真ん中高めのストレートを捉えて右適安(打点1)、無死一塁、G1-De0
➂フルカウントから真ん中ストレートを捉えるが右飛、二死一塁
<短評>
彼に関しては何もいう事がない。
構え、トップを作る過程、スイング軌道、どれをとってもケチ付けるポイントが浮かばない。
又、形が出来上がっているからこそ、際どいボールを振りに行きつつ途中でやめる事が出来ている。
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⇒⇒(遊)吉川尚輝
➄カウント1-1から内角ストレートにやや差し込まれて左飛、二塁走者の松原が好走塁で三進、一死二三塁
➅カウント0-2から外角ストレートを合わせるが遊ゴロ、チェンジ
➈カウント0-2から外角スライダーを見三振、二死一塁
<短評>
ややタイミングを合わせるのに苦労している印象で、自分のスイングが出来ていない。
3番(中)丸佳浩
➀フルカウントからカーブが外れて四球、無死一二塁
➂フルカウントから内角低めのチェンジアップを空三振、チェンジ
<短評>
昨日も指摘したが、やや体の開きが早くなっているので、外甘のボールを捉えきれずにファールにしてしまうケースが多い。
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⇒⇒(中)陽岱鋼
➄⇒捕手からの三塁牽制が悪送球、この間に三塁走者と二塁走者が本里生還、G3-De0
⇒⇒カウント3-1からストレートが外れて四球、一死一塁
➆(P国吉)カウント2-2から外角ストレートをバットの先で一ゴロ、一死
➈初球の外角ストレートを完璧に捉えて中越本(打点2)G6-De1
<短評>
二盗が貴重な追加点を呼び込み、最後は見事なバッティングで完璧なHR。
キャンプ序盤の状態はかなり心配していたが、ようやくキャンプ終盤から結果を残し、今キャンプの連日早出特訓が形となって表れた。
4番(左)ウィーラー
➀カウント2-1から真ん中低めのストレートに対して逆方向を意識して右飛、一死一三塁
➃(P濱口)カウント0-2から真ん中ストレートを捉えるが大きな中飛、一死
<短評>
バッティングアプローチとしては悪くは無いが、やはり前回指摘した通り、もう少しトップ(グリップの位置)がキャッチャー寄りにならないと、当てに行くようなスイングになって「もうひと伸び」が打球から生まれない
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⇒⇒(左)八百板卓丸
➄カウント2-2から外角低めのフォークを空三振、一塁走者の陽が二盗成功、二死二塁
➆フルカウントから真ん中低めのスライダーを空三振、二死
<短評>
ストレートを捉えきれずミスショットを繰り返し、最後は低めの変化球で空振りをしてしまう内容が続いてしまった。
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⇒⇒(左)石川慎吾
➈フルカウントから内角高めの直球を完璧に捉えて左越本(打点1)、G7-De1
<短評>
苦手だった右投手の内角高めのストレートを豪快に振り抜いた。
5番(捕)大城卓三
➀⇒カウント3-1からエンドランがかかって真ん中カーブを空振り、一塁走者が二盗失敗、二死三塁
⇒⇒フルカウントから真ん中低めのカーブを空振り三振、チェンジ
➃フルカウントから外角低めのストレートを見切って四球、一死一塁
➄カウント1-0から外角ストレートに反応し、特殊シフトで広くなった三遊間を狙い打って左適安(打点1)、G4-De0
<短評>
バッティングの中で明らかに去年と変わった点がある。
それは構えの時のグリップの位置で、去年まではややグリップをヒッチさせてトップの形を作っていたが、今年はグリップを上下させずに高い位置に置いたまま振り下ろしている。
個人的にはこの「改造」は賛成で、彼の悪癖はトップの時にグリップが落ちて、顔とグリップが大きく離れたところから振り出してしたので、どうしてもスイング始動が遅れて高めのボールを捉えきれなかった。
まだまだ試行錯誤だとは思うが、是非ともこれを続けてモノにして欲しい。
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⇒⇒(捕)炭谷銀仁朗
➆カウント2-2から外角ストレートを空三振、チェンジ
➈カウント0-1から真ん中低めのカットボールを打ち損じて遊飛、試合終了。
<短評>
去年と同様にここまでミスショットが続いしまっている。
6番(二)北村拓己
➁(P濱口)カウント0-2から外角チェンジアップを引っかけて投ゴロ、一死
➃初球の外角低めのチェンジアップを合わせにいって中飛、二死一塁
➄カウント1-2から外角低めのカットボールを引っかけて三ゴロ、チェンジ
➇(P笠井)カウント2-2から真ん中高めのストレートをややバットの先で遊ゴロ
<短評>
結果は出なかったが、しっかりボールを呼び込んでからスイングする形は崩れていないので、この試合だけで評価が下がる事は無いだろう。
7番(一)秋広優人
➁フルカウントから真ん中高めのストレートを空三振、二死
➃カウント3-1からスライダーが外れて四球、二死一二塁
➅(P池谷)初球の外角ストレートを捉えるがややバットの先で左飛、一死
➇カウント1-1から外角ストレートをバットの先で遊失、一死一塁
<短評>
明らかに下半身に疲れを感じるバットスイング。
やや上体が突っ込み気味になってるので、下半身の力がバットに伝わっていない。
8番(三)若林晃弘
➁カウント2-2から外角低めのチェンジアップを空三振、チェンジ
➃フルカウントから低めのボール球のストレートに手を出し空三振、チェンジ
➅カウント2-0から外角低めのストレートを引っかけて遊ゴロ、二死
<短評>
結果は出なかったが、右打席に関しては年々進化を感じる。
但し、左打席と比べると、ボール球の見極めはまだまだ甘い。
サードの守備では六回にミスが生まれたが、やや打球判断に迷いが見られて動きに余裕が無くなりミスしやすくなっている。
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⇒⇒(打三)湯浅大
➇初球の内角ストレートに詰まって遊併打、チェンジ
<短評>
焦る気持ちは分かるが、やみくもに打ちに行っても良い結果は生まれない。
9番(右)松原聖弥
➂(P濱口)カウント2-0から真ん中高めのストレートを捉えて右安、無死一塁
➄(P武藤)フルカウントから真ん中ストレートを捉えて右安、無死一塁
➅カウント3-1から外角高めのストレートを見切って四球、二死一塁
<短評>
結果だけ見れば満点に近いが、第二打席の中身を見ればまだまだ甘さを感じざるをえない。
カウント3-0から甘いストレートを打ちに行くのは良いが、問題はカウント3-1から二球続けてボール球をスイングしてファールにしている。
結局、最後の甘いボールを捉えてヒットを打ったので目立たないが、これが本番になるとそうは上手くいかない。
少なくともカウント3-1からのボールはキッチリ見切って欲しかったし、手を出すべきボールとも思えない。
梶谷の加入で焦る気持ちは重々理解しているが、こういうケースでボール気味の球を見極められる(スイングしようとして止まる)打者の方が首脳陣からすれば頼もしいし、最終的に打率も残すだろう。
素晴らしい資質を彼は持っているだけに、彼にはもう少しバッティングアプローチを勉強してもらいたい。
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⇒⇒(打)岸田行倫
➈(P平田)カウント1-2から外角スライダーを空三振、一死
<短評>
最後は振らされてしまった。
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【ジャイアンツ登板投手/雑感】
☆戸郷翔征
ストレート系の平均球速は140キロ台後半
変化球はスライダー、フォーク、カットボール、ツーシーム
<雑感>
初回は、先頭の神里を真ん中高めのストレートで中飛、田中には内角スライダーでバットを折って一ゴロ、細川は四球、佐野を真ん中スライダーで討ち取るが遊安、宮崎は真ん中ストレートを捉えられるが中飛。
二回は、先頭の倉本を内角低めのフォークで空三振、大和は外角高めのストレートで押し込んで二飛、戸柱は外角高めのストレートに合わせてくるが左飛。
三回は、先頭の柴田を内角ストレートで押し込んで中飛、神里は四球、田中には内角ストレートを捉えられて中安、細川を外角フォークで空三振
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初回は全体的にボールが上ずっていた。
明らかに力んでいたし、リリースポイントが安定していなかった。
二回は一転して力みが消え、ほぼ狙ったコースに決まっていた。
特にフォーク系の精度が良く、打者を完全に崩して空振りを奪う場面が見られた。
三回は、一死からの四球で再び力んでしまっていたが、後続を何とか討ち取って無失点で切り抜ける。
全体的な印象としては、まずまずの内容と言えるが、力んでしまうと全体的にボールが抜けてしまう癖は今のところ解消されたとは言えない。
但し、去年よりも投球にメリハリ(全力投球と制球重視の使い分け)は感じたので、この辺りは桑田コーチのアドバイスが効いているかもしれない。
☆桜井俊貴
ストレート系の平均球速は140キロ台中盤
変化球はスライダー、カットボール、カーブ、フォーク、ツーシーム
<雑感>
四回から登場、先頭の宮崎を真ん中ストレートで三ゴロ、倉本をカーブでタイミングを外して左飛、大和を真ん中ストレートで押し込んで遊ゴロ。
五回は、先頭の戸柱には内角スライダーでやや詰まらせるが中安、柴田には真ん中ストレートを捉えられて右安、神里にも真ん中ストレートを捉えられ左安、田中を内角ストレートで詰まらせ左飛、関根を内角膝元に流れるカーブで空三振、佐野を真ん中チェンジアップで一ゴロ。
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正直言ってやや結果オーライ感は否めないが、本人が課題としていたツーシームで早いカウントからゴロを打たせることが出来ていたので、そこは評価すべきかもしれない。
又、満塁の大ピンチを背負った状況で対戦した田中と関根への投球は素晴らしかったが、一方で、やはりそれ以外の打者には甘いボールがかなり多かったので、そこは「抑えて良かった」では済まさずに大いに反省して欲しい。
☆高梨雄平
ストレート系の平均球速は140キロ前後
変化球はスライダー、ツーシーム
<雑感>
六回から登場、先頭の伊藤光を内角スライダーで見三振、伊藤裕を真ん中ストレートで差し込んで三ゴロ、牧は真ん中ストレートを捉えられて三失、嶺井は外角低めのツーシームで右飛。
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コースはやや甘かったが、全体的にボールが低めに集まっていたので大怪我しない。
ボールのキレもまずまずで、順調な調整ぶりが伺えた。
☆大竹寛
ストレート系の平均球速は140キロ台中盤
変化球はスライダー、チェンジアップ、シュート
<雑感>
七回から登場、先頭の柴田に外角ストレートを捉えられるが遊直、宮本を真ん中低めのスライダーで投ゴロ、中井を外角スライダーで一ゴロ。
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一昨年の絶好調時と比べると、ややボールに角度を感じない(特にシュート)点が若干気になるが、ストレート系が早くも140キロ中盤を連発していたことから体調の良さは感じられた。
変化球もスライダーは良かった。
☆ビエイラ
ストレート系の平均球速は150キロ台中盤
変化球はスライダー、カットボール
<雑感>
八回から登場、先頭の関根を真ん中ストレートで押し込んで左飛、桑原は四球、二盗を許す、伊藤光にはストレートを捉えられ左適安(失点1)、レフト石川のミスで打者走者は二進、伊藤裕は真ん中低めのスライダーで引っかけさせて遊ゴロ、二塁走者は三進、牧を真ん中スライダーで三直。
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微妙なコースをボール判定される不運もあったが、ストレート系の質にややバラツキを感じた。
同じ球速表示でも指にかかったボールと抜け気味のボールでは大きな差があった。
まあ、それでもスライダー系の質などは去年の同時期と比べれば進歩しているので、これからオープン戦でのマウンドを重ねてどこまで修正していけるか?
彼が戦力になればブルペン陣に死角が全く無くなるんだが。。。(多少のケガ人が発生しても補える布陣)
☆中川皓太
ストレート系の平均球速は140キロ台中盤
変化球はスライダー、カットボール、ツーシーム
<雑感>
九回に登場、先頭の嶺井に甘くなったストレートを捉えられて中安、柴田を真ん中スライダーで左飛、宮本を外角ストレートで空三振、中井は外からのスライダーで見三振。
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登板直後の嶺井、柴田との対戦ではボールが真ん中付近に集まっていたが、直ぐに修正して宮本と中井に対してはほぼ完璧な投球で討ち取っていた。
又、左打者の内角付近を突く投球が出来たことも大きな収穫。
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【先発オーダー】
1番(中)神里
2番(一)田中俊
3番(右)細川
4番(左)佐野
5番(指)宮﨑
6番(三)倉本
7番(二)大和
8番(捕)戸柱
9番(遊)柴田
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【スコア】
DeNA 000 000 010 1
巨人 100 030 003 7
<巨人P>戸郷⇒桜井⇒高梨⇒大竹⇒ビエイラ⇒中川
<横浜P>濱口⇒武藤⇒池谷⇒国吉⇒笠井⇒平田
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【総評】
ベイスターズは両外国人不在のまま開幕を迎えそうで、ぶっちゃけ破壊力、威圧感は大きく落ちる。
それよりも巨人ファンの私が言うのは反感を抱かれそうだが、梶谷が居ないベイ打線は得点力が大きく落ちると思う。
彼ほど出塁してくれる(得点に絡んでくれる)打者が今のベイスターズには居ないと言っても過言ではない。
単純にヒットを打つことは佐野や宮崎でも出来るし、長打を打つことはソトやオースティンの方が上かもしれないが、彼ほどの高い出塁率でしかも走力を備えている(本塁に還ってこれる)選手は居ない。
逆に巨人打線にとっては彼の存在は非常に心強く、大きな怪我で長期離脱さえしなければサカマルオカに好影響を与えると思う。
最後に、この試合でベイスターズのルーキー二人(牧と池谷)を見たが、彼らついてはもう少しプレーぶりを見た上で後日改めて論評したい。
ただ、少しだけ触れるなら、牧については大学時代の印象と変わらないが、バッティングアプローチに非凡さを感じた。
以上 敬称略
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